カテゴリー「音楽、映画、読書」の記事

2020年3月24日 (火)

コンテイジョン

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、2011年の映画「コンテイジョン」をあらためて観た。香港出張中に新型ウイルスに感染した女性から世界中に感染が拡大、パンデミック(世界的流行)が発生するというもので、同じようなテーマを扱ったダスティン・ホフマン主演の映画「アウトブレイク」のようにヒーローが登場することもなく、淡々と事態が進行していく。俳優陣はなかなか豪華だが、マット・デイモンら普段は切った張ったの大活躍をする俳優たちも、本作ではまったくの無力だ。また、ネットでフェイクニュースを流し、人々の恐怖をあおる輩が登場するのもさもありなんだ。サブタイトルには、「【恐怖】は、ウイルスより早く感染する」とあるが、パンデミックよりもっと恐ろしいものがあるとすれば、それは人々が冷静さを失うことかもしれない。そういえば、「デビルマン」でも、デーモンは人類の恐怖をあおるだけあおった後はもう手を下さず、人類が自ら滅亡するのを待ったっけ。

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2020年3月18日 (水)

スパイ・バウンド

 1985年、ニュージーランドで自然保護団体グリーンピースの活動船が爆破されるという事件が起きた。当時フランス政府は南太平洋で核実験を行っていたが、これに抗議するグリーンピースがレインボー・ウォーリア号を派遣、核実験を阻止しようとしていた。2度の爆発によってレインボー・ウォーリア号は沈没、1人が死亡し、ニュージーランド当局はすぐにテロ事件であると断定した。まもなくフランス対外治安総局(DGSE)の工作員2人が逮捕、フランス政府は当初事件への関与を否定したが、内外の批判の高まりにより、2ヶ月後には関与を認めざるをえなくなった。ヴァンサン・カッセル&モニカ・ベルッチ主演の映画「スパイ・バウンド」は、このレインボー・ウォーリア事件に基づき、非情な世界に生きるエージェントたちの葛藤を描いた物語だ。カッセルとベルッチは当時実際に夫婦だったが、本作ではともにエージェントして偽装夫婦を演じている。説明が少ないので、1度観ただけではよくわからないところもあるかも。

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2020年3月10日 (火)

マックス・フォン・シドー

 映画「エクソシスト」でメリン神父を演じたマックス・フォン・シドーが死去したとの報。最近では「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で健在ぶりを示したが、100以上の映画・テレビドラマに出演したという。007番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」では、スペクターの首領ブロフェルドを演じたし、フィリップ・K・ディックの「マイノリティ・リポート」やフランク・ハーバートの「デューン/砂の惑星」などSF映画でも存在感を示した。193㎝という長身で、バリトンの美声も魅力的だった。

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2020年3月 9日 (月)

ジョン・ウィック:パラベラム

 キアヌ・リーヴス主演の映画「ジョン・ウィック」シリーズ第3作「ジョン・ウィック:パラベラム」は、世界中の殺し屋に追われるジョン・ウィック(リーヴス)の戦いを描いた物語だ。前作でウィックは、聖域であるコンチネンタルホテルで敵を倒したが、裏社会の掟を破ったということで、巨額の懸賞金をかけられる。裏社会を仕切る首席連合は、ウィックや彼を手助けした者を粛清する裁定人を派遣、コンチネンタルホテルの支配人ウィンストンも退任を迫られる。ウィックは生き残りをかけ、かつて「血の誓印」を交わしたソフィア(ハル・ベリー)を頼ってモロッコに飛ぶが、殺し屋たちの追及の手はなおも激しさを増していくのだった。というわけで、本作も流れるようなリーヴスのアクションが楽しめる。ニューヨークの地下組織の情報王パワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)も再び登場、ウィックをアシストする。

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2020年2月24日 (月)

ドリームハウス

 ダニエル・クレイグ主演の映画「ドリームハウス」は、家族を愛し小説家をめざす男が、現実と空想(妄想)との間を行きつ戻りつしながら、衝撃的な展開を迎える物語だ。編集者のウィル・エイテンテン(クレイグ)は、家族と過ごす時間を増やしたいという思いから、出版社をやめて郊外のマイホームを購入する。しかし、引っ越し直後から奇怪なできごとが相次ぎ、気になったウィルは調査に乗り出す。警察も近所の住人もなかなか口を開かない中、ウィルが知ったのは、かつてこの家で一家が殺される事件が発生したことと、容疑者である世帯主ピーター・ウォードが精神病院にいるということだった。ウィルは自宅をめぐる奇怪なできごとにはウォードがからんでいると確信、行方を追うが、やがて明らかになったのは、衝撃的な事実だった。というわけで、最初はホラー映画っぽい話だったのが、終盤は一気に切ない話になっていく。ちなみに、クレイグは本作で共演したレイチェル・ワイズと結婚している。

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2020年2月19日 (水)

プレステージ

 ヒュー・ジャックマン&クリスチャン・ベール主演の映画「プレステージ」は、19世紀末のロンドンを舞台に、2人のマジシャンのライバル対決を描いた物語だ。グレート・ダントンことロバート・アンジャー(ジャックマン)とプロフェッサーことアルフレッド・ボーデン(ベール)は、ハリー・カッター(マイケル・ケイン)のもとで下積み時代から競い合う中だった。ある日、アンジャーの妻が、水中脱出マジック中のアクシデントで死んでしまう。いつもと違ってボーデンが結んだロープが固すぎ、ほどけなかったのだ。以来2人は、よきライバルではなく、互いに敵意をむき出しにする敵同士となってしまう。というわけで、2人のみにくい争いが続くのだが、ときどきマジックのように形勢が逆転するので、ボーッとしているとダマされてしまう。そしてクライマックスは、瞬間移動マジックをめぐる戦いだ。電磁気学の分野で有名なニコラ・テスラがマッド・サイエンティストとして登場(演じるのはデヴィッド・ボウイ)、驚くべき瞬間移動マジックを実現する。

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2020年2月11日 (火)

ナイロビの蜂

 ジョン・ル・カレ原作の映画「ナイロビの蜂」は、アフリカを舞台に製薬会社の不正を描いた物語だ。イギリス外務省1等書記官ジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)は、妻テッサ(レイチェル・ワイズ)とともにケニア ナイロビで暮らしていたが、ある日テッサが何者かによって殺されてしまう。ジャスティンはかつて、上司の代理で講演した際、情熱的な活動家だったテッサと出会い、結婚したのだった。テッサはケニアで死産を経験するが、現地の医療現場を見て、大手製薬会社が不審な動きをしていることを知る。ガーデニングにしか興味のないジャスティンをよそに、テッサはひそかに調査を進めるが、それが死を招くことになったのだ。テッサを失ったジャスティンは悲しみに暮れるが、テッサが残した書類を見るうちに、テッサの死の真相を探り始める。その裏には、アフリカを食いものにする大手製薬会社と、それに癒着するイギリス政府高官たちがいた。という展開だが、ついついテッサもジャスティンももっとうまく戦う方法があったんじゃないだろうかなどと思ってしまう。007映画の見過ぎか(ファインズはMだし)。

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2020年2月 4日 (火)

ジョーカー

 バットマンの宿敵ジョーカーの誕生を描いた映画「ジョーカー」は、世界中で大きな話題となった。バットマンシリーズにたびたび登場するジョーカーだが、本作では、格差社会のどん底であえぐ、精神を病んでいる大道芸人としてその姿を現す。ホアキン・フェニックス演じるアーサー・フレックは、コメディアンを夢見て母親のペニーと暮らしているが、発作的に笑い出す病気持ちで、ゴッサムシティの福祉センターでカウンセリングを受けていた。ある日アーサーは、同僚からピストルを渡されるが、小児病棟での慰問中にそれを落としてしまい、仕事をクビになる。ピエロ姿のまま地下鉄で帰宅するアーサーは、女性に絡んでいるビジネスマン3人を見て笑い出し、暴行を受けるが、思わずピストルを抜いて3人を射殺する。必死に逃げるアーサーには、いままで経験したことのない高揚感が芽生えていた。射殺されたビジネスマンはトーマス・ウェインが経営するウェイン証券の社員であり、市長選に立候補しているウェインは犯人に憤りを表すが、貧困層の中には犯人に喝采を送る者も現れた。やがて警察に目をつけられたアーサーだが、思わぬことから人気者マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)のテレビ番組に呼ばれることになる。という展開だが、この番組でアーサーは、彼の運命を決定づけることになるある行動を起こす。そして、ゴッサムシティで暴動が起きる中、トーマス&マーサのウェイン夫妻が射殺され、ひとり少年ブルースだけが生き残る。言うまでもないが、これがバットマン誕生へとつながっていく。

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2020年1月27日 (月)

スタートレック:ピカード

 スタートレックの新しいドラマシリーズ「スタートレック:ピカード」が始まった。20年前に惑星連邦宇宙艦隊を引退したジャン=リュック・ピカード元提督(パトリック・スチュワート)は、生まれ故郷であるフランスで家業のワイン製造業を継いでいたが、戦死したアンドロイド データ(ブレント・スパイナー)の夢でたびたびうなされていた。ピカードが引退したのは、超新星爆発に見舞われたロミュラン人の救出活動を、宇宙艦隊がやめてしまったことに対する抗議だった。一方、ボストンに住む一見普通の女性ダージ・アーシャは、突然現れた謎の男たちに襲撃されるが、ダージの中で何かが起動し、全員を返り討ちにする。ダージの脳裏には、なぜか会ったこともないピカードの顔が浮かぶのだが、偶然テレビでピカードの存在を知る。フランスに渡り、ピカードと会うことができたダージだが、追っ手が来るのを避けるため、姿を消してしまう。何かが起きていることを察知したピカードは、宇宙艦隊の本部があるサンフランシスコを訪れるが、そこで知ったのは、データが30年前に描いた絵に、ダージが描かれていたことだった。ミステリー映画仕立てで始まった新シリーズ、シーズン1は10話、シーズン2の制作も決定しているということで、しばらく楽しめそうだ。

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2020年1月14日 (火)

セブン・シスターズ

 スウェーデンの映画「ミレニアム」シリーズでリスベット・サランデルを演じたノオミ・ラパス主演の映画「セブン・シスターズ」は、ラパスが1人7役を演じるSF映画だ。人口増加や資源の枯渇といった問題に直面する近未来、遺伝子組み換え作物の影響で多胎児が急増、児童分配局による強制的な人口抑制が行われていた。2人目以降の子どもは児童分配局に連行され、資源が回復されるまでの間「冷凍保存」されるというのだ。そんな中、1人の女性が7つ子を産む。母親は出産で死ぬが、祖父テレンス・セットマン(ウィレム・デフォー)は児童分配局の監視の目をかいくぐり、ひそかに7姉妹を育てることを決意する。7姉妹は「月曜日」から「日曜日」まで各曜日の名前をつけられ、自分の曜日だけ「カレン・セットマン」という人格になって外出する。それから30年、7姉妹は毎日、1日のできごとを詳細に報告するミーティングを行い、正体がバレないよううまくやってきた。しかし、ある日、長女「月曜日」が夜になっても帰宅せず、行方不明になってしまう。困惑する6姉妹だが、結局「火曜日」は何食わぬ顔をしていつもどおり外出する。しかし、案の定不安は的中、7姉妹の運命は大きく揺らいでいく。日本は人口減少という問題に直面しているが、地球全体でみれば人口爆発は人類の未来を左右する大問題であり、本作もただのフィクションとは言い切れないかも。

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