2019年1月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

カテゴリー「音楽、映画、読書」の記事

2018年12月30日 (日)

日本の歴史⑩ 戦国の群像

 集英社版「日本の歴史」シリーズ第10巻「戦国の群像」は、応仁の乱が終わり、戦国大名が出現するまでの時代が舞台だ。戦国時代といえば、英雄と梟雄(きょうゆう)がときに下剋上によって成り上がる戦乱の世というイメージだが、実際戦国大名の出自はいろいろだ。メインストリームは守護大名から戦国大名になるケースだろうが、守護代からなった者、国人からなった者、果ては商人や農民からなった者もいる。最初の戦国大名は北条早雲といわれているが、早雲は室町幕府の高官の子だったようだ。本書では、この早雲から始まって、斎藤道三や毛利元就、上杉謙信、武田信玄など名だたる戦国大名の足跡が紹介されるが、同時に、百姓や商人などの民衆、国人などの動きも紹介される。当然のことながら、いかに戦国大名といえども、武力だけで領国を経営できたわけではない。国人や民衆を組織化し、家臣団を編成していくためには、大名側にも彼らの利益を守る力が要求された。群雄割拠の戦国時代はほぼ1世紀続いたが、織田信長の登場により、統一政権出現のきざしが見えてくる。

Img_0486

2018年12月20日 (木)

カサンドラ・クロス

 テロリストより恐ろしいのは超大国、そういう声が出そうなのが、イギリス・イタリア制作の映画「カサンドラ・クロス」だ。ジュネーブにある国際保健機構(IHO)に、3人のテロリストが潜入する。アメリカはここで極秘裏に、危険なウイルスを研究していた。テロリストはアメリカの研究セクションの爆破に失敗、1人がウイルスに感染したまま逃走する。犯人がストックホルム行きの大陸横断鉄道に乗車したと見たアメリカ軍は、マッケンジー大佐(バート・ランカスター)に事態収拾を指示、大佐は、偶然列車に同乗した著名な医師チェンバレン博士(リチャード・ハリス)と連絡を取って感染者の治療に当たらせる。博士は、元妻のジェニファー(ソフィア・ローレン)と協力して感染者の治療に奔走、数人の死者が出たものの、酸素濃度が上昇すると発病が抑えられることに気づく。しかし、マッケンジー大佐は、事件を闇に葬るため、カサンドラ・クロスという30年近くも使用されていない危険な鉄橋に列車を誘導しようとしていた。東西冷戦のさなか、西側陣営の国からアメリカをヒール視する映画が制作されるとは、アメリカ人はどう受け止めたんだろか。

61r1q968p8l

2018年12月14日 (金)

ギフト

 ケイト・ブランシェットが不思議な能力を持つシングルマザーを演じる映画「ギフト」は、ちょっとホラーっぽい物語だ。3人の息子を抱える未亡人アニー・ウィルソン(ブランシェット)は、人の運命を見抜く能力を活かし、占い師のまねごとをして細々と暮らしていた。アニーは、夫ドニー・バークスデール(キアヌ・リーヴス)のDVに悩むヴァレリーに離婚を勧めるが、ドニーに逆恨みされ、執拗な嫌がらせを受ける。そんな中、街の有力者の娘であり、アニーの息子の学校の先生の婚約者でもあるジェシカ・キングが行方不明となる事件が発生する。保安官に協力を求められたアニーは、ジェシカが池に沈められたイメージを抱くが、果たしてそのとおりドニーの土地の池からジェシカの水死体が発見される。というわけで、ドニーは逮捕され、裁判で有罪となるのだが、アニーはこれに違和感を持つのだった。本作の前年、映画「マトリックス」でブレイクしたリーヴスが粗暴なDV夫を演じている。

91mtywppdl_sl1500_

2018年11月29日 (木)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

 1972年にアメリカで起きたウォーターゲート事件の伏線の一つとして、国防総省がベトナム戦争について作成した機密文書(ペンタゴン・ペーパーズ)の漏洩事件がある。当時ベトナム戦争は泥沼化、国内では反戦の気運が高まっていたが、ペンタゴン・ペーパーズは、戦争に勝利する見通しがないことを示唆していた。メリル・ストリープ&トム・ハンクス主演の映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」は、このペンタゴン・ペーパーズ漏洩事件を描いた物語だ。ある日、ペンタゴン・ペーパーズの一部がニューヨーク・タイムズによってすっぱ抜かれる。これに対してキャサリン・グラハム(ストリープ)とベン・ブラッドリー(ハンクス)のワシントン・ポストもペンタゴン・ペーパーズ探しに奔走、最終的に入手に成功するが、記事にするかどうかで社内が揺れる。グラハムは国務長官と親しかったし、ニューヨーク・タイムズは政府から記事の差し止めを求められ、報道すると刑務所行きになる可能性もあったのだ。果たして、政府の圧力に屈するのか、刑務所行きを覚悟してでも報道の自由を守るのか。映画の最後に、ウォーターゲートビル内の民主党本部に何者かが侵入したシーンが描かれる。本作とウォーターゲート事件を描いた映画「ザ・シークレットマン」がほぼ同時に公開されたのは、やはりトランプ大統領の政治手法に対する一つの意思表示なのだろうか。

71jhtcv3l_sl1202_

2018年11月28日 (水)

ザ・シークレットマン

 1972年にアメリカで起きたウォーターゲート事件は、最終的にリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込む大スキャンダルとなった。この年の秋に2期目の大統領選を控えていた共和党ニクソン陣営は、選挙戦で優位に立っていたにもかかわらず、なぜかライバルの民主党本部に盗聴器を仕掛けようとしたのだ。しかも、犯人5人がフリーランスとかではなくもろニクソン陣営の人間だったこと、ホワイトハウスからFBIにさまざまな捜査妨害があったことで、FBI内部ではホワイトハウス、もっといえばニクソン大統領の関与が早くから疑われた。しかし、ホワイトハウスのもみ消しや不正工作、司法妨害などによって、最初は世論の関心も盛り上がらなかった。そうした中で、「ディープ・スロート」と呼ばれる謎の人物が機密情報をマスコミにリーク、大統領の不正が暴かれていった。リーアム・ニーソン主演の映画「ザ・シークレットマン」は、「ディープ・スロート」の正体であるFBI副長官マーク・フェルトの視点から、ウォーターゲート事件を描いた物語だ。フェルトはニクソン大統領辞任前にFBIを退職、自らが「ディープ・スロート」であったことを明らかにしたのはその32年後だった。

91z5vw530hl_sl1500_

2018年11月27日 (火)

フライト・ゲーム

 リーアム・ニーソン主演の映画「フライト・ゲーム」は、飛行中の旅客機という密室の中での連続殺人鬼と航空保安官との戦いを描いた物語だ。ニューヨーク発ロンドン行きの旅客機の警備のために、客を装って乗り込む航空保安官のビル・マークス(ニーソン)は、かつては優秀な警官だったが、心に傷を負って退職、現在はアルコール依存症に苦しんでいる。離陸後、トイレでタバコを吸って座席に戻ったマークスに、指定の口座に1.5億ドルを送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺すというメッセージが届く。機長に報告したマークスは、キャビンアテンダントのナンシーと、自分の隣の席のジェン・サマーズ(ジュリアン・ムーア)に頼み、スマホを操作している客をチェックするが、その中にもう1人の航空保安官ハモンドがいた。マークスはトイレに入ろうとしたハモンドともみ合いになるが、ハモンドがマークスを銃で撃とうとしたため、やむなく殺してしまう。1人目の犠牲者は、マークスによって出されてしまったのだ。しかも、指定された口座はマークスのものだと判明、航空保安局からはマークス自身が疑われることになってしまう。果たして真犯人は? 密室の中で誰が犯人かもわからない中、息詰まる展開が続く。

91jw9sigkzl_sl1500_

2018年11月26日 (月)

トリプルX ネクスト・レベル

 アメリカ国家安全保障局(NSA)の秘密エージェント トリプルXが活躍する映画「トリプルX」シリーズ第2作「トリプルX ネクスト・レベル」では、ヴィン・ディーゼルに替わってアイス・キューブが主役を務める。ある日、のどかな牧場を隠れ蓑にしたNSAの秘密基地が正体不明の敵に襲撃され、16人のエージェントが殺害される。危機一髪のところを脱出したリーダーのオーガスタス・ギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)は、かつての軍の部下、ダリアス・ストーン(キューブ)を軍刑務所から脱獄させ、新たなトリプルXに起用して真相解明に乗り出す。しかし、ギボンズはかつての軍の上司である国防長官ジョージ・デッカート(ウィレム・デフォー)によって「事故死」させられてしまう。事件の背景には、デッカート、ギボンズ、ストーンの3人の因縁、そしてデッカートによる大がかりな国家転覆の陰謀があった。というわけで、前作に引き続きハデなアクションシーン満載だ。

81e599totil_sl1500_

2018年11月11日 (日)

特捜部Q ーPからのメッセージー

 デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの人気シリーズ「特捜部Q」の映画化シリーズ第3作「特捜部Q ーPからのメッセージー」は、特捜部Qが隠された事件の真相を追う物語だ。ある日、特捜部Qにインクがにじんだ謎の手紙が送られてくる。7〜8年前に書かれたと思われるこの手紙は、海辺に漂着したボトルの中に入っていた。特捜部Qは、カール・マーク(ニコライ・リー・コス)が前回の事件のダメージで休職して暇を持て余していたが、難事件と見たアサド(ファレス・ファレス)がカールを引っ張り出し、捜査を開始する。判読困難な手紙をなんとか解読した特捜部Qは、事件に巻き込まれ、行方不明になった被害者が書いたものではないかと推理する。捜査を進めた結果、世間には表面化していない、宗教がらみの連続誘拐事件が浮上するのだった。最初は厄介者を左遷する島流し部署として新設された特捜部Qだが、本作ではコペンハーゲン警察署を大々的に動かすまでに「出世」、しかし今回もカールはあえなく犯人に捕まり、殺されそうになる。もっと鍛えて強くなれ、カール!

91yogrxyk7l_sl1500_

2018年11月10日 (土)

日本の歴史⑨ 日本国王と土民

 集英社版「日本の歴史」シリーズ第9巻「日本国王と土民」は、足利義満が室町幕府の基礎を固めた時代から応仁の乱が終わるまでの時代が舞台だ。金閣寺(鹿苑寺)を造営したことでも有名な3代将軍義満は、明から「日本国王」と認められるほど権勢を振るったが、皇位簒奪を企んでいたともいわれる。実際、義満は皇位継承候補者を次々と出家させたが、その1人があの一休さん(一休宗純)だという。しかし、室町時代における足利将軍の存在感は義満の時代がピークで、これ以降はどうも影が薄くなっていく。6代将軍に至っては、くじ引きで決められるという始末だ。もっとも、この6代将軍義教(よしのり)は恐怖政治で恐れられ、猿楽鑑賞時に暗殺されるという大事件を招くが。また、8代将軍義政は、悪妻として有名な日野富子に実権を奪われ、政務そっちのけで趣味に没頭、結果として応仁の乱を招いてしまう。応仁の乱は京都全域を荒廃させた内乱だが、さしたる大義名分もなく、なぜ11年間もダラダラと続いたのかよくわからない不思議な戦だ。ちなみに、京都の人が「先の大戦は」というとき、太平洋戦争ではなく応仁の乱を指すという話は有名だろう。将軍の存在感が低下する一方で、守護や守護代からは後の戦国大名が出現するが、守護や守護代でさえも安定した領国経営を行っていたわけではない。国人や国衆と呼ばれる土豪たちが各地で国一揆を起こし、守護を追い出して自治を敷くケースまで出てくる。この背景にはやはり多くの庶民の民意があったはずで、これが本書のタイトルのいわんとするところだろう。

Img_0485

2018年11月 7日 (水)

特捜部Q ーキジ殺しー

 デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの人気シリーズ「特捜部Q」の映画化シリーズ第2作「特捜部Q ーキジ殺しー」は、特捜部Qが20年前の双子殺人事件の真相を追う物語だ。前作で一躍世間の脚光を浴びた特捜部Qは、新たにローセという女性秘書が増員されたが、警察内部での冷たい視線は依然として続いていた。そんなある日、カール(ニコライ・リー・コス)の前に1人の老人が現れ、過去の事件の再捜査を依頼する。老人はその後自殺したところを発見されるが、この老人は元警官で、殺害された双子の父親だった。責任を感じたカールは、事件のファイルを見直すが、ビャーネという男が犯人として逮捕され、わずか刑期3年で出所していることに違和感を持つ。アサド(ファレス・ファレス)とともに再捜査を開始したカールは、事件の舞台となった寄宿学校の当時の生徒たちを洗い出し、事件のカギを握る女性キミーの行方を追うのだった。というわけで、本作もまたちょっとおどろおどろしい展開が続く。特捜部Qは、腕っぷしはいまいちで、あわや殺されそうになるところをキミーに助けられるが、キミーの狂気っぷりは「ミレニアム」シリーズのリスベット並みだ。

81osh0kacl_sl1302_

より以前の記事一覧