カテゴリー「音楽、映画、読書」の記事

2021年2月14日 (日)

レインメーカー

 アメリカの作家ジョン・グリシャム原作の映画「レインメーカー」は、理想と現実の間のギャップで苦悩する新米弁護士の活躍を描いた物語だ。レインメーカーとは、雨のごとくカネを降らせるという意味で、主人公ルディ・ベイラー(マット・デイモン)は、大金を稼ぐやり手の弁護士になるという野望をもって、ちょっといかがわしい法律事務所に就職する。そのベイラーの初仕事は、保険会社から保険金の支払いを拒否された白血病患者の弁護だった。法廷では、保険会社の弁護人レオ・F・ドラモンド(ジョン・ヴォイト)の百戦錬磨の戦いに苦戦するが、保険会社の悪徳商法ぶりを暴き出すことに成功、形勢を逆転させていく。そんな中で、夫のDVに苦しめられる人妻ケリー・ライカー(クレア・デインズ)に惹かれ、思わぬ事件にも巻き込まれてしまう。「法と正義」というが、正義とはかけ離れた法律家が現に存在することは、大阪地検特捜部証拠改ざん事件が起きた日本でも同じことなんだろう。

71is23e1oml_ac_sl1414_

2021年2月 8日 (月)

4デイズ

 9.11同時多発テロ以降のCIAによる拷問はいくつかの映画で描かれたが、サミュエル・L・ジャクソン主演の映画「4デイズ」は、核爆弾の爆発が4日後に迫るという極限状態の中、犯人に対する拷問がどこまで許されるのかというテーマを扱った物語だ。米軍で爆弾のプロだった男がテロリストに転向、アメリカの主要3都市に核爆弾を仕掛け、自ら逮捕される。FBIのヘレン・ブロディ捜査官(キャリー=アン・モス)率いるチームは、ある要注意人物の身柄を拘束するが、Hと名乗るその男(ジャクソン)は、尋問のプロだった。拷問覚悟の固い決意を持った犯人に対し、Hの非人道的な尋問が始まる。そんなHのやり方に、ヘレンは強く反発するが、刻々と時間は過ぎてゆく。というわけで、Hの拷問はさらにエスカレートしていくのだが、この映画、エンディングは2種類あるらしい。ぼくが観たのは通常バージョンだが、もう一つのエンディングも観てみたい。

71qvt7oxbgl_ac_sl1081_

2021年2月 2日 (火)

ア・フュー・グッドメン

 キューバにあるグァンタナモ米軍基地といえば、CIAによる水責めなどの拷問が行われた場所として有名だ。アメリカの保護下で独立したキューバは、革命で社会主義国となったが、米軍基地はその後も存続し、米国の主権が及ばない治外法権区域になっているという。トム・クルーズ&ジャック・ニコルソン主演の映画「ア・フュー・グッドメン」は、そのグァンタナモ基地で発生した海兵隊員リンチ死事件をめぐる物語だ。ある海兵隊員がリンチによって死亡、犯人2人の弁護をダニエル・キャフィー中尉(クルーズ)が引き受けることになった。キャフィー中尉はハーバード大学出身の若きエリートだが、実際の法廷経験は初めてだ。ジョアン・ギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)らとともに調査を進めたキャフィー中尉はやがて、事件の背景には上官の命令があったのではないかという疑念を持つ。国家国民を守っているという強烈な自負を持つ傲慢な司令官をニコルソンが怪演するほか、キーファー・サザーランドがその忠実な部下を演じている。

51b2br1bffl_ac_

2021年1月27日 (水)

となりの野生ヒグマ

 北海道の天文ファンは、ヒグマと隣り合わせの活動をしていることが多い。ぼく自身は実際に遭遇したことはないが、撮影場所に向かう道でぼくが通った30分後に出没した、なんてこともあった。撮影中も、ちょくちょくいろんな動物が近づいてきて、そのたびにビクッとする。不幸にもヒグマと出会わないためには、ヒグマの習性をよく知っておくことが大切だ。北海道のネーチャーマガジン「モーリー」に掲載されたヒグマ特集をまとめた「となりの野生ヒグマ」は、近年札幌の住宅地にまで出没するようになったヒグマとどうつきあうかなどの問題を取り上げた本だ。クマに出会ったら死んだふりをするのがいいとかダメだとかいう話もあるが、とにかく出会わないのが一番だからね。

02251412_5c73794874bb7

2021年1月25日 (月)

ボーダー

 ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノは、映画「ゴッドファーザー PART Ⅱ」に親子役で出演しているが、時代設定が違うため、同じシーンには登場しない。その2人が初めて本当に共演したのが「ヒート」だが、これも2人が同時に映るシーンがない。「ボーダー」は、この2人がはっきりと共演シーンを見せるということで話題となった映画だ。ニューヨーク市警察のトム・”ターク”・コワン(デ・ニーロ)とデイヴィッド・”ルースター”・フィスク(パチーノ)は、20年以上コンビを組むともに凄腕の刑事。熱血漢のタークはときに行き過ぎた行動もあるが、悪を憎む気持ちはルースターも同じだ。そんな中、逮捕されながらも証拠不十分で釈放された凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人事件が発生する。犯人捜査に取り組む2人の活動の合間に、カメラに向かって犯行を「告白」するタークの姿が織り交ぜられる。という展開だが、真相は見てのお楽しみだ。

71wwkughw5l_ac_sl1082_

2021年1月20日 (水)

DUNE/デューン 砂の惑星

 アメリカのSF作家フランク・ハーバートの大作「デューン 砂の惑星」は、過去に何度か映像化されたが、残念ながら成功した作品はない。しかし、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督した2021年秋公開予定の映画「DUNE/デューン 砂の惑星」は、期待できそうな感じだ。原作は2時間程度の映画に収まるような短いものではなく、「スター・ウォーズ」シリーズのように何作も必要な物語だが、ヴィルヌーヴはこれを2部作に収める考えのようだ。すでにオフィシャルサイトが立ち上げられているが、主人公ポール・アトレイデスにティモシー・シャラメ、その母レディ・ジェシカにレベッカ・ファーガソン、父レト・アトレイデス侯爵にオスカー・アイザックが配されている。公開が延期されたのは残念だが、その間じっくりと作品を仕上げられるだろうから、楽しみに待ってようっと。

Logo

2021年1月19日 (火)

複製された男

 ポルトガルの作家ジョゼ・サラマーゴ原作の映画「複製された男」は、実に謎めいた物語だ。大学で歴史を教える内気な男アダム・ベル(ジェイク・ギレンホール)は、同僚に勧められて観た映画の中に、自分と瓜二つの俳優をみつけ、異常な関心を示す。それがアンソニー・クレア(ギレンホール)という俳優だということを知るや、アダムはアンソニーの素性を調べ、実際に会ってみようと試みる。そして対面を果たした2人だが、容姿、声、そして胸についた傷跡までそっくりだった。しかし、内気なアダムに対し、アンソニーはちょっとワイルドで、性格は違う。というわけで、2人とその妻、恋人を巻き込んだどこか現実から遊離した物語が展開する。それにしてもこの作品、邦題がよくないんじゃないかなぁ。なにせ「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督なので、クローン人間か!と思っちゃうよ。

51zro6lq8hl_ac_

 

2021年1月 8日 (金)

ザ・エッグ 〜ロマノフの秘宝を狙え〜

 かつてロシア皇帝ロマノフ家には、金細工師ファベルジェによるインペリアル・イースター・エッグが50個も納められたという。革命後これらは国内外に散逸、いまだ誰が所蔵しているか明らかになっていないものもあるようだ。映画007「オクトパシー」では、その「ファベルジェの卵」が登場するが、モーガン・フリーマン主演の映画「ザ・エッグ 〜ロマノフの秘宝を狙え〜」では、伝説的な大泥棒が卵を盗もうとする。引退を決意したキース・リプリー(フリーマン)は、厳重な警備をかいくぐって卵を盗み出すため、ガブリエル・マーティン(アントニオ・バンデラス)という若い泥棒に目をつけ、相棒に勧誘する。2人は入念な準備を重ね、見事に金庫内に侵入するが、ここでアクシデントが発生する。というわけで、ここからはどんでん返しの連続だ。泥棒というより詐欺師といった方がいい連中に、観る者もペテンにかけられてしまう。

71yn9c2rdtl_ac_sl1082_

2021年1月 2日 (土)

ザ・ファーム 法律事務所

 アメリカの人気作家ジョン・グリシャム原作の映画「ザ・ファーム 法律事務所」は、法律事務所に就職したての若き弁護士が巻き込まれる巨大な陰謀劇を描いた物語だ。ハーバード大学のロー・スクールを優秀な成績で卒業したミッチ・マクディーア(トム・クルーズ)は、テネシー州メンフィスの法律事務所から破格の条件を提示され、妻アビーとともに新生活のスタートを切る。税務を得意とするその法律事務所はスタッフの面倒見もよく、家族ぐるみのつきあいも大切にするアットホームな職場だった。さっそく熱心に仕事に打ち込むミッチだったが、なぜかFBIにマークされるようになり、驚くべき話を聞かされる。FBI捜査官の話では、その法律事務所には裏の顔があり、過去に何人かの弁護士が事故死しているというのだ。はじめは半信半疑だったミッチだが、同僚の弁護士エイヴァリー・トラー(ジーン・ハックマン)に同行してケイマンに出張した際、FBIの話を裏付けるような書類を目撃してしまう。というわけで、うまい話にはやはり裏があるのだった。人気シリーズ「ミッション・インポッシブル」の凄腕スパイ イーサン・ハントになる前のクルーズだが、殺し屋2人に追われても撃退するあたりはさすがだ。

81beac2y8hl_ac_sl1500_

2020年12月29日 (火)

ジョーンの秘密

 第2次世界大戦前から冷戦期にかけて、KGBに国家機密を流していたイギリスの女性公務員がいた。その女性、メリタ・ノーウッドは、1972年に引退していたが、1999年にスパイ行為が発覚、しかしながら起訴には至らず、2005年に死去した。ジュディ・デンチ主演の映画「ジョーンの秘密」は、そのメリタ・ノーウッド事件にインスパイアされた物語だ。2000年のある日、郊外の自宅で余生を過ごすジョーン・スタンリー(デンチ)のもとに、MI5がやってくる。つい最近死亡した元外務省幹部のW・ミッチェル卿が遺した資料の中に、ミッチェル卿とジョーンが共謀し、KGBに核開発に関する機密を流していたことを示す証拠があったというのだ。MI5の取り調べを受けながら、ジョーンは若かりし頃を回想する。時は1938年、ケンブリッジ大学で物理学を学ぶジョーン(ソフィー・クックソン)は、ユダヤ系ロシア人のソニアに誘われ共産主義者の会合に参加する。そこで出会ったのは、ソニアのいとこレオだった。そこからジョーンの運命の歯車が回り始める。ジョーンの行為は、特定の国家からみれば反逆ということになるんだろうが、国家にエゴがつきものであることを考えれば、一方的に非と決めつけるわけにはいかない。それに、科学技術とは特定の者だけではなく、人類全体が分かち合うべきものであり、悪用を防ぐためにこそ政治があるのだ。ジョーンの動機が広島・長崎への原爆投下だったということにも、とりわけ日本人は深く思いを致すべきだろう。

Top_pc

より以前の記事一覧