かんむり座T星
かんむり座T星は、白色矮星と赤色巨星の連星系で、通常は10等級という暗さだ。このような連星系では、赤色巨星から白色矮星に物質が降り積もり、熱核暴走反応が起こって急激に増光するという現象が発生することがある。地球から見ると、あたかも新しい星が誕生したかのように見えるため、「新星」と名付けられたが、「超新星」と同様、星が誕生したのではなく、寿命を迎えようとしている星に起こる現象だ。かんむり座T星は、これが80年周期で起こると考えられていて、1866年には2等級、1946年には3等級に達している。80年周期ということは、次は2026年ということになるが、昨年には新星爆発の兆候が見られるという報告があり、話題になっていた。新星爆発がいつ起こるか予想は難しいが、明るくなるのはわずか数日間なので、見逃さないようにしないと。
2005年5月2日撮影 キャノンEOS Kiss Digital+キャノンEF50mm、露出196秒