カテゴリー「天体写真、天文学、科学」の記事

2020年3月31日 (火)

ナローバンド撮影①

 かつてコダックが103aEという天体写真用フィルムを製造、赤い散光星雲がよく写るということで人気を博していた。103aEで撮影するときはR64という濃い赤色のフィルターを使用するのだが、これが街灯などの光害をけっこうカットしてくれるという効果もあった。そしてデジタル時代となってからは、ナローバンド撮影という手法が流行している。ナローバンド(狭い帯域)撮影とは、カンタンにいうと特殊なフィルターを使って光害をカットし、星が放出している光だけを写すもので、専用のフィルター(バンドパスフィルター)がいろいろ製造されている。このうちお手軽そうなのがサイトロンジャパンのQuad BPフィルターだ。これは一般的な星間ガスが放出する4種類(Quad)の波長の光を通すフィルターで、これを使って光害のひどい東京で見事な写真を写している人がいる。電子観望に使用してもいいようだ。試してみようっと。

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2020年3月30日 (月)

2020年4月の星空

 昨年末に発見されたアトラス彗星(C/2019 Y4)が明るくなるのではないかといわれている。太陽に最接近するのは5月31日で、もしかしたら大彗星になるかもしれない。月は1日上弦、8日満月、15日下弦、23日新月だ。3月25日に東方最大離角となった金星は、だんだん太陽に近づいていくが、28日に最大高度マイナス4.5等に達する。3日から4日にかけては金星がプレアデス星団に大接近し、星団に入り込む。明け方の空では、引き続き火星と木星、土星が接近中だ。特に1日は火星と土星とが大接近し、望遠鏡でも同一視野に入る。天文ファンにとって、春は銀河だ。太陽系は銀河系の中にあるので、見る方向によっては銀河系内の星や星間物質にジャマされ、銀河系外を見通すことができない。その点、春は銀河系外がよく見通せるのだ。特にかみのけ座やおとめ座には銀河団があり、多くの銀河を見ることができる。国立天文台HPより。

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2020年3月25日 (水)

アトラス彗星(C/2019 Y4)

 昨年末に発見されたアトラス彗星(C/2019 Y4)が明るくなりそうだ。1844年に出現した大彗星と同じ、放物線に近い楕円軌道を描いていて、5月23日に地球と、31日に太陽と最接近する。いまはおおぐま座にあるが、4月はきりん座、5月はペルセウス座を移動していく。どのくらい明るくなるか予想は難しいが、4月中は6等前後になるかもしれないという。太陽に最接近するときの距離は0.25天文単位(地球と太陽との距離が1天文単位)で、この頃にはマイナス等級になる可能性もあるというから、久しぶりの大彗星ということになるかもしれない。しかし、満月よりも明るくなるかもといわれながら、太陽最接近時にほとんど消滅したアイソン彗星のような例もあるので、あまり期待しすぎない方がいいかも。なお、彗星の名前は発見者から名付けられるが、アトラス彗星を発見したのは、小惑星地球衝突最終警報システムというハワイのプロジェクトだ。

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2020年3月20日 (金)

コスモス:いくつもの世界

 アメリカの天文学者カール・セーガン監修の科学ドキュメンタリー番組「コスモス」は、世界60カ国で放送され、日本でも大きな話題となった。かくいうぼくもこの番組とセーガンの著書「COSMOS」にのめり込み、一時は天文学者をめざそうとしたほどだ(もっと勉強すればよかったと後悔)。いまではDVDもあり、もう一度見直すこともできるが、この間天文学も映像技術も著しい発展を遂げていることから、21世紀版「コスモス」ともいえるような番組がつくられないかと思っていた。そうしたところ、2014年に「コスモス:時空と宇宙」というリブート版が放送されたことをだいぶ後になって知ったが、番組ホストの天文学者ニール・ドグラース・タイソンにセクハラ疑惑が発覚、昨年放送されるはずだったシーズン2が延期され、シーズン1も視聴できなくなっていた。それから1年経って、シーズン2にあたる「コスモス:いくつもの世界」がようやく放送されることになった。放送するのは、ドキュメンタリー番組専門のナショナル ジオグラフィック チャンネルだ。全13話ということで、しばらく楽しめそうだ。

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2020年3月17日 (火)

KAGRA観測開始

 国立天文台などが推進する重力波プロジェクトの主力望遠鏡 大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)が観測を開始した。重力波とはアインシュタインの一般相対性理論から導かれる解で、時空のさざ波ともいうべき波だ。質量を持つ物体があると時空にゆがみができるが、この物体が運動すると、時空のゆがみが光速で伝わっていく。極めてかすかな波なので、非常に大規模な天体現象が起きたときでなければ観測できないが、2015年、アメリカの重力波検出器LIGOが初めて、ブラックホールの合体で生じる重力波を観測することに成功した。KAGRAが建設されたのは岐阜県飛騨市、神岡鉱山の地下で、大きさは3㎞にも及ぶ。人類はこれまで、可視光や電波など電磁波で宇宙を観測してきたが、重力波という新しい観測手段を手に入れたのだ。

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2020年3月13日 (金)

電子観望⑥

 最近、天文ファンに人気の電子観望をやってみようと思い、CMOSカメラのZWO ASI290MCを導入した。オートガイド用のASI120MM Miniはモノクロだが、ASI290MCはカラーだ。といっても、実は天体用CMOSカメラは、同じクラスならモノクロの方が高い。モノクロカメラでフィルターを駆使してカラー合成するのが一番きれいな画像を得られる方法だ。まあそこまでいくとマニアックすぎるし、目的は電子観望なので、カラーカメラを選択することにした。ASI290MCのCMOSセンサーはソニー製のセンサーを使用し、本来は惑星撮影用だ。そんなに高性能ではないが、そんなに高くないし、電子観望だからこれくらいでいいだろう。実際やってみないとわからないが。

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2020年3月 7日 (土)

電子観望⑤

 最近、天文ファンに人気の電子観望を試そうとWindows PCで準備をしていたら、実はMacでもできることに気づいた。ライブスタック可能な定番ソフトSharpCapはWindows版しかないが、CMOSカメラメーカーZWOがリリースした新しいキャプチャソフトASIStudio(Mac版あり)にライブスタック機能があるのだ。もっと早く気づけばよかった。やっぱり使い慣れたMacがいいや。で、そのASIStudioだが、ASICapとASIImg、ASILiveという3つのメニューがある。マニュアルが見つからないので正確にはわからないが、アイコンと名前から察するに、ASICapは惑星撮影用、ASIImgはDSO(Deep Sky Objects)撮影用、そしてASILiveがライブスタックだろう。まあいろいろ試してみようっと。

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2020年2月28日 (金)

ミニムーン

 地球を公転する衛星(人工衛星などは除く)は現在、月のみだが、かつては月以外の衛星もあるのではないかと主張されたことがあった。それらの主張はみな否定されたが、太古の昔、地球よりちょっと小さい天体が地球に衝突し、飛び散った破片が集まって月ができたというジャイアント・インパクト説によれば、地球の衛星はうじゃうじゃあったことになる。そのとき月になり損ねた破片なのか、または小惑星が月に衝突して飛び散った破片なのかもしれないが、2006年に一時的に地球の衛星になった天体2006RH120があった。2006RH120は直径3〜6mの微少な天体で、地球と似たような軌道で太陽を公転しているため、ときどき地球に接近し、地球の衛星になることがあるというのだ。これと同じような天体なのだろうか、最近、アメリカの天文学者カッパー・ビエルチョスが、3年前に地球の衛星になったとみられる天体2020CD3を発見した。2020CD3は直径1.9〜3.5mということで、まもなく地球の衛星ではなくなるという。カッパー・ビエルチョス氏のツイッターより。

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2020年2月27日 (木)

2020年3月の星空

 20日は春分の日だ。春分の日はだいたい昼の時間と夜の時間とが等しい(厳密にはちょっと差があるが)。これ以降は昼の時間が長くなっていく。月は3日上弦、10日満月、16日下弦、24日新月だ。水星が24日に西方最大離角となるが、高度が低く、観測は難しい。金星は宵の明星として日没後の西の空で輝いているが、高度はますます上がり、25日に東方最大離角となる。明け方の南東の空には、火星と木星、土星が集結している。特に火星と木星とは21日、望遠鏡でも同一視野に入るほど大接近する。そういえば昔、惑星直列で大異変が起きるなんて騒ぐ人もいたっけ。国立天文台HPより。

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2020年2月21日 (金)

電子観望④

 最近、天文ファンに人気の電子観望を試すために、必要な機材を実際にセットしてみた。CMOSカメラは普通のデジタル一眼カメラのイメージセンサーだけが独立したようなもので、操作や画像処理、記録などはPCで行う。キャノンのズームレンズにオートガイド用のCMOSカメラZWO ASI120MM−mini(モノクロ)をつなぎ、PCにインストールしたキャプチャソフトSharpCapを立ち上げる。そしてコントロールパネルのExposureで露出時間、Gainで増幅率を選び、だいたい適正な明るさになったらピントを合わせる。地上の風景と星空とでは勝手が違うが、星空の場合、明るい星が点像になるようにすればいい。

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