古典力学はアイザック・ニュートンによって一旦の完成をみるが、ニュートンの表現形式は独特であり、その後多くの科学者によって現代的な姿に洗練されていった。その中からは、より一般的な形式である解析力学も誕生、後に誕生する量子力学の発展に大きく寄与することになった。山本義隆はこのような物理学の発展過程を何冊もの本にまとめているが、「重力と力学的世界 古典としての古典力学」は、その第1弾となった本だ。もともと現代数学社から刊行されていたものが、ちくま学芸文庫からあらためて刊行されることになった。ニュートンの力学は科学革命というにふさわしいものであったが、一方でニュートンはオカルトというべき分野にも傾倒していて、「最後の魔術師」とも揶揄された。大学で物理学を学ぶとき、このような歴史的背景はほとんど触れられなかったと思うが、いま知るとなかなか興味深い。読んでみよう。
3月になると華やかな冬の星座も西に傾き、春の星座が主役になってくる。春の星座で目立つのは、うしかい座の1等星アークトゥルスだ。アークトゥルスはシリウス、カノープスに次いで(単独で)明るい恒星で、橙色の巨星だ。北斗七星の柄の部分からアークトゥルス、そしておとめ座の1等星スピカを結ぶ曲線は春の大曲線と呼ばれる。月は6日下弦、13日新月、21日上弦、29日満月だ。水星は6日に西方最大離角となるが、高度が低く、見つけるのは難しい。金星と木星、土星も太陽に近く、観測は難しい。火星は日没後の西の空で輝いている。春の星空は、天の川に邪魔されないため、銀河系の外の銀河がよく見える。北斗七星やしし座周辺には見応えのある銀河が点在し、おとめ座には巨大な銀河団がある。国立天文台HPより。
タカハシFSー60CB フローライト屈折望遠鏡+ZWO ASI294MCによる電視観望。かに座のプレセペ星団を5秒露出で12枚スタック。オートフォーカサーZWO EAFでピントを合わせているが、なんか変だ。実は、レデューサーを使おうとしたものの無限遠のピントが出ず、レデューサーを外して延長リングをつけてもピントが出ないので、各種接続リングを緩めて全長を稼いでいたのだ。コンバージョンレンズを使う際は、バックフォーカス(対物レンズ最後端から焦点までの距離)やメタルバック(コンバージョンレンズ最後端から焦点までの距離)に注意しないとピントが出ない。メーカーのシステムチャートには、デジタル一眼レフカメラのケースは記載されているが、CMOSカメラのケースは記載されていないので、よく考えなければならない。
NASAの火星探査車パーシビアランスが火星着陸に成功した。火星探査の歴史はけっこう長く、初めて探査機が火星に着陸したのは1973年、旧ソ連のマルス3号だ。1976年にはアメリカのバイキング1・2号が火星に着陸、地表を撮影した写真を電送してきた。その後もいろんな探査機が送り込まれたが、パーシビアランスは、生命の痕跡を直接的に見つけようというのが目的だ。火星はかつて、生命が存在したとしてもおかしくない環境にあったと考えられていて、もし生命の痕跡を発見することになれば、大ニュースだ。今世紀中には有人火星探査が実現する可能性もあり、パーシビアランスの今後の活動は要注目だ。