カテゴリー「天体写真、天文学、科学」の記事

2017年8月16日 (水)

小惑星、地球に接近

 欧州宇宙機関(ESA)によると、今年10月12日、15〜30m程度の小惑星2012 TC4が地球に接近するという。最接近時の距離は4.4万㎞で、地球と月の距離38万㎞よりもずっと近く、静止衛星の高度3.6万㎞にかなり近い。2012 TC4は2012年に発見された小惑星で、アポロ群と呼ばれるグループに属するが、このようにときどき地球に接近する小惑星がけっこうあるので、地球近傍天体(NEO)を監視するプロジェクトが行われている。2012 TC4が今回、地上に落下する危険性はないということだが、もちろん未来永劫そうだとは限らないわけで、もし地上に落下したら大きな被害が発生する可能性が高い。ちなみに、2013年のロシア・チェリャビンスク州に落下した隕石は直径17mだったとされている。6600年前には小惑星が地球に衝突し、恐竜が絶滅した。小惑星や彗星の衝突というのは、人類にとって最大の脅威なのだ。

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2017年8月 8日 (火)

部分月食

 今朝未明、部分月食があった。・・・はずだが、ちょうど台風5号が日本縦断中のため、見られた人は少なかっただろう。最大食分は0.251で、月の4分の1が欠ける姿が見られたはずだ。以前撮影した写真の中から、今回の月食に近いものを選んでみた。月食は地球がつくる影に月が入る現象だが、本影という濃い影の回りに半影という薄い影があるのがわかるだろうか。
2014年10月8日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、ISO400、露出1/2000秒

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2017年8月 3日 (木)

数学の言葉で世界を見たら

 日本の物理学者 大栗博司は、世界の第一線で活躍する日本の物理学者として最も著名な人物の1人だろう。現在はあのリチャード・ファインマンが教鞭をとったカリフォルニア工科大学(カルテク)で教授を務めている。専門は素粒子論だが、最近は一般書も何冊か書いている。外国の科学者の本だと翻訳がよくないのがけっこうあって、途中で投げ出したくなることもあるが、日本人科学者の本は読みやすいのがいい。その大栗の「数学の言葉で世界を見たら」は、「父から娘に贈る数学」というサブタイトルのとおり、高校生だった娘さんに、幸せな人生を送り、社会の進歩に貢献できる人になってほしいという気持ちで書いたという。大栗は「数学の勉強は言葉を学ぶようなものだ」と言うが、かのガリレオ・ガリレイも「『自然』という書物は『数学』という言葉で書かれている」と述べていて、世の中を深く理解するには数学的素養を身につけることが大切だ。ただ、普通の高校生にはこの本はかなり難しいだろうなぁ。

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2017年8月 1日 (火)

ペルセウス座流星群

 夏休み最大の天文イベントはペルセウス座流星群だ。ペルセウス座流星群は、太陽の回りを130年の周期で公転するスイフト・タットル彗星がまき散らしたチリが漂う中を地球が通過する際、多数の流星が見える現象で、毎年8月13日前後が極大となる。今年は残念ながら月齢20の月が輝いているので、条件はいまいちだが、ペルセウス座流星群は明るい流星が多いので、一晩がんばればけっこう流星を見ることができるだろう。国立天文台では「夏の夜、流れ星を数えよう2017」というキャンペーンをやるので、夏休みの自由研究にいいかも。一昨年撮影したタイムラプス動画はこちらこちら

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2017年7月28日 (金)

天の川パノラマ写真

 夏から秋の天の川のパノラマ写真は以前も掲載したが、よく見るとちょっとつながりがおかしいところがあって、もう一度Adobe Photoshop ElementsのPhotomerge Panoramaで合成をやり直してみた。今度はちゃんとつながってると思うが、星夜写真の場合、ちょっとズレていてもすぐにはわからない。銀河系の中心はいて座の方向だが、北海道ではいて座は高く昇らない。真上(写真では真ん中あたり)にあるのは夏の大三角だ。東の空(写真では上)には秋の星座が昇っているが、天の川からちょっと離れたところにアンドロメダ銀河がある。ここに見えているほとんどの星が銀河系内にあるのに対し、アンドロメダ銀河は銀河系の外、230万光年の彼方にある。それでも、広大な宇宙の中ではすぐそばにいる隣人だ。
2013年9月5日・2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出180秒

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2017年7月26日 (水)

夏の天の川⑥

 はくちょう座からケフェウス座にかけての天の川にも、赤い散光星雲と暗黒星雲が入り乱れている。ケフェウス座にはIC1396という大きな散光星雲があるが、北アメリカ星雲より淡いので、きれいに写真撮影するにはもっと露出をかけなければならない。IC1396の中にある赤い星はガーネット・スターと呼ばれているが、この星は太陽の1500倍の直径を持つというとんでもない恒星、赤色超巨星だ。オリオン座のベテルギウスも同じような恒星だが、いずれは超新星爆発を起こし、ブラックホールができるのだろうと考えられている。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月25日 (火)

夏の天の川⑤

 はくちょう座のサドルからデネブにかけては、赤い散光星雲が広がっている。とりわけデネブのすぐそばには北アメリカ星雲とペリカン星雲があり、写真撮影すると鮮やかにその姿を捉えることができる。北アメリカ星雲とペリカン星雲はもともとひとかたまりの星間ガスで、デネブも同じ星間ガスから誕生したのかもしれない。デネブは巨大な質量を持つので、恒星としての寿命は短く、1億年もしないうちに超新星爆発を起こすと考えられている。その後は、はくちょう座の左側にある網状星雲のように、超新星残骸のガスが広がっていき、その中に含まれる元素が次世代の星の材料となるんだろう。また、デネブの下には暗黒星雲もあり、この中からデネブのような恒星が誕生するかもしれない。そのときこのあたりの景色も劇的に変わるかもしれない。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月24日 (月)

夏の天の川④

 わし座からはくちょう座にかけての天の川は、見どころの多いエリアだ。途中にあるこぎつね座にはあれい状星雲M27があり、こと座には環状星雲M57がある。これらの星雲は小さいので、望遠鏡でないとよく見えないが。はくちょう座のアルビレオは、金色と青色の美しい二重星で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」では、「トパーヅ」と「サフワイア」に例えられている。また、天の川に沿って赤い散光星雲が散在していて、写真撮影するとにぎやかだ。はくちょう座の左側にある網状星雲は超新星残骸で、数万年前の超新星爆発によってものすごいスピードで広がっているガスだと考えられている。はくちょう座γ星サドル周辺の赤い散光星雲は、その上の北アメリカ星雲・ペリカン星雲と並ぶ人気スポットだ。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月23日 (日)

夏の天の川③

 たて座からへび座、わし座にかけての天の川では、大きな暗黒星雲が背景の星をさえぎっている。わし座の上のはくちょう座にいくとまたにぎやかになるのだが、暗黒星雲のせいでちょっとさびしく感じる。それでも、ところどころに天の川の濃い部分があるし、散開星団もある。わし座のアルタイルはご存じ七夕の主役の1人、彦星だ。誕生して数億年という若い恒星だが、太陽よりちょっと大きいため、寿命は短いと考えられている。恒星は水素原子の核融合でエネルギーを発生させるが、大きな恒星ほど核融合が早く進み、寿命が短いのだ。アルタイル、ベガとともに夏の大三角を形づくるはくちょう座のデネブはもっと巨大な質量を持つため、1億年もしないうちに超新星爆発を起こすと言われている。その光景は遠く離れた地球から見てもすさまじいものだろう。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月22日 (土)

夏の天の川②

 いて座とわし座の間にはたて座というちょっとマイナーな星座がある。暗い星ばかりなので星座の形をたどるのは難しいが、ここは天の川がとても濃い部分だ。ちょうど真ん中あたりに、星が密集した部分があり、スモール・スター・クラウドと呼ばれている。また、スモール・スター・クラウドの北東の端にあるM11散開星団は、カモが群れ集まる様子に見えることから、ワイルドダック(野鴨)星団とも呼ばれている。ところどころに暗黒星雲があり、背景の星の光をさえぎっている。暗黒星団がなければ、天の川はもっと明るく輝いて見えるだろう。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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