カテゴリー「天体写真、天文学、科学」の記事

2023年9月28日 (木)

2023年10月の星空

 記録的猛暑もようやく終わりが見えてきた。月は6日下弦、15日新月、22日上弦、29日満月だ。15日は金環日食が起こるが、日本では見られない。29日は日本全国で部分月食が見られる。10月は小規模ながら複数の流星群が活動する。10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が8日頃、おうし座南流星群が10日頃、オリオン座流星群が22日頃、それぞれ極大となる。水星は20日に外合となり、日の出前の東の空から日没後の西の空に移るが、太陽に近く観察は難しい。金星は24日に西方最大離角となり、明けの明星として輝いている。火星は太陽に近く、観察は難しい。木星は11月3日の衝を控え、明るく輝いている。8月27日に衝となった土星もまだ見頃だ。秋の星空は、一見すると地味だが、アンドロメダ銀河をはじめ大型の星雲星団銀河が多く、天体写真ファンには見逃せない季節だ。国立天文台HPより。

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2023年9月25日 (月)

中秋の名月

 9月29日は満月だが、この日は太陰太陽暦の8月15日(十五夜)に当たるので、中秋の名月となる。中秋の名月の夜に月見をする慣習は、かなり昔からあるということだが、これはやはり農作物の収穫期と関係があったんだろう。春夏の間農作業に追われ、収穫できるかどうかというプレッシャーに押しつぶされそうになっていた人々が、無事に収穫できた喜びは大きかったろう。ちょうど里芋の収穫期であることから、芋名月とも呼ばれている。また、気温が下がり、過ごしやすい気候になっていること、湿度が下がり、空気が澄んでくること、月が適度な高さに昇り、見やすいことなんかも関係があるのかもしれない。中秋の名月の1ヶ月後、太陰太陽暦の9月13日(十三夜)にも月見をする慣習があり、この日の月は「後の月」と呼ばれる。

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2023年9月22日 (金)

二十四節気・秋分

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経180度(おとめ座)に対応するのが秋分(しゅうぶん)だ。秋の彼岸の中日、昼夜がほぼ等しくなる日だ。記録的猛暑だった北海道では、いつもより早く稲刈りが始まっているようだ。まだ気温は高いが、季節は着実に進んでいく。気温が下がり、天候が安定してくれば、天文ファンの活動も活発化していくだろう。今年は9月23日が秋分に当たる。

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2023年9月21日 (木)

アンタレス食

 今日はさそり座の1等星アンタレスが月に隠される「アンタレス食」が起こる。場所によって潜入・出現時刻は違うが、日本ではどこも日没前の潜入なので、これを観察するのは難しい。出現は日没後だが、西日本では日没が遅く、まだ暗くなっていないため、双眼鏡か望遠鏡が必要だ。東日本では日没が早いので、観察しやすい。恒星は点像なので、一瞬にして出現する。予報時刻が近づいたら、目を離さないようにしよう。

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2023年9月 6日 (水)

二十四節気・白露

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経165度(しし座)に対応するのが白露(はくろ)だ。しらつゆが草に宿るという意味だが、近年はそんな気配は一向に感じられない。ただ、日没時間はずいぶんと早くなった。白露の次は秋分で、昼の長さと夜の長さがほぼ同じとなり、その後は夜の時間が長くなっていく。今年は9月8日が白露に当たる。

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2023年8月23日 (水)

国際日付変更線

 現在、世界の時刻の基準となっているのは、協定世界時(UTC)と呼ばれる時刻だ。経度0度の本初子午線(グリニッジ子午線)を基準として、経度が15度進めば時刻は1時間進む。日本は東経135度なので、UTCより9時間進んでいる。この先、さらに経度を45度進めると、東経180度に達するが、これは西経180度でもあり、180度経線と呼ばれる。国際日付変更線は、だいたいこの180度経線に沿っていて、この線を越えると日付を戻したり進めたりする。アメリカとロシアの国境線が通るベーリング海峡は、180度経線からちょっとはずれているが、国際日付変更線もここに引かれている。ベーリング海峡中央にある2つの島は、片方がアメリカ領、もう片方がロシア領で、日付が違うため、「昨日島」と「明日島」と呼ばれているという。

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2023年8月22日 (火)

2023年9月の星空

 早い時間に夏の星座が西に傾き、秋の星座が昇ってくる季節となった。月は7日下弦、15日新月、23日上弦、29日満月だ。21日には、上弦前の月がアンタレスを隠すアンタレス食が起こる。また、29日は太陰太陽暦の8月15日に当たるので、中秋の名月となる。水星は22日に西方最大離角となり、前後数日間は見つけやすい。明けの明星に転じた金星は19日に最大高度に達し、以後太陽から離れて見やすくなっていく。火星は太陽に近く、観察は難しい。木星は夜中に昇り、明るく輝いている。衝となったばかりの土星はしばらく見頃だ。夜間の気温が下がるこの頃、レンズヒーターを忘れずに。国立天文台HPより。

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2023年8月21日 (月)

土星が衝

 土星が8月27日、衝となる。この頃土星は太陽とちょうど反対の方向にあり、一晩中見ることができる。小口径の望遠鏡でもはっきり見える環だが、15年周期で傾きが変わり、2025年には一時的に見えなくなる。30〜31日には土星が満月に接近するが、近地点に近い位置での満月なので、いつもよりちょっと大きく見える(写真撮影して比較するとわかる)。

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2023年8月18日 (金)

西村彗星

 静岡県の西村栄男さんが発見した西村彗星(C/2023 P1)が、5等級くらいまで明るくなりそうだということだ。8月13日にふたご座で発見された新天体は、9月13日に地球に最接近し、18日に近日点を通過する予報だ。ただ、太陽に近いので、最接近の頃は観察が難しい。9月上旬の明け方、光害の少ないところじゃないと見つけられないかもしれない。西村彗星は、双曲線軌道を描く彗星で、太陽に0.2天文単位(au)の距離まで近づくとみられる。すでに尾も観測されているということだが、太陽に接近してどれくらい尾が伸びるかは未知数だ。おそらく太陽に接近するのは初めてだろうから、アウトバーストを起こして大増光するとおもしろいのだが。

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2023年8月17日 (木)

二十四節気・処暑

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経150度(しし座)に対応するのが処暑(しょしょ)だ。暑さがおさまるころという意味だが、近年の温暖化でとてもそんな実感はわかない。暑さの峠には達しているんだろうが、峠じたいが大平原という感じだ。今年は8月23日が処暑に当たる。

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