天体写真撮影では昔から、冷却カメラというのが使われてきた。フィルムカメラもデジタルカメラも、気温が低い方が写りがいいという特性があるのだ。現在、よく使われる手法は、電流を流すと熱が移動する性質を持つペルチェ素子を利用してカメラを冷やすというもので、非冷却カメラよりちょっと高い価格でいろんなカメラがラインアップされている。ぼくが撮影するのは北海道なので、冷却カメラは使ったことがないが、暑い夏が続くようになれば、冷却カメラも必要になるかも。なお、最近はペルチェ素子を利用した小型クーラーが商品化されているが、エアコンや冷蔵庫と同じで、移動した熱はどこかで排出しなければならない。
7月7日は七夕だが、本来の七夕は新暦7月7日ではなく、太陰太陽暦の7月7日だ。新暦と太陰太陽暦では1ヶ月くらい時期がずれていて、月齢も全然違う。国立天文台では、太陰太陽暦の七夕を「伝統的七夕」と呼んでいるが、伝統的七夕の日は必ず上弦前後の月が輝いているということになる。今年の伝統的七夕に当たる日は8月4日だが、この日は月齢5の月がおとめ座の1等星スピカの近くで輝き、22時頃には地平線の下に沈む。そうすると(光害のない田舎では)天頂付近にかかる夏の天の川がはっきり見えてきて、それをはさんでおりひめ星(ベガ)とひこ星(アルタイル)が向かい合うという、おなじみ七夕伝説の構図ができあがるというわけだ。新暦の七夕にはこういうストーリーがないので、やはり七夕は伝統的七夕の方がいいね。
地球が太陽の周りを回る軌道は、ほとんど円に近い楕円だ。楕円軌道なので、太陽からの距離は一定ではない。太陽に最も近づく点が近日点、最も離れる点が遠日点と呼ばれるが、近日点距離は1.471億㎞、遠日点距離は1.521億㎞ということで、500万㎞ほど差がある。近日点・遠日点を通過する日は毎年だいたい同じ頃で、近日点は1月3日頃、遠日点は7月4日頃だ。北半球から見ると、近日点通過は真冬、遠日点通過は真夏ということになるが、500万㎞程度の差だと気候にはほとんど影響がないということになる。
夏至を過ぎて昼の長さは短くなっていくが、暑さはこれからが本番だ。梅雨も早々と明けてしまった。月は7日上弦、14日満月、20日下弦、29日新月だ。30日頃にはみずがめ座δ(デルタ)南流星群が極大となる。極大時1時間当たりの流星数は3個程度だが、出現期間は12日〜8月23日と長い。21〜22日には火星食が見られる。北海道や東北では潜入と出現を見ることができるが、関東より西では出現のみ、九州ではどちらも見ることができない。明け方の空に地球以外の全惑星が勢ぞろいしているが、動きの速い水星は17日に外合となり、日没後の西の空に移る。国立天文台HPより。
明け方の空に地球以外のすべての惑星が勢ぞろいしている。南から東に向かって土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星の順番だ。このうち肉眼で見えるのは土星、木星、火星、金星、水星だが、水星は高度が低いので双眼鏡か天体望遠鏡じゃないと見つけられないかも。天王星と海王星は、天体望遠鏡を使わないとまず見つけられないだろう。惑星が直線上に並んでいるそばを、月もどんどん欠けながら通過していく。しかし、天気悪いなぁ。