カテゴリー「天体写真、天文学、科学」の記事

2017年7月26日 (水)

夏の天の川⑥

 はくちょう座からケフェウス座にかけての天の川にも、赤い散光星雲と暗黒星雲が入り乱れている。ケフェウス座にはIC1396という大きな散光星雲があるが、北アメリカ星雲より淡いので、きれいに写真撮影するにはもっと露出をかけなければならない。IC1396の中にある赤い星はガーネット・スターと呼ばれているが、この星は太陽の1500倍の直径を持つというとんでもない恒星、赤色超巨星だ。オリオン座のベテルギウスも同じような恒星だが、いずれは超新星爆発を起こし、ブラックホールができるのだろうと考えられている。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月25日 (火)

夏の天の川⑤

 はくちょう座のサドルからデネブにかけては、赤い散光星雲が広がっている。とりわけデネブのすぐそばには北アメリカ星雲とペリカン星雲があり、写真撮影すると鮮やかにその姿を捉えることができる。北アメリカ星雲とペリカン星雲はもともとひとかたまりの星間ガスで、デネブも同じ星間ガスから誕生したのかもしれない。デネブは巨大な質量を持つので、恒星としての寿命は短く、1億年もしないうちに超新星爆発を起こすと考えられている。その後は、はくちょう座の左側にある網状星雲のように、超新星残骸のガスが広がっていき、その中に含まれる元素が次世代の星の材料となるんだろう。また、デネブの下には暗黒星雲もあり、この中からデネブのような恒星が誕生するかもしれない。そのときこのあたりの景色も劇的に変わるかもしれない。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月24日 (月)

夏の天の川④

 わし座からはくちょう座にかけての天の川は、見どころの多いエリアだ。途中にあるこぎつね座にはあれい状星雲M27があり、こと座には環状星雲M57がある。これらの星雲は小さいので、望遠鏡でないとよく見えないが。はくちょう座のアルビレオは、金色と青色の美しい二重星で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」では、「トパーヅ」と「サフワイア」に例えられている。また、天の川に沿って赤い散光星雲が散在していて、写真撮影するとにぎやかだ。はくちょう座の左側にある網状星雲は超新星残骸で、数万年前の超新星爆発によってものすごいスピードで広がっているガスだと考えられている。はくちょう座γ星サドル周辺の赤い散光星雲は、その上の北アメリカ星雲・ペリカン星雲と並ぶ人気スポットだ。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月23日 (日)

夏の天の川③

 たて座からへび座、わし座にかけての天の川では、大きな暗黒星雲が背景の星をさえぎっている。わし座の上のはくちょう座にいくとまたにぎやかになるのだが、暗黒星雲のせいでちょっとさびしく感じる。それでも、ところどころに天の川の濃い部分があるし、散開星団もある。わし座のアルタイルはご存じ七夕の主役の1人、彦星だ。誕生して数億年という若い恒星だが、太陽よりちょっと大きいため、寿命は短いと考えられている。恒星は水素原子の核融合でエネルギーを発生させるが、大きな恒星ほど核融合が早く進み、寿命が短いのだ。アルタイル、ベガとともに夏の大三角を形づくるはくちょう座のデネブはもっと巨大な質量を持つため、1億年もしないうちに超新星爆発を起こすと言われている。その光景は遠く離れた地球から見てもすさまじいものだろう。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月22日 (土)

夏の天の川②

 いて座とわし座の間にはたて座というちょっとマイナーな星座がある。暗い星ばかりなので星座の形をたどるのは難しいが、ここは天の川がとても濃い部分だ。ちょうど真ん中あたりに、星が密集した部分があり、スモール・スター・クラウドと呼ばれている。また、スモール・スター・クラウドの北東の端にあるM11散開星団は、カモが群れ集まる様子に見えることから、ワイルドダック(野鴨)星団とも呼ばれている。ところどころに暗黒星雲があり、背景の星の光をさえぎっている。暗黒星団がなければ、天の川はもっと明るく輝いて見えるだろう。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月21日 (金)

夏の天の川①

 夏の天の川はにぎやかだ。銀河系の中心はいて座の方向にあり、夏の天の川は地球から見て銀河系の内側になるので、数多くの星が見えるのだ。本当はこの写真に写っているよりもっと多くの星があるが、銀河系内部には星の材料である星間ガスもたくさんあり、これらが暗黒星雲として背景の星の光をさえぎっているため、ところどころが真っ黒に見えている。夏の天の川で見どころといえば、やはりいて座だ。いて座周辺には星雲星団がひしめいている。M8干潟星雲は、M42オリオン座大星雲と並ぶ大型星雲だ。ただ、北海道では高く昇ることがないので、撮影時期は限られてしまう。M8の北には、M20三裂星雲、M17オメガ星雲、M16わし星雲が並んでいる。また、このあたりには散開星団も散在していて、双眼鏡や望遠鏡があれば星空散歩が楽しめる。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒

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2017年7月18日 (火)

天体望遠鏡③

 天体望遠鏡には、大きく分けて屈折式と反射式とがあるが、屈折式望遠鏡もすべて同じタイプというわけでなく、タカハシの屈折式望遠鏡にはレンズ形式が異なる5つのラインがある。これは、月・惑星がメインか星雲星団銀河がメインか、眼視がメインか写真撮影がメインかなど、ターゲットに合わせた最適な光学系を選択できるようになっているからだ。例えば、月・惑星がメインなら焦点距離が長い望遠鏡がいいし、星雲星団銀河の写真撮影がメインならFが明るい望遠鏡がいい。また、レンズには収差というものがあり、どんな光学系でもすべての収差を完璧に消すことはできないが、高性能レンズを何枚か組み合わせることにより、実用上十分なレベルまで収差を補正することは可能だ。これも眼視と写真撮影それぞれに適した形式がある。タカハシEM−11 Temma2Z赤道儀に搭載できる望遠鏡で眼視中心ということなら、FOA-60、FS-60Q・CB、FC-76D・100Dくらいまでだろう。口径6㎝クラスなら、赤道儀はもう一段小型のPM-1でもいい。ただし、自動導入赤道儀ではないが。

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2017年7月16日 (日)

繰り返される宇宙

 宇宙がどのように誕生し成長してきたのかを研究する分野は、宇宙論と呼ばれている。現代の宇宙論では、宇宙は138億年前、インフレーションという急激な加速膨張を経て熱い火の玉宇宙=ビッグバンが起きたと考えられているが、宇宙の始まりの瞬間のことはまったくわかっていない。これは、宇宙の始まりの瞬間(特異点)を記述するのに必要な一般相対性理論と量子力学との相性が悪く、特異点ではいまわかっているすべての理論が破綻してしまうからだ。そこで、一般相対性理論と量子力学とをうまく融合させる究極理論の研究が行われていて、超ひも理論やループ量子重力理論などが有力候補にあがっている。ドイツの物理学者マーチン・ボジョワルドはこのうちループ量子重力理論の先駆的研究者で、著書「繰り返される宇宙」はループ量子重力理論を一般向けに解説した本だ。

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2017年7月14日 (金)

天体望遠鏡②

 天体望遠鏡には、大きく分けて屈折式と反射式とがある。屈折式は取り扱いが容易だが高価、反射式は安価だが取り扱いが難しいとされ、天文ファンが初めて望遠鏡を買うときは大いに迷うのが普通だった。かつてはまず6㎝程度の屈折式から入り、その後10㎝以上の反射式に移行するという天文ファンが多かったと思うが、最近は屈折式の性能が大幅に向上し、10㎝程度の屈折式を主力機にするという人も多いようだ。しかし、口径20㎝以上ともなると、いまでもやはり主力は反射式のようだ。タカハシεー130Dは、反射式ではあるが、一般的なニュートン式反射とはちょっと違い、双曲面主鏡と補正レンズを組み合わせることによって写真撮影に特化した高性能機となっている。口径130㎜に対し焦点距離は430㎜、F3.3と抜群の明るさだ。タカハシEM−11 Temma2Z赤道儀に搭載して星雲星団銀河の撮影をメインにするなら、屈折式のFSQー85EDかこのεー130Dが最有力候補だろう。

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2017年7月12日 (水)

日本の地形

 Google Earthはよくできたソフトだ。これをながめると、世界各地の地形はもちろん、海底地形までよくわかる。日本列島のすぐ東にある日本海溝で太平洋プレートが北アメリカプレートに沈み込む様子を見ていると、日本が地震の巣だということも明らかだ。日本の地形の特異性は世界でも指折りだと言えるだろう。日本の地理学者 貝塚爽平が書いた「日本の地形」は、こうした日本各地の地形がどのように形成されたかを解説した本だ。1977年刊行とちょっと古く、新書なので写真や図版もあまりないが、Google Earthを参照しながら読むとイメージがわくだろう。ぼくの故郷のシンボル日高山脈のことにもちょっと触れている。

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