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年が明けて2025年となる。月は7日上弦、14日満月、22日下弦、29日新月だ。4日は地球が近日点を通過する。地球の軌道は真円に近い楕円だが、近日点距離は遠日点距離より500万㎞ほど近い。4日はしぶんぎ座流星群が極大となる。出現数はムラがあるが、3日深夜から4日未明にかけては月明かりもないので、数十個程度の流星を見ることができるんじゃないだろうか。クリスマスの頃は見やすかった水星は、どんどん太陽に近づいて観察が難しくなる。宵の明星として圧倒的な輝きを放つ金星は、10日に東方最大離角となる。火星は16日に衝となるが、その4日前の12日に地球に最接近する。ただし、大接近に比べると倍近い距離がある。木星は早い時間に南中するようになってきたが、木星と火星、シリウスを結ぶ冬の超大三角はまだ楽しめる。土星はそろそろ見頃を終え、太陽に近づいていく。国立天文台HPより。
気象庁によると、今年の全国の平均気温は、統計を開始した過去126年で最も高くなる見込みだという。1〜11月の平均気温は平年より1.64度高く、日本近海の海面水温も1.46度高いという。まさに異常な高温だ。原因としては、地球温暖化に加えて、偏西風が北に蛇行したこともあるという。最近、コロラド大学などの国際研究グループが、早ければ2027年夏に北極の海氷がほぼ消えてなくなるという衝撃的な論文を発表した。太陽光の大部分を反射する氷がなくなると、地球温暖化がさらに加速すると考えられていて、これは深刻な事態だ。
今年の年末年始は新月期という絶好のチャンスだ。北海道では、16時過ぎに太陽が沈み、18時前には天文薄明も終わる。この時間だとみずがめ座のらせん星雲NGC7293やちょうこくしつ座の渦巻銀河NGC253がまだ狙える。この2つは南中高度が低く、撮影できる機会があまりない。M31アンドロメダ銀河やさんかく座の渦巻銀河M33、ペルセウス座のNGC1499カリフォルニア星雲、おうし座のM45プレアデス星団は天頂付近にあり、しばらく撮影のチャンスだ。22時頃になるといよいよオリオン座やぎょしゃ座の星雲星団が南中する時間となる。これらはメジャーな天体で、小口径望遠鏡でもよく写るものだが、FC-100DZを導入したので、マイナーな天体も狙ってみよう。まずはNGC253の近くにあるちょうこくしつ座矮小銀河だ。ちょうこくしつ座矮小銀河は銀河系の伴銀河で、27万光年の距離にある。満月ほどの大きさだが、9等級と暗い。
ホンダと日産自動車が、経営統合に向けた協議を進めているという。自動車業界が100年に1度といわれる変革期を迎える中、両社ともに生き残りをかけた動きということだろう。1980年代、日本は世界一の自動車生産国となり、トヨタ、日産、ホンダをはじめとする日本メーカーは多くの魅力的なクルマを登場させた。ぼくは工学部でバイク乗りだったので、一時はホンダへの就職も考えるほどだった。若い頃はスポーティなクルマに乗りたいと思うこともあったが、バイクの方が楽しく、クルマにのめり込むことにはならなかった。いまは天体望遠鏡を組み立てたまま載せることができる広いクルマがほしいなと思う程度だ。
「天文年鑑」は2025年版で創刊77年を迎える。表紙は大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)だ。2025年は部分日食が2回、皆既月食が2回起こるが、日本から見られるのは3月14日の皆既月食の一部(部分月食)と9月8日の皆既月食だ。惑星食は、水星食と金星食が1回ずつ、火星食が4回、土星食と海王星食が2回ずつ起こるが、日本から条件よく観察できるものはない。金星は3月までが宵の明星、それ以降は明けの明星となる。土星の環はどんどん傾きが小さくなっているが、3回ほど見えなくなる時期がある。土星の環の消失は15年ぶりだ。3大流星群のうち、しぶんぎ座流星群は1月4日頃、ペルセウス座流星群は8月13日頃、ふたご座流星群が12月14日頃に極大となる。2024年は紫金山・アトラス彗星が明るくなったが、2025年は明るくなりそうな彗星は(いまのところ)ない。太陽活動は11年周期で活発になるが、2025年はピークを迎えるとみられている。2024年と同様、北海道をはじめ広く日本国内で低緯度オーロラを見ることができるかもしれない。
ふたご座流星群は明日の夜から明後日の未明が見頃だ。遠征できない人は、ウェザーニュースのライブ中継なんかで見るのもいいだろう。
国立天文台が編纂する理科年表は、1925年創刊のデータブックだ。暦、天文、気象、物理/化学、地学、生物、環境の各部門からなり、サイエンスの全分野を網羅している。毎年内容が変わるのは暦部くらいで、天文ファンの場合天文年鑑も買うだろうから、理科年表を毎年買う天文ファンというのは少ないと思うが、1冊くらいは持っているんじゃないだろうか。ぼくは天文年鑑は毎年、理科年表は5年に一度、西暦の数字が5で割り切れる年に買っている。というわけで、2025年は5年ぶりに買う年だ。
ディズニープラスのオリジナルドラマ「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」は、「スター・ウォーズ」エピソード6の後、帝国崩壊後の時代が舞台だ。皇帝とダース・ヴェイダーが滅び、平和と正義の守護者「ジェダイ」もおとぎ話となった。そんな中、4人の少年少女が、平和な星の地下に眠る失われたジェダイ聖堂の中に宇宙船を見つけ、広大で危険な銀河に迷い込む。そこに現れたのが、神秘の力「フォース」を操る謎の男。家族の待つ星に帰るため、子どもたちは謎の男と搭乗員(クルー)を組み、命がけの大冒険に巻き込まれていく。映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズで若きアルバス・ダンブルドアを演じているジュード・ロウが、謎のジェダイを演じている。
今日の土星食は、自宅の窓から見られる方向だったので、部屋に置いたAZ-GTi+国立天文台望遠鏡キットで観察した。国立天文台望遠キットは口径50㎜のアクロマートレンズで、16倍と66倍のアイピースがついている。地球から見た土星の環の傾きはだいたい15年周期で変化するが、いまはほとんど真横から見ているので、小型望遠鏡だとすごく細くしか見えない。ともあれ予報時刻どおりに、土星は月に隠されてしまった。
ZWO ASI2600MC Proは、センサーサイズがAPS-Cサイズの冷却CMOSカメラだ。外気温より35℃下げることができるので、夏でも長時間露光時のノイズを抑え、きれいな画像を得ることができる。また、ASI294MCなどで発生するアンプグローを抑制する回路を搭載していて、「ゼロ・アンプグロー」をうたっている。実際ASI294MCのアンプグローはけっこう盛大に出るので、ダーク補正で消さなければならないのだが、ASI2600MC Proならその心配がない。今年は主力機をタカハシFC-100DZにアップグレードしたので、そろそろCMOSカメラもアップグレードしようかな。
気象庁によると、今年秋(9〜11月)の平均気温は、統計を開始した1898年以降で最も高くなったという。これまでに最も高かったのは昨年だが、そこからさらに0.58℃も上回った。地球温暖化の影響のほか、偏西風が北側に蛇行し、南からの暖かい空気に覆われやすかったことも原因だというが、いずれにしても、このような気候が定着すると、いろんな面で悪い影響が出てくるだろう。この分野での新記録更新は打ち止めになってほしいもんだ。