山本義隆自選論集Ⅰ 物理学の誕生
科学史家であり予備校講師でもあり、さらには東大全共闘議長でもあった山本義隆は、科学史に関する著作を多く上梓しているが、いずれも大部であったり、難解であったりで、なかなか手を出しにくい。そんな中、山本が高校生向けの講演を行ったことが契機となり、なぜ西欧に近代物理学・近代自然科学が誕生したのかという問題意識に基づいて書き上げた「磁力と重力の発見」「十六世紀文化革命」「世界の見方の転換」「小数と対数の発見」の4部作のダイジェスト版として、「山本義隆自選論集Ⅰ 物理学の誕生」が刊行された。山本の授業はぼくも実は聴講したことがあるが、大阪弁のおもしろいおっちゃんという感じだった。経歴を見ると、当時すでに「重力と力学的世界 古典としての古典力学」を刊行していたようだ。その後この分野で研究を深め、ものすごい質・量の書物を物したということで、人生の一瞬とはいえ同じ時間を共有したことがある者として、なかなか感慨深いものがある。そういえば山本先生とは、2002年の故今井澄参議院議員の葬儀でも出会った。弔辞を読む友人代表として山本先生の名前が呼ばれたとき、会場内がみな固唾を呑んだことをよく覚えている。

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