銀河系とよく似た銀河NGC6744
欧州宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡ユークリッドが、くじゃく座の銀河NGC6744をとらえた。ユークリッドは昨年7月に打ち上げられ、太陽と地球のラグランジュ点L2で観測を開始した。今回画像が公開されたNGC6744は、銀河系から3000万光年の彼方にあり、棒渦巻銀河と渦巻銀河の中間型の銀河だ。われわれの銀河系とよく似ていると考えられていて、伴銀河も伴っている。残念ながら日本からは見ることができないが、南半球に行く機会があれば撮影したい天体だ。

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欧州宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡ユークリッドが、くじゃく座の銀河NGC6744をとらえた。ユークリッドは昨年7月に打ち上げられ、太陽と地球のラグランジュ点L2で観測を開始した。今回画像が公開されたNGC6744は、銀河系から3000万光年の彼方にあり、棒渦巻銀河と渦巻銀河の中間型の銀河だ。われわれの銀河系とよく似ていると考えられていて、伴銀河も伴っている。残念ながら日本からは見ることができないが、南半球に行く機会があれば撮影したい天体だ。
昔の洋画は、タイトルを和訳することが多かったように思う。007シリーズ第5作「007は二度死ぬ」は、原題は「YOU ONLY LIVE TWICE」で、「二度生きる」だったのが逆転して「二度死ぬ」になっている。それはそうと、撮影が行われた鹿児島県南さつま市坊津町秋目には、1990年に設置された記念碑がある。記念碑には、ここ秋目で撮影が行われたことが刻まれ、アルバート・R・ブロッコリとショーン・コネリー、丹波哲郎のサインも彫られている。映画の中では、日本の秘密警察のトップ タイガー田中(丹波)の部下である海女 キッシー鈴木(浜美枝)と偽装結婚したボンドが、秋目に潜入し、スペクターの秘密基地を調査するのだが、たくさんの舟を浮かべて海女が漁を行うシーンなど、美しい映像が出てくる。日本人としては笑っちゃうようなシーンもあるが、かつて007が日本で活躍した映画があったということで、本作は特別な存在だ。
天文ファンにとって6月は、最も活動しにくい時期だ。夜の時間が短いし、梅雨で天気が悪い日が多い。湿度が高いので、うっかりしているとレンズにカビが生えることもある。とかくに6月は住みにくい。21日は夏至だ。月は6日新月、14日上弦、22日満月、29日下弦だ。20日は満月近くの月がさそり座の1等星アンタレスを隠すアンタレス食が起こる。水星は15日の外合を境に日の出前の東の空から日の入り後の西の空に移るが、太陽に近く、観察は難しい。金星も5日外合で、観察は難しい。宵の明星として目につくようになるのはしばらく先だ。火星と木星、土星はいずれも真夜中から未明にかけて昇ってくるが、見頃はまだ先だ。国立天文台HPより。
南天の星空の大スター 南十字星(サザンクロス)は、日本の大部分からは見えない。4つの星のうち最も北にあるγ(ガンマ)星が、本州最南端の和歌山県や九州でなんとか見え始め、沖縄県ではもっと見やすくなる。南十字星のすぐそばにあるケンタウルス座も、北海道ではほとんど見えないが、太陽系に最も近い恒星系α(アルファ)星(リギル・ケンタウルス&トリマン&プロキシマ・ケンタウリ)や全天で最も明るい球状星団ω(オメガ)星団など、見どころが多い。とまあ普段は見るチャンスのない南天の星空だが、近く鹿児島に行く予定があるので、鹿児島の星空をSkySafariで表示してみた。南十字星のγ星は地平線(水平線)ギリギリなので見るのは難しそうだが、ω星団は南中高度が10度を超えるので、双眼鏡があれば見えそうだ。あとは天気しだいだな。
アメリカの作家ブレイク・クラウチ原作のApple TV+「ダーク・マター」は、量子力学の多世界解釈をモチーフとした物語だ。量子力学が専門の物理学者ジェイソン・デスセン(ジョエル・エドガートン)は、妻と息子の3人家族で平和な日々を送っていた。ある日、友人の学者の受賞パーティーに出席したジェイソンは、帰宅途中何者かに連れ去られる。そして、意識を取り戻したジェイソンは、いまいる世界が以前とは異なっていることに気づく。愛する妻ダニエラ(ジェニファー・コネリー)とは結婚しておらず、その代わり友人が受賞したはずの賞はジェイソン自身が受賞していた。実はジェイソンは、量子力学の多世界解釈で説明される、時間発展の中で複数に分岐していく世界の間を、自由に移動する方法を発見したのだ。相対性理論や量子力学は人間の常識からみると奇妙奇天烈なところがあるので、SF映画にするとなかなかおもしろい。ところで、本作とダークマター(暗黒物質)がどういう関係なのかはまだ謎だ。
陸上部分では国内最大の国立公園 日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生する。長さ140㎞にも及ぶ日高山脈は、いまから1300万年前、北米プレートとユーラシアプレートの衝突によって形成された。標高は決して高くないが、手つかずの自然が多く残っていて、氷河地形であるカールがあったり、マントルを構成するかんらん岩が地上に露出する場所があるなど、地形・地質といった点からも非常に興味深い。「日高山脈」という名称ではあるが、日高側から主稜線までの距離は何十㎞もあり、「遙かなる山」だ。日高の人間でありながら、登山したことがあるのはアポイ岳のみなので、いつか日高山脈に入ってみたいと思っているが、素人は寄せ付けない誇り高き山なので、かなわないだろうな。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)がオリオン座の馬頭星雲を赤外線で撮影した画像が公開された。馬頭星雲は天文ファンに人気の星雲で、散光星雲IC434を背景に馬の頭の形をした暗黒星雲が浮かび上がって見える。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)も鮮明な画像を撮影したが、JWSTの画像はさらに鮮明だ。驚くのは、馬頭星雲の背景に銀河団が見えることだ。遠い未来、馬頭星雲が拡散して星間ガスが希薄化すれば、大銀河団がその全貌をみせるかもしれない。
サイトロンからステラグラスという星見めがねが発売された。人間の目は、暗い場所では瞳孔が開きより多くの光を取り込もうとする代わりに視力は低下するが、ステラグラスは、明るい場所にいるのと同じくらいの視力を得ることが可能になるという。ある天文ファンの解説では、瞳孔が開き収差が大きい角膜レンズの周辺部も使われることで不正乱視が発生し見えづらくなるのを、ステラグラスが補正するのだという。ぼくも強度の近視に乱視、老眼と三拍子揃っていて、非常に目が悪い。最近はさらに悪化している感じで、機材やタブレットとにらめっことなる天体写真撮影も一苦労だ。ステラグラスの第1ロットはすでに完売だそうだが、ぼくも試してみようかな。
天体写真撮影対象を選ぶには、星雲・星団・銀河のガイドブックが参考になる。ぼくも何冊か持っているが、撮影機材が進化すると、古いガイドブックではカバーしていない天体も撮影対象となってくる。「星雲・星団・銀河ビジュアル図鑑」は、これまでのガイドブックではちょっと物足りなったという人向けの、最新のガイドブックだ。ぼくの場合、天体写真撮影は年2〜3回しかできないので、効率よく撮影するためわりと入念に撮影計画を練らなければならない。撮影したい天体の天球上の位置や光害の方向も考慮し、撮影順を決めていく。もちろん、雲に邪魔されて計画が狂うことも多いが、うまくいったときの喜びは格別だ。今年は主力望遠鏡をグレードアップし、より暗い天体も撮影できるようになったので、ますます楽しめそうだ。
世の極悪人を完全抹消する仕事請負人「イコライザー」シリーズ第3作「イコライザー THE FINAL」は、イタリアが舞台だ。元CIAのトップエージェント ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、シチリアでの仕事中に負傷、海沿いの田舎町で助けられる。何もいわずに身内のように看病する医者や温かく接してくれる町の人たちに囲まれ、マッコールはいつしかこの町を安住の地にしようと考え始める。しかし、この町を一大リゾート地にしようと目論んでいるマフィアが町を荒らし始め、マッコールはマフィアとの戦いに巻き込まれていく。一方、マッコールからの匿名の通報でテロリストの情報をつかんだCIA捜査官エマ・コリンズ(ダコタ・ファニング)は、シチリアで捜査を開始、療養中のマッコールにたどり着く。いつもながら鮮やかに極悪人どもを抹消していくマッコール、本作を最終章とするのはまだ早いんじゃないか。
コリン・ファレル主演のApple TV+「シュガー」は、私立探偵ジョン・シュガーの活躍を描いた物語だ。ロサンゼルスの私立探偵シュガーは、東京での仕事を終えて帰国するや、ハリウッドの伝説的プロデューサー ジョナサン・シーゲルの依頼を受ける。シーゲルの孫娘オリヴィアが謎の失踪を遂げたことから、その居所を突き止めてほしいというのだ。シュガーは独特の美学を持ち、暴力も嫌っているが、凄腕の探偵だ。捜査の過程でシュガーは、シーゲル家の秘密を知ることになるが、同時に自らが抱える秘密にも対峙しなければならなくなる。古きよきアメリカの刑事ドラマといった雰囲気で、これはなかなかおもしろそうだ。