二つの世界の男
キャロル・リード監督作品「第三の男」は、第2次世界大戦直後、米英仏ソ4ヶ国による分割統治下にあったウィーンが舞台だが、「二つの世界の男」は、やはり同じような状態にあったベルリンが舞台だ。イギリス人のスザンヌ・マリスン(クレア・ブルーム)は、ベルリンで勤務する軍医の兄マーティンのもとを訪れる。多忙な兄に代わって出迎えたのは、初めて会う兄の妻ベッティーナだった。しかしスザンヌはまもなく、ベッティーナの周囲に不審な動きがあることに気づく。翌日、スザンヌはベッティーナの案内で東側を見物するが、そこにイーヴォ・カーン(ジェームズ・メイソン)という男が現れる。ベッティーナはカーンを昔からの友人だと紹介し、すぐに別れるが、その後カーンがベッティーナのもとを訪れ、何やら口論している場面を、スザンヌが目撃する。実は、ベッティーナはカーンと結婚していたが、カーンが行方不明となり、マーティンと再婚していた。カーンは弁護士だったが、身を持ち崩し、3週間前に突然ベッティーナの前に姿を現したばかりだった。そんな中、東ドイツ警察は、カーンを利用して、東側から西側への出国者を手助けするケストナーという男を捕らえようと画策する。本作が制作されたのはベルリンの壁建設前の1953年で、廃墟となった市内の様子など、興味深い映像を見ることができる。
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