トンネル
第2次世界大戦後、ドイツの首都ベルリンはアメリカ、イギリス、フランス、ソ連の4ヶ国によって分割統治された。当初は市民の往来は自由だったが、東側から西側への人口流出が深刻化したため、東側はベルリンの壁を建設、東ドイツ国民の出国を厳しく制限した。そんな中、西側への脱出を図る東ドイツ国民は、さまざまな方法で壁を越えようと試みたが、多くの悲劇も生まれた。映画「トンネル」は、1962年9月、29名が脱出に成功した「トンネル29」という実話に基づく映画だ。1961年、東ドイツ水泳大会で優勝したハリー・メルヒャー(ハイノ・フェルヒ)は、偽造パスポートを使い、チェックポイント・チャーリーから西側に出国する。メルヒャーには妹ロッテ(アレクサンドラ・マリア・ララ)がいて、一家を西側に亡命させようと考えているが、偽造パスポートによる出国は困難なため、ベルリンの壁の地下にトンネルを掘る計画を思いつく。メルヒャーは先に亡命に成功した友人マティス・ヒラー(セバスティアン・コッホ)らと計画を練り、婚約者を出国させたいという女性もメンバーに加わって、廃屋となった工場の地下でトンネルを掘り始める。実話である「トンネル29」では、ベルナウアー通りの工場の敷地からトンネルが掘られたそうだ。今日このあたりにはベルリンの壁が保存され、往時の様子を知ることができる。

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