ゴジラ-1.0
特撮怪獣映画の代表作「ゴジラ」は、1954年に初登場した。ぼくも子どもの頃に映画館で観た記憶があるが、その頃はすっかり人間の味方になっていた。その後「ゴジラ」シリーズは何度か空白期間があったが、2016年、12年ぶりに「シン・ゴジラ」が公開され、大ヒットを記録した。「ゴジラ-1.0」は、国産実写作品としては第30作目となる作品だ。第2次世界大戦末期の大戸島、特攻隊員の敷島浩一は機体故障と偽り、敵前逃亡する。その夜、恐竜のような怪獣「ゴジラ」が島に現れ、基地はほぼ全滅する。敷島はゼロ戦の機銃でゴジラを撃つよう命じられるが、恐怖でそれができず、仲間を見殺しにしたとの自責の念に駆られ続ける。終戦後、焦土となった東京に引き揚げた敷島だったが、空襲で自宅は全壊、両親も死亡していた。廃墟同然のバラックで暮らす中、敷島は闇市で大石典子という女性と出会う。典子もまた空襲で両親を失い、赤の他人に託された赤ん坊を背負って懸命に生きていた。典子と共同生活を始めた敷島は、高給を目当てに、米軍が敷設した機雷の除去という危険な仕事に就く。順調に仕事をこなし、生活も安定してきた敷島だったが、太平洋では異変が生じていた。米軍がビキニ環礁で行った核実験に被爆したゴジラの細胞が変化し、さらに巨大化したのだ。日本近海に現れたゴジラを足止めするため、敷島らはゴジラと対峙するが、圧倒的パワーにまったく歯が立たない。そしてゴジラはついに東京に上陸、戦後復興のさなかの東京に壊滅的被害をもたらす。というわけで、無(ゼロ)から負(マイナス)となった戦後間もなくの日本で、ゴジラという怪物を相手に、名もなき人々が生きて抗う物語が展開される。本作でのゴジラは身長50mで、118mのシン・ゴジラほど大きくはないが、高層ビルもない時代の東京では圧倒的な存在で、映像も迫力満点だ。
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