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2023年10月

2023年10月31日 (火)

ベルリン・天使の詩

 ベルリンの壁がまだ存在した1987年公開の映画「ベルリン・天使の詩」は、人間界を見守る天使ダミエルと人間の女性マリオンの愛を描いた物語だ。ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は今日も、ティーアガルテンの戦勝記念塔でベルリンの街を見下ろしながら、人間の内なる声に耳を傾けている。ある日ダミエルは、サーカスの空中ブランコ乗りマリオンの声を聞き、恋心を抱くようになる。元天使で現在は俳優として活躍しているピーター・フォークとの出会いなどもあり、ダミエルは、親友の天使カシエルに、永遠の命を放棄し、人間になりたいと打ち明ける。そして、念願どおり人間となったダミエルは、ついに人間界に降り立つ。本作は壁崩壊前のベルリン市内のあちこちで撮影されていて、非常に興味深い映像が出てくる。とりわけ、ダミエルが老詩人ホメロスの追憶の声を聞く荒れ地のポツダム広場は、今日の繁栄ぶりからは想像がつかないほどで、なんとも印象的だ。

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2023年10月30日 (月)

三鷹・星と宇宙の日

 国立天文台・三鷹キャンパス特別公開「三鷹・星と宇宙の日」が開催された。コロナ禍以前は予約不要で、望遠鏡ショップなどのブースも出ていたが、事前申込・定員制ということで、なんかちょっと閉鎖的な感じになった。いろいろな観測プロジェクトが展示されていたが、実際に天体を観測する様子を見ることができたのは、太陽観測科学プロジェクトだ。太陽フレア望遠鏡は、ニコン製の口径15㎝望遠鏡1本と12.5㎝望遠鏡2本を組み合わせたもので、各種波長で太陽を観測している。来年以降はコロナ禍以前のように、50㎝公開望遠鏡による観望会や望遠鏡ショップのブースも復活させてほしいもんだ。

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2023年10月29日 (日)

木星が衝

 木星が11月3日に衝となる。明けの明星である金星よりは暗いが、マイナス3等級とずば抜けて明るく、ちょっとさびしい秋の星座の中で大きな存在感を放っている。小型望遠鏡でも、4つのガリレオ衛星が並び、本体に縞模様があるのがはっきりわかる。金星や火星は地球からの距離によって見かけの大きさが大きく変わるが、木星は遠いので、そんなに大きくは変わらない。したがって、太陽の近くにあるときを除き、実はいつでも見頃だ。夜半前なら土星も見えるので、見比べるのもいいだろう。

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2023年10月28日 (土)

トレッドストーン

 ロバート・ラドラム原作の映画「ジェイソン・ボーン」シリーズは、CIAの暗殺者養成計画トレッドストーンによって驚異的な戦闘力を身につけたジェイソン・ボーンが、任務遂行中に記憶喪失となり、裏切ったと考えたCIAに追われる物語だ。ドラマ「トレッドストーン」は、その「ジェイソン・ボーン」シリーズの世界観を引き継ぐ物語だ。1973年東ベルリン、KGBに捕まったCIAのジョンは、究極の暗殺者を生み出す実験の被験者とされてしまうが、なんとか逃亡する。時は流れて現在、ロンドンでタクシードライバーをしている元ジャーナリスト タラのもとに北朝鮮軍部の大物が現れ、巨大な陰謀が進行中だと知らされる。さらに、北朝鮮でピアノ教師として平和に暮らす女性が突然暗殺者に変貌、アラスカの海底油田をリストラされた男性がケンカに巻き込まれ、すさまじい戦闘能力を発揮する。トレッドストーン計画によって生み出された暗殺者(セミ)たちは、何年も普通に暮らしていたが、ある日突然覚醒したのだ。「ジェイソン・ボーン」シリーズのスピンオフドラマである本作だが、シーズン1で終了ということだ。

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2023年10月27日 (金)

アマチュア無線

 アマチュア無線の無線局免許を更新した。無線局の開局などの手続きは電子化されていて、総務省「電波利用 電子申請・届出システムLite」でできる。現在7割の人が電子申請を利用しているという。もともとバイクツーリング時に無線を使うため免許を取得したが、ツーリングに行くこともなくなり、無線からも遠ざかっていた。しかし、東日本大震災のときにアマチュア無線が役立ったという話もあるので、更新しておくのもいいだろう。

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2023年10月26日 (木)

2023年11月の星空

 夏の大三角が西に沈む頃、東の空には冬の大三角が昇ってくるが、その時間もだんだん早くなってきた。月は5日下弦、13日新月、20日上弦、27日満月だ。6日頃にはおうし座南流星群が、13日頃にはおうし座北流星群が、18日頃にはしし座流星群が極大となるが、いずれも小規模だ。水星は太陽に近く、観察は難しい。金星は宵の明星として明るく輝いている。火星は18日に合となり、観察は難しい。木星は3日に衝となり、しばらく見頃だ。土星は宵の南空にあり、まだ見頃だ。天王星は14日に衝となる。肉眼で見つけるのは難しいが、双眼鏡や望遠鏡なら見つけられるだろう。華やかな冬の星座が主役になる季節ももうすぐだ。国立天文台HPより。

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2023年10月25日 (水)

国際宇宙ステーションから見た日高山脈

 国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された日高山脈の画像が公開された。日高地方は日高町からえりも町まで写っているが、大部分が山か河岸・海岸段丘だ。日高山脈は、日高側はゆるやかに、十勝側は急激に盛り上がっている。そして十勝側は、十勝平野が広がっている。ISS滞在中の古川聡宇宙飛行士が、ニコンD5+シグマ50-500㎜ズームレンズを使って撮影したという。ISSの軌道高度は400㎞だが、実にはっきりくっきり写っている。

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2023年10月24日 (火)

さらばベルリンの灯

 イギリスの作家エルストン・トレヴァー(アダム・ホール)の「イギリス情報部員クィラー」シリーズを原作とした映画「さらばベルリンの灯」は、1960年代の西ベルリンが舞台だ。イギリス政府機関のために働く有能なスパイ クィラー(ジョージ・シーガル)は、中東から西ベルリンに転任する。現地では、クーデターを企てるネオナチの動きが活発化し、監視していたイギリス情報部員が暗殺されてしまったのだ。クィラーは古参の諜報部員ポル(アレック・ギネス)から説明を受けると、情報収集を開始する。記者と名乗って郊外のある学校を訪れたクィラーだが、そこで教師を務めるインゲと恋に落ちる。しかし、クィラーの動きは敵方に読まれていた。薬を盛られたクィラーはフェニックスというネオナチ組織に誘拐され、オクトーバー(マックス・フォン・シドー)という男の尋問を受ける。なんとか秘密を守ったクィラーだが、その後もフェニックスの執拗な追及が続く。本作の音楽はボンド映画も手がけたジョン・バリーが担当、クーダムなど当時の西ベルリンの風景も随所に出てくる。

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2023年10月23日 (月)

部分月食

 10月29日明け方、部分月食が起こる。部分食の始まりは4:34、食の最大は5:14、部分食の終わりは5:53だ。最大食分は12.8%で、ほんのちょっと欠けるだけだ。月食が起こると知らない人は、気づかないかもしれない。この次に日本で月食が見られるのは2025年3月14日で、しばらく月食はおあずけだ。

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2023年10月22日 (日)

三鷹・星と宇宙の日

 国立天文台・三鷹キャンパス特別公開「三鷹・星と宇宙の日」が10月28日に開催される。2020〜2021年はオンライン開催だったが、昨年は3年ぶりに現地開催となった。今年も現地開催だが、事前申込・定員制だ。三鷹キャンパスはいつでも見学可能だが、普段入れないところも、特別公開中は入ることができるし、いろんな企画がある。以前は50㎝公開望遠鏡を使って観望会をやったり、望遠鏡メーカーが広場に自社製品を展示したりしていたが、今年はどうなんだろうか。

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2023年10月21日 (土)

二十四節気・霜降

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経210度(おとめ座)に対応するのが霜降(そうこう)だ。霜が降りるころという意味で、北海道では冬の足音が聞こえてくる頃だ。標高の高い峠では、1週間前にすでに積雪が観測された。今年は10月24日が霜降に当たる。

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2023年10月20日 (金)

金星が西方最大離角

 明けの明星として輝いている金星が、10月24日に西方最大離角となる。8月13日に内合となった金星は、地球からどんどん離れていくところだが、来年2月までは明け方の東の空にある。いまはまだかなり早起きしないと見られないが、だんだん日の出が遅くなるので、そのうち目にすることもあるだろう。金星はしし座のすぐ南にあり、1等星レグルス、2等星デネボラとともに二等辺三角形を形づくっている。

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2023年10月19日 (木)

10億ドルの頭脳

 「国際諜報局ハリー・パーマー」シリーズ第3作「10億ドルの頭脳」は、元イギリス陸軍軍曹ハリー・パーマー(マイケル・ケイン)がMI5に復帰し、悪の組織「10億ドルの頭脳」と戦う物語だ。MI5から離れ、探偵事務所を構えたパーマーだが、仕事はなく、コーンフレークで食いつなぐ日々を送っていた。ある日、MI5のロス大佐が現れ、現役復帰の要請を受けるが、パーマーは断固として拒否する。そんな中、100ポンドとカギの入った差出人不明の郵便物が届き、荷物を運んでほしいという電話がかかってくる。空港のロッカーから荷物を取り出したパーマーは、指示されたとおりヘルシンキへと飛ぶ。ヘルシンキに着いたパーマーは、依頼主の家に向かうが、依頼主は殺され、パーマーも何者かに拉致されてしまう。パーマーを拉致したのは、MI5のロス大佐だった。かくして、パーマーはロス大佐に強要され、現役復帰を余儀なくされる。「10億ドルの頭脳」とは、いまでいうAIだが、磁気テープやパンチカードなど、時代を感じさせるデバイスがいろいろ出てくる。

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2023年10月18日 (水)

キヤノンEOS Kiss X9(IR改造)

 ハヤタ・カメララボでIR改造してもらったキヤノンEOS Kiss X9を、改造前の状態に戻すことにした。改造後、EOS6D(IR改造)を入手したり、主カメラをCMOSカメラにしたりで、出番がなくなったのだ。この間一般撮影にも使っていたが、やはりカラーバランスの問題があった。X9の後継機としてX10が出ているが、キヤノンもミラーレスに集中していくだろうから、EOS Kissシリーズは打ち止めだろう。というわけで、まだしばらく、一般撮影ではX9に活躍してもらおう。

2019年12月30日撮影 キヤノンEOS Kiss X9(IR改造)+EF50㎜、露出120秒

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2023年10月17日 (火)

ヒトラー 〜最期の12日間〜

 第2次世界大戦末期、ナチスドイツを無条件降伏に追い込んだベルリン市街戦は、アドルフ・ヒトラーの56歳の誕生日である1945年4月20日に始まった。映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」は、ヒトラーが4月30日に自殺し、5月8日にドイツが無条件降伏するまでの日々を描いた物語だ。ヒトラーには数人の女性秘書がいたが、そのうちの1人、ゲルトラウト(トラウデル)・ユンゲは戦後も生き延び、回顧録を執筆している。本作はその回顧録が元になっている。ヒトラーを演じたのは、ドイツ系スイス人俳優ブルーノ・ガンツだ。舞台となったのは、総統官邸にあった地下壕で、生存者の証言も参考に、実際の風景や雰囲気をかなり正確に再現したという。ヒトラーという人物を映画の中でどのように描くかは、非常に難しい問題だと思うが、ガンツの演技は高い評価を得た。

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2023年10月16日 (月)

オリオン座流星群

 10月2日頃から11月7日頃まで出現するオリオン座流星群は、みずがめ座η流星群と同じく、ハレー彗星を母天体とする流星群だ。今年は10月22日頃極大で、1時間当たり5個程度の出現と予想されている。いつもは出現数はあまり多くないが、2006年には60〜100個以上の出現が観測されたこともある。これはハレー彗星が3000年前に放出した塵が原因だという。

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2023年10月15日 (日)

グリーンランド

 現在、羽田空港発フランクフルト空港行きANA便は、ロシア上空を避け、アラスカ、カナダ・クイーンエリザベス諸島、グリーンランド上空を飛行していく。機内から地形をながめるのは空の旅の醍醐味だが、残念ながらほとんど曇りで、あまり地上の景色が見えることはなかった。そんな中で見えたのが、クイーンエリザベス諸島とグリーンランドの一部だ。グリーンランドは世界最大の島で、分厚い氷床と万年雪に覆われている。しかし、近年の地球温暖化により、氷床の融解が予想以上に進んでいるという。

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2023年10月14日 (土)

マトリックス レザレクションズ

 キアヌ・リーヴス主演のヒット作「マトリックス」シリーズは、人類が自我を持った機械に支配され、仮想現実システム マトリックスの中に囚われるという物語だ。ほとんどの人間はその事実に気づかず、普通に生活していると思っているが、真実に気づいてマトリックスを脱出した人間が、機械を倒すために立ち上がる。そして、救世主として覚醒したネオ(リーヴス)が、トリニティー(キャリー=アン・モス)やモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)らとともに、自らの命と引き換えに機械との戦いに終止符を打つ。シリーズ第4作「マトリックス レザレクションズ」は、第3作から60年後の未来が舞台だ。デウス・マキナ社のトーマス・A・アンダーソン(リーヴス)は、過去に「マトリックス」3部作を大ヒットさせた世界的なゲームデザイナー 。現在は別のゲーム「バイナリー」を制作中だが、親会社ワーナー・ブラザースから、「マトリックス4」の制作を強要される。そんなアンダーソンだが、幻覚に悩まされ、精神科のアナリストから処方された青いピルが手放せない日々を送っていた。ある日、アンダーソンは、カフェでティファニー(モス)という子連れの女性に会う。お互いに何か引っかかるものを感じながらも、ネオとトリニティは本当のことを思い出すことができない。というわけで、60年前に機械によって蘇生され、マトリックスの中で生かされてきたネオが、再びマトリックスとの戦いに挑む。現実と仮想現実が交錯する「マトリックス」シリーズのおもしろさは、本作でも健在だ。

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2023年10月13日 (金)

クイーンエリザベス諸島

 現在、羽田空港発フランクフルト空港行きANA便は、ロシア上空を避け、アラスカ、カナダ・クイーンエリザベス諸島、グリーンランド上空を飛行していく。機内から地形をながめるのは空の旅の醍醐味だが、残念ながらほとんど曇りで、あまり地上の景色が見えることはなかった。そんな中で見えたのが、クイーンエリザベス諸島とグリーンランドの一部だ。クイーンエリザベス諸島の中でも最大の島エルズミア島は、グリーンランドのすぐ西側に位置し、フィヨルドがよく発達している。北極圏なので、白夜と極夜が4ヶ月も続く過酷な気候だが、人も住んでいるという。

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2023年10月12日 (木)

オサイリス・レックス

 NASAの小惑星探査機オサイリス・レックスは、小惑星ベンヌからサンプルを収集することをめざし、2016年9月に打ち上げられた。日本もかつて「はやぶさ」と「はやぶさ2」プロジェクトを成功させたが、オサイリス・レックスは9月24日、サンプルが入ったカプセルを地上に投下した。科学者たちは、このサンプルを分析することで、数十億年前に地球と衝突した小惑星が、水や有機化合物を地球に届けたかどうか知ることができるのではないかと考えている。オサイリス・レックスは地球にサンプルを送り返した後、別の小惑星アポフィスの探査に向かった。

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2023年10月11日 (水)

フンボルト大学ベルリン

 ウンター・デン・リンデンに面したフンボルト大学ベルリン(ベルリン大学)は、ドイツを代表する名門大学だ。アルベルト・アインシュタインも一般相対性理論発表前後の十数年間、ここで教授を務めた。このほか物理学者として、マックス・プランクやエルヴィン・シュレーディンガーも教授を務めている。しかし、第2次世界大戦後、東ベルリン側となったフンボルト大学は、東ドイツを支配したドイツ社会主義統一党の思想統制下に置かれてしまった。これに反発し、学問の自由を求める教授・学生たちは、西ベルリンにベルリン自由大学を設立、いまではベルリンで最も規模の大きい大学となっている。

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2023年10月10日 (火)

バルーン 奇蹟の脱出飛行

 第2次世界大戦後、ドイツは東西に分断され、両国は東西冷戦の最前線に立たされた。しかし、当初は東西ベルリン間の往来が自由だったこともあり、東ドイツから西ドイツに移る国民が急増、東ドイツはベルリンの壁を建設し、人口流出を阻止した。この間、多くの東ドイツ国民が西ドイツへの亡命を図ったが、秘密警察シュタージの監視は厳しく、脱出は容易ではなかった。映画「バルーン 奇蹟の脱出飛行」は、平凡な家族が手作りの気球で西への脱出を成功させるという、驚くべき実話に基づいた物語だ。1979年の東ドイツ、電気技師のペーター・シュトレルツィクとその家族4人は、親友ギュンター・ヴェッツェルの協力を得て、手作りの熱気球で西ドイツをめざすが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。落胆したペーターだが、家族の後押しを得て、ギュンター家族とともに再び熱気球作りに取り組む。しかし、厳しい国境警備体制を敷くシュタージは、ペーターが残した熱気球の残骸を手がかりに、ペーター包囲網をせばめていく。ペーターらが命がけの脱出を成功させた10年後、ベルリンの壁はついに崩壊、分断国家は再統一を果たす。

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2023年10月 9日 (月)

水を抱く女

 水の精ウンディーネ(ニンフ)は、ドイツの作家フリードリヒ・フーケなどさまざまな作家や音楽家によって作品化されている。映画「水を抱く女」は、現代のベルリンを舞台に、「愛する男が裏切ったとき、その男は命を奪われ、ウンディーネは水に還らなければならない」という宿命を背負った女の姿を描いた物語だ。ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ(パウラ・ベーア)は、アレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いている。ウンディーヌにはヨハネスという恋人がいたが、ヨハネスは別の女性に心移りし、別れを告げられる。悲嘆にくれたウンディーネだったが、カフェで水槽が割れる事故に居合わせた潜水作業員クリストフと恋に落ち、幸せな日々を過ごすようになる。しかし、そんな幸せな日々も、長くは続かなかった。というわけで、ウンディーヌが背負った怖い宿命が果たされる展開となる。ウンディーヌが博物館で語るベルリンの都市開発に関する話は、なかなか興味深い。

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2023年10月 8日 (日)

ベルリン王宮

 プロイセン王国国王やドイツ帝国皇帝が居住したベルリン王宮は、シュプレー川の中州、現在の博物館島にあった。帝政ドイツからヴァイマル共和国に移行してからは、国家行事の式場や博物館として使用されたが、第2次世界大戦で廃墟となり、長く復旧されることはなかった。東西ドイツ統一後、王宮を再建するかどうかで世論はわかれたが、2013年、王宮の外観を復元した新しい複合文化施設フンボルトフォーラムの建設が始まった。2020年にオープンしたフンボルトフォーラムには、以前あったベルリン民族学博物館とアジア美術館のほか、劇場や映画館、講堂などがある。ブランデンブルク門とベルリン王宮を結ぶ大通りがウンター・デン・リンデンで、ここにはベルリンの歴史的建造物がズラリと並んでいる。

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2023年10月 7日 (土)

パーマーの危機脱出

 「国際諜報局ハリー・パーマー」シリーズ第2作「パーマーの危機脱出」は、1960年代半ばのベルリンが舞台だ。元イギリス陸軍軍曹ハリー・パーマー(マイケル・ケイン)はベルリン駐留中、軍の物資を横流しして逮捕されたが、国防省のロス大佐に見込まれ、懲役免除と引き換えにスパイをやらされている。ある日、東ベルリン駐在のソ連情報部ストック大佐が西側に亡命したがっているという情報が入り、パーマーは西ベルリンへと送り込まれる。現地にいるエージェント ジョニ−・ヴァルカンの協力を得て、東ベルリンでストック大佐と面会したパーマーは、ストック大佐を東ベルリンから脱出させるため、脱出専門のプロ クロイツマンを雇う。そんな中、謎の女サマンサ・スティールがパーマーにつきまとい始める。スティールは実はイスラエルの情報員で、ナチスの戦犯を追っていた。死者の棺をすり替え、首尾よく大佐を西ベルリンに脱出させたはずのパーマーだったが、思わぬ展開が待ち受けていた。1960年代半ばのベルリンが舞台ということで、ベルリンの壁などの貴重な映像が多く、冷戦時代の雰囲気を知ることができる作品だ。

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2023年10月 6日 (金)

二十四節気・寒露

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経195度(おとめ座)に対応するのが寒露(かんろ)だ。秋が深まり野草に冷たい露がむすぶという意味で、朝晩の冷え込みがきつくなる頃だ。しかし、今年の9月は観測史上最も暑い9月だったということで、「寒露」などという実感はまだわかないかもしれない。今年は10月8日が寒露に当たる。

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2023年10月 5日 (木)

ベルリン市内空撮③

 ヴェルトバルーンからベルリン市内南西方向を撮影。特徴的な屋根はテンポドロームというコンサートホールだ。こちらは西ベルリン側だ。ベルリン市内中心部から15㎞ほど離れたところにヴァンゼーという湖があり、夏は海水浴客でにぎわう。いまは平和な湖畔だが、1942年1月20日、「ユダヤ人問題の最終的解決」という名の下に、悪名高きホロコースト計画が決められたヴァンゼー会議は、ここヴァンゼー湖畔の別荘で開かれた。

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2023年10月 4日 (水)

10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)

 10月6日頃から10日頃まで出現する10月りゅう座流星群は、ジャコビニ流星群とも呼ばれ、過去に大出現したこともある流星群だ。周期6.5年のジャコビニ・ジンナー彗星が母天体で、母天体が2公転する13年ごとに出現数が増える。今年は9日頃極大で、1時間当たり5個程度の出現と予想されている。ただ、2018年には予想以上に出現していて、油断はできない流星群だ。

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2023年10月 3日 (火)

ベルリンファイル

 韓国映画「ベルリンファイル」は、かつて東西に分裂していたベルリンを舞台に、韓国と北朝鮮の秘密工作員が熾烈な戦いを繰り広げる物語だ。北朝鮮諜報員のピョ・ジョンソンは、アラブ系組織との武器取引に臨むが、なぜかそこに韓国国家情報院のチョン・ジンスが現れ、銃撃戦となる。辛くもその場から脱出したジョンソンだが、内通者の存在を疑ううちに、自分の妻ジョンヒが二重スパイだという話を聞かされる。上司の命令で妻の監視を開始したジョンソンだが、調査を進めていくと、自らが恐るべき陰謀に巻き込まれていることを知るのだった。アクションシーン満載だが、ベルリンで韓国と北朝鮮の工作員がこんなハデに銃撃戦をやったら、大変な国際問題になると思うけど。

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2023年10月 2日 (月)

ベルリン市内空撮②

 ヴェルトバルーンからベルリン市内北東方向を撮影。テレビ塔があるアレクサンダー広場やベルリン大聖堂、博物館島が見える。こちらは東ベルリン側だ。

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2023年10月 1日 (日)

ベルリン、アイラブユー

 ベルリンを舞台にした映画「ベルリン、アイラブユー」は、ニューヨーク、パリ、リオデジャネイロを舞台にした3作品に続く、さまざまな男女のラブストーリーを描いたアンソロジー映画だ。ヘレン・ミレンにキーラ・ナイトレイ、ミッキー・ローク、さらには「スター・ウォーズ」シリーズでキャシアン・アンドーを演じるディエゴ・ルナなどいろんな俳優が、さまざま人間模様を見せる。冒頭のシーンのポツダム広場など、ベルリン各所の風景が出てくるので、ベルリン観光の後に観るのもいいだろう。

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