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2023年8月

2023年8月31日 (木)

チェックポイント・チャーリー

 第2次世界大戦後、ベルリンはアメリカ、イギリス、フランス、ソ連の4ヶ国によって分割統治された。1961年にはベルリンの壁が築かれるが、アメリカ統治地区とソ連統治地区の境界線にあったのがチェックポイント・チャーリーだ。1989年のベルリンの壁崩壊後、チェックポイント・チャーリーは撤去されたが、その後復元され、観光名所になっている。この写真はアメリカ側(南)からソ連側(北)を見たものだが、検問所のすぐ北の交差点をちょっと超えたところにベルリンの壁があった。冷戦時代を描いたスパイ映画にもたびたび登場するが、007「オクトパシー」では、家具商になりすましたジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)が、ここから東ベルリンに潜入する。

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2023年8月23日 (水)

国際日付変更線

 現在、世界の時刻の基準となっているのは、協定世界時(UTC)と呼ばれる時刻だ。経度0度の本初子午線(グリニッジ子午線)を基準として、経度が15度進めば時刻は1時間進む。日本は東経135度なので、UTCより9時間進んでいる。この先、さらに経度を45度進めると、東経180度に達するが、これは西経180度でもあり、180度経線と呼ばれる。国際日付変更線は、だいたいこの180度経線に沿っていて、この線を越えると日付を戻したり進めたりする。アメリカとロシアの国境線が通るベーリング海峡は、180度経線からちょっとはずれているが、国際日付変更線もここに引かれている。ベーリング海峡中央にある2つの島は、片方がアメリカ領、もう片方がロシア領で、日付が違うため、「昨日島」と「明日島」と呼ばれているという。

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2023年8月22日 (火)

2023年9月の星空

 早い時間に夏の星座が西に傾き、秋の星座が昇ってくる季節となった。月は7日下弦、15日新月、23日上弦、29日満月だ。21日には、上弦前の月がアンタレスを隠すアンタレス食が起こる。また、29日は太陰太陽暦の8月15日に当たるので、中秋の名月となる。水星は22日に西方最大離角となり、前後数日間は見つけやすい。明けの明星に転じた金星は19日に最大高度に達し、以後太陽から離れて見やすくなっていく。火星は太陽に近く、観察は難しい。木星は夜中に昇り、明るく輝いている。衝となったばかりの土星はしばらく見頃だ。夜間の気温が下がるこの頃、レンズヒーターを忘れずに。国立天文台HPより。

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2023年8月21日 (月)

土星が衝

 土星が8月27日、衝となる。この頃土星は太陽とちょうど反対の方向にあり、一晩中見ることができる。小口径の望遠鏡でもはっきり見える環だが、15年周期で傾きが変わり、2025年には一時的に見えなくなる。30〜31日には土星が満月に接近するが、近地点に近い位置での満月なので、いつもよりちょっと大きく見える(写真撮影して比較するとわかる)。

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2023年8月20日 (日)

ハンガリー舞曲集

 ヨハネス・ブラームスは、バッハ、ベートーヴェンとともにドイツ音楽の三大Bと称される作曲家だ。そのブラームスの「ハンガリー舞曲集」は、ドイツ各地での演奏旅行の際に聴いたロマ音楽を気に入り、編曲したものだ。西アジアやヨーロッパに広がったロマ音楽は、特にハンガリーで深く浸透し、ハンガリーの作曲家フランツ・リストもこれを題材とした作品集をつくっている。ハンブルクで生まれたブラームスは、ウィーンに移住したが、夏はあちこちの避暑地に出かけ、作曲に取り組んだという。

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2023年8月19日 (土)

わが祖国

 チェコの作曲家ベドルジハ・スメタナの連作交響詩「わが祖国」は、故国チェコを描写した管弦楽曲だ。最も有名な第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」は、チェコ国内を流れるヴルタヴァ(ドイツ語名モルダウ)川を題材としたもので、2つの源流から流れ出したヴルタヴァ川が、やがて合流して一つの流れとなり、森林や牧草地を経てプラハに至り、そして最後はラベ(エルベ)川へと消えていくのを表しているという。プラハはかつて、神聖ローマ帝国の首都が置かれたこともある都市であり、いまも古い建物がいっぱい残っているという。

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2023年8月18日 (金)

西村彗星

 静岡県の西村栄男さんが発見した西村彗星(C/2023 P1)が、5等級くらいまで明るくなりそうだということだ。8月13日にふたご座で発見された新天体は、9月13日に地球に最接近し、18日に近日点を通過する予報だ。ただ、太陽に近いので、最接近の頃は観察が難しい。9月上旬の明け方、光害の少ないところじゃないと見つけられないかもしれない。西村彗星は、双曲線軌道を描く彗星で、太陽に0.2天文単位(au)の距離まで近づくとみられる。すでに尾も観測されているということだが、太陽に接近してどれくらい尾が伸びるかは未知数だ。おそらく太陽に接近するのは初めてだろうから、アウトバーストを起こして大増光するとおもしろいのだが。

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2023年8月17日 (木)

二十四節気・処暑

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経150度(しし座)に対応するのが処暑(しょしょ)だ。暑さがおさまるころという意味だが、近年の温暖化でとてもそんな実感はわかない。暑さの峠には達しているんだろうが、峠じたいが大平原という感じだ。今年は8月23日が処暑に当たる。

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2023年8月16日 (水)

ガラケー

 四半世紀以上にわたって使ってきた携帯電話を、ついにガラケーからスマートフォンに移行することにした。実際には5年以上前から、SIMなしiPhoneを持っていて、ガラケーとの併用ということで使ってはいた。これまで外出の際はガラケー+iPhone+Wi-Fiルーターを持ち出していたが、今後はiPhoneだけですむ。しかし、いま持っているiPhone SE(第2世代)は第5世代移動通信システム(5G)には対応してないので、4Gどまりだ。まあ北海道の実家もまだ5Gエリアじゃないので、いいんだけど。そういえば昔、movaからFOMAに移行するのも遅かったが、これは天体写真撮影地がFOMAエリアになるのが遅かったからだ。なにせ、ヒグマの圏内なので、撮影中にクマが出没したとき、ケータイが圏外というのは大ピンチになるからね。

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2023年8月15日 (火)

スター・ウォーズ:アソーカ

 ディズニープラスのオリジナルドラマ「スター・ウォーズ:アソーカ」の配信が間近となった。アソーカ・タノやヘラ・シンドゥーラ、サビーヌ・レン、そしてスローン大提督はすでに他の作品に登場しているので、問題はライトセーバーを使う謎の2人だ。配信前に死去したイギリス人俳優レイ・スティーヴンソン演じるベイラン・スコールは元ジェダイらしく、「アナキンがほめていた」というセリフもある。スコールの部下シン・ハティは謎の人物だが、高い戦闘力を持っているようだ。「スター・ウォーズ」エピソード6とエピソード7の間の時代、どんな物語が展開されるのだろうか。

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2023年8月14日 (月)

ペルセウス座流星群

 13日に極大となったペルセウス座流星群だが、雲が多く、火球監視用に設置しているATOM Cam 2ではとらえることができなかった。雲がありながらも明るく写っているのは、木星だ。

2023年8月14日撮像 ATOM Cam 2の動画から静止画を切り出し

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2023年8月13日 (日)

ワルキューレ

 アドルフ・ヒトラー暗殺計画は、少なくとも42回はあったというが、有名なのが1944年7月20日に発生した「7月20日事件」だ。その中心人物は、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐らで、もともとドイツ国防軍の国内予備軍を動員するために立案されたワルキューレ作戦を、ヒトラー暗殺後のクーデターに利用するかたちで実行された。トム・クルーズ主演の映画「ワルキューレ」は、この「7月20日事件」を描いた物語だ。北アフリカ戦線で負傷して左目などを失ったシュタウフェンベルク大佐(クルーズ)は、国内予備軍司令部に転属となる。反ヒトラー派のオルブリヒト中将(ビル・ナイ)は、ヒトラー暗殺に失敗したトレスコウ将軍(ケネス・ブラナー)が転属となったのを機にシュタウフェンベルクを勧誘、メンバーに加えることに成功する。シュタウフェンベルクらは、ヒトラーにワルキューレ作戦の修正を承認させ、優柔不断な幹部に振り回されながらも、いよいよヒトラー暗殺に乗り出す。シュタウフェンベルクは不運にも暗殺に失敗するが、もし成功していれば、終戦は早まり、日本の運命も変わっていたかもしれない。国内予備軍司令部があった場所は、シュタウフェンベルク通りと改称され、いまはドイツ抵抗記念館があるそうだ。

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2023年8月12日 (土)

伝統的七夕

 現在一般的に使われている暦は、グレゴリオ暦という太陽暦だ。地球が太陽の周りを回る周期は365.242日なので、4年に一度うるう日を入れれば、ほぼ正確な暦となる。しかし、月の満ち欠けの周期を基準とした太陰暦や、太陰太陽暦を使用していた昔と比べると、同じ日付でも、数日どころか数十日のずれが生じてしまう。その結果、七夕のように、まるで季節感が異なるものも出てきてしまった。伝統的七夕は、梅雨真っ最中の新暦7月7日ではなく、太陰太陽暦の7月7日を表す言葉だ。伝統的七夕の夜は、常に上弦前後の月が出ているので、日没後は上弦の月を楽しむことができる。そして、夜半前には月没となるので、おりひめぼし(ベガ)とひこぼし(アルタイル)の間を流れる天の川がよく見えるようになる。今年は8月22日が伝統的七夕の日に当たる。

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2023年8月11日 (金)

いて座の散開星団M25

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理したいて座の散開星団M25。近くにある散開星団M23と同じように、天の川の中にある。地球からの距離も2000光年程度と、同じくらいだが、M25の方がちょっと小さい。

2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da++ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2023年8月10日 (木)

いて座の散開星団M23

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理したいて座の散開星団M23。天の川の中にあるが、後方の微光星を背景に広がっている。地球からの距離は2000光年程度で、天の川の中心ははるかに奥だ。

2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da++ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2023年8月 9日 (水)

いて座の球状星団M22

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理したいて座の球状星団M22。銀河系には150個の球状星団が知られているが、M22は地球から見える球状星団の中でも指折りの存在だ。

2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da++ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2023年8月 8日 (火)

いて座の散開星団M21

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理したいて座の散開星団M21。三裂星雲M20のすぐ北にある。単独では目立つ星団ではないが、三裂星雲と同じ構図に入るので、セットで楽しめる天体だ。

2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2023年8月 7日 (月)

ボイジャー2号

 1977年に打ち上げられ、木星、土星、天王星、海王星などの観測で輝かしい成果を挙げたボイジャー2号は、2018年に太陽圏を離脱し、恒星間空間を飛行している。そのボイジャー2号との通信が、一時途絶えてしまった。地球から送信したコマンドにより、アンテナの角度が狂ってしまったのだ。あらためてコマンドを送信した結果、アンテナは正しい方向を向き、地球との通信は完全に復旧した。ボイジャー2号が運用できるのは、あと数年ではないかと見られているが、その後もボイジャーの旅は続く。いつの日か、地球外知的生命体がボイジャーと遭遇し、人類のメッセージをおさめたゴールデンレコードがその手に渡ることはあるのだろうか。映画「スター・トレック」では、ボイジャーが謎の生命体の「クリエイター(創造者)」となり、地球に戻ってくるが。

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2023年8月 6日 (日)

二十四節気・立秋

 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、太陽黄経135度(かに座)に対応するのが立秋(りっしゅう)だ。秋の気配が感じられるという意味だが、これ以上暑くならない=初めて秋の気立つというわけで、実際には暑さのピークだ。ただ、最近はこのピークが何日も続くので、どうしても立秋という言葉には違和感を感じるだろう。今年は8月8日が立秋に当たる。

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2023年8月 5日 (土)

ペルセウス座流星群

 ペルセウス座流星群の活動が活発化する時期に入った。周期130年のスイフト・タットル彗星を母天体とするペルセウス座流星群は、毎年7月13日頃から8月24日頃まで出現し、8月13日頃に極大となる。今年は13日17時頃極大という予想なので、残念ながら日本ではその瞬間は観察できない。地上のある地点で流星が最もよく見えるのは、地球の進行方向を向く夜明け前なので、13日未明か14日未明が見頃ということになる。流星は、ペルセウス座にある放射点を中心とするように、空全体に現れるので、観察するなら地面に寝転がるのが一番だ。撮影するなら、できるだけ広角レンズを使って動画で撮影するのがいいだろう。

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2023年8月 4日 (金)

北天の星空

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理した北天の星空。中央やや上に北極星があり、カシオペア座と北斗七星が向かい合っている。北海道では、北斗七星が地平線に沈まず、地面すれすれを通過していくのが見えるはずだが、光害があるとはっきりは見えない。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2023年8月 3日 (木)

秋の天の川

 Adobe Lightroom Classicのノイズ除去機能を使って画像処理した秋の天の川。最も暑いこの時期だが、夜半前にはもう秋の星座が昇ってくる。秋の天の川はちょっとさびしいが、アンドロメダ銀河や二重星団など、キラリと光る星雲星団銀河が散在している。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2023年8月 2日 (水)

Thunder and Lightning

 日本語では雷鳴と稲光をまとめて「雷」というが、英語では別々の単語で呼ばれる。東京では昨日、未明と午後に激しい落雷があった。音と光は伝わる速度が違うため、通常は稲光が見えた後に雷鳴が聞こえる。稲光は光速で伝わるので、ほとんど瞬間的に見えるが、雷鳴は音速(340m/秒)で伝わるため、例えば3.4㎞離れた雷なら、聞こえるのは10秒後になる。というわけでぼくはいつも、光ってからゴロゴロと鳴るまでの時間を数えてしまう。もしこれがほぼ同時なら、すぐそばに落ちていることになるので、超危険だ(建物やクルマの中にいれば、電流は壁を伝って流れるので、基本的には安全だ)。 

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2023年8月 1日 (火)

金星が内合

 昨年11月の外合以来、宵の明星として輝いていた金星が、8月13日に内合となる。内合前後は地球との距離が最も近くなるので、視直径も大きいはずだが、観察は難しい。太陽から離れるにつれ、夜明け前の東の空に見えるようになる。金星の公転周期は224日で、地球から見ると583日の周期で同じ位置関係となるため、これから9ヶ月半くらいは明けの明星として輝くことになる。

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