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昨年暮れ、ドイツ連邦情報局(BND)の職員が、ロシアの情報機関に国家機密を流した疑いで逮捕された。BNDは、第2次世界大戦中に対ソ連諜報活動を行っていたゲーレン機関をもとに創設された情報機関で、あまり映画には登場しないが、外国人記者の電話を盗聴していることが明らかになるなど、活発に活動しているようだ。映画「ブレイム・ゲーム」は、そのBNDを舞台にした物語だ。BNDの中東専門諜報員マーティン・ベーレンス(ロナルト・ツェアフェルト)は、アメリカが追うテロリストの潜伏先の情報を入手、米軍はテロリストを無人機攻撃で殺害する。数日後、ベルリンで無差別テロが発生、ベーレンスの恋人でジャーナリストのオーリス・ケラーも巻き添えとなる。事件の責任を問われたベーレンスは、真相解明に乗り出すが、これが自分を陥れる罠であり、BND上層部による巨大な陰謀が隠されていたことに気づく。本作が制作された2019年、ベルリンにBNDの巨大新庁舎が完成、本部もベルリンに移転した。
5月6日は半影月食が起こる。月食とは、太陽と地球、月が一直線に並び、月が地球の影に隠される現象だが、地球の影には本影と半影があり、本影に隠されるときに月が欠けて見える。半影月食は、肉眼では明確に欠けて見えるわけではないが、写真撮影すると、暗くなっているのがはっきりわかる。半影食の始まりは0:12、食の最大は2:22、半影食の終わりは4:33だ。食の最大の頃、月は本影にかなり接近するので、本影に近い部分は肉眼でも暗くなるのがわかるかも。
日照時間が長くなり、星空をながめられる時間が短くなってきた。月は6日満月、12日下弦、20日新月、28日上弦だ。6日は半影月食が起こる。半影月食は、実際に月が欠けるわけではないが、写真撮影すると、特に本影に近い部分が暗くなっているのがわかる。7日はみずがめ座η(エータ)流星群が極大となる。みずがめ座η流星群は、ハレー彗星を母天体とする流星群で、北半球ではあまり条件はよくないが、南半球では活発な出現が観測されている。水星は2日に内合となり、しばらく観察は難しい。29日には西方最大離角となるが、日の出前の高度が低くこれまた観察は難しい。金星は宵の明星として堂々と輝いている。火星は宵の西の空にあり、明るさも1等級に落ちてきた。木星は日の出前の東の空に移り、観察は難しい。土星は日の出前の南東の空にあり、太陽から離れてきた。この時期、明るく目立つ星はうしかい座の1等星アークトゥルスだ。アークトゥルスは21ある1等星の中で4番目に明るく、北半球では最も明るい。国立天文台HPより。
「スタートレック」のドラマシリーズ「スタートレック:ピカード」シーズン3がいよいよ佳境に入った。新たな敵である可変種は宿敵ボーグと組み、惑星連邦を揺るがす陰謀を企んでいた。かつてボーグに同化され、ロキュータスとして宇宙艦隊との戦いに利用されたジャン=リュック・ピカード(パトリック・スチュワート)は、ひそかに遺伝子を改変されていた。可変種とボーグはその遺伝子を使い、宇宙艦隊が勢ぞろいする機会を狙って、若いクルーたちを一瞬にして同化する。絶体絶命のピンチに陥ったピカードとかつてのクルーは、艦隊ミュージアムで秘密裏に修復されたU.S.S.エンタープライズDに乗り込む。というわけで、おなじみのメンバーが、おなじみの艦にカムバックし、最後の戦いに挑むという展開だ。ピカードを中心とする「新スタートレック」シリーズの、まさに大団円ともいうべき最終回となりそうだ。
今日は金環皆既日食が起こる。日本からはごく一部の地域でわずかに欠ける部分日食が見られるだけだが、天文リフレクションズ編集部の観測チームが、オーストラリア・エクスマウスから皆既日食をライブ配信してくれる。
ZWOからSeeStar S50がリリースされた。口径50㎜、焦点距離246㎜(F4.9)の光学系に、天体写真撮影に必要な機能を組み込んだオールインワン望遠鏡で、わずか3㎏というコンパクトさだ。面倒なセッティングは必要なさそうなので、本格的天文ファンじゃない人でも気軽に楽しめるだろう。旅先でちょっと電視観望したいという天文ファンが、双眼鏡の代わりにこれを持っていくというのもありそうだ。
先日死去した坂本龍一が音楽を手がけた映画「ラストエンペラー」は、清朝最後の皇帝 愛新覚羅溥儀の生涯を描いた物語だ。わずか2歳で即位した溥儀は、紫禁城(故宮)で大勢の家臣にかしづかれながら育つが、辛亥革命や北京政変、満州国建国など激動する時代に翻弄され続ける。日本軍の庇護下で満州国皇帝となったものの、日本の敗戦によりソ連軍の捕虜となり、5年間にわたる抑留生活を過ごした溥儀は、中国に引き渡される。物語のはじまりは1950年のハルビン駅。ソ連から解放された溥儀は、洗面所で自殺を試みるが、監視員によって一命を取り留め、今度は中国の収容所での生活が始まる。そして厳しい尋問を受けながら、過去を回想する形で物語が進行していく。印象深い最後の紫禁城でのシーンだが、晩年の溥儀は、要職を与えられ、平穏な生活を送ったという。
4月20日、金環皆既日食が起こる。皆既食となるのはインド洋、オーストラリア、東ティモール、インドネシア、太平洋の一部地域で、金環食となるのはインド洋と太平洋の一部地域だ。日本では、関東以西の一部地域で部分食となる。地球から見た太陽と月の大きさはほぼ同じだが、厳密には一定の変動幅があり、月の方が大きければ皆既食、小さければ金環食となる。今回のように、地球のどこから見るかで皆既食となったり金環食となったりというのは、そんなに多くはない。日本で最も欠けるのは小笠原諸島で、食分は0.271だ。日食グラスなどで見なければ、欠けてることもわからないかも。国立天文台では、石垣島からライブ配信をするが、海外からライブ配信する人もいるだろうから、それを楽しみにしよう。
映画「インディ・ジョーンズ」シリーズ第5作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」の本予告編が解禁された。世界的な考古学者にして冒険家であるインディアナ・ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)が本作で追い求めるのは、自身が若い頃に発見した歴史を変える「運命のダイヤル」。しかし、インディが人生をかけて探し求めた秘宝をめぐり、因縁の宿敵、元ナチスの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)が立ちはだかる。というわけで、おなじみインディ・ジョーンズの痛快な冒険劇が繰り広げられるという展開だろう。現在80歳のフォード、「キャプテン・アメリカ」の新シリーズへの出演が決まっているが、インディを演じるのはこれが最後になるのだろうか。
職場の防災グッズ見直しに伴い、ジャクリ ポータブル電源708+ソーラーパネルを導入した。個人としては天体写真撮影用にジャクリ ポータブル電源400を持っていて、使い勝手がいいので、職場でも同じジャクリ製品を選択した。災害で停電した場合、電化製品は使えなくなるが、最も困るのが情報収集やコミュニケーションだろう。テレビやラジオで状況を把握しながら、職員のスマートフォンを充電するだけでも、ちょっとは安心感が得られる。なお、冷蔵庫や冷暖房は大きな電力が必要なので、長時間運転するのは非現実的だ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が天王星をとらえた。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が可視光線で撮影した天王星は、細いリングが1本見えるだけだったが、JWSTが近赤外線で撮影したこの画像には、11本ものリングが写っているという。天王星のリングがこんなにくっきり見えるというのは、すごいなぁ。
「スター・ウォーズ」シリーズ新作映画3作品が発表された。ロンドンで開催されている「スター・ウォーズ セレブレーション ヨーロッパ2023」で発表された3作品は、①はるか昔、フォースを操るジェダイの原点、②「マンダロリアン」等新共和国ドラマシリーズのフィナーレ、③エピソード9のその後、レイが導くジェダイ・オーダーの物語、だという。このうち③では、デイジー・リドリーが再びレイを演じるそうだ。また、これらとは別に、アナキン・スカイウォーカーの弟子であったアソーカ・タノを主人公とするドラマ「アソーカ」も配信されるということで、「スター・ウォーズ」の世界はまだまだ時空を超えて広がりそうだ。
昨年10月、NASAによってや座で観測されたガンマ線バーストGRB 221009Aは、人類の文明が始まって以来、最も大規模なものだったという。ガンマ線というのは、X線よりもさらに高エネルギーの電磁波のことで、超大質量星が極超新星爆発を起こす際、大量のガンマ線が放出されると考えられている。GRB 221009Aは19億光年ものかなたにあり、地球には被害が及んでないが、もしガンマ線バーストが近距離で発生すれば、大量絶滅を引き起こす可能性もあるという。実際、4.5億年前のオルドビス紀末の大量絶滅は、ガンマ線バーストによってオゾン層が破壊され、太陽の紫外線が直接地上に降り注いだことが原因だという説もあるそうだ。まあとにかく、宇宙には危険がいっぱいだ。もちろん、こんなことはしょっちゅう起こるわけではないが。
ホンダHPに「RACERS Honda二輪レーシングマシン列伝」が掲載されている。1982年設立のHRCが送り出してきたレーシングバイクの中から、エポックメイキングな存在を取り上げ、当時の活動を振り返るというものだ。その第1号は、1982年に登場し、翌1983年ロードレース世界選手権(WGP)最高峰クラス個人タイトルを獲得したNS500だ。この年、チャンピオン争いを繰り広げたのはホンダのフレディ・スペンサーとヤマハのケニー・ロバーツで、タイトル争いは最終戦までもつれ込む大激戦となった。NS500は他のメーカーとは異なり、特徴的なV型3気筒エンジンを搭載、絶対的パワーでは劣りながらも、トータルバランスで高い競争力を発揮した。NS500で培われた技術は、市販レーサーやレーサーレプリカにも反映され、一般のライダーにも大きな影響を与えた。ぼくも1989年式NSR250Rに乗っていたが、このバイクのフィーリングはいまも印象深く覚えている。
水星は太陽に最も近い軌道を回る惑星なので、太陽から一定の角度以上離れることはない。しかも、月よりちょっと大きいくらいなので、金星ほど明るくもない。意識して探すのでなければ、水星を見ることはなかなか難しい。水星を見るには東方最大離角・西方最大離角の前後がいいが、地上から見て水星の軌道が寝ていると高度が低く、あまり見やすくはない。その水星が4月12日、東方最大離角となる。今回、日没後の高度はけっこう高く、30分後でも10度を超えているので、比較的見つけやすいだろう。とはいえ、いきなり肉眼でというのは難しいかも。双眼鏡があるといい。
4月12日、木星が合(ごう)となる。合というのは太陽とちょうど同じ方向ということだが、これは国立天文台暦計算室の図で見るとわかりやすいだろう。外惑星の場合、地球から見て太陽と同じ方向にあるときが合、反対側にあるときが衝(しょう)だ。合の前後は観察が難しく、衝の前後は一晩中観察できる。内惑星の場合、合には内合と外合の2種類があり、衝はない。また、太陽から一定の角度以上離れることはなく、最も離れるときを東方最大離角または西方最大離角という。というわけで、日没後の西の低空にあった木星はしばらく観察できず、いずれ日の出前の東の低空に姿を現すようになる。