エネミー・オブ・アメリカ
アメリカ国家安全保障局(NSA)は、国防総省傘下の情報機関で、あのエドワード・スノーデンが所属していたことでも知られる。同盟国とともに通信傍受システム エシュロンを運用し、日々膨大な量の情報収集と分析を行っていると考えられている。ウィル・スミス&ジーン・ハックマン主演の映画「エネミー・オブ・アメリカ」は、そのNSAに狙われた男の逃走劇を描いた物語だ。新たなテロ対策法案をめぐって連邦議会が紛糾する中、NSA高官トーマス・ブライアン・レイノルズ(ジョン・ヴォイト)は、プライバシー侵害のおそれがあるとして強硬に反対する下院議員を、病死に見せかけて暗殺する。しかし、湖畔でのこの暗殺の一部始終は、渡り鳥を研究する無人カメラに録画されていた。録画テープを回収して暗殺現場の映像を見た研究者のザビッツは、映像をディスクにコピーし、知り合いのジャーナリストに売り込もうとするが、これに気づいたNSAに襲われ、逃走する。必死に逃走したザビッツだが、偵察衛星やヘリコプター、監視カメラを駆使したNSAからは逃げられるすべはなく、事故死してしまう。しかし、ザビッツの死体には、ディスクはなかった。逃走の最中に大学の同級生ロバート・クレイトン・ディーン(スミス)とバッタリ出会ったザビッツは、ディーンが家族のために買ったクリスマスプレゼントの袋にディスクをこっそり入れたのだ。ザビッツとディーンが接触したことを知ったNSAは、ディーンがディスクを持っているとにらみ、ディーンの社会的信用を失墜させるためにあらゆる工作を仕掛ける。というわけで、NSAに追われるディーンと、それを助ける謎の男ブリル(ハックマン)の逃走劇が繰り広げられる。四半世紀前の映画だが、その後の技術の進歩を考えると、NSAがその気になればプライバシーなんてないも同然なんだろうな。

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