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天文ファンにとって6月は、1年で最もうれしくない時期だろう。夜の時間が短く、梅雨で天気も悪いからだ。21日は夏至で、最も夜の時間が短い。北海道だと日の出は3:52、日没は19:12だ。天文薄明の時間も考慮すると、撮影可能な時間は6時間しかない。月は7日上弦、14日満月、21日下弦、29日新月だ。水星は明け方の東の空にあり、16日に西方最大離角となる。金星は明けの明星として輝いていて、12日には天王星と最接近する。火星、木星、土星、そして海王星も明け方の空に集合していて、地球を除く全惑星が明け方の空で見られるというめずらしい機会になる。ただし、天王星や海王星まで見るには、天体望遠鏡が必要だ。国立天文台HPより。
ギリシャの音楽家ヴァンゲリスが死去したとの報。「炎のランナー」や「ブレードランナー」などの映画音楽で有名だが、最も印象的なのはカール・セーガン制作「COSMOS(コスモス)」のテーマ曲だ。アルバム「天国と地獄」の「天国と地獄 パート1」第3楽章はオープニングテーマとして使われ、アルバム「反射率0.39」の「アルファ」も多用された。
銀河系中心にある巨大ブラックホールがついに撮影された。日本も参加する国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、国立天文台アルマ天文台をはじめとする各国の望遠鏡をネットワーク化、地球サイズの望遠鏡を仮想的に作り上げた。そして、これを使って銀河系の中心にあるいて座A*(スター)と呼ばれる天体を観測、これが予想どおりブラックホールであることを直接的に示す画像を得た。ブラックホールが撮影されたのは、おとめ座の楕円銀河M87の中心にあるブラックホールに次いで2例目となる。いて座A*がある領域はいて座Aと呼ばれるが、地球との間には大量の星間ガスがあるので、可視光では観測は難しい。実際、普通に撮影すると、このあたりはほとんど暗黒星雲になっている。しかし、この暗黒星雲の奥深くに巨大ブラックホールがあると想像すると、なんとも楽しい。
ASIAIR PROでライブスタックしたおおぐま座の渦巻銀河M101。「回転花火銀河」とも呼ばれ、天文ファンに人気の銀河だ。Fitsファイルで保存されるので、これをASI StudioのFits Viewerで開き、JPEGファイルに書き出した。ファイル形式を変換しただけで、ほかには何もいじっていない。ダーク補正もフラット補正もまったくやっていない(そのため、右上の隅の方にアンプグローが出ている。ダーク補正をするとこれを消すことができる)。何もやらなくてもここまで写るというのは、なんとも楽ちんだ。そもそも、小さく暗い銀河は望遠鏡の視野にとらえるのも難しいのだが、自動導入とプレートソルビングのおかげで百発百中だ。
2022年4月30日撮像 タカハシFSー60CB+FC/FSマルチフラットナー1.04×+ZWO ASI294MC+ASIAIR PRO、露出120秒を4枚スタック
GWで地方に出かける人も多いだろう。都会では見られない星空を楽しむチャンスだ。月は1日新月、9日上弦、16日満月、23日下弦、30日新月だ。1日は部分日食、16日は皆既月食があるが、日本からは見られない。6日はみずがめ座η流星群が極大となる。6日と7日、未明から明け方が見頃だ。27日は九州の一部や沖縄県で金星食があるが、昼間なので、双眼鏡か望遠鏡が必要だ。4月29日に東方最大離角となった水星はしばらくは見やすい。とはいえ、肉眼では見つけるのは難しいので、双眼鏡で探してみよう。金星は明け方の東の空で輝いていて、1日には木星と大接近する。また、30日には火星と木星が大接近する。国立天文台HPより。