インサイダー
30年近く前、アメリカの大手タバコメーカーB&Wの不正行為を、元役員ジェフリー・ワイガンドが内部告発するという事件があった。いまやタバコが有害なのは誰もが知ってる常識だが、B&Wはタバコが健康に与える悪影響に関するデータを改ざん、隠ぺいしようとしたのだ。アル・パチーノ&ラッセル・クロウ主演の映画「インサイダー」は、このワイガンド事件を描いた物語だ。CBSテレビの人気番組「60 Minutes」のプロデューサー ローウェル・バーグマン(パチーノ)のもとにある日、タバコの有害性に関する極秘データが送られてくる。バーグマンはB&Wを解雇されたばかりのワイガンド(クロウ)とコンタクトを取り、インタビューを申し込む。ワイガンドを厳重に監視していたB&Wはこの動きを察知、ワイガンドに対しさまざまな手を使って脅しをかける。苦悩するワイガンドだが、次第にバーグマンを信頼するようになり、インタビューを受けることを決意する。しかし、せっかくワイガンドが真実を語ったのに、CBS上層部はB&Wからの訴訟を恐れ、放送をストップしようとする。というわけで、バーグマンは悪徳企業のみならず、社会正義よりも自社の損得を優先する上層部とも戦わねばならなくなる。ひどい話だが、これが訴訟社会アメリカの現実なんだろう。先月死去したクリストファー・プラマーが、「60 Minutes」の看板記者マイク・ウォレスを演じている。

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