ジョン・ル・カレ
スパイ小説の大御所、イギリスの作家ジョン・ル・カレが死去したとの報。MI6に所属し、東西冷戦真っ最中の西ドイツ ボンで働いたこともあるル・カレのスパイ小説は、世界各国で人気となった。「寒い国から帰ってきたスパイ」など、映像化された作品も多数ある。代表作ともいえる「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」は、MI6幹部キム・フィルビーが、実はソ連の二重スパイだったという衝撃的事件を下敷きにして書かれた作品だ。本作でMI6のジョージ・スマイリーは、いったんは引退を余儀なくされるが、ソ連の二重スパイ「もぐら」の正体を突き止め、MI6のチーフとして返り咲く。「もぐら」を意のままに操っていたKGBのカーラとは、「スマイリーと仲間たち」で直接対決、スマイリーがついにカーラを下す。それから数十年が経ち、冷戦も歴史の1ページとなった現代、「寒い国から帰ってきたスパイ」の犠牲者の子どもたちが、MI6相手に訴訟を起こそうとする後日譚も、「スパイたちの遺産」で描かれた。これからもル・カレの遺産は、スパイ小説ファンに読み継がれるんだろう。

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