最も遠い銀河
東京大学の研究グループによって、最も遠い銀河が同定された。GNーz11というこの銀河は、おおぐま座にあり、ビッグバンの4億年後、134億年前には存在していたという。GNーz11はハッブル宇宙望遠鏡(HST)によって発見された銀河で、詳しい観測によって赤方偏移が10.957という高い値であることが測定された。赤方偏移とは、宇宙の膨張によって、銀河を出た光が地球に届くまでの間に波長が引き伸ばされるもので、スペクトルが赤い方にずれるのでこう呼ばれる。GNーz11からは炭素と酸素も検出されたが、炭素と酸素はビッグバンでは合成されず、恒星内部で合成されるので、GNーz11は第1世代の銀河ではなく、第2世代以降の銀河であるということがわかる。来年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)というHSTよりさらに大口径の望遠鏡が打ち上げられるので、いずれもっと遠い銀河が続々と発見されるかもしれない。

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