いて座A*
2020年のノーベル物理学賞を受賞したドイツの物理学者ラインハルト・ゲンツェルとアメリカの物理学者アンドレア・ゲッズは、銀河系中心に超巨大ブラックホールが存在することを明らかにした。銀河系の中心はいて座の方向にあり、厚い星間物質のため可視光では観測できないが、電波望遠鏡で観測すると、強い電波が放たれているのがわかる。この領域はいて座A*(エースター)と名付けられた。その後の観測により、いて座A*には超大質量ブラックホールが存在することが確実視されるようになった。超大質量ブラックホールは、恒星が超新星爆発を起こしてできるブラックホールとはケタ違いの大質量で、銀河系中心のブラックホールの質量は、太陽の400万倍という途方もない大きさだ。いまでは銀河系だけでなく、多くの銀河の中心に超大質量ブラックホールがあると考えられている。とにかく、こんなところに迷い込んだら一巻の終わりだ。幸い、地球は銀河系中心から3万光年も離れているので、ご安心を(画像はNASAチャンドラX線観測衛星撮影)。

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