女は二度決断する
10年ほど前、ドイツでネオナチによるトルコ系移民連続殺人事件が明らかになり、ネオナチと警察や情報当局との不透明な関係が浮上して大きな政治問題となったそうだ。ドイツの映画「女は二度決断する」は、そのような事件を下敷きにした物語だ。ハンブルクで夫のトルコ系移民ヌーリ、息子ロッコと暮らすドイツ人女性のカティヤ(ダイアン・クルーガー)。ヌーリはかつて、麻薬ビジネスに手を染めていたが、いまは更生し、まじめに働いていた。ある日、カティヤがヌーリにロッコを預け、外出したところ、ヌーリのオフィスが爆破されてしまう。やがて容疑者2人が逮捕され、裁判が始まるが、カティヤにとっては耐え難い展開となっていく。日本でも、犯罪によって苦しめられた被害者やその家族が、その後他の要因で二重に苦しめられるという痛ましい事件が散見されるが、こんなときでもカティヤの最後の決断が全否定されるべきなのか、意見が分かれるところだろう。

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