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2020年6月 6日 (土)

メビウス

 メビウスの輪は数学に出てくる有名な図形だ。帯をひねってつなぎ合わせると、表と裏を区別できないリボンができあがる。フランスなどの映画『メビウス』は、ロシア連邦保安庁(FSB、KGBの後継組織)のスパイがCIAの女スパイと恋に落ち、運命を翻弄されてしまう物語だ。FSBのモイズ(ジャン・デュジャルダン)は次期長官と目されるチェルカチンの秘蔵っ子で、ロシア人実業家ロストフスキー(ティム・ロス)のマネーロンダリングを調査していた。ロストフスキーはチェルカチンの支援者だったが、次期FSB長官の座を確実にしたいまとなっては、邪魔な存在でしかない。モイズは、ロストフスキーの資金を扱うアメリカ人女性ディーラーのアリス(セシル・ドゥ・フランス)に目をつけ、自らのスパイとして働かせようとするが、あらぬことか、2人は恋に落ちてしまう。というわけで、スリリングな展開が続くのだが、当然のことながら、2人を待っていたのは非情な現実だった。やはりスパイの世界は非情だなぁ。

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