時間は存在しない
ループ量子重力理論の専門家であるイタリアの物理学者カルロ・ロヴェッリが書いた「時間は存在しない」は、現代物理学の大きな謎「時間」の正体に迫る本だ。アルベルト・アインシュタインが相対性理論によって時間と空間の驚くべき性質を解明するまで、「時間」は、あらゆることに無関係に過去から未来へと一様に流れるものだと考えられてきた。しかし、「時間」は一様に流れるものではなく、物体があるところではその進み方は場所によって変わるし、運動している物体における進み方も変わる。その違いはいまや実際に測定することができて、GPSはこれらを補正することによって正確に作動するのだ。ロヴェッリはこの本の中で、われわれが従来持っていた「時間」に関する概念が崩壊したことを述べ、その結果残された「時間」の性質から、「時間」の本質に迫ろうとする。物理学で「時間」を語るとき、よく出てくるのはエントロピーという物理量だが、ロヴェッリもまたエントロピーによって「時間」の本質を解き明かそうとしている。

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