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2020年はうるう年だ。初日の出は根室で6:50、札幌で7:06、東京も6:50だ。高い場所ではちょっと早くなる。月は3日上弦、11日満月、17日下弦、25日新月で、11日には半影月食が起きるが、肉眼ではよくわからないだろう。4日には3大流星群の一つ しぶんぎ座流星群が極大を迎えるが、出現数はバラツキが大きいので、予想は難しい。しぶんぎ座流星群の母天体はまだ確定しておらず、諸説ある。金星は宵の明星として明るく輝いているが、火星も夜明け前の東の空に見えてくる。木星と土星は太陽と同じ方向にあり、観測は難しい。年末年始は田舎に里帰りする人も多いだろうが、星を見るチャンスだ。20時頃に夜空を見上げれば、北西から東南にかけて天の川も見えるかもしれない。特にオリオン座周辺は明るい星が多く、華やかだ。国立天文台HPより。
かつてナチスドイツは、ドイツ民族増加のためレーベンスボルン(生命の泉)という収容所を設置したそうだ。レーベンスボルンはドイツ国内のみならず、ノルウェーでも設置され、ドイツ兵とノルウェー人女性との間に生まれた子どもが大勢いたという。映画「誰でもない女」は、そのレーベンスボルン出身の女の運命を描く物語だ。カトリーネ(ユリアーネ・ケーラー)は出生後に母親から引き離され、東ドイツの施設で育てられたが、東ドイツからの脱出に成功、ノルウェーで家族とともに平和な日々を送っていた。そんな中、ベルリンの壁が崩壊、まもなくカトリーネのもとに1人の若い弁護士がやってくる。その弁護士は、ドイツ兵の子どもを産んだ女性たちを迫害したノルウェー政府に対する訴訟の証人を探していた。しかし、カトリーネはこれを拒否、ドイツへと向かう。実はカトリーネは、母親や夫にもいえない秘密を抱えていた。スパイものの愛好家にはピンとくるだろうが、東ドイツといえばシュタージ(国家保安省)による相互監視社会として有名だろう。歴史の表舞台に登場しない無名の人々の中には、このような悲劇に見舞われた人もいたのかもしれない。
シャーロック・ホームズは引退後、英仏海峡を見渡す温暖なサセックスの丘で、養蜂業を営むなどして余生を過ごした。コナン・ドイルの「正典」では、その間もいくつかの事件を手がけ、特に「最後の挨拶」事件では、2年間もかけてドイツの大物スパイを逮捕するという活躍を見せている。アメリカの作家ミッチ・カリン原作の映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」は、そのホームズの最晩年を描いた物語だ。1947年、兄マイクロフトもジョン・ワトソンもすでにこの夜を去り、90歳を超えたホームズ(イアン・マッケラン)自身も痴呆が進んでいた。世間ではワトソンが描いた小説をもとにしたイメージができあがっていたが、ホームズはこれに違和感を感じ、手記を執筆していた。ホームズの心に引っかかっていたのは、30年前に探偵業を引退する契機となったアン・ケルモット事件だった。二度の流産で鬱状態になったアンを心配した夫トーマス・ケルモットの依頼により、アンの行動を調査していたホームズだったが、悲劇的な結末を迎えていたのだ。痴呆が進むホームズは、家政婦マンロー夫人の聡明な息子ロジャーの助けを得て、記憶を解き明かしていく。記憶力を取り戻したいホームズがサンショウを探して広島を訪れるという場面もあり、真田広之が日本人 梅崎タミキ役で出演している。
故フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となった映画「ゴッド・タウン」は、一言で言うと救いようがないほどどうしようもない者たちの物語だ。フィラデルフィア南部の「ゴッズ・ポケット」と呼ばれる街で、ミッキー・(ホフマン)は泥棒稼業でなんとか生計を立てていた。ミッキーの妻ジーニーには連れ子レオンがいるが、レオンはチンピラみたいな若者で、建設現場で老人相手にイキがったため、撲殺されてしまう。しかし、レオンは事故死とされ、ミッキーはやむなく葬儀の準備に取りかかる。一方、地方新聞のコラムニスト リチャードは、レオンの死に不審な点があると聞き、真相を解明しようとする。という話だが、葬儀資金としてカンパしてもらったカネを競馬でスッてしまうミッキーはじめ、ジーニーやリチャードなど登場人物が揃いも揃ってどうしようもない連中で、ハッピーエンドとはほど遠い結末を迎える。しかし、これがまたホフマンにピッタリの役柄なんだろうな。
映画「スター・ウォーズ」エピソード9「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は、エピソード1に始まる壮大なサーガを締めくくる完結編だ。ファースト・オーダーの最高指導者となったカイロ・レン(アダム・ドライバー)は、銀河の絶対的支配者となるため、母レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンスを追い詰めていくが、その前にかつての皇帝パルパティーンが姿を現す。パルパティーンの肉体はほとんど滅んでいたが、死をも欺く恐るべきフォースによって、その魂は生きていた。ファースト・オーダーの最高指導者だったスノークも、実はパルパティーンがつくりだした幻影だったのだ。そして、未知領域の惑星エクセゴルに帝国の復活をめざすファイナル・オーダーを樹立、強大なシス艦隊を集結させていた。その力を目の当たりにしたカイロ・レンは、パルパティーン抹殺という本心を隠し、パルパティーンが持ちかけた取引に応じる。パルパティーンの狙いは、最後のジェダイ レイ(デイジー・リドリー)と対面することだった。パルパティーン復活を知ったレイたちは、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が残した手がかりをもとに、エクセゴルへの道のりを示すウェイファインダーを探し求める。というわけで、パルパティーン、カイロ・レン、ファースト・オーダー、レジスタンス、そしてレイのそれぞれの思いが交錯しながら、サーガを締めくくるにふさわしい戦いが展開される。すべてが終わり、銀河が平和を取り戻したとき、砂漠の惑星タトゥイーンのかつてルークが育った水分農場に、レイの姿があった。双子の太陽が沈む夕日の中、通りすがりの民に名を尋ねられた彼女は、レイ・スカイウォーカーと名乗った。
天文ファンにはおなじみ「天文年鑑」は、2020年版で創刊72周年を迎える。2020年の主な天文現象だが、6月21日と12月15日に日食がある。このうち日本で見られるのは6月の部分日食だ。12月の日食は南米で皆既日食となる。月食は、本影月食はなく、半影月食が4回ある。しかし、半影月食ははっきり欠けるものではなく、肉眼ではわからないだろう。惑星食は水星1回、金星2回、火星5回、木星2回とけっこう多いが、いずれも日本からは見られない。金星は前半は宵の明星として輝き、6月以降は明けの明星に転じる。火星は大接近とまではいかないが、夏から秋にかけてかなり地球に接近し、視直径も大きく見える。最接近は10月6日だ。木星は7月14日に、土星は7月21日に衝を迎え、12月21日には木星と土星とが大接近して見える。3大流星群は、しぶんぎ座流星群が1月4日頃、ペルセウス座流星群が8月12日頃、ふたご座流星群が12月14日頃に極大を迎える。明るい彗星の出現は予測されてないが、彗星というのはまさに「彗星のように現れる」ものなので、そろそろ大彗星の出現を期待したいもんだ。
「スタートレック」の新しいドラマシリーズ「スタートレック:ピカード」が来月から始まる。その名のとおり、かつてU.S.Sエンタープライズ号の艦長を務めたジャン=リュック・ピカードを主人公とする物語だ。ピカードを演じるのはおなじみパトリック・スチュワートで、ライカー副長やデータ少佐も登場するというから、トレッキーには涙ものだろう。宇宙艦隊を引退したピカードは、故郷フランスで家業のワイン製造業を継いで余生を過ごしていたが、どうやらまた最前線に復帰するようだ。その背景には、ピカードとも因縁の深いロミュラン人の母星ロミュラスの消滅があるという。2009年の映画「スター・トレック」では、超新星爆発によってロミュラスが消滅、ロミュラン人のネロが惑星連邦を逆恨みして攻撃を仕掛けるということがあったので、これがストーリーに組み込まれているのだろうか。久しぶりのピカード艦長の活躍が楽しみだ。
12月26日の午後、日本全国で部分日食が見られる。東京での食の始めは14時28分、食の最大が15時35分、食の終わりが16時33分で、最大食分は0.389だ。日本で最も欠けるのは沖縄地方で、那覇での最大食分は0.474だ。また、東京より北では、太陽が欠けたまま沈む日没(日入)帯食となる。太陽光は強烈なので、このくらい欠けてもたぶんほとんどの人が気づかないだろう。観測には日食メガネが必須だ。写真撮影にはNDフィルターを使うが、フィルター越しでも長時間太陽を見ると目を痛めるので、注意しよう。ぼくも昔、金環日食を撮影したとき、目がおかしくなりかけたことがある。安全に観測したいなら、国立天文台の太陽フレア望遠鏡が撮影したリアルタイム画像をインターネットで見るのがいい。国立天文台HPより。
国際天文学連合(IAU)の創立100周年記念事業「太陽系外惑星命名キャンペーン」で日本に割り当てられた太陽系外惑星系に、「カムイ」(恒星)と「ちゅら」(惑星)という名前がつけられることになった。言うまでもなくカムイはアイヌ語、ちゅらは琉球語で、どちらも自然に対する尊敬と畏怖の念が込められた言葉だ。カムイことHD145457はかんむり座にある7等星で、地球から410光年離れた恒星、ちゅらは木星の2倍以上の質量を持つ巨大ガス惑星で、日本の研究者が発見した。かんむり座はいまは太陽と同じ方向にあって見づらいが、夜明け前にはうしかい座の1等星アークトゥルスに続いて昇ってくる。
2005年5月2日撮影 キャノンEOS Kiss Digital+キャノンEF50mm、露出196秒
ZWO ASIAIRの後継機として、ASIAIR Proが発表されたそうだ。ASIAIRがRaspberry Pi(ラズベリーパイ)3ベースだったのに対し、Proはラズパイ4ベースだという。ラズパイ4は3から大きくスペックが向上したということなので、ASIAIR Proもそうなんだろう。ぼくもこの夏、ASIAIRをタカハシEM−11Temma2Z赤道儀で使ってみたが、自動導入はできたものの、なぜか恒星時駆動がうまくいかなかった。原因究明もできず、いまだ宙ぶらりんだ。実戦投入する前にニューモデルが発表されたということで、やられた〜という感じだ。
10月8日にリリースされたmacOS 10.15 Catalinaには、この2ヶ月間大いに苦しめられた。かつてないほど完成度が低く、トラブルが続出するので、1日に何度も再起動させられていた。10.15.1アップデータもリリースされたが、症状はまったく改善されなかった。ようやく10.15.2アップデータがリリースされたが、トラブル解消を強く期待している。
国立天文台が編纂する「理科年表」(丸善出版)は、1925年創刊という歴史あるデータ集だ。暦、天文、気象、物理/化学、地学、生物、環境という7部門からなり、自然科学のすべての分野を網羅している。理系の人なら一度は開いたことがあるだろう。昔の天文ファンは、理科年表と「天文年鑑」(誠文堂新光社)、または「天文観測年表」(地人書館)を基に天体観測をしていたんじゃないかと思うが、天文観測年表は10年前に廃刊となってしまった。まあいまはインターネットで何でも調べることができるので、この手の本が生き残るのはなかなか難しいんだろう。ぼくも天文年鑑は毎年買っているが、理科年表は西暦の最後が「0」か「5」の年に買っている。来年は2020年なので、5年ぶりに買う年だ。老眼進行のため、ポケット版じゃなく机上版を買おうっと。
スウェーデンの映画「ミレニアム」シリーズでリスベット・サランデルを演じたノオミ・ラパス主演の映画「アンロック/陰謀のコード」は、CIAの凄腕女性尋問官の活躍を描いた物語だ。ロンドンの地区センターで就職あっせんの仕事に励むアリス・ラシーン(ラパス)は、実はCIAのエージェントとしてテロリストの情報を収集していた。アリスはかつて凄腕の尋問官だったが、2012年のパリでのテロ事件で犯行を阻止できなかったことから、強い自責の念に駆られていた。そんな中、CIAは新たなテロ情報をキャッチ、連絡係の男を拘束するが、尋問官が何者かによって殺されてしまう。そこで白羽の矢が立ったのがアリスだった。そして、CIAロンドン支局員を名乗る男が現れ、連絡係の尋問のためアリスを連れて行く。ブランクをものともせず、巧みに連絡法法を聞き出すことに成功したアリスだったが、これはCIAにいる裏切り者の罠だった。いきなり絶体絶命のピンチに陥るアリス。しかし、アリスは尋問だけでなく、高い戦闘力も持つプロだった。というわけで、テロリストのみならずCIAやロンドン警視庁にも追われながら、アリスは事件の真相と黒幕を暴いていく。リスベット同様強烈なキャラクターの尋問官アリスということで、これは続編も期待したいところだ。
日本郵便の特殊切手「天体シリーズ 第3集」は、木星や土星を回る衛星やこと座の環状星雲など10枚の切手からなる。オリオン座の1等星ベテルギウスはいずれ超新星爆発を起こすと考えられているが、これは想像図が描かれている。こと座の環状星雲、さそり座のバタフライ星雲、おうし座のかに星雲はいずれも恒星が核融合反応を終えた後にできるもので、ベテルギウスが超新星爆発を起こすとかに星雲のようになるのではないかと考えられる。木星の衛星のうち4つはガリレオ衛星と呼ばれ、小型望遠鏡でもはっきり見える。ガリレオはこれを見て、地動説に確信を持ったという。
2020年4月公開予定の映画007シリーズ第25作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の予告編が公開された。MI6を退職し、ジャマイカで平和に暮らしていたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)だったが、CIAのフェリックス・ライターがやってきて、誘拐された科学者を救出してほしいという依頼を受ける。予告編では、ライターのほかMI6のM(レイフ・ファインズ)やQ(ベン・ウィショー)、ボンド後継の007?(ラシャーナ・リンチ)、そしてスペクターの首領ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)も顔を見せている。メインの悪役を演じるのは「ボヘミアン・ラプソディ」主演のラミ・マレックで、不気味なマスク姿で登場する。撮影ではクレイグがケガをするなどトラブル続きだったようだが、それだけアクションシーンがすごいんだろう。クレイグ・ボンドもこれが見納めかと思うと残念だが、公開が待ち遠しい。
キャノンから新コンセプトカメラiNSPiC REC(インスピック レック)が発表された。カラビナのような形状をしていて、かばんや衣服にぶらさげて持ち歩けるので、スマホよりさらにお手軽だ。モニタがないので、画像はスマホなどに転送して見ることになるほか、レンズも固定で、ズームはない。この割り切りは、ぼくも持っていた2003年10月発売のIXY DIGITAL Lを思い起こさせる。しかし、IXY DIGITAL Lが質量100g、400万画素だったのに対し、iNSPiC RECは90g、1300万画素だ。かつてスパイ御用達カメラだったミノックスにも匹敵するコンパクトさの一方で、性能は大きく向上している。まあ天体写真撮影には使えないだろうが、普段使いするにはいいだろう。
サラ・ブライトマンは、一時国際宇宙ステーション(ISS)のミッションへの参加を表明するなど、宇宙好き?のシンガーだ。家庭の事情で宇宙旅行は延期したが、ISSでのライブという人類初?のイベントはいつか実現してほしいもんだ。クラシックとポップスを融合したクラシカル・クロスオーバーの音楽は独特で、この世界では第一人者だ。ぼくもこのジャンルは大好きで、天体写真撮影の際にもよくかけている。そのブライトマンの「A Winter Symphony」は、これまたクリスマスにぴったりのアルバムだ。東京でクリスマスに雪が降ったことはほとんどないようだが、今年は降らないかなぁ。
クリスマスに流したいアルバムの一つがエンヤの「And Winter Came…」だ。アイルランド出身のエンヤは唯一無二ともいえる音楽を確立し、日本でも大人気となった。超有名なクリスマスソング「きよしこの夜」は、本アルバムではゲール語(アイルランド語)で歌われている。アイルランドの緯度は北海道より高いので、さぞかし寒いんだろうなと思ったら、暖流の影響でそんなに寒くないとか。雪もそんなに降らないというから、ホワイト・クリスマスにはならないんだろうか。エンヤは天体写真撮影の際のBGMにもぴったりで、ぼくもよくかけている。