IR改造カメラ①
本格的な天体写真撮影にはIR改造カメラというものがよく使われる。IRというのは赤外線(infrared)のことで、可視光より波長の長い電磁波だ。通常のデジタルカメラでは、可視光以外の波長の電磁波が写るとカラーバランスがおかしくなるため、それらをカットするローパスフィルターを内蔵しているが、天体写真ファンに人気の赤い散光星雲が放つHα線という光もかなりカットしてしまう。そこでローパスフィルターを取り外し、赤外線だけをカットする特殊なフィルターに取り替えれば、Hα線が写りやすくなるというわけだ。このIR改造は、浅草のハヤタ・カメララボや天文ショップなどで取り扱っていて、数万円でできる。ちなみに、ぼくが使っているキャノンEOS60Daは、EOS60Dのローパスフィルターをはじめから天体写真用にしたメーカー純正品だ。ショップのIR改造に比べるとHα線の写り方はちょっと抑え目だが、その分自然な感じだ。IR改造カメラは一般の撮影ではカラーバランスがおかしくなるといわれているが、ハヤタ・カメララボでは改造後もおかしくならないよう調整してくれるそうなので、EOS Kiss X9も改造してみようかな。でも、そろそろEOS60Daの後継機が出るかもという話もあるようだしなぁ。

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