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2019年9月

2019年9月30日 (月)

湿地

 北欧ミステリー映画には独特の雰囲気があるが、アイスランドの映画「湿地」もそんな映画の一つだ。アイスランドは世界有数の火山島で、地質学的には非常に興味深いところだが、それが本作の雰囲気にも反映されているのだろう。秋が深まる頃、首都レイキャヴィクの湿地帯にあるアパートの1室で、老人の死体が発見される。エーレンデュル警部(イングヴァール・E・シーグルソン)が現場で発見した1枚の写真を手がかりに捜査を進めるうちに、被害者の恥ずべき過去が明らかになっていく。被害者は30年前にある田舎町で事件を起こしていて、事件を担当した警察官にそれをもみ消してもらう代わりに、汚れ仕事をやっていたのだ。この殺人事件に、遺伝性の病気で死んだ少女の話も交えて物語が展開していく。エーレンデュル警部自身も素行不良の娘に悩まされていたりして、とにかくジメジメしたムードにあふれる作品だ。

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2019年9月29日 (日)

2019年10月の星空

 毎年決まった時期に出現する流星群は10以上あるが、10月は3つの流星群が極大を迎える。9日が10月りゅう座流星群、10日がおうし座南流星群、22日がオリオン座流星群だ。10月りゅう座流星群は別名ジャコビニ流星群と呼ばれ、ユーミンファンなら「72年10月9日」という日付も知っているだろう。この日は流星雨が予想されたにもかかわらず、まったくの空振りに終わった。いまでこそ流星群の予想はかなり精度が上がっているが、当時は予想が非常に難しかったのだ。オリオン座流星群の母天体は、5月のみずがめ座η(イータ)流星群と同じハレー彗星だ。ただ、いずれも出現数は多くないので、ペルセウス座流星群のようなハデさはない。月は6日上弦、14日満月、21日下弦、28日新月だ。木星と土星はだんだん沈むのが早くなり、見頃を終えつつある。一方、夜半前にはもう冬の星座が昇ってくる。東の空を見ると、まずぎょしゃ座の1等星カペラが姿を現し、おうし座のプレアデス星団(すばる)や1等星アルデバラン、そしてオリオン座が続く。気温はぐっと下がるが、大気中のチリや水蒸気が少なくなって空気が澄んでくるので、星空がいっそうきれいに見える時期だ。国立天文台HPより。

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2019年9月28日 (土)

ポータブル電源⑨

 大阪の会社が販売しているcheero Energy Carryは、500Whの大容量ポータブル電源だ。丸みを帯びたかわいらしいデザインで、重量も5.4㎏と軽量・コンパクトだ。それにしても、最近はポータブル電源がどんどん充実してきた。電化製品を使ってキャンプやアウトドアライフを楽しむ人が増えているんだろうが、災害も多いということなんだろうか。


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2019年9月27日 (金)

ポータブル電源⑧

 カー用品を扱う福岡の会社が販売しているSmartTap PowerArQは、626Whの大容量ポータブル電源だ。重量は6.0㎏で、容量のわりには軽量だ。PowerArQはカラーが豊富で、5つのカラーから選ぶことができる。天体写真撮影にはどうでもいいことだが、キャンプなどで使うにはそれもいいかも。


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2019年9月26日 (木)

ポータブル電源⑦

 アメリカのJackery(ジャクリ)はホンダとも提携するなど、アメリカでは評価の高いメーカーのようだ。ポータブル電源は3種類あるが、そのうち最も大容量なのは700Whのポータブル電源700という製品だ。容量のわりに重量は6.3㎏と軽量・コンパクトだ。出力ポートはAC、USB、DC、シガーソケットと至れり尽くせりで、これだけあれば天体写真撮影には十分だろう。

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2019年9月25日 (水)

ポータブル電源⑥

 ホンダは発電機だけでなく蓄電機も製造している。リベイドE500は重量5.3㎏、電池容量377Whとまあまあ大容量で、なんといっても安心の日本製だ。ただ、赤道儀の電源ケーブルがシガーライター出力の場合、変換プラグが必要になる。ホンダHPには、冷却CCDカメラを使って天体写真撮影をしている人のインプレッションが掲載されているが、冷却CCDカメラは電源から発生するノイズに敏感なため、電気の「質」は非常に重要だという。良質な電気をつくるには、直流を交流に変換するインバーターの性能が重要だ。

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2019年9月24日 (火)

ポータブル電源⑤

 中国Anker(アンカー)製ポータブル電源で最も大容量なのは、434WhのPowerHouseだ。500Whのsuaoki G500よりもちょっと容量が小さいが、アマゾンではこちらの方がちょっと高い5万円だ。特筆すべきは重量で、G500が7.7kgあるのに対し、PowerHouseは4.2kgしかない。コンパクトなものがほしいなら、PowerHouseだろうが、天体写真撮影の際はクルマ移動なので、重量よりも容量優先だ。

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2019年9月23日 (月)

ポータブル電源④

 中国suaoki製ポータブル電源で最も大容量なのは、500WhのG500だ。ACコンセントやシガーライター出力はもちろん、USB出力にはTypeーCポートまで備えていて、至れり尽くせりだ。天体写真撮影では、赤道儀、オートガイダー、PC、ヒーターなどいくつもの機器を使うので、出力ポートがたくさん必要だが、G500ならすべての機器を接続することができる。アマゾンなら4万円台なので、これは有力候補だ。


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2019年9月22日 (日)

ポータブル電源③

 ポータブル電源として2つほど発電機をみたので、次は蓄電池を。蓄電池といえば、かつては鉛蓄電池が主流で、いまもクルマのバッテリーとして広く利用されているが、今後の主流はリチウムイオンバッテリーになると目されている。特に、ポータブル電源としては、リチウムイオンバッテリーは鉛蓄電池よりも圧倒的に軽いので、メリットが大きい。価格は高いが、普及が進むにつれて下がっているので、一般家庭で災害用にそろえるなら大容量のリチウムイオンバッテリーだろう。中国のsuaoki製s270は、1.3㎏と軽量ながら、150Whの容量がある。これは、計算上は150Wの電化製品を1時間使えるということだ(ただし、実際にはロスがあるので、そこまでは使えない)。家庭用電化製品を動かすのはちょっとつらいが、スマートフォンの充電くらいなら何日ももつだろう。なお、リチウムイオンバッテリーの容量として、WhやAh(mAh)という単位が出てくるが、1Ah=1000mAh、リチウムイオンバッテリーの電圧は3.7Vなので、1Ahは3.7Whに相当する。さらに、このメーカーではソーラーチャージャーも製造しているので、いざというときには太陽光発電で充電することも可能だ。

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2019年9月21日 (土)

ポータブル電源②

 かつてバイクでHY戦争を繰り広げたホンダのライバル ヤマハも発電機を製造している。このうちEF900iSはホンダEU9iとほぼ同等の性能で、価格もまったく同じだ。どちらも定格出力900VA(W)で、エアコンや冷蔵庫、電子レンジはちょっとムリだが、扇風機や炊飯器、電気ポットなら使えるだろう。もちろん、テレビやスマホ、パソコンなら楽勝だ。天体写真撮影にはけっこう電力が必要なので、発電機を使う人も多いようだが、メンテナンスもちゃんとやらなければならないので、ちょっとめんどくさいといえばめんどくさい。あと、騒音の問題もある。原付バイクと同じ排気量のエンジンを回していると考えれば、どれくらいの騒音かわかるだろう。ぼくの場合、民家からだいぶ離れたところで撮影しているので、騒音の問題は考えなくていいが。

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2019年9月20日 (金)

ポータブル電源①

 昨年9月の北海道全域での大規模停電(ブラックアウト)に続き、今回は千葉県で台風による大規模停電が発生した。停電発生後10日を経過してもまだ全面復旧していないということで、現実にこういう大規模停電を2度も目の当たりにすると、やはりそれなりの備えが必要だと痛感する。最も安心できるのは太陽光発電などの自家発電装置の導入だが、これはちょっと大変なので、ポータブルなものに限って調べてみる。なお、ぼくの場合、普段は天体写真撮影用電源として使いつつ、災害対応にも使えるという観点で考えている。ところで、一口に電源といっても、発電と蓄電とは別物だ。電気はそのままの形ではためられないので、発電した電気をためるには別の形にしなければならない。これが蓄電池だ。というわけで、ポータブル電源としては、発電機と蓄電池とに大別される。ここではまず、発電機から。ホンダの発電機EU9iは乾燥重量13㎏で、排気量50㏄のエンジンを搭載、ガソリンを燃やして発電する。蓄電池はためられる電気に限りがあるが、発電機はガソリンがある限りずっと運転可能なので、災害時にも非常に頼りになるだろう。ただ、価格も14万円だし、一般家庭でここまで必要かというと、ちょっとう〜んという感じだ。

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2019年9月19日 (木)

007「ゴールドフィンガー」(小説)

 イアン・フレミングの小説007シリーズ第7作「ゴールドフィンガー」は、映画シリーズでは第3作、007シリーズが爆発的人気を得る決定打となった作品だ。マイアミに立ち寄ったジェームズ・ボンドは、カジノ・ロワイヤルでの大勝負に同席したアメリカ人富豪と偶然再会し、イギリス人富豪オーリック・ゴールドフィンガーのカードゲームでのイカサマを暴くよう依頼される。首尾よく依頼を果たし、イカサマに協力させられたジル・マスタートンと親密になったボンドだが、ロンドンに帰ったボンドを待っていたのは、そのゴールドフィンガーの調査だった。イングランド銀行が、ゴールドフィンガーが大量の金を国外に流出させているとにらんでいたのだ。偶然を装ってゴールドフィンガーに接近し、身辺を探るボンドだが、ゴールドフィンガーは犯罪にかけては天才的で、さすがのボンドも絶体絶命の危機に陥っていく。映画版で高い人気を得たプッシー・ガロアやオッドジョブももちろん登場していて、ストーリーを盛り上げている。

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2019年9月18日 (水)

ボリソフ彗星

 ウクライナのアマチュア天文家ゲナディー・ボリソフ氏が発見した新彗星が、太陽系外から飛来した恒星間天体ではないかと話題になっている。もしそうだとすれば、2017年に飛来したオウムアムア以来2件目の発見ということになる。ボリソフ彗星が太陽に最接近するのは12月7日で、火星軌道と木星軌道との間を通り抜けていく。太陽系内の天体の軌道は普通は楕円で、彗星の中には放物線軌道を描くものもあるが、ボリソフ彗星は非常に高速なので、双曲線軌道を描くという。要するに、太陽の引力に引かれてちょっとだけカクッと曲がる感じだ。ハワイにある大望遠鏡がかすかに尾を引く姿をとらえているが、地球にはあまり近づかないので、アマチュアには観測は難しそうだ。NASA HPより。

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2019年9月17日 (火)

ハイ・クライムズ

 アシュレイ・ジャッド&モーガン・フリーマン主演の映画「ハイ・クライムズ」は、アメリカの作家ジョゼフ・フィンダーの小説を映画化した作品だ。有能な弁護士のクレア・キュービック(ジャッド)は、夫トムと幸せな日々を送っていたが、ある日突然トムが逮捕される。実はトムはかつて海兵隊特殊工作部隊に所属し、エルサルバドルで9人もの一般市民を殺害した容疑をかけられていたのだ。自分は無実だと主張するトムを信じ、クレアは法律事務所をやめ、初めての軍事法廷に立つ。慣れない軍事法廷に戸惑うクレアだったが、軍出身の弁護士チャーリー・グライムス(フリーマン)の協力を得て、エルサルバドル事件の真相に迫っていく。それにしても、夫の無実を信じて戦うクレアが実に気の毒だ。

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2019年9月16日 (月)

IR改造カメラ①

 本格的な天体写真撮影にはIR改造カメラというものがよく使われる。IRというのは赤外線(infrared)のことで、可視光より波長の長い電磁波だ。通常のデジタルカメラでは、可視光以外の波長の電磁波が写るとカラーバランスがおかしくなるため、それらをカットするローパスフィルターを内蔵しているが、天体写真ファンに人気の赤い散光星雲が放つHα線という光もかなりカットしてしまう。そこでローパスフィルターを取り外し、赤外線だけをカットする特殊なフィルターに取り替えれば、Hα線が写りやすくなるというわけだ。このIR改造は、浅草のハヤタ・カメララボや天文ショップなどで取り扱っていて、数万円でできる。ちなみに、ぼくが使っているキャノンEOS60Daは、EOS60Dのローパスフィルターをはじめから天体写真用にしたメーカー純正品だ。ショップのIR改造に比べるとHα線の写り方はちょっと抑え目だが、その分自然な感じだ。IR改造カメラは一般の撮影ではカラーバランスがおかしくなるといわれているが、ハヤタ・カメララボでは改造後もおかしくならないよう調整してくれるそうなので、EOS Kiss X9も改造してみようかな。でも、そろそろEOS60Daの後継機が出るかもという話もあるようだしなぁ。

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2019年9月15日 (日)

北天の星空

 北天の星空はちょっと気の毒?なことに、あまり注目されない。フィルムカメラ時代は、北極星を中心に日周運動するところを撮影するのが定番だったが、デジカメ時代になってからは、極軸合わせが終わるともうそれっきりという天体写真ファンも多いのではないか。その極軸合わせだが、まずはカシオペア座か北斗七星を見つけ、そこから北極星を探す。写真では北極星以外の暗い星もたくさん写っているが、肉眼では北極星以外に目立つ星はないので、すぐにそれとわかる。極軸望遠鏡内蔵の赤道儀の場合、あとは決められた手順で極軸合わせをすればいい。なお、この写真は、ポータブル赤道儀 ナノ・トラッカーを使って撮影した。ナノ・トラッカーの場合、北極星のぞき穴に肉眼で北極星を導入するというかなりおおざっぱな極軸合わせだが、超広角レンズならこのとおり十分実用的だ。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒


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2019年9月14日 (土)

アベンジャーズ/エンドゲーム

 マーベルコミックのスーパーヒーローチームが活躍する映画「アベンジャーズ」の第4作「アベンジャーズ/エンドゲーム」は、一連のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズのフィナーレとなる物語だ。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で全宇宙の生命の半分を滅亡させた「デシメーション」から3週間後、生き残ったトニー・スターク(アイアンマン)やスティーヴ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)らはサノスを探し出し、ソーがとどめを刺す。しかし、消滅した人間が生き返るわけでもなく、みな大きな喪失感の中でそれぞれの人生を生きていく。それから5年後、デシメーション以前に量子世界に閉じ込められたスコット・ラング(アントマン)が、現実の世界に戻ってくる。アントマンは、量子物理学を応用したタイムトラベルが可能ではないかと考え、アベンジャーズとコンタクトを取る。かくしてアベンジャーズは、タイムトラベルによって過去に戻り、6つのインフィニティ・ストーンがサノスの手に渡ることを防ぐ「タイム泥棒」作戦を実行に移す。というわけで、首尾よく過去に戻ることはできるのだが、そこには当然サノスもいるわけで、またしても死力を尽くした戦いが展開される。タイムトラベルものということで、これまでのMCUシリーズに登場した人物やシーンも出てきたりして、ちょっと懐かしい。パロディもあり、タイムトラベルに関して、「バック・トゥ・ザ・フューチャーは間違っている」なんてセリフも出てくる。もちろん、現実の物理学では、過去へのタイムトラベルは不可能だと考えられているので、本作もその意味では間違っているのだが。シリーズのフィナーレということで、残年ながら去って行くヒーローもいるが、さわやかな幕引きだ。

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2019年9月13日 (金)

中秋の名月

 今年の9月13日は旧暦8月15日、すなわち十五夜に当たる日だ。この日の月は中秋の名月、または芋(いも)名月と呼ばれ、お月見をするのが古来からの習わしだ。満月は翌14日なので、満月直前のちょっと欠けた月、ユーミン流にいえば「14番目の月」ということになる。お月見をする風習は十五夜だけでなく、旧暦9月13日の十三夜にもあり、こちらは豆名月や栗名月と呼ばれる。暦というのは、農業と密接に結びついているといってよく、これから収穫を迎えようという時期に、お月見をして豊作を願うという意味もあったんだろう。13日夜の月はみずがめ座にあるが、もともと明るい星が少ない秋の夜空で非常に明るく輝いているので、他の星はほとんどかき消されてしまうだろう。そんな中、月の右下に明るい星があるのが見えるかもしれないが、これはみなみのうお座の1等星フォーマルハウトだ。今井美樹のヒット曲「PRIDE」にある「南の一つ星」は、この星のことだろう。それにしても、今年の夏も天候が不安定で、天体写真撮影のチャンスには恵まれなかったなぁ。

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2019年9月12日 (木)

ステイ

 ユアン・マクレガー主演の映画「ステイ」は、実に幻想的な物語だ。精神科医であるサム・フォスター(マクレガー)は、ヘンリー・レサム(ライアン・ゴズリング)という若い患者を担当することになるが、ヘンリーはいきなり3日後に自殺すると言い出す。サムはヘンリーを思い止まらせようとするが、ヘンリーは死に取り憑かれていて、サムは翻弄されっぱなしだ。しかも、サムの恋人ライラ(ナオミ・ワッツ)も精神的に不安定で、心配の種となっている。ヘンリーの治療を続けるサムは、ヘンリーの両親や好意を寄せる女性を探し出し、なんとか糸口を見つけようと努力する。・・・という展開なのだが、とにかくすべてが謎めいていて、何が現実なのかがよくわからない。もちろん最後にその謎は解けるが、ぼくなどはサム自身の精神状態がおかしくなったのかと思ってしまった。

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2019年9月11日 (水)

むかわ竜(カムイサウルス・ジャポニクス)②

 国立科学博物館の「恐竜博2019」では、つい最近ハドロサウルス科の新属新種の恐竜と認定され、「カムイサウルス・ジャポニクス」という学名が名付けられた「むかわ竜」の全身復元骨格と全身実物化石とが展示されている。むかわ竜の祖先は8400万年前には東アジアの東縁に生息していたが、その後他の地域と隔離され、独自の進化をしたという。海岸線に近い場所に生息していたむかわ竜は、何らかの原因で海に流され、遺骸は沖合遠くの海底に沈み、そこでゆっくりと埋もれ長い眠りについた。その後海底が隆起し、長い眠りから覚めたというわけだ。日高山脈も同じ時期に海底から隆起したのだろうか。

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2019年9月10日 (火)

むかわ竜(カムイサウルス・ジャポニクス)①

 国立科学博物館ではいま、「恐竜博2019」を開催中だ。今回の見どころは、北海道むかわ町穂別(旧穂別町)で発見された「むかわ竜」だ。むかわ竜の化石は2003年に発見され、穂別博物館と北海道大学によって発掘調査が行われていたが、つい最近ハドロサウルス科の新属新種の恐竜と認定され、「カムイサウルス・ジャポニクス」という学名が名付けられた。むかわ竜は全長8m程度、体重4〜5tと推定されていて、いまから7200万年前、白亜紀後期に生きていたそうだ。

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2019年9月 9日 (月)

月と木星が大接近

 9月6日の宵の空では、月齢7の上弦の月と木星との大接近が見られた(木星は右下)。低倍率なら望遠鏡でも同一視野におさまるほどの大接近だ。8日には月と土星の大接近も見られるはずだったが、台風15号が接近していて、東京では見ることができなかった。

2019年9月6日撮影 キャノンEOS Kiss X9+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出1/500秒

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2019年9月 8日 (日)

人類、宇宙に住む

 日系アメリカ人の物理学者ミチオ・カクは、もともとは超弦(ひも)理論の研究者だが、いまでは科学技術の未来を語る「未来学者」として有名だろう。カクはテレビやラジオの科学番組に積極的に出演していて、さまざまな分野の専門家にインタビューしていることから、カバーする範囲は広範だ。そのカクが最新のテーマとして選んだのは、人類が宇宙に移住する道だ。われわれの母なる星 地球は、いまは確かに地球上の生命を守るゆりかごとなっているが、この平和な時代はいつかは終焉を迎える。そのきっかけは巨大噴火かもしれないし、天体の衝突かもしれないし、太陽の爆発かもしれない。人類が絶滅を免れるためには、宇宙のどこかに移住するしかない。カクが書いた「人類、宇宙に住む」は、それを実現するための3つのステップを解説している。もちろん、いまの科学技術ではほとんど非現実的だが、まったく荒唐無稽というわけでもない。具体的に克服しなければならない問題はある程度見えているので、何世紀もかけて一歩一歩克服していくしかない。今年はアポロ11号の月面着陸からちょうど半世紀後にあたる。アポロ計画を成功させたNASAは再び月に行こうとしているし、アマゾンのジェフ・ベゾスやスペースXのイーロン・マスクといった民間人も宇宙をめざしている。人類がこの宇宙で長く繁栄する種となるのか、ほんの束の間咲いてあえなく散っていく徒花となるのか、自らの選択にかかっている。

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2019年9月 7日 (土)

秋の星座

 秋の星座はちょっとさびしい。夏の天の川や冬の華やかな星座に比べ、地味な星座が多いのだ。そんな中で目立つのはペガスス座の四辺形で、これは秋の大四辺形と呼ばれている。ペガスス座の周辺にはやぎ座やみずがめ座、うお座などの大きな星座もあるが、暗い星ばかりだ。しかし、春の星空もそうだが、秋の星空は天の川に邪魔されないため、銀河系の外がよく見える。この写真には写っていないが、アンドロメダ銀河をはじめさんかく座の渦巻銀河、ちょうこくしつ座の渦巻銀河など、銀河系に近い「宇宙のお隣さん」たちがいる。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2019年9月 6日 (金)

007「ドクター・ノオ」(小説)

 イアン・フレミングの小説007シリーズ第6作「ドクター・ノオ」は、映画シリーズでは第1作となった作品だ。前作「ロシアから愛をこめて」でローザ・クレッブの凶刃に倒れたジェームズ・ボンドは、半年間の入院生活を経て現場に復帰する。Mに命じられたのは、MI6のジャマイカ主任ストラングウェイズ失踪事件の調査だった。ついでに、クレッブにやられる原因となったベレッタを取り上げられ、ワルサーPPKを与えられる話もかなり詳しく語られる。というわけで、ボンドはジャマイカに飛ぶわけだが、映画版は基本的にけっこう小説版に忠実に制作されているのがわかる。ドクター・ノオがボンドを拷問にかけるシーンなどは、小説版の方がずっと迫力があるが、当時としては映像化するのが難しかったんだろう。

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2019年9月 5日 (木)

夏から秋の天の川③

 はくちょう座から先、天の川はケフェウス座、カシオペア座、ペルセウス座といった秋の星座の中を流れていく。銀河系の中心方向にあるいて座などに比べ、天の川もだいぶ薄くなっていくが、ところどころに星雲星団が見える。真ん中あたりにあるのは二重星団といって、2つの散開星団が並んでいるものだが、周辺には赤い散光星雲も見える。右端近くにあるのはアンドロメダ銀河だ。いまはこんなに小さいが、銀河系とアンドロメダ銀河とは40億年後には衝突すると予想されているので、その頃にはこの星空もものすごいことになっているんだろう。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2019年9月 4日 (水)

夏から秋の天の川②

 この時期、21:30頃には天の川が天頂を通り、天球上をぐるっと半周するのを見上げることができる。夏の天の川の東(画面では下)は、星の数も大きく減ってしまうが、いるか座やこうま座という小さな星座のほか、みずがめ座やペガスス座という大きな星座もある。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2019年9月 3日 (火)

夏から秋の天の川①

 夏の大三角を貫くように流れる天の川は、秋の星空へと続いていく。はくちょう座から東はもう秋の星座だ。はくちょう座は赤い散光星雲や暗黒星雲が多いが、隣のケフェウス座も同様だ。この中で目立つのは、はくちょう座の1等星デネブ周辺にある北アメリカ星雲とペリカン星雲、2等星サドル周辺の散光星雲、そしてケフェウス座の変光星ガーネット・スター周辺の散光星雲だ。画面左下にはアンドロメダ銀河も写っている。

2019年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出120秒

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2019年9月 2日 (月)

ペルセウス座周辺の天の川

 にぎやかな夏の天の川を東にたどっていくと、だんだん星の数が減ってさびしくなっていくが、それでも天の川の流れは続いていく。はくちょう座から東は秋の星座だ。カシオペア座の隣、ペルセウス座は天の川の中にあり、有名なペルセウス座流星群の放射点もここにある。薄曇りのため、星像がにじんでいる。

2019年8月28日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF50㎜、露出180秒、ケンコースターリーナイト使用

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2019年9月 1日 (日)

カシオペア座周辺の天の川

 にぎやかな夏の天の川を東にたどっていくと、だんだん星の数が減ってさびしくなっていくが、それでも天の川の流れは続いていく。はくちょう座から東は秋の星座だ。カシオペア座は天の川の中にあり、すぐそばには有名な二重星団がある。薄曇りのため、星像がにじんでいる。

2019年8月28日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF50㎜、露出180秒、ケンコースターリーナイト使用

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