ファースト・マン
最初に月面に降り立った人類であるニール・アームストロングは、寡黙だが強い意志を持った人だったそうだ。そのアームストロング率いるアポロ11号月面着陸から半世紀を経て、彼の伝記が「ファースト・マン」として映画化された。アームストロングを演じるのは映画「ブレードランナー2049」で主演したライアン・ゴズリング、そして、「蜘蛛の巣を払う女」のリスベット・サランデル役クレア・フォイが妻のジャネットを演じる。アメリカがアポロ計画をスタートさせたのが東西冷戦真っ盛りの1961年、その背景に、史上初の有人宇宙飛行を成功させた旧ソ連への対抗心があったのはまちがいない。そういう意味では、このような大規模プロジェクトは、もう2度とできないかもしれない。日本のJAXAも小惑星探査機「はやぶさ2」などでがんばっているが、半世紀も前にアポロ計画を実行したNASAには脱帽せざるを得ない。映画の中でアームストロングは、幼くして亡くなった娘カレンの形見のブレスレットを、クレーターにそっと投げ入れる。真実かどうかはアームストロング本人しか知らないことだが、そういうシーンがあるのもいい。
