日本の歴史⑫ 江戸開幕
集英社版「日本の歴史」シリーズ第12巻「江戸開幕」は、天下分け目の関ヶ原の戦いに勝利して天下人となった徳川家康が征夷大将軍となり、2代将軍秀忠、3代将軍家光の徳川3代へと引き継ぎながら、260年に及ぶ江戸幕府初期の体制を固めた時代が舞台だ。東海道新幹線に乗って名古屋を出るとまもなく、列車は関ヶ原を通過する。1600年9月15日、東軍7.5万人と西軍8万人の大軍勢がここで激突、東軍が大勝利を収めた。ぼくも昔、関ヶ原を歩き回ったことがあるが、その日は行き交う人もほとんどなく、かつてここで数万人もの武士が激戦を繰り広げたとは思えないような静けさだった。3年後、家康は征夷大将軍に任じられ、江戸に幕府を開く。しかし、この時点ではまだ、豊臣家という存在が家康の前に立ちはだかっていた。大坂の陣でその豊臣家を滅ぼした家康は、まもなくこの世を去り、秀忠が名実ともに天下人になる。秀忠は創業者家康と3代目家光との間の地味な2代目というイメージもあるようだが、まだ盤石とは言えない幕府の体制を着実に固めていったあたり、決して凡庸な人物ではなかったんだろう。これに比べると家光はちょっと特異なキャラクターで、もし秀忠と家光とが逆の順だったら、けっこう混乱したかもしれない。それはともかく、東京に住んでいると、江戸時代に起きた歴史的事件の現場にすぐ行けるのが楽しい。
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