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1年で最も寒い時期だが、昼の時間は日々ちょっとずつ長くなっている。月は5日新月、13日上弦、20日満月、26日下弦だ。27日には水星が東方最大離角となり、夕方の西空で輝いている。ただし、高度が低いので、慣れていないと探すのはけっこう難しい。金星は明けの明星として日の出前の南東の空で堂々と輝いている。これだけ明るいと、実は昼間でも見えるのだが、目印がないとさすがに見つけるのは難しい。しかし、1日には月齢26の細い月が近くにあるので、これを目印にすれば見つけられるかもしれない。双眼鏡があると楽に見つけられるだろう。木星は金星からどんどん離れているが、日の出前の南東の空で明るく輝いている。ベテルギウスやシリウスが南中する前後、シリウスに次いで明るい1等星カノープスが南中する。東京での南中高度は2度くらいだが、南の方ならもうちょっと高く昇るので、運がよければ見ることができるかもしれない。北海道からはまったく見えないが。国立天文台HPより。
とも座、ほ座、りゅうこつ座はもともと、アルゴ座という一つの星座だった。アルゴというのは船の名前で、ともは船尾、ほは帆、りゅうこつは竜骨(キール)と、いずれも船の一部分に当たる。北海道ではとも座が見えるくらいで、ほ座やりゅうこつ座はほとんど見られない。しかし、南半球ではアルゴ座は非常に目立つ星座で、シリウスに次いで明るい1等星カノープスやニセ十字、イータカリーナ星雲などのみどころがたくさんある。また、その先の天の川には、正真正銘の南十字星が輝いている。ぼくはまだ南天の星空を見たことがないが、いつかは見てみたいもんだ。
2019年1月4日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出180秒
おおいぬ座は全天一明るい1等星シリウスを擁し、オリオン座と同じくらい目立つ星座だ。シリウスは実は連星で、暗い方のシリウスBは白色矮星だ。これは、シリウスの運動に揺らぎがあることから明らかになった。もともとはシリウスBの方が質量が大きかったため、核融合反応が早く進行し、赤色巨星を経て白色矮星になったと考えられている。いずれはシリウスAも同じような運命をたどるんだろう。シリウスは人類の歴史上重要な星で、古代エジプトでは、シリウスを観測してナイル川の氾濫時期を予想し、1年が365日であることも知ったという。
2019年1月2日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出60秒、ケンコープロソフトンA使用
66歳のリーアム・ニーソンがまたしても全力疾走させられる映画「トレイン・ミッション」は、最後まで息をもつかせぬアクション映画だ。元警官で保健会社に勤務するマイケル・マコーリー(ニーソン)は、ニューヨーク郊外から毎日電車で通勤している。ある日、マコーリーは突然会社をクビになるが、帰りの電車で目の前に現れた謎の女に、乗客の中からある人物を探し出せば10万ドルを払うと持ちかけられる。住宅ローンと子どもの学費のことで頭がいっぱいだったマコーリーは、危ない話だとはわかりつつ、ついつい前金に手をつけてしまう。ヒントは3つ、常連客ではない、終着駅で降りる、プリンと名乗る、だった。しょうがなくプリンを探し始めるマコーリーだが、妻と子が人質に取られたことがわかり、犠牲者も出て、どうにも逃げることができなくなる。事件の背後には、巨大な陰謀が隠されていた。前半は小市民のマコーリーが、最後は英雄的行動によって陰謀を暴き、乗客を救うことで、観る方もスカッとする映画だ。
集英社版「日本の歴史」シリーズ第11巻「天下一統」は、織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康の3人が天下統一のドラマを演じる時代が舞台だ。1534年、現在の名古屋市で生まれた信長は、若い頃は「うつけ者」と呼ばれたが、とにかく強烈な個性を持った人物だった。尾張を代表する武将となりつつあった織田信秀の子として生まれたが、信秀死後家督争いに巻き込まれるなど、常に戦いの中にいた。1537年、やはり現在の名古屋市で生まれた秀吉は、姓も定かではない、百姓の子だったという。しかし、機転がよくきく少年だったようで、じきに信長に仕えるようになる。1542年、岡崎城で松平竹千代として生まれた家康は、幼いときに織田信秀、後に今川義元の人質にされるなど、苦難の少年時代を過ごす。人質生活が終わり、岡崎城に帰ったのは、19歳のときだった。というわけで、三者三様の天下獲りのドラマが進んでいくわけだが、いずれもそれぞれの個性が遺憾なく発揮された人生だといっていいだろう。もちろん、現代なら決して許されない残虐行為による、多くの犠牲もあったが。また、3人を苦しめた脇役たちもなかなか興味深い。歴史を学ぶ者にとっては、まことに戦国時代というのは人材の宝庫だ。信長、秀吉、家康3人のドラマは、1582年に信長が49歳で、1598年に秀吉が62歳で、1616年に家康が75歳で死去して幕を閉じる。本巻は秀吉死去までを、そして第12巻「江戸開幕」は家康による天下一統のドラマのフィナーレを描く。
「ミステリーの女王」として名高いイギリスの作家アガサ・クリスティーの傑作ミステリー「そして誰もいなくなった」は、謎の人物の招待で孤島の豪邸に集まった10人の男女が、童謡「10人の兵隊」の歌詞のとおりに次々と殺されていくという物語だ。これまでに何度も映像化されているが、2015年にイギリスBBCがリメイクした。年齢も職業も異なる8人の招待客と2人の召使いは、事情がわからないまま晩餐会に臨むが、ここで謎の声が彼らの過去の罪を告発する。彼ら全員が過去に人の命を奪う(あるいはそれに等しい)罪を犯していたのだ。1人また1人と殺されていくにつれ、追い詰められていく登場人物たち。最終的には全員が死に、事件は迷宮入りとなるのだが、BBC版では、原作とはちょっと異なる結末が用意されている。
銀河系には150個ほどの球状星団があるが、そのほとんどは夏の星座にある。球状星団は銀河系を取り巻くように分布しているが、とりわけ中心部(太陽系から見ていて座など夏の星座の方向)に多く分布しているからだ。うさぎ座の球状星団M79は、冬の星座にある球状星団としては唯一のメシエ天体だ。M79を詳しく調べたところ、もともとは銀河系に属していたものではなく、おおいぬ座矮小銀河に属していることがわかった。おおいぬ座矮小銀河は、銀河系に最も近い矮小銀河で、いずれは銀河系に取り込まれるかもしれないと考えられている。
2019年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒
くじら座の渦巻銀河M77は、中心部が明るく輝くセイファート銀河と呼ばれる銀河だ。なぜ中心部が明るく輝くかというと、おそらくは中心部に大質量ブラックホールがあって、ここに物質が落ち込む際に莫大なエネルギーが放出されているからだ。M77は中心部に比べて腕が暗いため、小口径望遠鏡では渦巻きの様子はよくわからない。M77の近くにはNGC1055という渦巻銀河があるが、よく見るとほかにも小さな銀河がちらほら見える。これらのうちいくつかは銀河群を形成しているようだ。画面を横切る直線は人工衛星の軌跡だろうか。
2019年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出301秒
オリオン座は冬の王者というにふさわしい。ベテルギウスとリゲルという2つの1等星とベラトリックスとサイフという2つの2等星がオリオンの堂々たる肉体を形作り、腰には3つの2等星(三つ星)が形作るベルトを締めている。オリオンのベルトには、肉眼でも容易に見えるオリオン座大星雲があり、そこではいまなお新しい星が次々と誕生している。とにかく目立つ星座だが、天文ファンにとっても興味深い天体がたくさんあり、写真撮影のターゲットとして最高の星座だ。三つ星の近くには馬頭星雲という暗黒星雲があるほか、M78(ウルトラマンの出身地!)という散光星雲もある。さらに、オリオン座全体が超新星残骸であるバーナードループという赤い星雲に取り囲まれている。ベテルギウスとリゲルは色も対照的で、特にベテルギウスはいつ超新星爆発を起こしてもおかしくないといわれている。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用