フォッサマグナ
明治時代初期、お雇い外国人として来日したドイツの地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマンは、地質調査旅行の際に南アルプス(赤石山脈)を眺め、巨大な地溝帯の姿を思い描く。この地溝帯は後にフォッサマグナと名付けられるが、その成り立ちは長く議論の的となってきた。地球科学者の藤岡換太郎が書いた「フォッサマグナ」は、そのフォッサマグナの謎に迫る本だ。フォッサマグナは日本列島の中央にあり、西の境界線は糸魚川静岡構造線とはっきりしているが、東の境界線は複数の説がある。そしてフォッサマグナの東西は古生代〜中生代の古い基盤岩が分布しているのに対し、フォッサマグナ内では6000m以上もの新生代の地層が積み上がっている。もともと、いまの日本列島はアジア大陸の端にくっついていたものが、2つの島弧として大陸から分離し、その後合体してできたと考えられているが、フォッサマグナはその繋ぎ目というわけだ。この本で藤岡は、プルームテクトニクス(マントルの大規模な対流運動によって地表付近の現象を説明する学説)によって日本列島の成り立ちを解き明かしている。
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