日本の歴史⑩ 戦国の群像
集英社版「日本の歴史」シリーズ第10巻「戦国の群像」は、応仁の乱が終わり、戦国大名が出現するまでの時代が舞台だ。戦国時代といえば、英雄と梟雄(きょうゆう)がときに下剋上によって成り上がる戦乱の世というイメージだが、実際戦国大名の出自はいろいろだ。メインストリームは守護大名から戦国大名になるケースだろうが、守護代からなった者、国人からなった者、果ては商人や農民からなった者もいる。最初の戦国大名は北条早雲といわれているが、早雲は室町幕府の高官の子だったようだ。本書では、この早雲から始まって、斎藤道三や毛利元就、上杉謙信、武田信玄など名だたる戦国大名の足跡が紹介されるが、同時に、百姓や商人などの民衆、国人などの動きも紹介される。当然のことながら、いかに戦国大名といえども、武力だけで領国を経営できたわけではない。国人や民衆を組織化し、家臣団を編成していくためには、大名側にも彼らの利益を守る力が要求された。群雄割拠の戦国時代はほぼ1世紀続いたが、織田信長の登場により、統一政権出現のきざしが見えてくる。
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