本郷台地①
東京都区部の地形は、国土地理院のデジタル標高地形図を見ると一目瞭然だが、山の手と呼ばれる台地と、下町と呼ばれる低地とに分けられる。この大きな台地は武蔵野台地と呼ばれ、その東端は旧江戸城、現在の皇居となっている。というより、江戸城はもともと、武蔵野台地の地形を利用して築城されたのだ。武蔵野台地の地形を体感するには、京浜東北線に乗るのが手っ取り早い。線路の東側と西側にけっこうな高低差があるのがわかるはずだ。武蔵野台地はまた、ところどころで河川の浸食があり、いくつかの小さな台地に分かれている。このうち本郷台地は、文京区本郷を中心に、白山通りと不忍通りにはさまれた舌状の台地だ。実際に歩いてみると、坂が多いのがわかるし、貝塚もある。貝塚があるということは、ここが海岸線だったことがあるということで、実際に縄文時代、いまより気温が高い時期があり、縄文海進といって東京湾はずっと内陸まで入り込んでいた。
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