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2018年12月

2018年12月31日 (月)

2019年1月の星空

 初日の出は根室で6:50、札幌で7:06、東京で6:50、スカイツリーで6:46、東京タワーで6:48、富士山頂で6:42だ。月は6日新月、14日上弦、21日満月、28日下弦で、6日は日本全国で部分日食が見られる。東京では食の始め8:43、最大10:06、終わり11:36で、最大食分0.421だ。東京より北ではもっと欠け、札幌では最大食分0.539だ。ただ、太陽の光は強烈なので、この程度が欠けたくらいでは気づかないかもしれない。とにかく肉眼で直視するのはNGで、見るなら専用の日食グラスを使おう。21日は皆既月食だが、日本では見られない。4日は3大流星群の一つしぶんぎ座流星群が極大を迎える。4日未明が見頃で、空の暗いところなら1時間当たり30個程度の流星が見られるかも。日の出前の南東の空には金星が輝いている。マイナス4等と明るいので、空が明るくなってきても見える。23日にはその金星と木星が接近するので、かなり目立つだろう。しばらく寒い時期が続くが、冬の星空はすばらしくきれいなので、寒さ対策をしっかりしてスター・ウォッチングを楽しもう。国立天文台HPより。

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2018年12月30日 (日)

日本の歴史⑩ 戦国の群像

 集英社版「日本の歴史」シリーズ第10巻「戦国の群像」は、応仁の乱が終わり、戦国大名が出現するまでの時代が舞台だ。戦国時代といえば、英雄と梟雄(きょうゆう)がときに下剋上によって成り上がる戦乱の世というイメージだが、実際戦国大名の出自はいろいろだ。メインストリームは守護大名から戦国大名になるケースだろうが、守護代からなった者、国人からなった者、果ては商人や農民からなった者もいる。最初の戦国大名は北条早雲といわれているが、早雲は室町幕府の高官の子だったようだ。本書では、この早雲から始まって、斎藤道三や毛利元就、上杉謙信、武田信玄など名だたる戦国大名の足跡が紹介されるが、同時に、百姓や商人などの民衆、国人などの動きも紹介される。当然のことながら、いかに戦国大名といえども、武力だけで領国を経営できたわけではない。国人や民衆を組織化し、家臣団を編成していくためには、大名側にも彼らの利益を守る力が要求された。群雄割拠の戦国時代はほぼ1世紀続いたが、織田信長の登場により、統一政権出現のきざしが見えてくる。

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2018年12月29日 (土)

本郷台地⑯

 菊坂と本郷台地とを結ぶ坂の一つ炭田(たどん)坂は、かなり急な坂で、現在は階段となっている。坂の下では、かつて宮沢賢治が下宿していた。住んでいたのはわずか1年足らずだが、東京大学赤門前の印刷所で働きながら多くの童話を執筆したという。主人公の少年ジョバンニが、親友カムパネルラとともに天の川銀河を旅する代表作「銀河鉄道の夜」の執筆を始めたのはこの3年後だそうだが、菊坂で暮らしていたときにはその構想を練っていたのだろうか。炭田坂を登ると、文京ふるさと歴史館がある。

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2018年12月28日 (金)

本郷台地⑮

 菊坂は川の流れが本郷台地を切り開いてできた地形になっているため、いくつかの坂が谷底と台地とを結んでいる。その一つ鐙(あぶみ)坂は、樋口一葉旧居跡近くの谷底から右京山と呼ばれる台地に登る急坂だ。一葉はよく右京山を散歩したようで、ここから九段で打ち上げられた花火を見たと日記に記している。九段あたりは台地になっていて、右京山から九段方面は低地だから、花火もよく見えただろう。

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2018年12月27日 (木)

本郷台地⑭

 言問通りと同様、菊坂も川の流れが本郷台地を切り開いてできた地形のようだ。現在、川は暗渠になっているというが、昔は菊坂の通りのすぐそば、さらに一段低くなっている谷底を流れていたという。菊坂自体はゆるやかな坂で、本郷3丁目交差点近くから言問通りに向かって下っている。菊坂といえば樋口一葉が住んでいたことで有名だが、住んでいたのは谷底だ。貧しい暮らしだったようで、ちょくちょく質屋に通っていたそうだ。その土蔵はいまも往時の姿のままだという。

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2018年12月26日 (水)

本郷台地⑬

 本郷台地の西側に回る。言問通りは本郷通りから西は谷底を走っている。地形から見て昔は川が流れていて、この川が台地を浸食したんだろうなという感じだが、実際そのようだ。途中言問通りの上を橋が横切っているが、これは清水橋という名前だ。やはり川にちなんだ名前だ。このあたりは西片というが、学者や文化人が多く住んでいたという。その1人なのか、屋上に天体ドームを乗せた住宅がある。どんな望遠鏡を据え付けているのか、気になるところだ。

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2018年12月25日 (火)

2019年の天文現象

 天文ファンにはおなじみ「天文年鑑」は、2019年版で創刊71周年を迎える。2019年の主な天文現象だが、1月6日と7月3日、12月26日に日食がある。このうち日本で見られるのは1月と12月の部分日食だが、7月の日食は南米で皆既日食、12月の日食はシンガポールやインドネシアで金環日食となる。月食は2回あるが、このうち7月17日の部分月食は西日本で見られる。11月11〜12日には水星が太陽の表面を通る日面経過という現象があるが、日本では見られない。金星は1月6日に西方最大離角、8月14日に外合なので、前半は明けの明星、後半は宵の明星として輝く。木星は6月11日に衝を迎え、夏の星空をいっそう華やかにするだろう。木星を追いかけるように昇ってくるのが土星で、7月10日に衝を迎える。3大流星群は、しぶんぎ座流星群が1月4日頃、ペルセウス座流星群が8月13日頃、ふたご座流星群が12月15日頃に極大を迎える。今年12月16日に地球に最接近したウィルタネン彗星は、1月前半くらいまでは肉眼等級をキープする見込みだ。来年は世間をにぎわせる天文現象はあまりないが、星はいつものように輝いている。

 

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2018年12月24日 (月)

本郷台地⑫

 本郷台地の南端 駿河台は、昔は神田山と呼ばれたそうだ。江戸時代、日比谷入江を埋め立てるため、この神田山を切り崩したという。神田神保町古書店街から御茶ノ水駅に向かうと、ゆるやかな上り坂となっているが、御茶ノ水駅と水道橋駅との間はけっこうな高台となっていて、山の上ホテルという名前のホテルもある。地形図を見ると、駿河台の西よりも東の方が標高が低いが、これは東の方がたくさん切り崩されたということだろうか。まあ昔は人力だから、少しでも近いところを選ぶのは当然だろう。

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2018年12月23日 (日)

本郷台地⑪

 本郷台地の南端は、神田川で分断されて駿河台となっている。御茶ノ水駅あたりから神田川を眺めると、自然にできた川と渓谷というにはちょっと違和感があるが、それもそのはず、神田川は人工的に切り開かれた川だ。神田川が開削され、本郷台地と駿河台が分断されたのは江戸時代初期で、工事を担当したのは仙台藩 伊達政宗だ。もともとこのあたりは神田山といったが、これを切り崩して日比谷入江を埋め立てたところ、旧平川の流れが滞ったので、神田川を開削したという。駿河台と名付けられたのは、徳川家康死後、駿府から帰ってきた旗本衆が住んだからとも、富士山がよく見えたからとも言われている。その後、この地には旗本衆の子弟のため多くの学校が建てられ、学生街へと発展していく。

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2018年12月22日 (土)

本郷台地⑩

 本郷通りは本郷台地の東西のほぼ中央を走っているが、台地の南端、湯島あたりでは北西ー南東方向に走っている。ここを秋葉原から北上すると湯島坂というゆるやかな坂を登るが、この坂の右手には神田明神が、左手には湯島聖堂がある。神田明神も湯島聖堂も本郷台地に登る途中にあり、台地の上ほどの標高はない。神田明神はもともと平将門首塚(千代田区大手町)にあったが、徳川家康によって江戸城の鬼門(北東)に当たるこの地に移されたという。

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2018年12月21日 (金)

本郷台地⑨

 蔵前橋通りを昌平橋通りを横切って東から西に進むと、新妻恋坂という非常にゆるやかな坂を登る。このあたりは本郷台地がさらに小さな舌状の台地に浸食された場所のようで、新妻恋坂から本郷通りに出るまでの大部分は台地より低地となっている。途中には神田明神があるが、そのあたりの標高も本郷台地ほど高くはない。新妻恋坂というからには妻恋坂もあるはずで、実際すぐ北の小さな道路にその坂がある。名前の由来は、江戸時代の明暦の大火の後、妻恋神社がここに移ってきたからだという。

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2018年12月20日 (木)

カサンドラ・クロス

 テロリストより恐ろしいのは超大国、そういう声が出そうなのが、イギリス・イタリア制作の映画「カサンドラ・クロス」だ。ジュネーブにある国際保健機構(IHO)に、3人のテロリストが潜入する。アメリカはここで極秘裏に、危険なウイルスを研究していた。テロリストはアメリカの研究セクションの爆破に失敗、1人がウイルスに感染したまま逃走する。犯人がストックホルム行きの大陸横断鉄道に乗車したと見たアメリカ軍は、マッケンジー大佐(バート・ランカスター)に事態収拾を指示、大佐は、偶然列車に同乗した著名な医師チェンバレン博士(リチャード・ハリス)と連絡を取って感染者の治療に当たらせる。博士は、元妻のジェニファー(ソフィア・ローレン)と協力して感染者の治療に奔走、数人の死者が出たものの、酸素濃度が上昇すると発病が抑えられることに気づく。しかし、マッケンジー大佐は、事件を闇に葬るため、カサンドラ・クロスという30年近くも使用されていない危険な鉄橋に列車を誘導しようとしていた。東西冷戦のさなか、西側陣営の国からアメリカをヒール視する映画が制作されるとは、アメリカ人はどう受け止めたんだろか。

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2018年12月19日 (水)

本郷台地⑧

 春日通りと蔵前橋通りとの間にある三組(みくみ)坂は、割とゆるやかでまっすぐな坂道だ。この坂を東から西に向かうと、途中ちょっと下ってまた登り、本郷通りに出る。途中でいったん下るのは、そのあたりが谷になっているからで、実際近くには傘谷(からかさだに、かさだに)坂という坂がある。台地が河川に浸食されてできたのかもしれない。三組坂という名前の由来は、駿府で死去した徳川家康お付きの中間(ちゅうげん)・小人(こびと)・駕籠方(かごかた)の三組の者が当地に屋敷地を拝領したから、傘谷坂の名前の由来は、傘づくりの職人が多く住んでいたからだという。

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2018年12月18日 (火)

本郷台地⑦

 本郷台地を東西に横切る春日通りは、湯島天神(湯島天満宮)のところで切通坂を登る。切通坂は江戸時代あたりに新しく切り開いた坂で、いまはゆるやかだが、昔はもっと急坂だったらしい。東京メトロ湯島駅側から見ると湯島天神は崖の上にあり、男坂と女坂という階段がある。春日通りを西に進むと本郷3丁目交差点を通るが、ここにある雑貨店かねやすは、「本郷も かねやすまでは 江戸の内」と詠まれたことで有名だ。

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2018年12月17日 (月)

本郷台地⑥

 不忍池とその真西にある東京大学医学部付属病院とにはけっこうな高低差がある。その両地点を結ぶのが無縁坂だ。その昔、無縁寺という寺があったことから名付けられたようだが、何とも意味ありげな雰囲気だ。森鴎外の小説「雁」によると、当時は藍染川という川が不忍池に流れ込んでいたという。この藍染川は谷田川の別名で、これが本郷台地を削り、現在の不忍通り周辺の低地をつくったんだろう。いまは暗渠となった藍染川だが、その流路は、へびのようにくねくね蛇行した「へび道」として残っている。

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2018年12月16日 (日)

本郷台地⑤

 本郷台地を東西に横切る言問通りは、不忍通りから本郷通りに向かっては弥生坂を登るが、本郷通りを過ぎると急坂を下り、白山通りに向かって細くえぐれた谷底を走っていく。弥生坂は弥生土器が発掘された場所として有名だが、正確な場所は記念碑があるところではなく、東京大学浅野キャンパス内のようだ。縄文時代、いまより気温が高い時代があり、本郷台地は半島だったと考えられるが、弥生土器が発掘されたあたりは当時から人が住んでいたのではないだろうか。

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2018年12月15日 (土)

フォッサマグナ

 明治時代初期、お雇い外国人として来日したドイツの地質学者ハインリッヒ・エドムント・ナウマンは、地質調査旅行の際に南アルプス(赤石山脈)を眺め、巨大な地溝帯の姿を思い描く。この地溝帯は後にフォッサマグナと名付けられるが、その成り立ちは長く議論の的となってきた。地球科学者の藤岡換太郎が書いた「フォッサマグナ」は、そのフォッサマグナの謎に迫る本だ。フォッサマグナは日本列島の中央にあり、西の境界線は糸魚川静岡構造線とはっきりしているが、東の境界線は複数の説がある。そしてフォッサマグナの東西は古生代〜中生代の古い基盤岩が分布しているのに対し、フォッサマグナ内では6000m以上もの新生代の地層が積み上がっている。もともと、いまの日本列島はアジア大陸の端にくっついていたものが、2つの島弧として大陸から分離し、その後合体してできたと考えられているが、フォッサマグナはその繋ぎ目というわけだ。この本で藤岡は、プルームテクトニクス(マントルの大規模な対流運動によって地表付近の現象を説明する学説)によって日本列島の成り立ちを解き明かしている。

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2018年12月14日 (金)

ギフト

 ケイト・ブランシェットが不思議な能力を持つシングルマザーを演じる映画「ギフト」は、ちょっとホラーっぽい物語だ。3人の息子を抱える未亡人アニー・ウィルソン(ブランシェット)は、人の運命を見抜く能力を活かし、占い師のまねごとをして細々と暮らしていた。アニーは、夫ドニー・バークスデール(キアヌ・リーヴス)のDVに悩むヴァレリーに離婚を勧めるが、ドニーに逆恨みされ、執拗な嫌がらせを受ける。そんな中、街の有力者の娘であり、アニーの息子の学校の先生の婚約者でもあるジェシカ・キングが行方不明となる事件が発生する。保安官に協力を求められたアニーは、ジェシカが池に沈められたイメージを抱くが、果たしてそのとおりドニーの土地の池からジェシカの水死体が発見される。というわけで、ドニーは逮捕され、裁判で有罪となるのだが、アニーはこれに違和感を持つのだった。本作の前年、映画「マトリックス」でブレイクしたリーヴスが粗暴なDV夫を演じている。

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2018年12月13日 (木)

ふたご座流星群

 3大流星群の一つふたご座流星群が明日21時頃に極大を迎える。ふたご座流星群は、ペルセウス座流星群ほどハデではないが、多いときだと1時間当たり40個程度の流星が出現する。極大は明日21時という予測だが、実際には放射点(輻射点)の高度が高い方が、地球の公転方向と自転方向が一致する明け方の方がたくさん見えるので、明日未明が一番見頃かもしれない。国立天文台では、「ふたご座流星群を眺めよう 2018」キャンペーンを実施している。観測するなら寒さ対策を万全に。北海道では、このイラスト程度の軽装ではまったく不十分です。

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2018年12月12日 (水)

本郷台地④

 根津神社から東京大学の野球場にかけてはかなりの急坂になっている。坂の名前は新坂というが、その名のとおり江戸時代末期あたりにつくられた新しい坂のようだ。坂の上は本郷台地だが、ここから見ると根津神社のつつじ苑は本郷台地の崖を利用してつくられたことがわかる。根津神社の周辺にはこのほか、根津裏門坂や解剖坂という坂もある。解剖坂は日本医科大学のすぐそばにあり、近くには夏目漱石旧居跡がある。

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2018年12月11日 (火)

本郷台地③

 東京メトロ千駄木駅の近くに、汐見小学校という学校がある。ハテこんなところに「汐見」?と思ったら、汐見小学校の西側は急な崖になっていて、汐見坂という坂があった。どうやらその昔、ここから海が見えたという。いまではにわかには信じがたいが、地形図を見ると、不忍池のその先は東京湾だから、ホントに見えたんだろう。汐見坂の途中、さらに高台に登る階段がある。だんだん坂という名前らしいが、その上は本郷台地だ。

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2018年12月10日 (月)

本郷台地②

 本郷台地は南北に延びた舌状の台地で、東西のほぼ中心を本郷通りが走っている。したがって、白山通りからも不忍通りからも坂を登ることになる。このうち、東京メトロ千駄木駅から本郷台地に登るのが団子坂だ。団子坂はかなりの急坂で、登り切った後は本郷通りを横切ってから下り坂となり、白山通りに通じている。千駄木駅から団子坂と反対方向に行くと、台東区谷中となるが、谷中の向こうには上野台地があり、本郷台地と上野台地との間の谷に谷中があるのがわかる。団子坂周辺は文豪の街でもあり、森鴎外記念館があるほか、夏目漱石旧居跡もある。

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2018年12月 9日 (日)

本郷台地①

 東京都区部の地形は、国土地理院のデジタル標高地形図を見ると一目瞭然だが、山の手と呼ばれる台地と、下町と呼ばれる低地とに分けられる。この大きな台地は武蔵野台地と呼ばれ、その東端は旧江戸城、現在の皇居となっている。というより、江戸城はもともと、武蔵野台地の地形を利用して築城されたのだ。武蔵野台地の地形を体感するには、京浜東北線に乗るのが手っ取り早い。線路の東側と西側にけっこうな高低差があるのがわかるはずだ。武蔵野台地はまた、ところどころで河川の浸食があり、いくつかの小さな台地に分かれている。このうち本郷台地は、文京区本郷を中心に、白山通りと不忍通りにはさまれた舌状の台地だ。実際に歩いてみると、坂が多いのがわかるし、貝塚もある。貝塚があるということは、ここが海岸線だったことがあるということで、実際に縄文時代、いまより気温が高い時期があり、縄文海進といって東京湾はずっと内陸まで入り込んでいた。

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2018年12月 8日 (土)

新星座巡礼・秋の星空⑬ ぎょしゃ座

 冬の天の川は夏の天の川ほど濃くはないが、空の暗いところではなかなかきれいだ。その冬の天の川の中に、特徴的な五角形を形づくるぎょしゃ座がある。最も明るい星は1等星カペラだ。目立つ星の並びなので、古代からいろんなものになぞらえられたんだろう、神話では複数の話がある。ぎょしゃ座にはM36・M37・M38という3つの散開星団があるほか、まがたま星雲という赤い散光星雲もある。天文ファンには大人気のエリアで、ぼくも冬の撮影では必ずカメラを向けている。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用

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2018年12月 7日 (金)

新星座巡礼・秋の星空⑫ おうし座

 秋も深まる頃、薄明が終わると東の空にはプレアデス星団(すばる)が昇っている。空の暗いところでは6〜7個の3〜4等星がごちゃっと固まり、青白い光でボッーと輝いて見えるが、都会でもいくつかの星が見える。そして、そのプレアデス星団の後を追うように、おうし座の1等星アルデバランが昇ってくる。アルデバラン周辺もV字型に星が集まっていて、これはヒアデス星団と呼ばれている。銀河系の渦状腕は何本かあると考えられているが、太陽系が属しているのがオリオン座の方向にあるオリオン腕だ。おうし座やオリオン座に明るい星や星団星雲が多いのは、そのためだろう。神話では、おうし座はゼウスがエウローペーに近づくために化けた牛、プレアデス星団はプレイアデス7姉妹として登場する。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用

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2018年12月 6日 (木)

天文学と印刷

 文京区にある印刷博物館ではいま、「天文学と印刷」という企画展示を開催している。印刷技術が発明されたのは7〜8世紀、東アジアだと考えられているが、当時は木版印刷だった。15世紀中頃、ドイツのヨハネス・グーテンベルクが金属活字を用いた活版印刷技術を発明、ヨーロッパを中心に急速に広まっていく。そしてその1世紀後、天文学の分野ではニコラウス・コペルニクスが地動説を提唱、以後ティコ・ブラーエ、ヨハネス・ケプラー、ガリレオ・ガリレイらが宇宙の謎を次々と解き明かし、アイザック・ニュートンが天体の運動を記述するニュートン力学を完成させた。これらの科学革命の進展に、印刷技術が大きな役割を果たしたのはいうまでもない。コペルニクス「天球の回転について」、ケプラー「新天文学」、ガリレオ「星界の報告」、そしてニュートン「自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)」などの歴史的著作がめじろ押しだ。

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2018年12月 5日 (水)

天文用アプリ⑤ NASA

 アメリカ航空宇宙局NASAの公式アプリ「NASA」は、NASAのすべてがわかる専用アプリだ。天文ファンなら必見のNASA HPと同様、ミッションを紹介するページをはじめ、最新ニュースや画像・映像を閲覧することができる。NASA HPにはハッブル宇宙望遠鏡(HST)などによるすばらしい画像・映像がたくさんあるので、PCの壁紙やスクリーンセーバーにするのもいい。

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2018年12月 4日 (火)

天文用アプリ④ Polar Scope Align Pro

 赤道儀の極軸合わせには極軸望遠鏡を使うが、極軸望遠鏡のスケールにはメーカーによって何種類かのパターンがある。昔は時角計算をしたり、星座早見盤を使ったりしたが、いまは専用のアプリがあるので便利だ。その一つ、「Polar Scope Align Pro」は、たいていのメーカーのパターンに対応しているので、自分の極軸望遠鏡のパターンを選べばあとはどこに合わせればいいかを表示してくれる。暗闇に慣れた目に負担をかけないよう、画面も工夫されている。

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2018年12月 3日 (月)

天文用アプリ③ iステラ・iステラHD

 モバイルプラネタリウム「iステラ」「iステラHD」は、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」のiPhone&iPod touch・iPad版ともいうべきアプリだ。電子コンパス機能に対応しているので、画面を空に向けるとその方向の星空を表示してくれる。昔は天体写真撮影には全天恒星図を持って行ったが、いまはこれがあるので、iPad miniを持って行くようになった。便利な世の中になったもんだ。

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2018年12月 2日 (日)

天文アプリ② メシエ天体アルバム

 いまはもう販売してないが、iPad用のアプリ「メシエ天体アルバム」は、メシエカタログ110個の星星雲星団銀河を紹介するビジュアルガイドアプリだ。カラー写真つきで解説しているので、ながめるだけでも楽しい。昔は全天恒星図などの星図を頼りに星雲星団銀河探しをしたものだが、このアプリなら探し方も書いてあるので、星図代わりにもなる。

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2018年12月 1日 (土)

天文アプリ① 月時計

 いまはもう販売してないが、iPhone&iPod touch用のアプリ「月時計」は、毎日の月齢や太陽・月の出没時刻などを表示するアプリだ。天体写真撮影には月が出ていない方がよく、撮影計画を立てるにはこれらの時刻が重要になる。残念ながらiOS11以降には対応していないので、いま使っているiPhoneにはインストールできないが、以前使っていたiPod touchにはまだ入っている。

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