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2018年10月

2018年10月31日 (水)

2018年11月の星空

 秋が深まる11月だが、東の空にはすでに冬の星座が昇っている。月は1日下弦、8日新月、15日上弦、23日満月だ。12日にはおうし座北流星群、18日にはしし座流星群が極大を迎える。しし座流星群は2001年に大出現したが、最近は低調だ。水星は7日に東方最大離角となり、日没後の西の空に見えるが、低空なので双眼鏡がないと見つけられないかもしれない。金星は宵の明星から明けの明星に移ったばかりだ。火星はまだ日没後の南の空で明るく輝いているが、視直径はだいぶ小さくなった。秋から冬の天の川は、夏の天の川ほどのにぎやかさはないが、見どころは多い。このあたりは銀河系の渦状腕であるペルセウス腕とオリオン腕に当たり、メシエ天体もたくさんある。なお、太陽系もオリオン腕にあると考えられている。国立天文台HPより。

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2018年10月30日 (火)

新星座巡礼・秋の星空⑨ うお座

 ペガススの大四辺形の南にあるうお座は、明るい星はないが古い星座だ。星座絵では2匹の魚がひもの両端に結ばれている姿が描かれる。うお座には春分点があり、春分の日の太陽はこの位置にくる。ところで、天球上の位置を表現するには、地球の赤道面を天球上に投影して天の赤道、同じように北極と南極を天球上に投影して天の北極、天の南極とする。そして、緯度に相当するものとして、天の北極を赤緯(Dec)+90°(度)、天の赤道を赤緯0°、天の南極を赤緯ー90°というように測る。端数については、1°=60′(分)、1′=60″(秒)で換算する。一方、経度に相当するものとして、春分点を赤経(RA)0というように測る。なお、経度は普通、角度で表すが、赤経は別の形で表現する。1周すると360°回転したことになるが、地球の場合これは24時間経ったことになるなので、360°を24等分して15°=1hとする。端数については、1h=60m、1m=60sで換算する。これでシリウスの座標を表現すると、赤経6h45m8s、赤緯ー16°42′58″となる。かつてはめんどくさい位置計算をしなければならなかったが、もちろんいまはコンピューターが勝手に計算してくれるので、こんなこと知らなくてもまったく問題ないが。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出180秒

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2018年10月29日 (月)

新星座巡礼・秋の星空⑧ おひつじ座

 おひつじ座は神話にも登場する古い星座だが、あまり明るい星もなく、メシエ天体もないので、天文ファンにも注目されることはないんじゃないだろうか。ただ、すぐ近くにはさんかく座の渦巻銀河M33やプレアデス星団M45があるので、おひつじ座の方向を見る人は多いはず。春分の日に太陽がある点を春分点といい、現在はうお座にあるが、かつてはおひつじ座にあった。黄道12星座がおひつじ座から始まるのはその名残だそうだ。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用

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2018年10月28日 (日)

新星座巡礼・秋の星空⑦ さんかく座

 アンドロメダ座のすぐ隣にあるさんかく座は小さな星座だが、天文ファンには有名な星座だ。北半球で見える銀河としてはアンドロメダ銀河に次いで明るい渦巻銀河M33があるのだ。M33も局部銀河群のメンバーで、地球からの距離は250万光年と考えられている。局部銀河群には50くらいの銀河があるが、そのうちアンドロメダ銀河、銀河系、M33の3つが際だって大きい。M33の視等級は5.7等なので、視力がよければ肉眼でも見えるはずだ。ぼくも昔は見えていたような気がするが、最近は視力がさらに悪くなっているので、見えてるのか見えてないのかよくわからない。地球から見ると、真上から見る格好になる(フェイスオン)なので、渦巻きの様子がよくわかる。この点はアンドロメダ銀河よりも見事だ。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用

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2018年10月27日 (土)

新星座巡礼・秋の星空⑥ アンドロメダ座

 古代エチオピア王ケフェウスと王妃カシオペアとの娘アンドロメダは、カシオペアが自分の美貌を自慢するあまり海の神ポセイドンの怒りを買い、あわや怪物ケートスの生け贄になろうとしたところ、勇者ペルセウスに救われて妻になったという伝説の姫だ。天文ファンにとっては、われわれ銀河系の隣人アンドロメダ銀河がある星座として有名だ。アンドロメダ銀河は地球から230万光年離れたところにある渦巻銀河で、銀河系も属する局部銀河群の中で最大の銀河だ。北半球で見える銀河としては最も明るく、空の暗いところでは肉眼でもはっきり見える。かつては銀河系とそっくりでちょっと大きいくらいと考えられていたが、最近の研究では、銀河系とは形状がちょっと違うこと、大きさもかなり大きいことなどがわかってきた。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出180秒

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2018年10月26日 (金)

ありえない138億年史

 138億年前に宇宙が誕生し、宇宙はいまある姿に進化してきた。その間太陽系では大陸と海洋を持つ地球が形成され、原始の海では自己複製能力を持つ生命が誕生、さまざまな生物が出現・絶滅を繰り返す中、高度な知性を持った人間が登場した。これらの「ビッグヒストリー」の中で、重大な役割を担ってきたのが「偶然」だ。例えば6500万年前、小惑星か彗星が地球に衝突しなければ、恐竜はいまも生物の頂点に君臨していたかもしれない。歴史は必然ではないのだ。このようなビッグヒストリーを語るには、物理法則だけでは困難だ。物理学、化学、天文学、地球科学はもちろん、生物学や歴史学などの知見も有機的に動員して当たらなければならない。恐竜絶滅のシナリオを父親とともに唱えたことで有名なアメリカの地質学者ウォルター・アルバレスが書いた「ありえない138億年史」は、こうした観点でビッグヒストリーを一般向けにわかりやすく解説した本だ。

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2018年10月25日 (木)

NASAの新しい星座③

 NASAが選対した新しい21の星座の残りは、ゴールデンゲートブリッジ、アルベルト・アインシュタイン、マイティ・ソーが持つ魔法のハンマー ムジョルニア、電波望遠鏡、クロゴケグモ、アレクサンドリアの大灯台ファロスの6つだ。なぜクロゴケグモ(ブラック・ウィドウ)が登場するのかわからないが、ハルク、ソーときたので、ブラック・ウィドウ(ナタリア・ロマノヴァ)なのかな。選定メンバーにスカーレット・ヨハンソンのファンがいるのかも。ほか、スウェーデンの戦列艦ヴァーサ、そしてフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡が発見したフェルミバブルで全21個となる。

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2018年10月24日 (水)

NASAの新しい星座②

 NASAが選定した新しい21の星座の続きは、アメリカのアポロ計画で活躍したサターンV型ロケット、星の王子さま、オベリスク、宇宙船エンタープライズ号、シュレディンガーの猫、ゴジラ、富士山、イタリアのコロッセオ、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城の9つだ。「スタートレック」シリーズに登場する宇宙船U.S.S.エンタープライズ号は、ワープ航法によって光速を超える航海が可能だ(SFです)。シュレディンガーの猫とは、物理学者エルヴィン・シュレディンガーの有名な思考実験に登場するかわいそうな猫だ。量子力学の不思議さを語る際には必ず出てくるので、このかわいそうな猫の運命を知りたい人は調べてみるといいだろう。

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2018年10月23日 (火)

NASAの新しい星座①

 全天で88ある現在の星座は、2世紀の天文学者プトレマイオスが選定した「トレミーの48星座」をもとに、20世紀になってから国際的に決められた。これとは別にNASAは、ガンマ線を放射する天体をつないで、新たに21の星座を選定した。ガンマ線は超新星爆発などの際に放射される、高エネルギーの電磁波だ。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スウェーデンが参加するフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡の観測データがもとになっている。ここに登場するのは、フェルミ衛星、超人ハルク、ターディス、フランスのエッフェル塔の4つの星座だ。ハルクはブルース・バナーが大量のガンマ線を浴びてハルクに変身する体になったし、ターディスはイギリスの人気SFドラマ「ドクター・フー」に登場する次元超越時空移動装置だ。

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2018年10月22日 (月)

天体写真撮影用電源④

 天体写真撮影用電源として、いまは2つのポータブル電源を使っているが、いっそのこと発電機を導入するという手もある。小型発電機の分野で有力メーカーといえば、かつてバイクでHY戦争を繰り広げたホンダとヤマハだ。ぼく自身はホンダ派なので、ホンダの発電機をみてみると、EU9iという機種がエントリーモデルとして出ている。実際これを使っている天文ファンもいるようだ。発電機というと普通、騒音が問題になるようだが、天体写真撮影は民家からだいぶ離れたところでやるものだし、音が大きい方がクマよけにもなるので、これは問題にならないだろう。防災用やキャンプ用にも使えるので、1台持っておくとよさそうだ。なにしろ、北海道はブラックアウトが現実に起きるからねぇ。なお、危険なので、くれぐれも屋内で発電機を使うのはやめましょう。

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2018年10月21日 (日)

天体写真撮影用電源③

 天体写真撮影にはけっこう電力が必要になる。赤道儀本体、オートガイダー、レンズヒーター、PCなど。ぼくが使っているのは、赤道儀本体とオートガイダー用に大自工業のポータブル電源SG-3500LED、ヒーター用に同じくSG-1000、そしてPCはクルマのバッテリーからインバーター経由で取っている。9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、北海道全域が停電するという事態に見舞われたが、天体写真撮影用に持っていたポータブル電源が思わぬ形で役に立つことになった。ただ、これら2つのバッテリーは鉛蓄電池なので、いずれはリチウムイオン蓄電池に取って替わられるかもしれない。というわけで、防災用も兼ねて最近売れているバッテリーを探してみた。このsuaokiは中国のメーカーのようだが、S270という製品はコンパクトで値段も手頃、別売りのソーラーチャージャーを使えばソーラー充電もできるということで購入してみた。しばらく使ってみて、天体写真撮影に使えそうなら実戦投入するつもりだ。

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2018年10月20日 (土)

エクス・マキナ

 映画「ブレードランナー」では、レプリカントと呼ばれる人造人間と人間とを区別するため、特別な検査を行うシーンがある。人工知能(AI)が進化を続ければ、いずれ人間と区別するのが簡単ではない極めて精巧なAIが登場するかもしれない。そんな問題をテーマにした映画が「エクス・マキナ」だ。検索エンジンで世界最大のインターネット会社ブルーブックで働くプログラマー ケイレブ(ドーナル・グリーソン)はある日、社長のネイサン(オスカー・アイザック)から別荘に招待される。豪華な別荘に連れてこられて喜ぶケイレブだったが、実はネイサンはケイレブにAIのテストをさせようとしていた。ケイレブを待っていたのは、美しい女性型ロボット エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)。テストを重ねるケイレブは、エヴァのAIの高い完成度に驚くとともに、特別な感情を抱くようになっていく。というわけで、映画「スター・ウォーズ」でファースト・オーダーとレジスタンスの軍人を演じる2人の男が、本作ではちょっと狂気じみたコンピュータオタクを演じている。ほとんどのシーンがネイサンの別荘内だが、独特の映像美が印象的だ。

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2018年10月19日 (金)

あれい状星雲

 夏の大三角の真ん中にあるこぎつね座は、目立たない星座だが、あれい状星雲M27という天文ファンには有名な惑星状星雲がある。「あれい」というのは鉄亜鈴、つまりダンベルのことだ。惑星状星雲は太陽程度の質量の恒星が進化の最終段階でガスを放出してできる星雲で、こと座の環状星雲M57が代表的だ。太陽系もいずれ(50億年後)、このような惑星状星雲になるのかもしれない。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月18日 (木)

や座の球状星団M71

 わし座の隣にあるや座は、全天で3番目に小さい星座だ。球状星団M71は、球状星団としては星がまばらで、かつては密集した散開星団と分類されたこともある。たて座のM11は密集した散開星団、M71はまばらな球状星団という分類だが、見た目には同じような感じだ。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月17日 (水)

たて座の散開星団M11

 いて座とわし座との間にあるたて座は、小さな星座だが、天の川の中にあるため、星が密集しているエリアだ。そのたて座にある散開星団M11は、非常に密集した散開星団で、見た目には球状星団にも見える。海外では、鴨が群れをなして飛んでいる姿に似ているとして、ワイルドダック(野鴨)星団とも呼ばれている。M11のすぐそばには、スモールスタークラウドと呼ばれる天の川の濃い部分があり、写真撮影するとたくさんの星が写る。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月16日 (火)

わし星雲

 いて座のすぐ北、へび座のわし星雲M16は、オメガ星雲M17と同様、活発な星形成領域だ。ここから集団で誕生した星が散開星団を形成していて、星雲と星団が重なり合って見える。この写真でもうっすら見えるが、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によるわし星雲中心部「創造の柱」の写真は有名だ。しかし、この周辺にはいつ超新星爆発を起こしてもおかしくない重い恒星がいくつもあり、「創造の柱」もいずれ吹き飛ばされるのだろうと考えられている。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月15日 (月)

オメガ星雲

 いて座のオメガ星雲M17は、ギリシャ文字のΩ(オメガ)に似た形からそう名付けられたが、水に浮かぶ白鳥にも見える。いて座には干潟星雲M8、三裂星雲M20、そしてオメガ星雲という3つの赤い散光星雲があり、すぐ北にあるへび座のわし星雲M16と合わせ、天文ファンには大人気のエリアだ。これらの星雲は星形成領域、いわば星のゆりかごであり、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)などの大望遠鏡による詳細な写真では、まさに星が誕生しようとしているところが捉えられている。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月14日 (日)

いて座の球状星団M55

 いて座周辺には多くの星雲星団があるが、球状星団が多いのも特徴的だ。球状星団は銀河系の中心付近に多いので、銀河系の中心方向に当たるいて座周辺に多く見えるということだ。M55はM22に次ぐ大きさで、球状星団としてはちょっとまばらだが、けっこう見応えがある。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月13日 (土)

いて座の散開星団M25

 いて座の散開星団の一つM25も、天の川の中にある。散開星団M23より小さいが、これも写真撮影するとけっこう目立っている。ところで、M23とM25の間には、M24という天体があると誰もが思うだろう。実際シャルル・メシエはM24を観測したと記録している。しかし、どうやらメシエがM24としたのは天の川の濃い部分で、特定の天体ではなかったらしい。というわけで、M24は他のメシエ天体とはちょっと違う扱いになっている。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月12日 (金)

いて座の散開星団M23

 いて座には多くの星雲星団があるが、散開星団M23もその一つだ。天の川の中にあるが、視直径が大きく、周囲には複雑な形をした暗黒星雲もあり、写真撮影するとけっこう目立っている。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月11日 (木)

いて座の球状星団M22

 北半球で最も明るいヘルクレス座の球状星団M13に匹敵するのが、いて座の球状星団M22だ。球状星団はその名のとおり数十万個の星が球状に集まっている星団で、銀河系を取り巻くように分布している。したがって、地球から見える散開星団と比べると球状星団までの距離はもっと遠く、M22までの距離は1万光年と考えられている。球状星団の星の年齢はかなり古く、宇宙誕生後かなり早い時期にできたものが多い。若い星が多い散開星団とは、この点でも対照的だ。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月10日 (水)

三裂星雲と散開星団M21

 いて座の三裂星雲M20のすぐそばには、散開星団M21もある。明るい星はないが、干潟星雲M8や三裂星雲と同じ構図に入るので、双眼鏡でも見つけやすい。左上のひときわ明るい星は土星だ。望遠鏡で倍率を上げると輪がよく見えた。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月 9日 (火)

干潟星雲と三裂星雲

 いて座は銀河系の中心方向に当たるため、見どころが多い。とりわけ干潟星雲M8は大型の散光星雲で、すぐそばには三裂星雲M20もあるので、天文ファンには大人気だ。ぼくも何度も撮影しているが、北海道ではあまり高く昇らないので、いつも撮影する山では、木に隠されたりして撮影のチャンスはそう多くなかった。今回は光害はあるものの海岸で撮影したので、木にジャマされることもなく、何枚か撮影することができた。M8&M20の周辺にはいくつか散開星団もあるが、今年の夏は、すぐ近くで土星も輝いていた。地球からの距離はM8が3900光年、M20が5600光年と考えられていて、銀河系の中心までの距離2.8万光年に比べるとずっと近い。
2018年9月11日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒

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2018年10月 8日 (月)

パピヨン

 スティーヴ・マックイーン&ダスティン・ホフマン主演の映画「パピヨン」は、絶海の孤島の監獄に収監された男が、数々の困難の末自由を取り戻す物語だ。胸の蝶の入れ墨をした男パピヨン(マックイーン)は、仲間の裏切りにあい、無実の罪も着せられて終身刑の判決を受ける。当時のフランスでは、重犯罪者は南米ギアナにあるデビルズ島の監獄に送られていた。デビルズ島は脱獄が極めて困難で、囚人の多くは、疫病や強制労働で命を落としていた。パピヨンは脱獄を決意し、偽札作りの名人ルイ・ドガ(ホフマン)を仲間に引き入れるが、ドガをかばって独房に入れられるなど、刑務所長の容赦ない懲罰によって死の直前まで追い込まれていく。マックイーンと独房というと、映画「大脱走」でもおなじみだが、ちょっとコミカルな雰囲気もある「大脱走」に対し、本作はひたすら重く暗い。苦労の末脱獄に成功したパピヨンとドガだが、逃走中に離ればなれになり、再会するのは結局デビルズ島でだった。パピヨンの不屈の闘志と2人の男の熱い友情が印象に残る映画だ。

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2018年10月 7日 (日)

タワーリング・インフェルノ

 ポール・ニューマン&スティーヴ・マックイーン主演の映画「タワーリング・インフェルノ」は、日本でも大ヒットした傑作パニック映画だ。サンフランシスコに完成した超高層ビル グラスタワーの落成パーティーの日、81階の物置部屋で火災が発生する。火災の原因は、手抜き工事だった。ビルのオーナーの娘婿であった建設責任者が、工事費をピンハネするため手抜き工事をしていたのだ。各界の名士が集まる中、最上階でパーティーが始まる。設計者ダグ・ロバーツ(ニューマン)はパーティーを中止し、来賓客を避難させるよう進言するが、オーナーは事を軽く考え、パーティーを強行する。やがてマイケル・オハラハン(マックイーン)率いる消防隊が到着し、本格的な消火作業が始まるが、すでに火災は手に負えないものになっていた。というわけで、ロバーツやオハラハンの決死の消火作業が展開されるが、超高層ビルでの消火作業は極めて困難で、犠牲者も続出する。かなり長い物語だが、最後まで緊張感あふれる場面が続く映画だ。

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2018年10月 6日 (土)

ミクロの決死圏

 1966年の映画「ミクロの決死圏」は、人間の体内にミクロ化した治療チームを送り込むという、現代でいえばナノテクノロジーの世界を描いたSF映画だ。冷戦のさなか、東西両陣営は物質をミクロ化する技術の開発にしのぎを削っていた。アメリカはミクロ化に成功していたが、時間の制約があり、1時間を超えると元に戻ってしまう。一方、東側は時間の制約のないミクロ化に成功、アメリカはこの技術を開発した科学者を亡命させようとする。しかし、その科学者は襲撃され、脳内出血で意識不明となってしまう。外科手術が不可能な中、5人の医療チームがミクロ化され、患者の体内に送り込まれる。彼らに与えられた時間はわずか1時間。というわけで、医療チームの活躍が描かれるが、人間の免疫システムに攻撃されたり、裏切り者がいたりして、手に汗握る展開となっている。

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2018年10月 5日 (金)

北海道フェアin代々木

 今日から8日(月)まで、毎年恒例の北海道フェアin代々木が開催される。全道の物産が一同に集結する人気イベントで、今年は復興支援ということでかなりの人出が予想される。日高管内の物産もあるはずなので、ぜひ昆布をどうぞ。日高昆布でだしを取ったみそ汁はうまいよ!

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2018年10月 4日 (木)

揺れ動く大地 プレートと北海道

 9月6日未明に発生したM6.7の北海道胆振東部地震は、北海道で初めて震度7を記録した大地震だった。この地域では昨年7月1日にもM5.1の地震が発生していて、すぐ近くの石狩低地東縁断層帯との関係が指摘されているが、今回の地震は別の断層との関係性も指摘されているようだ。いずれにしても、北海道の地形の成り立ちは、千島列島が北海道に突き刺さる形でできたと考えられていて、地殻がめくれ上がってできた日高山脈の周辺はいまも年間数㎝ずつ北西に動いているという。その日高山脈に押されているのが今回の震源地だ。木村学、宮坂省吾、亀田純が書いた「揺れ動く大地 プレートと北海道」は、地震の直前に刊行されたばかりだが、プレートテクトニクス理論に基づいて北海道の大地の生い立ちを解説していて、北海道でなぜ地震が多いかを理解するのに役立つ。日本に住んでいる限り、地震から逃れることはできないが、日頃から備えをしていれば、助かる確率も高まるだろう。

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2018年10月 3日 (水)

新星座巡礼・秋の星空⑤ みなみのうお座

 夏の天の川が沈む頃、南の空低く明るい星がポツンと輝いているのが見える。これが1等星フォーマルハウトで、天文民俗学者の野尻抱影(ほうえい)は「南の一つ星」と名付けている(今井美樹の曲「PRIDE」にも登場する)。フォーマルハウトが属するのはみなみのうお座で、みずがめ座の水瓶から魚の口に水を注ぐまさに口の部分にフォーマルハウトがある。これ以外に明るい星はないが、みなみのうお座の周辺には有名な惑星状星雲や銀河があり、天文ファンには人気のエリアだ。ただ、北海道では高く昇ることがないので、撮影のチャンスは多くない。
2018年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24㎜、露出120秒、ケンコープロソフトンA使用

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2018年10月 2日 (火)

新星座巡礼・秋の星空④ みずがめ座

 にぎやかな夏の天の川から東の方に目を向けると、明るい星が少なく、一気にさびしくなる。天文ファンとしては、秋の訪れを感じるところだ。やぎ座とペガスス座との間にあるみずがめ座は、明るい星はないが、古くからある星座だ。真ん中にある4つの星は、天文民俗学者の野尻抱影(ほうえい)によって三矢と名付けられたが、三ツ矢サイダーのマークに似ている。みずがめ座にはらせん星雲という有名な惑星状星雲があるが、これは太陽と同じような恒星が周囲にガスをまき散らしたものだ。遠い未来、太陽系も同じような運命をたどるんだろう。
2018年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出60秒

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2018年10月 1日 (月)

新星座巡礼・秋の星空③ ペガスス座

 秋の星空で目立つのがペガススの大四辺形だ。この有名な大四辺形は、正確には、ペガスス座の3つの星とアンドロメダ座の1つの星によって形づくられている。ペガスス座はギリシャ神話で有名な天馬ペガサス(ペーガソス)から名付けられた星座で、星座絵では逆さまの天馬が描かれる。ペガススの大四辺形の中には明るい星がなく、肉眼ではほとんど真っ暗だ。
2018年9月1日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出60秒

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