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2018年3月

2018年3月30日 (金)

線型代数入門

 まもなく新学期が始まる。理系の大学生の場合、1年生で学ぶ数学は線形代数学と解析学(微分積分)だ。ぼくが大学生のときに教科書に指定されたのは「線型代数入門(齋藤正彦)」で、いまでも名著といわれているが、初学者には難しい本だと思う。結局、大学卒業とともに線形代数学の知識もどっかに飛んでいったが、10年20年経ってもう1回まじめに数学を勉強しようかと思い、大型書店の数学書コーナーでいろいろ物色したところ、同じタイトルの「線型代数入門(松坂和夫)」が目についた。ちょっと分厚いが、高校数学で学ぶ内容とうまくつながるように書かれているので、齋藤本よりとっつきやすいだろう。最近はほかにもいろいろわかりやすい本があって、学生は恵まれてるなぁ。

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2018年3月29日 (木)

天の川銀河紀行

 国立天文台4次元デジタル宇宙(4D2U)プロジェクトが制作したVR映像「天の川銀河紀行」が、先進映像協会米国本部が実施するルミエール・アワード2018で最優秀VR科学体験賞を受賞した。われわれの太陽系は銀河系の中にあるため、銀河系の全体像は直接見ることができず、さまざまな観測データから想像するしかない。この映像は、国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ」を駆使したシミュレーション結果を可視化したもので、見事な映像だ。

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2018年3月28日 (水)

「スター・ウォーズ」を科学する

 SF映画を科学的な視点で見るとさまざまな疑問がわくが、イギリスのサイエンスライター2人が書いた「『スター・ウォーズ』を科学する」は、そうした疑問にまじめに答えようという本だ。刊行したのは化学同人といって、れっきとした化学専門書の出版社だ。この手の本はいくつかあるが、例えばミチオ・カクの「サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か」という本では、不可能レベルを3段階に分類している。レベル1は今世紀もしくは来世紀に実現可能、レベル2は数千年〜数百万年先に実現可能、レベル3は既知の物理法則に反するため実現不可能、という感じだ。「スター・ウォーズ」の場合、直感的にはレベル3が多いような気もするが、突き詰めて考えるとおもしろいのではないかな。

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2018年3月27日 (火)

ジャスティス・リーグ

 映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で、スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は壮絶な死を遂げる。そのスーパーマン亡き後の世界に、宇宙から侵略の魔の手が迫っていた。かつて、地球征服を企み撃退されたステッペンウルフが、各地に散らばった3つのマザー・ボックスをそろえ、再び地球征服に乗り出そうとしていたのだ。バットマン(ベン・アフレック)とワンダーウーマン(ガル・ガドット)はこの危機を察知、超人たちをジャスティス・リーグにスカウトし、ステッペンウルフに立ち向かおうとする。集められたのはアクアマン、フラッシュ、サイボーグといった面々。いずれもオンリーワンな能力を持った超人たちだ。しかし、ステッペンウルフの力は強大で、この5人をもってしてもなかなか倒すことはできない。というわけで、待ちに待ったスーパーマンの復活だ。はじめは記憶障害でバットマンらを敵と見なしてしまうが、恋人ロイス・レインのおかげでそれも解決、圧倒的な力で人類を滅亡の危機から救う。今のところ映画ではマーベル・コミックのアベンジャーズが先行しているが、DCコミックスのジャスティス・リーグもどんどん追い上げてほしいもんだ。

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2018年3月26日 (月)

利己的な遺伝子

 リチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」を刊行して今年は40周年になるということで、書店の科学書コーナーにはピンクの40周年記念版が山積みになっている。ぼくが持っているのは30周年記念版で、普通の装丁だったが、ずいぶんハデになったもんだ。ドーキンスの本は何冊か読んでいるが、実はこの本はまだ読んでいない。そろそろ読み始めて、自分の遺伝子の行方を考えてみようかな。

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2018年3月25日 (日)

ブライド・ウエポン

 映画「エージェント・マロリー」で主役を演じた女子総合格闘家ジーナ・カラーノが、またまた悪い男どもをバッタバッタとやっつける映画「ブライド・ウエポン」は、カリブ海のリゾートが舞台だ。新婚カップルのエバ(カラーノ)&デレク・グラントは、ハネムーンで島を訪れるが、一見フレンドリーな現地人たちにだまされ、デレクは大ケガしたうえ行方不明となってしまう。必死になってデレクを探すエバだが、警察もまともに取り合ってくれず、逆に危険人物扱いされてしまう。実はエバは父親に格闘術をたたき込まれていて、事件に関係ありそうな連中を片っ端からブチのめしていくのだ。そんなわけで、エバはデレク行方不明事件の真相に近づいていく。エバの活躍のおかげで島の悪い男どもも一掃され、島も平和を取り戻すのだった。

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2018年3月24日 (土)

(They Long to Be) Close to You

 カーペンターズの歌で有名なバート・バカラックの曲「(They Long to Be) Close to You」には、こんな一節がある。
   On the day that you were born the angels got together
   And decided to create a dream come true
 桜がほぼ満開となった昨日も、そんな日になるといいな。

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2018年3月23日 (金)

地図で楽しむすごい北海道

 都道府県研究会という謎の研究会が書いた「地図で楽しむすごい北海道」は、北海道の自然、歴史、産業などを地図で読み解こうという本だ。著者は全員北海道在住のライターだという。北海道はだだっ広く、どさんこといえども北海道全域を知っている人は少ないだろうから、ほほぉ〜という話もけっこうあるだろう。北海道もご多分に漏れず、変化のスピードは速い。札幌の人口がいまや200万人に達しようとしている一方で、地方の人口はどんどん減っている。昔ながらの商店街を中心に栄えていた街並みも、郊外のショッピングセンター中心に様変わりしてしまった。10年も経てば、この本も書き換えなければならなくなるのかもしれない。なお、このシリーズだが、北海道編以外にも、千葉、神奈川、愛知編の3冊が刊行されている。

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2018年3月21日 (水)

水星と金星④

 昨日アップした写真の5分後、18:38の水星と金星。この後まもなく金星が見えなくなったので、撮影終了。
2018年3月17日撮影 キャノンEOS Kiss X9+キャノンEFーS18-55㎜、ISO6400、露出1/5秒

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2018年3月20日 (火)

水星と金星③

 昨日アップした写真の5分後、18:33の水星と金星。
2018年3月17日撮影 キャノンEOS Kiss X9+キャノンEFーS18-55㎜、ISO6400、露出1/6秒

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2018年3月19日 (月)

水星と金星②

 昨日アップした写真の5分後、18:28の水星と金星。
2018年3月17日撮影 キャノンEOS Kiss X9+キャノンEFーS18-55㎜、ISO6400、露出1/10秒

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2018年3月18日 (日)

水星と金星①

 太陽系の中で最も内側にある水星が見頃を迎えている。ちょうど近くには金星があり、普段はなかなか見つけにくい水星を探すいい目印になっている。水星と金星は日没後の西の空、かなり低空にあるので、撮影地選びが重要だ。Googleマップでいいとこないかな〜と探していたら、荒川に架かる橋が目についた。交通量がけっこう多く、クルマが通過すると揺れるのだが、そこに気をつけて撮影した。この日の日没は17:50で、18:23に水星と金星を捕らえた。 スマホではわかりにくいかもしれないが、真ん中上の金星の右上にあるのが水星だ。
2018年3月17日撮影 キャノンEOS Kiss X9+キャノンEFーS18-55㎜、ISO6400、露出1/20秒

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2018年3月17日 (土)

メグレ警視

 メグレ警視ことジュール・メグレは、フランスの作家ジョルジュ・シムノンの推理小説の主人公として有名だ。これまでに何度も映像化されているが、最近はイギリスのテレビ局が「Mr.ビーン」ローワン・アトキンソン主演でテレビドラマ化した。007番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でのマヌケな大使館員役や「ジョニー・イングリッシュ」でのトンデモ・エージェント役など、「Mr.ビーン」以外もコミカルな役ばかりだったが、「メグレ警視」ではうって変わってシリアスな役を演じている。ぼくなんかシリアスな顔がいつ崩れてギャグが飛び出すかと待ち構えていたが、とうとう最後まで崩れなかった。さすが俳優。AXNミステリーで放送されたのはシーズン1〜2の各2話、計4話で、謎に満ちた事件にメグレ警視が挑む。

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2018年3月16日 (金)

水星と金星を見よう

 水星と金星は地球より内側にあるため、太陽から一定の範囲までしか離れない。特に水星は常に太陽のそばにあるので、日の出直前か日の入り直後のわずかな時間しかチャンスがない。その水星は、16日に東方最大離角を迎えるので、前後数日間は見頃だ。とはいえ、空がまだ明るい間に見ることになるので、肉眼でいきなり見つけるのは難しい。小さくてもいいので、双眼鏡があるといいだろう。ラッキーなことに、今回は水星のすぐそばに宵の明星 金星がある。金星を手がかりに水星を探せば、きっと見つけられるはずだ。双眼鏡で見る水星は、大気の影響でキラキラまたたいていて、堂々と光り輝く金星とはまた違った趣がある。

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2018年3月15日 (木)

アトミック・ブロンド

 スパイ映画ファンにとってはいい時代だった東西冷戦が残念ながら終わろうとする頃、ベルリンを舞台に、MI6の凄腕女性エージェント ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)が活躍する映画「アトミック・ブロンド」は、タフなアクションシーン満載だ。セロンにしても敵を演じる俳優にしても、相当ハードな演技だっただろう。MI6のエージェント ガスコインはある日、KGBのスパイに殺され、最高機密を隠した腕時計を奪われてしまう。MI6は、敵に奪われた最高機密を奪還するため、ロレーンをベルリンに送り込む。ベルリンには、すでにパーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)が潜入、彼らは最高機密を記憶する東ドイツ国家保安省(シュタージ)のスパイグラスを保護し、西側への亡命を手助けしようというのだ。しかし、作戦は失敗、ロレーンは窮地に陥る。裏切り者の二重スパイがいたのだ。物語はちょうどベルリンの壁崩壊と同時進行するように展開していくが、それがいい雰囲気を醸し出している。冷戦は終わったが、最近もイギリスで二重スパイの暗殺未遂事件が起きるなど、この世界では見えない戦いが続いているようだ。それにしても、ロレーンかっこいい〜

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2018年3月14日 (水)

スティーヴン・ホーキング

 イギリスの物理学者スティーヴン・ホーキングが死去したとの報。筋萎縮性側索硬化症(ALS)により全身が麻痺し、しゃべることさえできないが、ブラックホールの研究などで大きな業績を挙げ、「車いすの物理学者」として世界中に知られている偉大な科学者だ。ホーキングは研究だけでなく、一般の人に科学のおもしろさを解説することにも熱心に取り組んだ。1988年刊行の「ホーキング、宇宙を語る」は、世界的なベストセラーとなり、その後一般向けの本を何冊も刊行した。晩年のホーキングは何度かゴシップネタも提供したが、テレビドラマや映画も制作されるなど、まさに科学界のスーパースターだった。

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2018年3月13日 (火)

猿楽塚古墳

 代官山といえばおしゃれな街として有名だ。ぼくもこのあたりは学生時代からよくバイクで走っていたのだが、古墳があるとは知らなかった。ヒルサイドテラス内にある猿楽塚は、古墳時代末期の築造で、高さ5mほどの円墳だ。代官「山」というだけあってこのあたりの標高はけっこう高く、ここから目黒川に向かって急坂になっている。古墳からだと建物にさえぎられて見えないが、すぐ近くの西郷山公園も同じような立地で、眺望のよい高台だ。目黒川の反対側には東山貝塚遺跡があるが、ここも東「山」というだけあってちょっと高台になっている。渋「谷」に代官「山」、東「山」、そして貝塚と古墳。地形と遺跡との密接な関係もまたおもしろい。

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2018年3月12日 (月)

世界最速のインディアン

 アメリカのバイクといえばハーレーダビッドソンだが、かつてはインディアンというメーカーがあった。ニュージーランドの田舎に住むバート・マンローは1960年代、1920年型インディアン・スカウトを改造し、アメリカ・ユタ州で開催されるボンヌヴィル・スピードウェイで世界最速記録を樹立する。マンローはそのとき63歳。アンソニー・ホプキンス主演の映画「世界最速のインディアン」は、そのマンローの、スピードにかける人生を描いた映画だ。ニュージーランドなまり丸出しでボンヌヴィルをめざすマンローだが、ニュージーランドの人もアメリカの人もあったかい。ほぼ同じ時代を舞台にした「イージー・ライダー」のあの暗い雰囲気とはまるで違う。ハンニバル・レクターみたいなおどろおどろしいキャラクターもいない、ハートウォーミングなヒューマンドラマだ。インディアンは1950年代に倒産したが、2006年に新生インディアンとして復活、なかなか個性的なモデルをラインアップしている。

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2018年3月11日 (日)

HSCビューワ

 国立天文台すばる望遠鏡には、超広視野主焦点カメラHyper Suprime−Cam(HSC)というデジタルカメラが搭載されている。天体写真専用モデルキャノンEOS60Daは1800万画素だが、HSCは8.7億画素だから、画素数でいうと50倍だ。国立天文台は、HSCによる大規模観測を行っていて、このほどその第1期天体画像データをもとに「HSCビューワ」を公開した。ビューワを開くと、星図が出てくるが、ところどころにある緑のフレームズームアップしていくと、HSCで撮影した画像が出てくる。画像の数はまだあまり多くないが、そのうちどんどん追加されていくだろう。

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2018年3月10日 (土)

ハイネケン誘拐の代償

 オランダのビール「ハイネケン」は、世界有数の人気ブランドだ。1983年、このハイネケンの経営者フレディ・ハイネケンが誘拐されるという事件が発生した。犯人グループは3500万ギルダー(約23億円)という高額の身代金を要求したが、身代金を受け取ったのち、タレコミによって次々と逮捕される。アンソニー・ホプキンス主演の映画「ハイネケン誘拐の代償」は、このハイネケン誘拐事件を描いた物語だ。犯人の5人は幼なじみで、事業に失敗、誘拐事件を計画するが、生まれつき凶悪な犯罪者というわけでもない。むしろ、誘拐されながらもしたたかなハイネケンの心理戦に翻弄されていく。このあたりのホプキンスの雰囲気は、ハンニバル・レクターみたいにちょっと不気味だ。犯人は全員逮捕されたが、身代金の一部はいまも行方不明だそうで、いろいろな憶測もあるようだ。

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2018年3月 9日 (金)

GP Car Story vol.11 Ferrari F187

 三栄書房の「GP Car Story」第11号「Ferrari F187」は、1987年のフェラーリF187の特集号だ。この年、タイトル争いを演じたのはウィリアムズ、マクラーレン、ロータスの3チームで、名門スクーデリア・フェラーリは低迷が続いた。当時は1500㏄V6ターボエンジンだったが、信頼性が低く、完走もおぼつかなかったのだ。そんな中、10年ぶりに日本GPが鈴鹿サーキットで開催されることになり、日本のファンの視線はホンダエンジンを搭載するウィリアムズとロータスに注がれた。その期待を裏切るかのように、予選から鮮やかな活躍を見せたのがフェラーリF187を駆るゲルハルト・ベルガーだった。ベルガーは続くオーストラリアGPでも勝利を挙げ、トップドライバーの仲間入りを果たす。しかし、翌1988年はマクラーレンのアラン・プロスト&アイルトン・セナが16戦中15勝を挙げ、フェラーリは奇跡の1勝を挙げるのみにとどまった。しかも、その勝利を見届けることもかなわず、チームの創始者エンツォ・フェラーリは死去してしまう。結局、フェラーリF187で挙げたベルガーの勝利が、エンツォにとって生涯最後の勝利となった。

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2018年3月 8日 (木)

トワイライトゾーン/超次元の体験

 アメリカのテレビドラマ「トワイライト・ゾーン」は、日本でも「ミステリー・ゾーン」というタイトルで放送された人気SFドラマだ。多くのSF映画に影響を与えたといわれていて、警報みたいなテーマ曲はたぶん誰もが一度は耳にしているだろう。映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」は、スティーヴン・スピルバーグら4人の監督を起用した、世にも恐ろしい物語からほのぼのファンタジーまで4話あるオムニバス映画だ。深夜のハイウェイをドライブする2人の男の「本当に怖いものを見たくないか?」というプロローグから始まり、人種差別主義者の男を襲う恐怖の話、希望を失った老人たちに訪れる奇跡の話、超能力を持つ少年をめぐる奇妙な話、飛行機恐怖症の男が遭遇する戦慄の話が次々と繰り広げられる。ちなみに、トワイライトはご存じのように日の出前や日の入り後の薄明(はくめい)のことだが、薄明には市民薄明、航海薄明、天文薄明の3段階があり、天体写真撮影は天文薄明が終わる頃、つまりホントに真っ暗になる頃から開始する。これはだいたい日没の1.5時間後だ。

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2018年3月 7日 (水)

GP Car Story vol.2 Ferrari 641/2

 三栄書房の「GP Car Story」第2号「Ferrari 641/2」は、1990年のフェラーリ641/2の特集号だ。F1チームの名門中の名門スクーデリア・フェラーリにとって、1980年代は苦難の日々だった。1982〜1983年はコンストラクターズ・チャンピオンを獲得したものの、絶大な人気を誇ったエース ジル・ヴィルヌーヴが事故死、ティフォシを悲嘆の涙に暮れさせた。その後はマクラーレンやウィリアムズが圧倒的な戦闘力を誇り、優勝争いに加わることも至難の業となった。そんな中、1988年にはチームの創始者エンツォ・フェラーリが死去、チームにとって一つの時代に終止符が打たれた。明けて1990年、前年チャンピオンのアラン・プロストを迎え、久しぶりに高い戦闘力を発揮したのがフェラーリ641/2だ。エンジンはフェラーリ伝統のV12を搭載、セミオートマチックトランスミッションの信頼性も向上し、中盤戦ではマクラーレンMP4/5Bを寄せ付けない速さを見せた。この641/2、歴代フェラーリ、いや全F1マシンの中でも屈指の美しさだと思う。設計はマクラーレンMP4シリーズと同じ、ジョン・バーナードだ。

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2018年3月 6日 (火)

ボーン・コレクター

 CIAの暗殺者「ジェイソン・ボーン」シリーズとまちがいそうな映画「ボーン・コレクター」は、全身不随で寝たきりの探偵リンカーン・ライムとその相棒アメリア・ドナヒューの活躍を描いた物語だ。ライム(デンゼル・ワシントン)はニューヨーク市警の腕利き科学捜査官だったが、捜査中の事故で全身不随となった。現在は半ば自暴自棄になりながらも、探偵として警察に協力している毎日だ。そんな中、富豪夫妻の殺害事件が発生、現場に駆けつけたドナヒュー巡査(アンジェリーナ・ジョリー)は的確な捜査を開始する。はじめは平凡な殺人事件かと思い興味なさそうだったライムだが、ドナヒューが撮影した現場写真に興味をひかれる。これは猟奇的殺人事件の始まりだったのだ。ライムは本格的に捜査に乗り出すとともに、ドナヒューの科学捜査官としての素質を見抜き、捜査チームに加える。というわけで、ライム・ドナヒューコンビが殺人犯に迫っていくのだが、なかなか緊張感のある展開だ。

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2018年3月 5日 (月)

マラヴィータ

 ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ出演の映画「マラヴィータ」は、アメリカの証人保護プログラムの保護下にある殺し屋一家をめぐるコミカルだがちょっと残酷な物語だ。マフィアの幹部だったジョヴァンニ・マンゾーニ(デ・ニーロ)はフレッド・ブレイクと名前を変え、フランス・ノルマンディーに一家で引っ越してきた。ブレイク一家はマフィアに命を狙われているが、妻マギー(ファイファー)と子どもたちも含む4人家族全員がトラブルメーカーで、一カ所に長居することができず、潜伏先を転々としていた。4人は気に入らない一般市民たちを次々と血祭りに上げていくが、それでもだんだんと地域に溶け込んでいく。しかし、この一家が一般市民と平和に暮らすことにはやはりムリがあった。一家の監視役スタンスフィールドFBI捜査官(ジョーンズ)は、これ以上ここに住むことはできないと判断、潜伏先を変えようとする。そこにやってきたのが、マフィアの殺し屋たちだった。最後は大銃撃戦となるが、ホントにとんでもなく迷惑な一家だ。

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2018年3月 4日 (日)

トップガン

 トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた映画「トップガン」は、アメリカ海軍戦闘機兵器学校(トップガン)というエリート戦闘機パイロット養成機関を舞台とした青春映画だ。Fー14トムキャットのパイロットであるピート・ミッチェル(クルーズ)は、マーヴェリックというコールサインで呼ばれる天才的だが無鉄砲なパイロット。ある日、インド洋上空で国籍不明のミグ28(架空の戦闘機)と遭遇、驚くべき曲芸飛行を見せたのが上層部の目にとまり、トップガンで訓練を受けることになる。ライバルのアイスマン(ヴァル・キルマー)とエースの座をかけて競い合う中、教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)と恋に落ちるなど、ほのぼの青春ドラマが続くが、アイスマンとの訓練中、エンジントラブルで相棒で親友のグースを死なせてしまう。茫然自失となったマーヴェリック。失意のどん底でなんとか卒業式に出席したマーヴェリックに、緊急出撃命令がかかる。というわけでマーヴェリックは見事に復活を果たすのだった。それにしても、超大国同士の戦闘機が空中戦をやって何機も撃墜されるなんて、戦争にならずによかったよかった。

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2018年3月 3日 (土)

誘拐の掟

 リーアム・ニーソン主演の映画「誘拐の掟』は、アメリカの作家ローレンス・ブロックの「探偵マット・スカダー」シリーズを映画化した作品だ。ニューヨーク市警刑事マット・スカダー(ニーソン)は、警察官がタダで飲めるバーで飲酒中、強盗殺人犯と銃撃戦を繰り広げ、犯人を射殺する。しかし、スカダーの銃弾は何の罪もない少女の命をも奪ってしまう。8年後、警察と酒をやめたスカダーは、ひっそりと無免許の私立探偵を営んでいた。そのスカダーのもとに、妻を誘拐された上に殺害された男から依頼が舞い込む。男はドラッグ・ディーラーで、警察に捜査を依頼するわけにはいかず、スカダーに頼るしかなかったのだ。一度は断ったスカダーだったが、犯人の残忍な手口を知り、依頼を引き受ける。そして次々と起きるむごたらしい殺人事件。14歳の美しい少女を誘拐されたドラッグ・ディーラーの依頼を受けたスカダーは、過去の過ちのゆるしを求めるかのように、残忍な誘拐犯に立ち向かう。ジェダイ・マスターのニーソンだが、本作ではフォースは使えないし、96時間で娘を奪還する特殊能力もない。しかし、緊張感のある展開はなかなかおもしろかった。

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2018年3月 2日 (金)

キャノンEOS Kiss X9

 キャノンから初代EOS Kiss Digitalが発売されたのは2003年のことだ。以来ほぼ毎年のようにニューモデルが登場、最新モデルは昨年発売のX9となっている。ぼくは初代と3代目のEOS Kiss Digital Xを買ったが、Xはいまでも時折使っている。しかし、さすがに10年以上前のモデルなので、そろそろ新型機を導入しようかと思い、X9を導入することにした。ファミリーユース向けとはいえ、有効画素数はXの2倍の2420万画素だし、フルHDの動画も撮影できる。いまや天体写真になくてはならないライブビューやバリアングル液晶ディスプレイも装備、タイムラプス動画も撮影できる。天体写真撮影は専用モデルのEOS60Daがあるからそちらがメインだが、EOS Kissシリーズは伝統的に天体写真にも向いているので、一度試しに使ってみようっと。

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2018年3月 1日 (木)

ザ・パッケージ/暴かれた陰謀

 アメリカを中心とする西側諸国と、ソ連を中心とする東側諸国との東西冷戦は、スパイ映画にとっては最高の舞台装置だったといってもいいだろう。この冷戦に終止符を打ったのは、1989年12月、ブッシュ大統領とゴルバチョフ書記長とのマルタ会談だった。ジーン・ハックマン主演の映画「ザ・パッケージ/暴かれた陰謀」は、まさにその当時に公開された作品で、米ソ核兵器全廃条約締結のため訪米するソ連書記長の暗殺を阻止しようという物語だ。西ベルリン郊外、条約締結の予備会議で、米軍軍曹ジョニー・ギャラガー(ハックマン)は警備に当たるが、テロリストに将軍を殺害されてしまう。その上、帰国の際に護送を命じられた囚人(トミー・リー・ジョーンズ)にも逃亡を許してしまう。たび重なる失態を重ねたギャラガーだが、その背後ではソ連書記長暗殺計画が進行しており、米ソ上層部の影もちらついていた。映画「スタートレックⅥ 未知の世界」でも、惑星連邦とクリンゴン帝国との和平交渉に双方の上層部から妨害の動きが出るが、こういう構図はよくあることなんだろう。40代前半の宇宙人ジョーンズが若い。

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