寒い国から帰ってきたスパイ
イギリスの作家ジョン・ル・カレの小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は、東西冷戦真っ盛りの東ドイツを舞台に、イギリス秘密情報部(MI6)と東ドイツ情報部が二重スパイをめぐる狐と狸の化かし合いを繰り広げる傑作スパイ小説だ。MI6のベルリンの責任者アレック・リーマスは、MI6から密命を受け、東ドイツ情報部副長官のハンス・ディーター・ムントを失脚させようと画策する。MI6の作戦は、ムントを憎む部下フィードラーを利用し、ムントを二重スパイに仕立てようというものだった。しかし、狡猾で冷酷なムントはリーマスの正体を暴き、MI6の作戦は失敗に終わる。と思ったら、リーマスの作戦失敗も実はMI6の計画の一部だった。というわけで、最後にどんでん返しがあるのだが、リーマスとその恋人エリザベス・ゴールドを待っていたのは非情な運命だった。本作は1965年、「寒い国から帰ったスパイ」としてリチャード・バートン主演で映画化されているが、スパイ映画ファンは必見だ。ル・カレは最近、本作と「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の後日譚である「スパイたちの遺産」を刊行した。さっそく読まなきゃ。
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