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2017年12月

2017年12月31日 (日)

THE WAY TO THE CHAMPION

 1980年代後半、ワイン・ガードナー、エディ・ローソン、ウェイン・レイニー、ケビン・シュワンツは4強といわれ、ロードレース世界選手権(WGP)を大いに盛り上げた。そのうちガードナーは鈴鹿8時間耐久ロードレースでも大活躍、歴代2位となる4勝を挙げている。ガードナーはワークスチームに入る前、プライベーターとしてWGPに参戦したが、その速さがホンダの目にとまり、スペンサーの欠場もあってホンダのエースライダーとなった。1987年にはチャンピオンに輝くが、その後はケガに泣き、第一線からは次第に遠のいていった。ガードナーは非常に明るいキャラクターで、心の底からレースを楽しんでいるようだった。そのガードナーの「THE WAY TO THE CHAMPION」は、レーシング・テクニックはもちろん、プロフェッショナル・ライダーとしての心構えなんかも書かれていて、ガードナーの人となりもよくわかる本だ。

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2017年12月30日 (土)

片山敬済 AURA LEGEND

 片山敬済は1977年、日本出身者として初めて世界ロードレース選手権(WGP)チャンピオンを獲得したライダーだ。当時は500㏄クラスの下に350㏄クラスがあり、片山はそこでヤマハTZ350を駆って勝利した。その後はホンダに移籍し、NR500やNS500で500㏄クラスに参戦した。1983年はケニー・ロバーツとフレディ・スペンサーが2人だけ別次元のバトルを見せたが、片山はランディ・マモラやエディ・ローソンと互角の戦いを演じた。惜しむらくは、1983年の最終戦で背骨の圧迫骨折という重傷を負ってしまったことで、これがなければまだまだ第一線で活躍していただろう。1985年のロスマンズ・カラーのNS500はとてもかっこよく、この片山レプリカヘルメットはぼくも長く愛用した。「片山敬済 AURA LEGEND」は、片山にとって最後のシーズンとなった1985年の活躍を紹介しながら、片山が自らのライディング・テクニックを解説した本だ。

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2017年12月29日 (金)

FAST FREDDIE

 1980年代半ばのロードレース世界選手権(WGP)500㏄クラスで2度のチャンピオンに輝いたフレディ・スペンサーは、まさに天才的な速さをもったライダーだった。1982年にフル参戦するやすぐに勝利を挙げ、翌1983年には「キング」ケニー・ロバーツとの歴史に残るバトルを制しチャンピオンを獲得した。長い手足を存分に活用したライディング・スタイルは独特で、同じマシンを駆った片山敬済やワイン・ガードナーとはまったくマシン・セッティングが違ったという。スペンサーの勝ちパターンはスタートから独走というもので、あまりに速いので「ファースト・フレディー」と呼ばれていた。1985年には500㏄&250㏄の2クラスにエントリーし、史上初のダブルタイトルに輝いている。しかし、スペンサーのピークはここまでで、その後は手首の故障などトラブルが続き、第一線で活躍することはなかった。スペンサーはアライのヘルメットを愛用していたが、このレプリカヘルメットは日本で大流行、かくいうぼくもかぶっていた。ニック・ハリスとピーター・クリフォードが書いた「ファースト・フレディー」は、そのスペンサーの栄光の日々を描いた本だ。

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2017年12月28日 (木)

ケニー・ロバーツ ロードレーシングテクニック

 1978〜1980年の3年連続でロードレース世界選手権(WGP)チャンピオンに輝いた「キング」ケニー・ロバーツは、その卓越したレーシング・テクニックもさることながら、それを理論的に説明することにも長けていた。WGPで勝つには気合いや根性だけではダメで、マシンのこともきちんと理解していなければならない。そういう点でもロバーツはやはり傑出した存在だった。そのロバーツの経験を余すところなく盛り込んだ「ケニー・ロバーツ ロードレーシングテクニック」は、トップをめざすライダーにとっては必読の本だろう。もちろん、プロのライダーじゃない、レース観戦が趣味の人間にも参考になる。その後WGPもレギュレーションが大きく変わり、テクノロジーの進歩も目を見張るものがあるが、最後はライダーの総合力にかかっているという点は同じだ。

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2017年12月27日 (水)

ケニー・ロバーツ RIDE TO WIN

 1978〜1980年の3年連続でロードレース世界選手権(WGP)チャンピオンに輝いた「キング」ケニー・ロバーツは、ぼくらの世代のライダーにとっては「長島・王」にも等しい存在だ。日本でも1985年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦、平忠彦との王者コンビで一大旋風を巻き起こした。まだまだ絶頂期が続くと思われたが、ライダーとしては1983年を最後にWGPからリタイア、しかし、チームロバーツの監督としてその後もWGPに参戦し続けた。ロバーツはいわゆるハングオフという独特のライディングスタイルを確立した第一人者で、日本でも、当時の走り屋たちはこぞってこれを真似て走っていた。「ケニー・ロバーツ 究極のレーシング・テクニック」は、そのロバーツのレーシング・テクニックを豊富な写真つきで解説した本で、ぼくもこれを読んで走りに出かけたものだ。

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2017年12月26日 (火)

オリエント急行殺人事件

 ミステリーの女王アガサ・クリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」は、イングリッド・バーグマンやショーン・コネリーらが出演して1974年に映画化されたが、シャーロック・ホームズと並ぶ独特なキャラクターである名探偵エルキュール・ポアロの活躍もさることながら、豪華列車オリエント急行で発生した謎の殺人事件の意外な真相でも有名だろう。シェイクスピア俳優のケネス・ブラナー監督・主演の映画「オリエント急行殺人事件」は、ジュディ・デンチやジョニー・デップ、ミシェル・ファイファーなどの俳優陣を迎えてのリメイク作品だ。エルサレムで見事難事件を解決したポアロは、休む間もなくイギリスに呼び出され、オリエント急行に乗車する。1等車は季節外れの満室で、さまざまな乗客が乗り合わせていた。その中でも最も感じの悪いアメリカ人富豪ラチェット(デップ)は、ポアロ(ブラナー)が同じ列車に乗り合わせていることを知り、護衛を依頼する。ポアロはこれを断るが、その夜ラチェットが殺害されるという事件が発生する。本作は65㎜フィルムで撮影したそうで、イスタンブールからパリに向かうオリエント急行が雪の積もる山をぬって走る映像はなかなかすばらしい。

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2017年12月25日 (月)

2018年1月の星空

 初日の出は根室で6:50、札幌で7:06、東京で6:51など。同じ東京でも、高さのあるスカイツリーでは6:46、東京タワーでは6:48とちょっと早い。富士山頂では6:42だ。2日は満月でいわゆるスーパームーン。いつもより月が大きく見えているが、肉眼ではその違いはたぶんわからないだろう。同じくこの日は水星が西方最大離角。水星は太陽の近くから離れないため、見つけるのは難しいが、双眼鏡があれば日の出前の南東の低空にキラキラ輝いているのが見えるだろう。4日はしぶんぎ座流星群が極大。ただし、満月を過ぎたばかりの明るい月があるので、観測条件は悪い。7日前後は明け方の南東の空で火星と木星が大接近して見える。肉眼でも楽しめるが、月の直径の半分未満まで近づくので、望遠鏡があればかなりの見ものだ。13日前後には水星と土星も大接近するが、こちらは望遠鏡がないと観測は難しいかも。31日は皆既月食。日本では最初から最後までいい条件で観測することができる。国立天文台HPより

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2017年12月24日 (日)

スター・ウォーズ 反乱者たち シーズン4

 映画「スター・ウォーズ」のエピソード3と4の間の時代を描くスピンオフアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン4が始まった。銀河系に平和と自由を取り戻すため、帝国の圧倒的な支配に果敢に立ち向かう反乱者たちの戦いも、いよいよ最終章を迎える。シーズン4は第15話まであるそうで、時系列でいえばその後に映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の物語が続くはずだ。「ローグ・ワン」ではヘラ・シンドゥーラが「シンドゥーラ将軍」として名前を呼ばれていたので、この戦いでも生き残ると思われるが、エズラ・ブリッジャーやケイナン・ジャラスの運命はどうなるんだろうか。ダース・ヴェイダーに再び勝負を挑むも、やはりやられてしまうのだろうか。しかし、決して無駄死にということはないだろう。

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2017年12月23日 (土)

特殊切手「天体シリーズ 第1集」

 切手収集というのは昔はポピュラーな趣味の一つで、ぼくも子どもの頃ちょっと集めた時期もあった。いまはどれくらいの市場規模なのか知らないが、日本郵便HPを見るとちょくちょく記念切手が発行されているので、収集家はけっこういるのだろう。その日本郵便から、特殊切手「天体シリーズ」全4集が発行されるという。第1集は、天文ファンにはおなじみの馬頭星雲やオリオン座大星雲など10枚の切手からなる。透明ホログラム箔を使用し、切手シートを傾けると光を反射してキラキラ輝くという凝った作りだ。

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2017年12月22日 (金)

日本の歴史⑦ 武者の世に

 集英社版「日本の歴史」シリーズ第7巻「武者の世に」は、平将門の乱後、地方で着々と力をつけていた武士がいよいよ表舞台に登場し、平氏、源氏、そして北条氏へと続く武人政権が揺るぎないものとなった時代を取り上げている。坂東よりさらに遠い奥州では、安倍、清原、そして奥州藤原氏が台頭し、平泉はさながら都のごとき黄金時代を迎える。中尊寺金色堂にはいまも藤原3代のミイラが眠るが、2011年にはここは世界遺産にも登録された。ぼくも北海道に帰る途中立ち寄ったことがあるが、近くには源義経終焉の地といわれる高館義経堂(たかだちぎけいどう)などもあり、実に興味深いところだ。一方、京の都では平氏と源氏が台頭、白河天皇のご落胤ともいわれる平清盛が政権を握り、「平家にあらずんば人にあらず」というほどの全盛期を謳歌する。しかし、清盛死後、壇ノ浦の合戦で平家は滅亡、源頼朝が鎌倉により本格的な武人政権を築く。将門が先鞭をつけた東国武人政権が、ついに鎌倉で実現することになったのだ。源氏将軍は3代で断絶し、実権は平氏の子孫である北条氏が握るが、2大将軍頼家、3代将軍実朝のみならず、頼朝も暗殺されたという見方もあって、このあたりは非常に血なまぐさい雰囲気が漂う。得宗家(北条氏嫡流)の専制が強まる中、中国大陸ではチンギス・ハーンが大帝国を樹立、孫のフビライ(クビライ)・ハーンは2度にわたって日本に侵攻する。蒙古襲来は「神風」によって撃退されたが、国内は疲弊、鎌倉幕府は滅亡へと向かうことになる。

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2017年12月21日 (木)

UFO

 アメリカ国防総省(ペンタゴン)が、5年間にわたって秘密裏にUFOの調査を行っていたという報道があった。昔からUFO目撃事件は数多く、中には墜落したUFOに宇宙人が乗っていた!とされる有名なロズウェル事件というのまである。米軍などによる過去の調査では、目撃されたUFOの正体はだいたいが明るい星や雲、飛行機などだったが、正体がわからないものもあるという。仮にUFOが実在するとしても、それが宇宙から飛来したものだとは限らない。軍が極秘に開発中の飛行物体かもしれない。実際、ネバダ州のエリア51には、長い間政府が存在を認めなかった秘密基地があって、軍用機のテスト飛行を行っていたことが明らかになった。では、宇宙から飛来したUFOは実在するのか? ぼくは地球外知的生命は存在すると思うが、現実に宇宙人がUFOに乗って地球を訪問していると考えるのは早計なんじゃないだろうか。夜空には、明るい星(特に金星)や流星、雲、飛行機、人工衛星、はたまた鳥など、UFOと見誤りやすいものはけっこうある。ぼく自身、子どもの頃からよく星を見ているが、UFOを見たことはない。もしかしたら、UFOを見たことはあるものの、宇宙人に記憶を消されたのかもしれないが。(写真はNASA HPから)

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2017年12月20日 (水)

詩人のための量子力学

 現代社会は量子力学抜きには成り立たない。パソコンや携帯電話などを生み出したエレクトロニクスも、量子力学が基礎となっている。しかし、その量子力学、人間の直感にはまったく反している。量子力学の草創期に重要な役割を果たしたかのアルベルト・アインシュタインでさえ、ついに量子力学を信じることはなかった。その後量子力学は応用面でめざましい成果を挙げるが、その薄気味悪さは決してなくなってはいない。アメリカの物理学者レオン・レーダーマンとクリストファー・ヒルが書いた「詩人のための量子力学」は、そんな量子力学の不思議な世界をわかりやすく案内する本で、量子力学の基礎である不確定原理から最先端の弦理論まで幅広く解説している。元素の周期表がなぜあのような形になっているかも解説しているので、化学が好きな人にもいいだろう。

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2017年12月19日 (火)

上野国府跡

 上野国(こうずけのくに)は現在の群馬県にほぼ相当する令制国だ。もともとは大宝律令で上毛野国(かみつけのくに)と名付けられたが、その後上野国に改められた。国府が置かれたのは現在の前橋市で、元総社町の宮鍋神社付近に国庁があったと考えられているが、遺構はまだ発見されていない。939年12月、常陸、そして下野(しもつけ)国府を占領した平将門は、ここ上野国府をも占領する。ここで将門は自らを「新皇」と称し、坂東各国の国司を任命する除目(じもく)を行うが、その際、1人の巫女が神がかりし、将門に天皇の位を授けると口走ったという。もちろん、興世王(おきよおう)あたりの差し金による演出だろうが、将門配下の者はみな大いに喜んだことだろう。将門にとってはこれが人生のピークで、朝廷はいよいよ「謀反人」将門追討に動くことになる。

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2017年12月18日 (月)

スパイたちの遺産

 イギリスの作家ジョン・ル・カレの最新作「スパイたちの遺産」は、東西冷戦真っ盛りの東ドイツを舞台にした「寒い国から帰ってきたスパイ」と「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の後日譚だ。MI6を引退したピーター・ギラムはある日、MI6から呼び出され、「寒い国から」で遂行された「ウィンドフォール作戦」の全容を明らかにするよう求められる。本来なら永久に秘密のままにすべき話だが、ベルリンの壁で犠牲となったMI6のアレック・リーマスとその恋人エリザベス・ゴールドの子どもたちが、MI6を相手に訴訟を起こそうというのだ。しかも「透明性」とか「説明責任」とかいう言葉が大好きな議会までもが騒ぎ出すという、スパイたちにとっては悪夢のような展開になりつつあった。厳しい追及によって、どんどん不利な立場に追い込まれていくギラム。作戦の全容を知るはずのジョージ・スマイリーの行方も杳として知れない。というわけで、現代というのはやはりスパイにとってはやりにくい時代なんだろうな。「冷戦が懐かしい」。そんな声も聞こえてきそうだ。

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2017年12月17日 (日)

台耕地稲荷塚古墳群

 さいたま市の側ヶ谷戸(そばがいと)古墳群の一つ、台耕地稲荷塚古墳は、直径24m、高さ2mの円墳で、ほぼ原型をとどめていると考えられている。発掘調査では太刀や鉄鏃(てつぞく=鉄製のやじり)が発見されたという。ここは公園みたいに整備されているので、ゆっくり見学することができる。周辺にはまだけっこう古墳があるようなので、また機会をあらためて見に行こうっと。

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2017年12月16日 (土)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

 いよいよ映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」が公開された。金曜日は普段なら休みではないが、有給休暇というのはこういうときのためにあるといってもよい。映画館は朝9時から熱心なファンでいっぱいだ。かなりの衝撃作になるといわれていたが、奇をてらうことのない、非常にオーソドックスなスター・ウォーズ映画だと感じた。過去作品のオマージュも満載だ。ひとつだけネタバレを。偉大なるジェダイマスター ヨーダも登場するので、お楽しみに。失敗こそ最高の師じゃよ。

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2017年12月15日 (金)

上之稲荷古墳

 さいたま市の側ヶ谷戸(そばがいと)古墳群の一つ、上之稲荷古墳は、かつては直径20m、高さ2mの円墳だったが、現在は大きく変形しているという。個人所有ということで、民家にはさまれてなんとか生き残っている。稲荷はきれいに整備されているが、いつまでもちゃんと残してほしいもんだ。

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2017年12月14日 (木)

ワンダーウーマン

 ワンダーウーマンは1941年に初登場したアメリカDCコミックスのスーパーヒロインだ。ワンダーウーマンことダイアナは絶海の孤島に住むアマゾン族の女王の娘で、神々が粘土に命を吹きかけて誕生した。バットマンとスーパーマンの2大スーパーヒーローが登場する映画「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」でも大活躍を見せるが、映画「ワンダーウーマン」はダイアナの回想シーンということで、第1次世界大戦を終結させるべく軍神アレスと対決する物語だ。アマゾン族のプリンセスとして美しく、強く成長したダイアナ(ガル・ガドット)はある日、島に墜落したアメリカ人パイロット スティーブ・トレバー(クリス・パイン)を助け、外の世界で戦争が起きていることを知る。人間界に戦争をもたらしているのはアレスだと確信したダイアナは、世界を救いたいと願い、母である女王と島に別れを告げる。人間界に降臨したダイアナの強さ、純粋さはまさにスカッとさわやかで、それに加えて絶世の美女なんだから、これは拍手喝采だろう。戦いが終わり、現代に戻ったダイアナが再びバットマンなどと大活躍する映画「ジャスティス・リーグ」は現在公開中だ。

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2017年12月13日 (水)

山王山古墳

 さいたま市の側ヶ谷戸(そばがいと)古墳群の一つ、山王山古墳は慈寶院というお寺の境内にある。もともとは円墳だったようだが、墳丘が削られ、石室が露出した状態で現代の墓地と並んでいる。発掘調査ではまがたまやガラス玉が出土したという。慈寶院が創建されたのは平安時代ということで、鴨川に近いこの地は古代から人が住むにはいい場所だったんだろう。

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2017年12月12日 (火)

フェア・ゲーム

 イラク戦争ではイラクが大量破壊兵器を保有しているかどうかが大問題となったが、これに関連してプレイム事件というのがあった。イラクが大量破壊兵器を保有しているという情報操作に躍起になっていたホワイトハウス高官が、これに否定的な調査結果を出した元外交官の妻がCIAの秘密エージェントであるとマスコミにリークしたのだ。映画「フェア・ゲーム」は、このプレイム事件を描いた物語だ。元外交官のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)は、CIAの依頼を受け、イラクがニジェールからウランを購入したという疑惑を調査する。調査の結果そのような事実はなく、イラクに大量破壊兵器はないと報告したウィルソンだったが、ある日、妻のヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)がCIAの秘密エージェントであるという新聞記事が出る。国家のために働いてきたのに、国家(の一部の権力者)に裏切られ、世間のさらし者にされるという困難に直面したプレイムだったが、夫とともにこの困難に立ち向かっていく。イラク戦争は開戦から7年後の2010年、ブッシュ大統領のあとを受けたオバマ大統領により終結したが、結局大量破壊兵器は見つからなかった。古今東西、国家(の一部の権力者)はときどきうそもつくのだ。

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2017年12月11日 (月)

稲荷塚古墳

 さいたま市の鴨川流域には相当数の古墳が存在したと考えられている。そのうち側ヶ谷戸(そばがいと)古墳群と呼ばれる古墳群の中には、けっこう大きな古墳もある。大宮西高校の校内にある稲荷塚古墳は、市内に残る古墳としては最大で、直径35m、高さ6mの円墳だ。発掘調査ではまがたまや埴輪、刀なども出土したそうだ。大宮駅をはさんで反対側には2400年前創立と伝えられる武蔵一宮氷川神社もあり、この周辺は昔から有力者が住んでいたんだろう。

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2017年12月10日 (日)

13デイズ

 1962年に発生したキューバ危機は、アメリカとソ連による全面核戦争寸前までいった事件だ。1959年にキューバ革命を成功させたフィデル・カストロは、次第にアメリカと対立、ソ連に接近していく。ピッグス湾事件でアメリカが手痛い失敗を犯し、国際的な非難を浴びる中、キューバはアメリカによる侵攻に備えてソ連に対し最新兵器の供与を要求する。核ミサイル配備で後れをとっていたソ連はキューバと利害が一致、ひそかにキューバに核ミサイルを配備し、一気に優位に立とうとする。Uー2偵察機によってミサイル配備を確認したホワイトハウスは、当然のことながら大騒ぎとなり、ここに全面核戦争か?という緊迫の13日間が始まる。ケヴィン・コスナー主演の映画「13デイズ」は、このキューバ危機を描いた映画だ。軍部の単細胞ぶりはちょっと誇張しているのかもしれないが、一つ間違えれば全面核戦争という緊迫感は真に迫っているんじゃないだろうか。あれから65年が経ち、同じようなことが起きそうな気配だが、リーダーたる者単細胞な行動はやめてほしいもんだ。

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2017年12月 9日 (土)

武蔵一宮氷川神社

 さいたま市の大宮駅の近くにある武蔵一宮氷川神社は、いまからおよそ2400年以上前に創立されたと伝えられる歴史ある神社だ。「大宮」という地名もこの氷川神社に由来するそうだ。古代には各地に国造(くにのみやつこ)という支配者がいたが、武蔵国(いまの東京都、埼玉県、神奈川県の一部)の国造として足立郡司を務める武蔵氏が、氷川神社の祭祀権を持っていたという。その武蔵氏の1人、武蔵武芝という人物は、平将門の乱で重要な役割を演じている。武芝は善政で人気があったが、新任の武蔵国司として赴任してきた興世王(おきよおう)と源経基が、武芝を一方的に攻撃してしまう。このトラブルに将門が介入し、興世王とは手打ちをするのだが、経基は京に逃げ帰り、将門謀反と訴えてしまうのだ。結局、将門は藤原秀郷・平貞盛軍に敗北するが、貞盛はここ氷川神社で戦勝を祈願したという。武芝の本拠地は氷川神社周辺にあったのだろうが、その場所はわからない。その後の武芝の消息も不明だ。

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2017年12月 8日 (金)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

 いよいよ映画「スター・ウォーズ」シリーズ最新作、エピソード8に当たる「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の公開が迫ってきた。予告編やこれまでの情報を総合すると、かなりの衝撃作になっているようだ。その筆頭はなんといってもレイ(デイジー・リドリー)が果たしてダークサイドに堕ちてしまうのかどうかだろう。新3部作(エピソード1〜3)がアナキン・スカイウォーカーのダークサイドへの転落、旧3部作(エピソード4〜6) が同じくライトサイドへの帰還の物語だとすれば、レイもまた同じ運命をたどるのだろうか。そして、レイはいったい誰の子なのか。アナキンはフォースの力で生まれ、父親はいなかったが、それにしても母親はいた。そのへんの秘密は果たして明らかになるのだろうか。そして最後のジェダイ?ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の運命はいかに。オビ=ワン・ケノービはルークを導くため、あえてダース・ヴェイダーのライトセーバーによって肉体を消滅させ、フォースと一体となった。ルークもレイを導くため、同じ運命をたどるのだろうか。いずれにしても、レイを中心とする今回の3部作は2019年公開予定のエピソード9で完結するので、本作はあっと驚く展開になるんだろう。1年前に死去したキャリー・フィッシャーもこれが見納めだ。と楽しみにしていたら、エピソード9のあと、まったく新しいキャラクターによる3部作がつくられるという発表が。遠い昔、はるかかなたの銀河系を舞台にしたスター・ウォーズ・サーガは、まだまだ続きそうだ。

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2017年12月 7日 (木)

トゥームレイダー2

 アンジェリーナ・ジョリー演じる凄腕トレジャー・ハンター ララ・クロフトが大活躍する映画「トゥームレイダー」シリーズ第2作「トゥームレイダー2」は、あの有名なパンドラの箱をめぐってララと悪党どもが戦いを繰り広げる作品だ。パンドラの箱というのはご存じのとおりわざわいをもたらすため開けてはいけない箱だが、ノーベル化学賞受賞者で生物兵器の専門家ジョナサン・ライス博士(キーラン・ハインズ)は、パンドラの箱を入手して世界を征服をしようと企んでいた。そのありかを示すカギとなるのは海底に眠る古代ギリシアの神殿に隠されたメダリオンと黄金の珠だったが、ララが発見したとたんライス博士の手下に奪われてしまう。というわけで、ララはライス博士の野望を打ち砕くため、かつての恋人の協力も得て戦いに挑む。それにしても、世界征服を企むようなワルにノーベル賞を授与しちゃいかんでしょう(この映画はフィクションです)。

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2017年12月 6日 (水)

2018年の天文現象

 天文ファンにはおなじみ「天文年鑑」は、2018年版で創刊70周年を迎える。ぼくが買い始めたのは1978年版からで、いまでも全巻捨てずにとってある。2018年の主な天文現象だが、1月31日と7月28日に皆既月食がある。7月31日には火星が大接近する。火星は2年2ヶ月毎に地球に接近するが、火星の軌道はちょっとつぶれた楕円形なので、最も接近するときの距離もその都度大きく変わる。今回は「大接近」というだけあってかなり近い。21世紀最大の火星大接近である2003年の場合、地球と火星との距離は5,575万㎞だったが、2018年は5,759万㎞とそんなに遜色はない。火星大接近は瞬間的に終わる現象ではなく、しばらく続くが、火星の表面を見るにはちゃんとした望遠鏡が必要だ。もう一つ、ぼくが最も注目しているのがウィルタネン彗星だ。ウィルタネン彗星は周期5.4年の小さな周期彗星で、いつもはそんなに注目されることもないが、今回は地球にかなり接近するため、3等級くらいまで明るくなる可能性がある。とまあ天文ファン以外の人も楽しめる天文現象はこんなところだが、もちろんメシエ天体をはじめとする星雲星団銀河はいつもと同じように見ることができるので、天気がよくて空が暗ければ毎日が天体写真撮影日和だ。

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2017年12月 5日 (火)

トゥームレイダー

 アンジェリーナ・ジョリー演じる凄腕トレジャー・ハンター ララ・クロフトが大活躍する映画「トゥームレイダー」は、人気ゲームを映画化した作品だ。幼い頃に父クロフト卿(ジョン・ヴォイト=ジョリーの実父)を亡くしたララは、5000年に1度の惑星直列が迫る中、父が残した屋敷の隠し部屋から謎の時計を発見する。この時計には、時を支配することができる光のトライアングルのありかを示すカギがあり、秘密結社イルミナティも長年にわたってこれを狙っていた。ララはイルミナティに襲撃され、時計を奪われるが、2つに割られた光のトライアングルの破片がカンボジアに眠ることを突き止める。しかし、そこにはイルミナティも待っていた。というわけで、ララとイルミナティが光のトライアングルをめぐって戦いを繰り広げる。ジェームズ・ボンドとしてデビューする前のダニエル・クレイグも出演しているが、ララの圧倒的な強さの前にボンドも形無しだ。それにしても、部屋の中に大型望遠鏡があるなんて、ララの部屋はいいなぁ。

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2017年12月 4日 (月)

ふたご座流星群

 流星群といえば夏のペルセウス座流星群が有名だが、冬のふたご座流星群も数が多く、しぶんぎ座流星群とあわせて3大流星群と呼ばれている。今年のふたご座流星群は12月14日16時頃に極大を迎えると予想されているので、14日前後の夜はちょっと夜空を見上げてみるといいだろう。国立天文台では、「ふたご座流星群を眺めよう2017」キャンペーンをやっているので、参加してみてはいかが。

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2017年12月 3日 (日)

寒い国から帰ってきたスパイ

 イギリスの作家ジョン・ル・カレの小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は、東西冷戦真っ盛りの東ドイツを舞台に、イギリス秘密情報部(MI6)と東ドイツ情報部が二重スパイをめぐる狐と狸の化かし合いを繰り広げる傑作スパイ小説だ。MI6のベルリンの責任者アレック・リーマスは、MI6から密命を受け、東ドイツ情報部副長官のハンス・ディーター・ムントを失脚させようと画策する。MI6の作戦は、ムントを憎む部下フィードラーを利用し、ムントを二重スパイに仕立てようというものだった。しかし、狡猾で冷酷なムントはリーマスの正体を暴き、MI6の作戦は失敗に終わる。と思ったら、リーマスの作戦失敗も実はMI6の計画の一部だった。というわけで、最後にどんでん返しがあるのだが、リーマスとその恋人エリザベス・ゴールドを待っていたのは非情な運命だった。本作は1965年、「寒い国から帰ったスパイ」としてリチャード・バートン主演で映画化されているが、スパイ映画ファンは必見だ。ル・カレは最近、本作と「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の後日譚である「スパイたちの遺産」を刊行した。さっそく読まなきゃ。

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2017年12月 2日 (土)

土星への別れ

 天体望遠鏡を買った人が初めて見る星は、月か惑星というのが圧倒的多数だろう。中でも土星はたぶん人気No.1じゃないだろうか。小型望遠鏡では土星の表面の模様まではわからないが、リングはよく見える。実は木星などにもリングはあるが、小型望遠鏡ではまったく見えないし、土星のリングの美しさには到底及ばない。土星のリングにはいくつもの間隙があるが、最も目立つものはフランスの天文学者の名前をとってカッシーニの間隙と呼ばれている。1997年に打ち上げられたNASA&ESA(欧州宇宙機関)の土星探査機カッシーニも、名前の由来はもちろん同じだ。土星探査機カッシーニは、2004年に土星軌道に到達、13年間にわたって土観測を続け、今年9月、土星の大気圏に突入して探査を終了した。探査終了前、カッシーニは「土星への別れ」という美しい写真を撮影した。かつて惑星探査機ボイジャーも土星の美しい写真を撮影したが、カッシーニの写真もすばらしく、人類の偉大な遺産として歴史に残るに違いない。

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2017年12月 1日 (金)

府中愛宕山古墳

 茨城県石岡市のJR高浜駅近くにある舟塚山古墳群の一つ府中愛宕山古墳は、全長96mの前方後円墳だ。築造時期は6世紀初頭で、300m離れた場所にある舟塚山古墳のすぐあとだと考えられている。埋葬者は不明だが、築造時期や場所からみて同じ一族かもしれない。府中愛宕山古墳は大阪府羽曳野市の応神天皇陵(誉田御廟山古墳)との類似性が指摘されていて、ヤマト王権ともなんらかのつながりがあったのかもしれない。

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