よくわかる解析力学
「いろもの物理学者」前野昌弘が書いた「よくわかる」シリーズの1冊「よくわかる解析力学」は、初等力学を学んだあとに出てくる解析力学がテーマだ。解析力学というのは、その名のとおり力学を解析的手法で記述するというものだが、ぼくも大学生の頃は、なんのためにわざわざこんなめんどくさいことをするんだと思っていた。しかし、オイラーやラグランジュといった頭のいい人たちは、力学を非常にエレガントな形で記述することに成功、ニュートンの運動方程式よりも、最小作用の原理の方がより自然の基本原理であるともいえることを明らかにした。それがはっきりしたのは20世紀初頭、量子力学が登場したときだ。この本は、著者がいうように、解析力学の目的は力学に統一的な視点を与えることだという考えで書かれているので、難しい数式の中で迷子になってわけがわからなくなるということはなく、すっきりとした見通しをもって読み進めることができるだろう。
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