日本の歴史① 日本史誕生
集英社版「日本の歴史」シリーズ第1巻「日本史誕生」は、日本列島に人間が住み着いてから稲作文化が伝来するまでの時代が舞台だ。本書は1991年に刊行されたもので、当時は前期旧石器時代(260〜30万年前)の遺跡があることをもって日本列島にはその頃から人間が住んでいたということになっていたが、2000年に旧石器捏造事件が発覚、東北旧石器文化研究所の藤村新一なる人物が発掘に携わった旧石器時代の遺跡すべてに疑問符がついてしまった。かつてイギリスでもピルトダウン人事件というのがあったが、真理を追究すべき学問の世界でこのようなインチキが行われることは許しがたい。それはともかく、数万年前、大陸から北方ルートと南方ルートでやってきた集団が日本列島に定住、それがわれわれ日本人の祖先になったと考えられている。そして1.5万年前、縄文土器が出現する。当時は最終氷期が終わる頃で、気候変動により人間を取り巻く環境も大きく変化、新しい道具が数多く出現したのだろう。縄文時代はけっこう豊かな社会だったようで、本書では縄文人の暮らしぶりも詳しく描かれている。紀元前5世紀頃には大陸から稲作文化が伝来、弥生時代が始まる。ただし、北海道には稲作文化は及ばなかったので、引き続き縄文時代の生活スタイルが続く(続縄文時代)。
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