夏の天の川⑤
はくちょう座のサドルからデネブにかけては、赤い散光星雲が広がっている。とりわけデネブのすぐそばには北アメリカ星雲とペリカン星雲があり、写真撮影すると鮮やかにその姿を捉えることができる。北アメリカ星雲とペリカン星雲はもともとひとかたまりの星間ガスで、デネブも同じ星間ガスから誕生したのかもしれない。デネブは巨大な質量を持つので、恒星としての寿命は短く、1億年もしないうちに超新星爆発を起こすと考えられている。その後は、はくちょう座の左側にある網状星雲のように、超新星残骸のガスが広がっていき、その中に含まれる元素が次世代の星の材料となるんだろう。また、デネブの下には暗黒星雲もあり、この中からデネブのような恒星が誕生するかもしれない。そのときこのあたりの景色も劇的に変わるかもしれない。
2014年8月30日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF35㎜、露出180秒
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