メッセージ
宇宙人とのファースト・コンタクトを描いた映画の代表作と言えば、カール・セーガン原作のSF小説を映画化した「コンタクト」があるが、エイミー・アダムス主演の「メッセージ」もまた、ファースト・コンタクトものだ。世界12カ所にある日突然、巨大な宇宙船が出現、各国政府は調査チームを送り込み、宇宙人との対話を試みる。アメリカの調査チームの中心は言語学者のルイーズ・バンクス(アダムス)と物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)だ。宇宙人は7本の足を持つタコのような姿で、最初のうちはまったく会話が成立しないが、2人は根気強くヘプタポッド(7本の足があることからこう名付けた)との会話を続ける。しかし、意思疎通ができない状態が長く続くと、誤解や疑念を抱く者が現れるのも避けられない。アメリカ軍の一部兵士は暴走し、中国人民解放軍は宇宙船に宣戦布告をしてしまう。果たしてルイーズは、衝突を回避することができるのだろうか? まあもちろん最後はめでたしめでたしなのだが、その理由はなかなか難解だ。どうやら、ヘプタポッドの言語は時間軸を超越していて、ルイーズもその影響を受けたようだ。原作の小説「あなたの人生の物語」では、もうちょっと詳しく説明されているようで、ヘプタポッドの言語には光学のフェルマーの原理も関係しているらしい。フェルマーの原理は、最小作用の原理と呼ばれる物理学の原理の一種で、最小作用の原理を使うと力学や電磁気学、相対性理論、量子力学などの諸法則が統一的に記述できるという、非常に深遠な原理だ。
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