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宇宙人とのファースト・コンタクトを描いた映画の代表作と言えば、カール・セーガン原作のSF小説を映画化した「コンタクト」があるが、エイミー・アダムス主演の「メッセージ」もまた、ファースト・コンタクトものだ。世界12カ所にある日突然、巨大な宇宙船が出現、各国政府は調査チームを送り込み、宇宙人との対話を試みる。アメリカの調査チームの中心は言語学者のルイーズ・バンクス(アダムス)と物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)だ。宇宙人は7本の足を持つタコのような姿で、最初のうちはまったく会話が成立しないが、2人は根気強くヘプタポッド(7本の足があることからこう名付けた)との会話を続ける。しかし、意思疎通ができない状態が長く続くと、誤解や疑念を抱く者が現れるのも避けられない。アメリカ軍の一部兵士は暴走し、中国人民解放軍は宇宙船に宣戦布告をしてしまう。果たしてルイーズは、衝突を回避することができるのだろうか? まあもちろん最後はめでたしめでたしなのだが、その理由はなかなか難解だ。どうやら、ヘプタポッドの言語は時間軸を超越していて、ルイーズもその影響を受けたようだ。原作の小説「あなたの人生の物語」では、もうちょっと詳しく説明されているようで、ヘプタポッドの言語には光学のフェルマーの原理も関係しているらしい。フェルマーの原理は、最小作用の原理と呼ばれる物理学の原理の一種で、最小作用の原理を使うと力学や電磁気学、相対性理論、量子力学などの諸法則が統一的に記述できるという、非常に深遠な原理だ。
3代目007ジェームズ・ボンド ロジャー・ムーアが死去したとの報。ムーアは初代ボンド ショーン・コネリーとは違う、エレガントなボンド像を確立した。ボンド映画には最多となる7作品に出演しているが、ムーア・ボンドのキャラクターが定着したのは第3作「私を愛したスパイ」だろう。オープニング・シークエンスでボンドがアルプスからダイブするシーンはシリーズ屈指の名シーンで、ロンドン・オリンピック開会式でも同じようなシーンが再現された。また、第4作「ムーンレイカー」では、パラシュートなしで飛行機からたたき落とされるという大迫力シーンも演じている(もちろん、実際に演じてるのはスタントマンだが)。一方で、ムーア・ボンドはどんなに危機に陥ってもユーモアを忘れない。ムーア・ボンドのキャラクターは、まさにムーア自身のキャラクターだったようだ。ボンド引退後はユニセフ親善大使も務めるなど、ボランティア活動にも熱心だった。今夜は久しぶりに「私を愛したスパイ」を見ようかな。
犯罪都市と化した近未来のデトロイトを舞台に、殉職した警官アレックス・マーフィがロボコップとして蘇り、犯罪者たちと戦う映画「ロボコップ」シリーズ第3作「ロボコップ3」では、ピーター・ウェラーに替わってロバート・ジョン・パークがマーフィー=ロボコップを演じている。デトロイトを牛耳るオムニ社は、デルタ・シティという都市再開発計画を進めていたが、なんと日本企業のカネミツ社に買収されていた。本作が制作されたのは1993年だが、1980年代後半といえば、日本企業がアメリカでハデな買収劇を繰り広げていた時代だ。オムニ社はリハッブという特殊部隊を編成し、住民を強制的に立ち退かせるという悪事を働いていた。ロボコップは、リハッブが住民を排除するのを阻止しようとするが、リハッブの攻撃により大きなダメージを負ってしまう。しかも、ロボコップの前には、カネミツ社の最新アンドロイド オートモが立ちはだかる。リハッブの暴走を止めるため、オムニ社の支配下にあるデトロイト市警の警官たちもバッジを捨て、市民とともに戦うのだった。
タカハシの自動導入赤道儀Temma2シリーズは、PCを接続して赤道儀をコントロールするシステムだが、赤道儀とPCとはケーブルで接続するので、配線がごちゃごちゃするという問題がある。これを無線化できればいいなぁと思うのは自然な流れだが、実はそういう製品がアメリカにはある。SkyFiというのがそれで、タカハシに限らず、市販されているたいていの自動導入赤道儀に対応しているようだ。ただ、オートガイダーやオートフォーカサーを使う場合、これらもPCと接続する必要がある。自動導入だけを無線化しても、あまりメリットはないかもしれない。まあでも少し研究してみよう。
アル・パチーノ&クリストファー・ウォーケン&アラン・アーキン主演の映画「ミッドナイトガイズ」は、3人の老いたギャング仲間が久しぶりに再会し、人生最後のひと暴れを楽しむ物語だ。28年の刑期を終えて刑務所から出所したヴァル(パチーノ)は、ドク(ウォーケン)の出迎えを受けるが、ドクは彼らのボス クラップハンズに、翌朝10時までにヴァルを消すよう命令されていた。ドクはヴァルへの友情から、最後の夜を楽しく過ごさせようとするが、ヴァルはそれを悟ってしまう。そこで2人は、もう1人の仲間ハーシュ(アーキン)を老人ホームから連れ出し、3人で最後のひと暴れを楽しもうとする。盗んだ高級車でパトカーとハデなカーチェイスを繰り広げる3人は心底楽しそうだ。クルマの持ち主であるギャングに拉致されていた女性を助け、懲らしめてやるあたり、いまどきのチンピラギャングとは違うのだ。ハーシュが息を引き取り、ヴァルとドクの2人が残された。どうしてもヴァルを殺す気になれないドク。ドクは行きつけのレストランのウェイトレスであるアレックスに、自分が祖父であることをついに打ち明ける。そして2人は、クラップハンズの事務所にハデに殴り込みをかけるのだった。
ニコラス・ケイジ&ニコール・キッドマン主演の映画「ブレイクアウト」は、森の中の豪邸に押し入った強盗団と、一見平和で何不自由ない生活を送っている3人家族との心理戦を描いた物語だ。ダイヤモンド・ディーラーのカイル・ミラー(ケイジ)は、妻サラ(キッドマン)、ティーンエイジャーの1人娘エイヴリーとの3人暮らし。ある日カイルが帰宅すると、巡回の警官がやってくるが、彼らは4人組の覆面強盗団だった。たちまち危機に陥るミラー家だったが、タフな商売人のカイルは殺されそうになりながらも強盗団との駆け引きに持ち込んでいく。しかし、スーパーヒーローではないので、肉体面はからきし弱い。ときどき逆転のチャンスが訪れるが、ほとんどものにできない。このへなちょこぶりにケイジファンはイライラしちゃうだろう。時間が経つにつれ、4人の強盗団の中でもいろいろな確執があることが明らかになっていく。それだけでなく、カイルとサラの間にも。3人とも何とか死なずにすんだのは、まったくの幸運だったというしかない。映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で帝国軍高級将校オーソン・クレニックを演じるベン・メンデルソーンが、強盗団のリーダーを怪演している。
NASAが先月、2016年のデータをもとにした地球の夜の画像を発表した。このうち日本列島に注目すると、東京、名古屋、大阪周辺がとても明るく輝いているほか、本州・四国・九州は海岸線の形がはっきりわかるほど光の点がつながっている。北海道はというと、札幌や旭川、函館、釧路、苫小牧、帯広などの都市部は明るいが、ぼくの故郷である日高地方は日本でもかなり暗い方だ。ということは、天体写真撮影にとっては好都合ということで、天文ファンとしては恵まれてるなぁと思う。しかし、実際のところ、人口2万人ちょっとの町でも光害は無視できるものではなく、空の3分の1くらいは撮影に使えない。省エネルギー推進のためにも、日常的にもっとライトダウンしてほしいもんだ。
映画「ゴッドファーザー」のジェームズ・カーンとロバート・デュヴァル主演の映画「キラー・エリート」は、CIAから暗殺などを請け負う「コムテグ」という架空の組織を描いた物語だ。マイク・ロッケン(カーン)とジョージ・ハンセン(デュヴァル)はコムテグのエージェントで、今回のミッションも見事に成功させるが、ハンセンは突然裏切り、ロッケンの手足を撃って去ってしまう。ロッケンは医者から、1年経てば歩けるようにはなるが、二度と元には戻らないと宣告され、コムテグからも引退を勧められる。しかし、ハンセンへの復讐に燃えるロッケンは、必死のリハビリに取り組み、第一線に復帰する。ロッケンに与えられたミッションは、ハンセンら殺し屋に狙われる台湾の政治家の保護だった。という話なのだが、途中からなぜかニンジャが出てきたり、ハンセンもわりとあっけなくやられてしまったりする。殺し屋とはいえ、「ゴッドファーザー」とはかなり違う雰囲気だ。
地球は常に脅威にさらされている。小惑星や彗星の衝突、大規模な太陽フレアの発生、近傍での超新星爆発、ガンマ線バーストの発生、ブラックホールの通過、などなど。こうした宇宙規模の脅威に対し、人類はほとんど無力だ。ただし、こんなことが起きるのは人間のタイムスケールで見ればとてもまれなことなので、そんなに心配することではない。ニコラス・ケイジ主演の映画「ノウイング」は、人類がこのような危機に直面する物語だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)の宇宙物理学者ジョン・ケストラー(ケイジ)の1人息子ケイレブが通う小学校では、50年前の創立記念日に埋めたタイムカプセルを掘り起こす行事が行われていた。しかし、ケイレブに渡ったのは、数字が羅列された謎の手紙だった。好奇心からその手紙を調べ始めたジョンは、これが実際に起きた大事件・大事故を予言したものであることに気づく。そしてその最後には、全人類の運命を予言する数字が書かれていた。アーサー・C・クラークの古典的名作「幼年期の終わり」と同じような結末と言えば、わかる人にはわかるだろう。いや〜、実におもしろかった!
エクストリーム・スポーツ界のカリスマ ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)が政府の秘密エージェントとして、テロ組織と戦う映画「トリプルX」は、随所に007映画へのオマージュ(またはパロディ)が盛り込まれたスパイ・アクション映画だ。ケイジは上院議員のシボレー・コルベットを盗み、橋から落として空中で脱出してのけるという凄腕のアスリートだが、アメリカ国家安全保障局(NSA)のオーガスタス・ギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)に捕まり、罪を見逃す代わりにエージェントにさせられてしまう。そして与えられたミッションは、チェコの犯罪組織アナーキー99の調査だった。チェコに飛んだトリプルXはうまく組織に潜入、彼らの狙いを探っていくが、それは世界を揺るがしかねない危険な陰謀だった。とにかく、エクストリーム・スポーツの達人が主役ということなので、アクションシーンはハデですごい。そして美女と秘密兵器というお約束も当然ついてくる。007映画とはひと味違うスパイ映画だ。
ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード主演の映画「スティング」は、1930年代の暗黒街シカゴを舞台に、コンゲーム(信用詐欺)によってギャングの親分をやっつける2人のコンマン(詐欺師)の活躍をコミカルに描いた物語だ。若い詐欺師フッカー(レッドフォード)は、師匠ルーサーとともにある日、男からまんまと多額のキャッシュを巻き上げるが、このカネはシカゴを牛耳るギャング ロネガン(ロバート・ショウ)のカネだった。ロネガンの報復によってルーサーを殺されたフッカーは、ルーサーの友人で伝説的詐欺師であるゴンドーフ(ニューマン)を訪ねる。落ちぶれたゴンドーフだったが、フッカーの熱意に心を動かされたゴンドーフは、コンビを組んでロネガンと対決することを決意する。ゴンドーフらはまず、ロネガンとポーカーで対決、イカサマにはイカサマでロネガンを打ち負かし、本気にさせる。そして、ロネガンを破滅に追いやるための大仕掛けの準備を始める。とにかく、登場する人物は詐欺師ばかりなので、うっかり信じてしまうとすぐに裏切られるという展開が続く。最後まで気を抜かずに見ないと、まんまと出し抜かれる映画だ。