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2017年4月

2017年4月30日 (日)

デビルズ・ノット

 アメリカ アーカンソー州ウェスト・メンフィスで1993年、男児3人が惨殺されるという猟奇的殺人事件が起きた。警察はまもなく3人の未成年者を逮捕、その後の裁判で1人が死刑、2人が終身刑の判決を受けるが、冤罪であるとの見方も強く、3人は18年収監された後に釈放された。コリン・ファース主演の映画「デビルズ・ノット」は、事件の真相を追うノンフィクション小説を原作とした映画だ。犯人とされた3人は地元の問題児で、オカルトとヘヴィメタルに凝っていたということだが、当時このあたりはその種の趣味が流行していたらしい。警察はずさんな捜査で悪魔崇拝者による犯行と決めつけたが、これは一種の集団ヒステリーだったのかもしれない。私立探偵ロン・ラックス(ファース)は警察の捜査に疑問を持ち、最後に被害者の1人の母親から重要な証拠品を受け取るが、結局事件の真相は解明されずに終わる。

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2017年4月29日 (土)

稲荷神社(将門稲荷)

 平将門伝説が残る東金市の稲荷神社(将門稲荷)は、将門が藤原秀郷・平貞盛軍に敗れたとき、7人の家来が将門の遺骸を背負ってこの地に逃げ、将門をまつったと言われているところだ。将門の首塚は千代田区大手町に、胴塚は坂東市にあるので、もしかしたらここに持ち込まれたのは将門本人の遺骸ではなく、一族や有力家臣の遺骸なのかもしれない。

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2017年4月28日 (金)

エリジウム

 マット・デイモン主演の映画「エリジウム」は、ジョディ・フォスターが初めて悪役を演じた映画でもあるそうだ。2154年、世界は一握りの富裕層が住むスペースコロニー「エリジウム」と、大多数の人類が住む荒廃しきった地球とに二分化されていた。前科者のマックス(デイモン)は、ドロイド工場でまじめに働いていたが、事故で多量の放射線を浴び、余命5日と宣告されてしまう。助かるには、エリジウムに侵入し、医療ポッドで治療するしかない。しかし、エリジウムでは、冷酷非情なデラコート防衛庁長官(フォスター)が、ある野望を抱いて地球市民を監視していた。カール・セーガン原作の映画「コンタクト」で天文学者を演じたフォスターとウィリアム・フィクナーが、本作では極悪コンビを組んでいるのがちょっとおもしろい。フォスターの悪役ぶりもなかなか堂に入った演技だ。

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2017年4月27日 (木)

帝立山妙善寺

 東金市には平将門伝説が残っている。将門の乱を描いた「将門記」によると、将門の本拠地はいまの坂東市周辺なのだが、父 良将(良持とも)が佐倉市にいたという話もあるので、東金市にもなんらかのゆかりがあったのだろう。将門伝説が残る一帯は、御門(みかど)、宮(みや)、殿廻(とのまわり)という地名で、新皇(帝)を名乗った将門にいかにもふさわしい感じだ。このうち帝立山(ていりゅうざん)妙善寺は、この地で生まれた将門が母 桔梗のために建てたと言われている。「桔梗」という名の女性は、よそでは将門の妻として登場するのだが、ここでは母ということになっている。いずれにしても、将門の近くに桔梗という名の女性がいたのはほぼ確実なんだろう。

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2017年4月26日 (水)

ロボコップ2

 犯罪都市と化した近未来のデトロイトを舞台に、殉職した警官アレックス・マーフィ(ピーター・ウェラー)がロボコップとして蘇り、犯罪者たちと戦う映画「ロボコップ」シリーズ第2作「ロボコップ2」は、「スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲」と同じアーヴィン・カーシュナー監督作品だ。デトロイトはヌークという麻薬で汚染され、警察はスト、子どもたちまで強盗を働く無法地帯となってしまった。孤軍奮闘するロボコップだったが、ヌークの工場に踏み込んだところ、ギャング団によってバラバラに解体されてしまう。一方、デトロイトを牛耳るオムニ社は、より強力な新型ロボコップの開発を進めていたが、復活したロボコップが倒したギャング団のボス ケインを殺し、ロボコップ2号として蘇らせる。しかし、ロボコップ2号は悪人の脳を利用したため、殺戮マシンと化してしまう。こうして、正義の味方ロボコップと極悪非道のロボコップ2号との戦いが始まるのだった。

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2017年4月25日 (火)

ホンダCRF1000Rアフリカツイン

 世界一過酷なダカール・ラリーは、かつてパリーダカール・ラリー(パリダカ)と呼ばれ、フランスのパリからサハラ砂漠を縦断しセネガルのダカールまで1.2万㎞もの距離を走っていた。この2輪部門で連勝したホンダは1988年、XRV650アフリカツインというレプリカモデルを発表する。アフリカツインはその後排気量が650㏄→750㏄→1000㏄までアップ、オフロードバイクではあるが長距離ツーリングにも適したバイクとなった。このバイクに乗って林道を走ったら最高に楽しいだろうが、シート高が高く、足がつかないかもしれないので、渋滞の多い都内で乗るのは大変そうだ。

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2017年4月24日 (月)

ロボコップ

 犯罪都市と化した近未来のデトロイトを舞台に、殉職した警官アレックス・マーフィ(ピーター・ウェラー)がロボコップとして蘇り、犯罪者たちと戦う映画「ロボコップ」シリーズは、1990年前後に3作品が制作された。デトロイトを牛耳る巨大企業オムニ社は、警察をも傘下に置き、ロボット警官の開発を進めていたが、事故により計画は頓挫しかかる。そんな中、市警に赴任したばかりのマーフィ巡査は、凶悪なギャングたちを追い詰めるも、反撃にあって惨殺されてしまう。これを知ったオムニ社は、マーフィの遺体の一部をロボットに移植、ここにロボコップが誕生する。ロボコップはさっそく犯罪者の取り締まりに大活躍するが、マーフィの生前の記憶が断片的に残っていて、これにときどき悩まされてしまう。そして、生前コンビを組んだアン・ルイスの一言をきっかけに記憶を取り戻したロボコップは、自分を殺したギャングとその黒幕の逮捕に向かうのだった。

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2017年4月23日 (日)

ホンダゴールドウイング

 ホンダのフラッグシップモデル ゴールドウイングのラインアップに去年、ブルーメタリックの新色が加わった。ホンダのイメージカラーはレッドなので、ブルーのバイクというのはあまりないが、このゴールドウイングのブルーは実にいい色だ。いつかゴールドウイングに乗りたいと思っているので、それまでこの色は残していてほしいもんだ。

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2017年4月22日 (土)

ゾディアック

 1970年頃、サンフランシスコ近郊で発生した連続殺人事件「ゾディアック事件」は、犯人が警察や新聞社に犯行声明を送るなど典型的な劇場型犯罪で、世間を大いに震撼させたが、結局は迷宮入りとなった。デヴィッド・フィンチャー監督の映画「ゾディアック」は、このゾディアック事件を描いた物語だ。主に3人の人物の視点で話が進んでいくが、そのうち2人、警察の捜査官トスキと新聞記者エイヴリーを演じているのがアベンジャーズのハルク(マーク・ラファロ)とアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)だ。しかし、この2人のスーパーヒーローも、本作ではいまいち無力で、事件に翻弄され続け、人生まで狂わされてしまう。最後まで事件を追い続けた新聞社の風刺漫画家グレイスミス(ジェイク・ジレンホール)は、地道な調査で真犯人に迫るが、真犯人とされたアーサー・リー・アレンも病死してしまう。実際のゾディアック事件がどうだったのかわからないが、本作は、警察内部でもっと情報共有をしっかりやっていれば迷宮入りにはならなかったんじゃないかというつくりだ。なお、映画「ダーティーハリー」に登場する連続殺人犯のスコルピオのモデルはこのゾディアックだそうで、本作でもトスキが「ダーティーハリー」鑑賞に出かける場面がある。

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2017年4月21日 (金)

国立科学博物館⑤

 国立科学博物館に展示されている南丹隕石は、中国の古い記録によると、1516年、中国南部に落下した隕石の破片だ。9割以上は鉄だが、7%のニッケルと炭素、銅、コバルトなども含まれている。隕石は宇宙空間に漂っていた物質が地球大気に突入し、燃え尽きずに地上まで落下したものだが、その成分は隕石の起源によって違う。地球型惑星や大型の衛星の中心には鉄などでできた金属核があると考えられているので、南丹隕石もそういった星のかけらなのだろう。

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2017年4月20日 (木)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

 今年12月公開予定の映画「スター・ウォーズ」シリーズのエピソード8に当たる「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の初映像がアップされた。絶海の孤島でルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)と出会ったレイ(デイジー・リドリー)は、ルークの指導のもとジェダイの訓練を受けているようだ。何が見える?と聞かれたレイは、「光、闇、バランス」と答えるが、これはアナキン・スカイウォーカーがかつて、フォースにバランスをもたらす者と呼ばれたことを思い起こさせる。やはりレイはスカイウォーカーの血をひく者なのか。そして、ルークの「真実は一つ、ジェダイは滅びる」という言葉。いまはまだこれくらいしか情報がないので、どんな物語かは想像するしかないが、3部作のうちの2作目なので、レジスタンスがファースト・オーダーに打ち負かされながらも、3作目に希望を残すような話になるんじゃないだろうか。昨年末に急死したキャリー・フィッシャー演じるレイア姫も、これが見納めになるのかもしれない。

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2017年4月19日 (水)

国立科学博物館④

 国立科学博物館に展示されている月の石は、人類初の有人月面着陸に成功したアポロ11号と、最後のアポロ17号によって採集されたものだ。アポロ11号が着陸したのは「静かの海」、17号が着陸したのは「タウルス山地」で、それぞれ月面の代表的な地形を選んでいる。月がどうやってできたかは長年論争があったが、有力なのは、かつて地球に他の天体が衝突し、飛び散った物質が集まって形成されたという説だ。余談だが、イギリスのSF作家ジェイムズ・P・ホーガンが書いた「星を継ぐもの」は、月がどのように地球の衛星になったか、人類がどのように地球上に誕生したかをテーマにした小説で、抜群のおもしろさだ。

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2017年4月18日 (火)

SHERLOCK4−3 The Final Problem

 「SHERLOCK」シリーズ4第3話「The Final Problem」は、コナン・ドイルの正典「最後の事件」からタイトル名を借りている。本作は、第2話に登場したマイクロフトとシャーロックのきょうだい、ユーラスを中心に展開し、これまで断片的に描かれたホームズ家の驚くべき秘密が解き明かされていく。正典に登場するヴィクター・トレヴァー、マスグレーヴ、そしてシェリンフォードという名前も使われ、モリアーティの死の謎も判明、「最後の事件」というにふさわしい大団円を迎える。シリーズはこれで完結という見方が強いようだが、正典でも、「最後の事件」でモリアーティとともに死んだと見せかけたホームズが「空き家の冒険」で復活するので、いずれまたシャーロックとジョンの活躍が見られるに違いない。

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2017年4月17日 (月)

国立科学博物館③

 国立科学博物館に展示されている20㎝屈折望遠鏡は、1931年、わが国で初めて作られた本格的な天体望遠鏡だ。いまは地球館地下3階に展示されているが、2005年までは屋上の天文ドームで活躍していた。メーカーは日本光学、現在のニコンで、1917年設立の同社の初期の製品だ。ニコンはその後公共施設を中心に大型望遠鏡を製造、一時はアマチュア向けの小型望遠鏡も販売していたが、現在はアマチュア市場からは撤退してしまった。昨年あたりからは経営難も噂されていて、天文ファンとしてはちょっと心配だが、どうなんだろうか。ニコンは天体観測向きの双眼鏡も製造しているが、先日、60万円以上という思い切った高価格のWXシリーズを発表した。これはいくらなんでも手が出ないが、果たしてこの意欲が吉と出るのか凶と出るのか。

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2017年4月16日 (日)

SHERLOCK4−2 The Lying Detective

 「SHERLOCK」シリーズ4第2話「The Lying Detective」は、コナン・ドイルの正典「瀕死の探偵」を下敷きにした物語だ。今回の悪役カルヴァートン・スミスを演じるのは映画「裏切りのサーカス」でティンカー役を演じたトビー・ジョーンズで、いかにもおどろおどろしい役を怪演している。これに加えてシャーロックもついにドラッグで発狂したか?という展開になるが、シャーロックの行動はスミスよりも先を行っていて、シャーロックは間一髪で事件を解決、悪化していたジョンとの関係も元に戻る。しかし、本当の衝撃はこの後だった。シャーロックともジョンとも接していたある女性がついにその正体を現す。彼女こそ、マイクロフトとシャーロックのきょうだい、ユーラスだったのだ。

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2017年4月15日 (土)

国立科学博物館②

 国立科学博物館にあるトロートン天体望遠鏡は、イギリス トロートン・アンド・シムス社製口径20㎝の屈折望遠鏡だ。明治維新に伴い、幕府天文方は解体、明治新政府の内務省地理局に業務が引き継がれ、このトロートン望遠鏡が導入された。その後港区麻布に東京天文台が設置されると、その主力機として長く活躍する。

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2017年4月14日 (金)

SHERLOCK4−1 The Six Thatchers

 「SHERLOCK」シリーズ3から3年、ついにシリーズ4が放送された。といってもこれは本国イギリスの話で、日本国内で放送されるのはいつになるやら。というわけで、今回もしびれを切らしてイギリス版ブルーレイを買ってしまった。当然英語なのでさっぱりわからないが、例によってWEB上で詳しく解説してくれている人がいるので、映像を見てから解説を読むことにする。第1話「The Six Thatchers」は、コナン・ドイルの正典「六つのナポレオン」を下敷きにしているが、ジョンの妻メアリーに関わる物語だ。メアリーが殺し屋だったのはシーズン3で明らかになったが、ジョンはそれでもメアリーと生きていく道を選んだ。2人には娘ロザムンド・メアリーが生まれ、幸せな日々を送る。しかし、そんなある日、某大臣の息子が不可解な死を遂げるところから、ジョンとメアリーの人生は暗転していく。シャーロックは、イギリス政府やMI6も巻き込んだ陰謀劇の真相を暴くが、そこには悲しい結末が待っていた。

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2017年4月13日 (木)

国立科学博物館①

 上野の国立科学博物館(科博)は、400万点を超える貴重なコレクションを有する日本最高の科学博物館だ。ここには日本館と地球館という2つの建物があり、明治時代にイギリスから輸入された天体望遠鏡などの重要文化財もあるが、まずはやっぱりルーシーに会いに行くのが常道だろう。アウストラロピテクスのルーシーは、アフリカ エチオピアで発見された318万年前の化石人骨につけられた名前で、発見されたときにビートルズの「Lucy in the Sky with Diamonds」が流れていたことからこう名付けられた。ルーシーの種は正確にはアウストラロピテクス・アファレンシスというが、発見された化石から、直立二足歩行を行っていた可能性が高いという。科博にあるのはルーシーの復元模型だが、その姿は、「突然、現代に連れてこられて、非常に驚いている」姿だそうだ。アウストラロピテクス・アファレンシスの体型は男女差が大きかったようで、男性が身長150㎝程度であったのに対し、ルーシーは110㎝くらいしかない。最近の調査結果によれば、あわれなルーシーは高い木から落ちて全身骨折し、川の中で息絶えた可能性が高いという。

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2017年4月12日 (水)

マスク・オブ・ゾロ

 怪傑ゾロは、メキシコがまだスペイン領だった頃、正義の味方として活躍した仮面の剣士だ。カリフォルニア南部はもともとメキシコの領土だったが、アメリカ・メキシコ戦争後アメリカ領土となり、ゴールドラッシュによって急速に発展した歴史がある。そのカリフォルニアで民衆に圧政を敷く総督ラファエル・モンテロに対し、ドン・ディエゴ・デ・ラ・ベガ(アンソニー・ホプキンス)は愛馬トルネードとともにゾロとして民衆のために戦っていたが、モンテロはディエゴ邸を襲撃、妻を殺し、幼い娘エレナを奪い去ってしまう。それから20年後、モンテロは再びカリフォルニアに戻ってきたが、彼の狙いは金鉱山の開発とカリフォルニアの買収だった。それを知ったディエゴは脱獄、かつて出会ったアレハンドロ・ムリエッタ(アントニオ・バンデラス)を、2代目ゾロにすべく鍛え上げる。しかし、問題はディエゴの実の娘エレナが、真相を何も知らず、モンテロを父親だと思い込んでいることだった。アレハンドロとディエゴはスペインの貴族に化けてモンテロに接近、苦戦の末モンテロの野望を粉砕する。リベンジを果たした初代ゾロはエレナに見守られながら死ぬが、アレハンドロは真の父親を知ったエレナと結ばれる。ここに2代目ゾロが誕生したのだ。

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2017年4月11日 (火)

将門記を読む

 10世紀中頃に起きた平将門の乱は、「将門記(しょうもんき)」という書物にその大要が描かれているが、誰がいつ書いたかなどはわからない。また、9世紀末までは日本書紀に始まる正史が編纂されていたが、将門の時代にはこれがなくなり、他の史料も格段に少なくなっている。したがって、将門記に描かれているものが具体的にどんなものだったか、例えば、営所と呼ばれていた施設がどんなものだったか、将門らがどんな武具を身につけていたかなどがほとんどわからないのだ。川尻秋生篇「将門記を読む」は、当時の社会の様子や武具を詳しく考察するなどして、将門記のイメージをより具体化しようという試みだ。また、将門の乱が後世に与えた影響や、全国各地に広がる将門伝説も紹介している。

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2017年4月10日 (月)

ハドソン・ホーク

 ブルース・ウィリス主演の映画「ハドソン・ホーク」は、怪盗ハドソン・ホークことエディ・ホーキンスが、レオナルド・ダ・ヴィンチ発明の黄金製造機によって世界征服を企む悪人の野望を打ち砕くちょっとコミカルな物語だ。10年ぶりに刑務所を仮出所したホークは、カタギの人間になろうと決意していたが、手ぐすね引いて待っていたのはホークに美術品ドロボーをさせようというマフィア連中だった。脅迫されて仕方なく仕事を引き受けたホークだったが、実はホークを利用しようとしていたのはメイフラワーという夫妻で、その狙いは、ダ・ヴィンチの3つの作品に隠されたクリスタルを集め、黄金製造機を稼働させることだった。メイフラワー夫妻に加えてCIA、そして謎の美女アナも入り乱れて大騒動が続くが、アナは実はバチカンのシスターで、メイフラワー夫妻の野望を阻止するために送り込まれたことが明らかになる。ホークは、動き出した黄金製造機をすんでのところで破壊、メイフラワー夫妻を倒し、捕らわれの身となったアナを救出するのだった。ウィリスのみならず、CIA幹部役のジェームズ・コバーンもまた、タフでコミカルな演技を見せてくれる。

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2017年4月 9日 (日)

戦争の日本史4 平将門の乱

 吉川弘文館の「戦争の日本史」シリーズ第4巻は、10世紀中頃に坂東(いまの関東地方)で発生した平将門の乱を取り上げている。著者の川尻秋生は千葉県立中央博物館の学芸員を務めていたことがあるそうで、将門の乱を描いた「将門記」だけでなく、これまであまり登場しなかった他の史料にも注目し、興味深い説を展開している。その一つは、将門の叔父 良文にまつわる話だ。良文は、他のおじたちと違って将門に同情的で、最後は将門に助力しなかったものの、将門と敵対することはなかったという説が多かったように思う。しかし、川尻は、良文がいち早く将門敗死の第一報を伝えたということがある史料の中に記されていて、良文も合戦に参加していたという見方をしている。この結果、将門の領地を良文が受け継ぎ、一大勢力を築いたというのだ。この良文の子孫から千葉氏や上総氏が出て、源頼朝を助け鎌倉幕府の成立につながっていくのだから、将門の乱の意義はやはり大きかったのだろう。

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2017年4月 8日 (土)

死亡遊戯

 ブルース・リーの遺作となった映画「死亡遊戯」は、撮影中に急死したリーに代役を立て、なんとか完成にこぎ着けた映画だ。リーの死因ははっきりしないところがあり、裁判まで開かれたが、結局は死因不明とされたそうだ。リーは人気アクションスター ビリー・ローを演じるが、前半で顔を撃たれ、あとは代役数人がローを演じている。過去のリー作品の映像も流用しているので、見覚えがあるシーンも多い。ローとその恋人である歌手のアン・モリスは、各界のスターを抱える国際組織に独占契約を迫られ、脅迫を受けていた。これを拒否し続けたローは、映画「ドラゴン怒りの鉄拳」のラストシーンの撮影中、組織が差し向けた殺し屋に銃撃されてしまう。一命を取り留めたローは、一計を案じて自分の葬儀を行い、組織を油断させる。危険が迫るモリスを陰で助けながら、ローは組織の壊滅に乗り出すのだった。リーの代役たちもみなアクションスターで、他のリー作品ではスタントマンも務めていたということだが、やはりリー自身のアクションシーンは段違いだなぁという印象だ。32歳という若さで世を去ったのが悔やまれる。

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2017年4月 7日 (金)

龍光院地蔵尊

 柏市岩井の龍光院には、平将門の三女 如蔵尼(にょぞうに)ゆかりの地蔵尊がある。伝説によれば、如蔵尼はこの地に庵を結んでひっそりと暮らしていたが、病気で死に、地獄に落とされた。しかし、如蔵尼自身は善人であったことから、地蔵菩薩が助け、息を吹き返したのだという。将門の死後、弟たちはほとんどが殺され、妻や子どももそれ以前に殺されていたが、運よく生き延びた者もいたのだろう。将門の血は、女系を通じて上総氏や千葉氏、相馬氏などに受け継がれているとされ、現代まで連綿とつながっているのかもしれない。

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2017年4月 6日 (木)

コンドル

 ロバート・レッドフォード主演の映画「コンドル」は、コンドルというコードネームのCIAエージェントが、CIA内部の陰謀に巻き込まれる物語だ。コンドルことジョセフ・ターナー(レッドフォード)が勤務するアメリカ文学史協会は、実はCIAの調査機関の一つで、世界各国の書籍の情報分析を行っていた。ある日、コンドルが職員のランチを買い出しに行くと、3人の殺し屋が現れ、コンドル以外の全員が射殺されてしまう。コンドルはCIA本部に保護を要請するが、そこに現れた男はなんとコンドルを銃撃する。混乱したコンドルは、たまたま居合わせた写真家キャサリン・ヘイル(フェイ・ダナウェイ)を強引に連れ去り、彼女の自宅に逃げ込むが、現代では女性にこんな暴力行為をしたら即刻アウト!だろう。とりあえず落ち着いたコンドルは、ヘイルの助けもあって真相究明に乗り出すが、たどり着いた先はCIA高官だった。CIA内部でひそかに石油戦争を企む者が、コンドルらに計画をかぎつかれたと思い込み、もみ消しを図ったというのが事件の真相だったのだ。そこに現れた殺し屋(マックス・フォン・シドー)はしかし、コンドルではなくCIA高官の方を射殺する。今度の雇い主は別のCIA高官だったのだ。ようやく身の安全を確信したコンドルは、事件をマスコミにリークするが、果たしてコンドルはその後どうなったのだろうか。

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2017年4月 5日 (水)

将門神社

 平将門の本拠地は石井(いわい、現在の坂東市岩井)にあったが、柏市岩井にも将門神社がある。この将門神社は龍光院という寺に隣接し、将門の三女 如蔵尼(にょぞうに)が父の霊をまつったのが始まりだと言われている。如蔵尼と言えば、将門最期の地である坂東市岩井に國王神社を創建し、父の33回忌にあたって将門木像を刻んだとされる人物で、その木像はいまも國王神社のご神体となっている。この地が将門とどのような関係があったのかはわからないが、岩井という地名といい、深い因縁があるのだろう。

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2017年4月 4日 (火)

ソルト

 CIAエージェントが、実はロシアのスパイだった。いわゆる二重スパイというやつだが、映画「ソルト」では、アンジェリーナ・ジョリーが二重スパイ イヴリン・ソルトを演じている。ソルトは幼少時からソ連のスパイ養成機関に鍛えられ、ソ連で事故死したアメリカ人の子どもになりすましてアメリカに入国、CIAのエージェントとなっていた。ある日、スパイ養成機関の指導者オルロフがCIAに出頭、ソルトの尋問に対し、アメリカに潜入したロシアのスパイが、訪米するロシア大統領を暗殺する計画があると明かす。しかも、オルロフは、暗殺者はイヴリン・ソルトであると明言したのだ。CIAに疑われたソルトは、夫マイクの安否を確認するために、隙を見て脱出、CIAに追われる身となる。そして、オルロフの予告どおりソルトはロシア大統領を狙撃、CIAに一度は逮捕されるものの逃走し、オルロフのもとに向かう。夫マイクを処刑したオルロフを殺したソルトだが、アメリカ大統領暗殺という次の計画を遂行するため、ソルトはNATO将校に変装してホワイトハウスに潜入する。ソルトの襲撃によって大混乱に陥るホワイトハウス。しかし、大統領の暗殺を狙う真の暗殺者は、ソルトの上司テッド・ウインターだった。ウインターことニコライ・タルコフスキーは、ソルトと同じスパイ養成機関で訓練を受けたロシアのスパイだったのだ。その事実を知ったソルトはタルコフスキーを倒し、大統領暗殺と核ミサイル発射をギリギリのところで食い止めるのだった。とにかく最後まで、いったいどっちの味方なんだという展開が続く映画だ。それと、ソルトの戦闘能力がこれまたすごく、まるでバッタマン並みだ。

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2017年4月 3日 (月)

桜満開

 皇居乾門(いぬいもん)近くの桜も満開になった。この時期、千鳥ヶ淵など皇居周辺は桜がきれいだ。朝早くだとクルマも人も少ないし。

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2017年4月 2日 (日)

王城の地

 平将門の乱を描いた将門記によると、新皇を名乗り、坂東8カ国を支配下に治めた将門は、下総国(しもうさのくに)の亭南に王城を定めたという。素直に考えれば、これは将門の本拠地である石井(いわい)営所の近く(現在の坂東市岩井周辺)だと思うが、柏市大井にも王城の地とされる場所がある。ここは手賀沼のすぐ南にあり、大井という地名も京の大津になぞらえて大井津と呼んだことが由来だという。本当にここが王城の地であったかどうか、いまとなっては確かめるすべもあまりないだろうが、将門ゆかりの地であることは確かなんだろう。

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2017年4月 1日 (土)

ラストスタンド

 カリフォルニア州知事を退任したアーノルド・シュワルツェネッガーが主演に復帰した映画「ラストスタンド」は、アメリカとメキシコの国境の近くの静かな田舎町ソマートンを舞台に、シュワルツェネッガー演じる老保安官がターミネーターばりの活躍を見せる物語だ。ある夜、FBIが麻薬王ガブリエル・コルテスを移送中、コルテス一味がFBIを襲撃、コルテスは時速400㎞も出るスーパーカーでFBIを振り切ってメキシコに向かう。打つ手がないFBIは、ソマートンの保安官レイ・オーウェンズ(シュワルツェネッガー)に警告するが、FBIの応援も期待できない中、副保安官らも逃げ腰になってしまう。しかし、オーウェンズは、かつてロサンゼルス市警察で活躍したこともある凄腕保安官だった。彼はコルテス逮捕の最後の砦(ラストスタンド)となる決意を固め、副保安官らを鼓舞してコルテス一味に立ち向かう。ここから先はまさにターミネーターばりの活躍で、コルテス一味を木っ端みじんにたたきのめし、やっと駆けつけたFBIにコルテスの身柄を引き渡すのだった。

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