オデッサ・ファイル
ドイツ敗戦後、ナチス残党に対する厳しい戦争犯罪追及が行われたが、一方では彼らの逃亡を支援する秘密組織も存在したそうだ。1974年の映画「オデッサ・ファイル」は、実在の人物である元親衛隊エドゥアルト・ロシュマンを追う西ドイツのジャーナリストの活躍を描いた映画だ。ロシュマンは、ラトビアのリガ強制収容所の所長を務め、その残忍な性格から「リガの屠殺人」と呼ばれていた。ジャーナリストのペーター・ミラー(ジョン・ヴォイト)は、ガス自殺したユダヤ人老人が残した日記を読むうちに、ロシュマンの存在を知り、ロシュマンの正体を突き止めようとする。しかし、ミラーは次々と危ない目にあい、命まで狙われるようになる。どうやら、秘密組織オデッサのメンバーは、別人になりすまし、社会の各界各層に浸透しているようだ。イスラエルの諜報機関モサドの訓練を受けたミラーは、オデッサへの潜入に成功、ロシュマンの正体に迫るのだった。映画「大脱走」でも親衛隊とドイツ軍との微妙な関係が描かれているシーンがあるが、本作でもそういうシーンがあり、それがラストシーンへとつながっていく。