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さんかく座の渦巻銀河M33は、われわれの銀河系やアンドロメダ銀河と同じく局部銀河群に属している。全天で2番目に明るい銀河で、視力がよければ肉眼でも見えると言われている。ちょうど真上の方向から見ているので、なかなか見事な渦巻きの形をしているのがわかる。アンドロメダ銀河が銀河系より大きいのに対し、M33は銀河系より小さいと考えられている。アンドロメダ銀河と銀河系は40億年後には衝突するという説があるが、M33も衝突するという説があり、いずれは一つの巨大な銀河になるのかもしれない。そのとき宇宙に、これを見届ける知的生命体は果たしているのだろうか。
2016年12月25日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出301秒
また1人、「スター・ウォーズ」俳優がこの世を去った。エピソード4〜6でレイア姫を演じ、エピソード7「フォースの覚醒」にも30年ぶりに出演したキャリー・フィッシャーが、60歳の若さで死去したのだ。エピソード4「新たなる希望」に出演したのは20歳の頃で、いかにも気が強いお姫さまという感じだったが、6年後のエピソード6「ジェダイの帰還」では、すっかり大人の女性になっていたのが印象的だ。来年はエピソード8が公開される見込みだが、これがフィッシャー演じるレイア姫の見納めになるのだろうか。Princess Leia, May the Force be with you・・・
毎度おなじみのアンドロメダ銀河だ。肉眼でも見える全天一明るい銀河なので、写真写りも抜群にいい。とてもきれいな渦巻銀河で、われわれの銀河系やさんかく座の渦巻銀河M33などとともに局部銀河群を構成している。銀河系とアンドロメダ銀河はお互いに向かって近づいていて、40億年後には衝突するという説があるが、銀河どうしの衝突というのは実際にけっこう観測されているので、そんなにめずらしいことではないようだ。なお、銀河どうしの衝突といっても、個々の星どうしが衝突するわけではなく、個々の星々は素通りしていくだけだが、重力の影響で銀河の形は大きく変わると考えられている。コンピューターシミュレーションの動画がネット上にあるので、これを見るとわかりやすいだろう。
2016年12月25日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出301秒
四半世紀も愛用したタカハシ スペースボーイ赤道儀だが、自動導入やオートガイダーなどの最新機材には対応していないため、今年はEM−11Temma2Z赤道儀を導入した。これに2007年モデルのSONY VAIOを接続、ステラナビゲータで自動導入システムを組んでいる。オートガイダーはタカハシαーSGR3、ガイド鏡はミニボーグ45EDⅡを使用し、ミニボーグ60ED+キャノンEOS60Daで撮影している。実際の撮影風景はこんな感じだ。ケーブルがちょっと多く、ゴチャゴチャしている。バッテリーは赤道儀・オートガイダー用とヒーター用を別々に使用しているが、赤道儀・オートガイダー用は一晩もたないのがネックだ。寒さも原因だろうか。2晩連続で撮影したが、2晩ともステラナビゲータと赤道儀が応答しなくなり、再起動してセッティングをやり直ししなければならなくなった。同じような時間が経過した後だったので、何か構造的な問題があるのだろうか。まあしかし、自動導入システムはセッティングが決まれば後は楽ちんだ。天頂付近にある天体を撮影する場合、これまでは空気いす状態で構図合わせをしなければならなかったが、自動導入システムならそんな苦労もない。もちろん、カメラのファインダーでは見えないような暗い天体もバッチリだ。
天体写真撮影BGMとして、ユーミン(荒井由実、松任谷由実)は当然はずせない。10代後半から20代の頃はよく聴いたので、今もその頃の曲ばかりだが、まったく色あせることはない。ユーミンの曲には宇宙をテーマにしたものもあって、中でも「ジャコビニ彗星の日」は有名だろう。これは1972年10月9日、ジャコビニ彗星を母天体とするジャコビニ流星群の大出現が予想されたにもかかわらず、大はずれとなったことを題材にした曲だ。流星群の予想というのはとても難しいのだ。また、小松左京原作のSF映画「さよならジュピター」の主題歌「VOYAGER〜日付のない墓標」は、NASAの宇宙探査機ボイジャー1・2号を連想させる、ちょっと宇宙的な曲だ。ボイジャーは今なお宇宙の彼方を飛行し続けていて、もう地球に戻ってくることはない。
冬の北海道の静かな夜、満天の星の下で天体写真撮影をしながら聴くBGMは、やはり美しい曲がいい。サラ・ブライトマンのベストアルバム「DIVA」は、ぼくのお気に入りの1枚だ。ブライトマンの音楽は「クラシカル・クロスオーヴァー」という新しいジャンルに分類されるそうで、「Scarborough Fair」や「A Whiter Shade of Pale」といったポップスの名曲も、ブライトマンが歌うとクラシックのように美しい曲となる。ただ、誰もいない山奥なので、「Phantom of the Opera」はちょっとゾクゾクッとするかも。ブライトマンは宇宙好きなのか、かつて、宇宙旅行を計画したこともあった。
ぼくが天体写真を撮影する場所は、北海道日高地方のとある町の山奥だが、クマ対策のためいつもラジオや音楽をかけている。特に夏はホントにクマ出没の心配があるため、どちらかというとにぎやかな曲をかけるが、冬はその心配がないため、静かな曲をかけることが多い。エンヤのベストアルバム「Paint the Sky with Stars」は、タイトルからして天体写真撮影BGMにぴったりで、満天の星の下で聴く透明感あふれるヴォーカルは最高だ。ただ、「Orinoco Flow」を聴くとときどき映画「ドラゴン・タトゥーの女」の拷問シーンを思い出してしまうのがちょっと難点だ。デヴィッド・フィンチャー監督はなんであんな選曲したんだろうか。
タカハシ純正のオートガイダーαーSGR3は、専用の制御ソフトをWindowsパソコンにインストールして運用する。制御ソフトを製造しているのは長野県のダイイチという会社だ。メインウインドウはこんな感じで、α-SGR3をパソコンに接続してガイド鏡を空に向けると、ガイド星モニタに星が表示される。あとはキャリブレーション(自己学習)という作業をやって(キャリブレーションボタンを押すと勝手にやってくれる)、ガイド星モニタの中心にガイド星が移動してロックオンすれば自動ガイド開始だ。なんとまあ便利な。もちろん、各種パラメータも詳しく設定することができる。また、α-SGR3はキャノンとニコンのデジタルカメラも制御可能で、撮影直前のミラーアップもちゃんとできる。使いこなせればとっても便利だろう。
星雲星団銀河のクローズアップ写真を撮影するには、赤道儀の極軸を厳密に合わせることが必要だが、焦点距離が長くなるほど、星を点像に写すことが難しくなる。赤道儀の剛性やピリオディックモーションなど機械精度の問題、さらには地球大気によって光が屈折する大気差などが無視できなくなってくるのだ。焦点距離が短ければ、モータードライブを回しておけばいいだけなのだが、焦点距離が長い場合は、オートガイダーという装置を使う必要が出てくる。オートガイダーはCCDやCMOSカメラを内蔵し、赤道儀とパソコンに接続(パソコン不要のスタンドアロンタイプもある)することによってガイド星を追尾、微妙なズレを自動的に修正してくれる、なんとも便利な装置だ。オートガイダーは各社からいろいろな製品が出ているが、ぼくはタカハシ純正のαーSGR3を選んだ。サイズは7㎝くらいで重さは250g、非常にコンパクトだ。
映画「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」は、エピソード4「新たなる希望」の直前、帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図をいかにして盗み出したかを描いた物語だ。本編ではないスピンオフだが、最新の映像技術もあって、本編に勝るとも劣らないおもしろさだ。これぞ「スター・ウォーズ」映画と言うべき、旧3部作からのファンにとっては、涙ものの映画だろう。ローグ・ワンには、ジェダイのように強いフォースを持つ人間はいないが、ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)をはじめとする個性あふれるならず者たちが心を一つにして帝国軍と戦い、不可能なミッションに立ち向かう。驚きなのは、ターキン総督として今は亡きピーター・カッシングが登場していることで、エピソード4では割とあっけなく死んでしまったターキン総督の冷酷無比な活躍ぶりを見ることができる。もちろん、ダース・ヴェイダーもシスの暗黒卿としてバリバリの全盛期であり、反乱同盟軍の戦士たちをバッタバッタと斬り捨てる姿は、シリーズ屈指の恐ろしさだ。これはもう、絶対に見逃してはならない映画だろう。もう1回観に行こうっと。
ロバート・デ・ニーロ主演の映画「タクシードライバー」は、アメリカン・ニューシネマの代表的作品の一つに位置づけられる映画だ。ベトナム帰りの元海兵隊員トラヴィス・ビックル(デ・ニーロ)は、不眠症に悩まされていて、タクシードライバーとして深夜のニューヨークを流す日々を送る。夜の街はすっかり汚れきっていて、すさんだ連中ばかり見ているビックルの心の中では、歪んだ正義感がどんどん膨らんでいく。その歪んだ正義感が狂気へと変わったとき、ついにビックルは行動を起こす。ピストルを手に入れ、肉体を強化することで、自ら街を浄化しようというのだ。ビックルが鏡に向かい、「オレに向かって話してるんだろう?」というシーンは、まさに狂気に満ちている。そしてビックルはモヒカンとサングラスで変身、次期大統領候補を射殺しようとして失敗するも、アイリス(ジョディ・フォスター)という少女を食い物にするチンピラたちを射殺する。アイリスを救い、英雄に祭り上げられたビックルは、タクシードライバーとして夜の街を流す生活に戻るのだった。ちなみに、本作はアメカジファンにも人気の映画だ。デ・ニーロが着用するM65フィールドジャケットはアメリカ軍の傑作ミリタリージャケットの一つで、高倉健も映画「駅 STATION」の中で着用している。
古墳といえば仁徳天皇陵のような巨大な天皇陵、したがって主に近畿地方にあるように思うかもしれないが、実際には関東にもけっこうあり、数では千葉県が兵庫県に次いで全国第2位なのだそうだ。東京都内にもかつてはたくさんあったようだが、都市開発によってかなりの古墳が消滅したのではないか。「関東 古墳探訪ベストガイド」は、今も残る東京都内の古墳22カ所をはじめとして、関東地方の60カ所の古墳を紹介しているので、古墳めぐりのガイドにいいだろう。
アル・パチーノ主演の映画「インソムニア」は、少女殺人事件の応援で白夜のアラスカに派遣されたロス市警の刑事ウィル・ドーマー(パチーノ)が、不眠症によって人生を狂わされていく物語だ。ドーマーは経験豊富で数々の実績も挙げているが、過去の不正な捜査が問題視され、内務監察部の調査を受けていた。一緒に派遣されたハップ・エッカートは、ドーマーに不利な証言をするつもりであり、2人の確執は高まっていた。そんな中、ドーマーは少女殺人事件の犯人をおびき寄せるために罠を仕掛け、犯人を山小屋に追い詰めるが、深い霧の中、誤ってエッカートを射殺してしまう。ドーマーはその事実を隠すが、これを目撃した犯人ウォルター・フィンチ(ロビン・ウィリアムズ)から取引を持ちかけられる。白夜とエッカート誤射で不眠症に陥ったドーマーは、フィンチからの揺さぶりもあって、精神的にどんどん追い詰められていくのだった。ドーマーと行動をともにし、その捜査手法を学んだ地元警察のエリー・バー(ヒラリー・スワンク)がエッカート射殺の真相に気づいたとき、ドーマーとフィンチは互いの人生に終止符を打つのだった。
いよいよ今週、映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開される。エピソード3「シスの復讐」で銀河共和国は解体、シスの暗黒卿ダース・シディアスことパルパティーンが銀河帝国の皇帝となり、ダース・ヴェイダーを手先として強大な軍事力による恐怖政治を推し進める。これに対し、共和国再建をめざす勢力は反乱同盟軍を結成、エピソード4「新たなる希望」では、ルーク・スカイウォーカーらの活躍によって帝国軍の究極兵器デス・スターを破壊することに成功する。エピソード4は、デス・スターの設計図を盗み出した反乱同盟軍の指導者レイア・オーガナの乗るタンティブⅣが、惑星タトゥイーン上空でダース・ヴェイダーの乗るインペリアル・スター・デストロイヤーに拿捕されるシーンで始まるが、「ローグ・ワン」はまさにそのデス・スターの設計図をいかにして盗み出したかが描かれているそうだ。同じくエピソード4で反乱同盟軍の指導者モン・モスマが、設計図を入手するため多くの犠牲を払ったと言うシーンがあるが、それが「ローグ・ワン」の物語だということだろう。
いよいよ今週、映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開される。「ローグ・ワン」はエピソード4「新たなる希望」の直前の物語で、反乱軍がいかにしてデス・スターの設計図を盗み出したかを描いているそうだ。古いファンにとっては、エピソード7「フォースの覚醒」よりも「ローグ・ワン」の方が興味深いかもしれない。これに先立って、エピソード3と4の間の時代を描くスピンオフアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン3も始まった。主人公エズラ・ブリッジャーは17歳となり、フォースも高まったようだが、向こう見ずな性格にも一段と拍車がかかり、ダークサイドに誘惑されそうな感じもある。帝国軍には新たにスローン大提督が登場、反乱軍の徹底鎮圧に乗り出すことになった。「反乱者たち」がどう「ローグ・ワン」につながるのか、エズラらの運命はどうなるのか、またしばらく楽しめそうだ。
ロバート・デ・ニーロ主演の映画「カジノ」は、1970年代のラスベガスの、いま話題のカジノが物語の舞台だ。エースことサム・ロススティーン(デ・ニーロ)は、シカゴを追われてラスベガスにやってくるが、ギャングのボスたちに気に入られ、カジノ「タンジール」を任される。ロススティーンは冷静沈着なプロのギャンブラーで、カジノの本質を知り尽くしていたのだ。ロススティーンは客を呼ぶためにハデな仕掛けを次々と発案、タンジールはたちまち大繁盛するようになる。得意の絶頂にあったロススティーンは店に来ていたジンジャー(シャロン・ストーン)に一目ぼれし、まもなく2人は結婚するが、幸せは長くは続かなかった。ジンジャーに加えて、ロススティーンの幼なじみで用心棒のニッキー(ジョー・ペシ)が次々とトラブルを起こすようになったのだ。ニッキーは殺され、ロススティーンも命を狙われるが、ロススティーンはすべてを失いながらもなんとか生き延びた。ロススティーンが言うとおり、「客に勝ち目はない」のがカジノなのだろう 。
レイ・リオッタ&ロバート・デ・ニーロ主演の映画「グッドフェローズ」は、ニューヨークのマフィア組織で実際にあった話を映画化した物語だ。アイルランド系のヘンリー・ヒル(リオッタ)は、子どもの頃からワイズガイ(マフィアの構成員)に憧れていて、11歳でマフィアの仲間入りした。最初は使いっ走りだったが、ジミー・コンウェイ(デ・ニーロ)らとともにあらゆる犯罪に手を染め、次第に頭角を現していく。刑務所暮らしも経験し、すっかり風格を身につけたヒルやコンウェイは、ついには600万ドルの現金強奪事件まで成功させるが、ここから彼らの転落が始まる。若い頃から信頼関係で結ばれていたはずの仲間たちが、裏切りによって次々と消されてしまうのだ。身の危険を感じたヒルは、当局と司法取引し、コンウェイらを売ってしまう。義理も人情もない、まさに仁義なき世界だ。
J・K・ローリングの新シリーズ「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、「ハリー・ポッター」シリーズと共通の世界観ながら、70年前、1926年のニューヨークが舞台だ。魔法動物をこよなく愛するちょっと変わり者の魔法使いニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が、世界中を旅して集めた魔法動物をトランクに詰め込み、ニューヨークにやって来るが、アクシデントで魔法動物が逃げ出し、大混乱を引き起こしてしまう。「ハリー・ポッター」シリーズはイギリスが舞台だが、アメリカにも魔法使いはたくさんいて、イギリスの魔法省に相当する役所MACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)なんてのもある。ちなみに、イギリスでマグルと呼ぶ普通の人間は、アメリカではノーマジと呼ぶのだそうだ。ニュートはMACUSAの捜査官だったティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)やその魅力的な妹クイニー(アリソン・スドル)、そしてノーマジのジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)らとともに逃げた魔法動物を追うが、時を同じくして、MACUSAの中ではおそるべき陰謀が進行していた。本作はシリーズ全5作の第1弾ということで、またしばらく楽しめそうだ。
2017年は金環日食と皆既日食が1回ずつある。2月26日の金環日食はアフリカで、8月22日の皆既日食はアメリカで見られる。8月8日には部分月食があるが、東京での最大食分は25%くらいだ。7月25日と9月19日には細く欠けた月が水星を隠す水星食がある。1〜2月は金星が宵の明星として夕空に明るく輝いている。おうし座の1等星アルデバランは、月の通り道にあるため、ときどき月に隠されるが、このアルデバランの星食は1月9日、4月1日、10月10日の3回ある。しし座のレグルスが月に隠される星食も11月12日にある。ペルセウス座流星群は8月13日明け方に極大を迎えるが、残念ながら月が明るく条件は悪い。2013年にアイソン彗星が大彗星になると期待されたが、太陽最接近の際に消滅してしまった。大彗星はいつ現れるかわからないが、そろそろ現れてほしいもんだ。
ミステリーの女王アガサ・クリスティが生み出したエルキュール・ポアロは、シャーロック・ホームズに次いで有名な探偵だろう。ベルギーの警察官出身で、ルックスやキャラクターは滑稽だが、鋭い推理力で難事件を見事に解決する。そのポアロが登場する映画「オリエント急行殺人事件」は、パリとイスタンブールとを結ぶオリエント急行を舞台に、アメリカ人富豪殺人事件の解決に挑む物語だ。冒頭に登場するアームストロング事件は、実際にアメリカで起きたリンドバーグ愛児誘拐事件にヒントを得たものだそうで、これが事件の重大な鍵を握る。映画の大半はポアロが乗客の話を聞くシーンばかりで、みな事件には関係なさそうなのだが、ポアロはちょっとした糸口を見つけて、驚くべき真相を明らかにする。まあ真相は有名だろうから、今さらネタバレしても問題ないだろうが、真犯人は1等車の乗客12人全員だった。アームストロング家と関係のある人間が集まって、アームストロング事件の犯人であるアメリカ人富豪に裁きを下したのだ。本作の3年前に007ジェームズ・ボンドを引退したショーン・コネリーがイギリスの軍人役で出演しているが、007「ロシアより愛をこめて」でもオリエント急行が重要な舞台となっている。
マーベルコミックの「デアデビル」は、昼は弁護士、夜は凶悪犯罪者と戦うスーパーヒーローだ。マット・マードック(ベン・アフレック)は幼い頃に事故で両目を失明したが、その代わりに聴覚をはじめとして超人的な能力を獲得する。ボクサーだった父を殺されたマットは、さまざまな格闘技を身につけるが、勉学も優秀で、大学を卒業して弁護士となる。マットが弁護士になったのは、強い正義感ゆえのことだったが、法律がときには犯罪者を守る壁になることを思い知ったマットは、デアデビルとして犯罪者に立ち向かうようになる。そんなある日、マットは大富豪の娘エレクトラ・ナチオス(ジェニファー・ガーナー)と運命的な出会いを果たす。スーパーヒーロー デアデビルとして活動するマットだが、美女に弱いところは普通の男だ。しかし、エレクトラとその父ナチオスには、悲劇が待っていた。ニューヨークの裏社会を牛耳るキングピンや殺し屋ブルズアイが、ナチオス父娘を亡き者にしようとしたのだ。当然これに立ち向かうデアデビルだったが、エレクトラに父親殺害の犯人と間違われたばかりか、目の前でエレクトラを殺されてしまう。悲しみを乗り越え、手負いのままキングピンやブルズアイと戦ったデアデビルは、苦戦の末2人に正義の鉄槌を下すのだった。