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2016年11月

2016年11月30日 (水)

塚原古墳群

 多摩市の大栗川両岸に分布する和田古墳群のうち塚原(つかっぱら)古墳群は、江戸時代の書物によると40〜50基あったということだが、実際に確認されたのは10基で、現在も墳丘が残るのはわずか1基だけだ。このうち1号墳は個人宅の庭にあるが、外からもよく見えるので、写真を撮らせてもらった。個人でこういう文化財を保存するのもなかなか大変だろうが、やっぱり貴重な文化財なので、これからも保存し続けてほしいもんだ。

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2016年11月29日 (火)

ショーシャンクの空に

 映画「ショーシャンクの空に」は、無実の罪であるにもかかわらず、終身刑の判決を受け、ショーシャンク刑務所に投獄された有能な銀行員アンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンス)が、決して希望を捨てず、20年もの年月をかけて再び自由を手にする物語だ。デュフレーンの罪状は妻とその愛人を射殺したというものだが、デュフレーンは誤解を招く行動を取ったことと、運悪く自分の無罪を立証できなかったことで、ショーシャンク刑務所に収監されてしまう。この刑務所の所長や刑務官がまた受刑者以上にワルなのだが、有能な銀行員だったデュフレーンは、所長や刑務官に節税や資産運用のアドバイスをするうちに一目置かれる存在となり、所長の汚職と不正蓄財に手を貸すまでになる。また、他の受刑者とも打ち解け、もう20年も服役しているレッド(モーガン・フリーマン)とは、親友とも呼べるような関係になっていく。その後も山あり谷ありの服役生活が続き、デュフレーンの冤罪が証明される一歩手前までいくが、そのカギを握る受刑者トミーが殺され、デュフレーンは失意のどん底に陥る(ように見える)。その夜はレッドさえもデュフレーンの自殺を心配するが、専門知識を活かした長期的戦略と気の遠くなるような地道な仕事の積み重ね、そして最後まで希望を捨てない強い精神力で、デュフレーンは鮮やかな逆転劇を演じるのだった。希望なんか捨てろと、ダンテの神曲みたいなことを言ってたレッドも、40年の服役生活の後に仮釈放されてデュフレーンに再会、喜びのうちに物語は大団円を迎える。

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2016年11月28日 (月)

庚申塚古墳

 多摩市の大栗川両岸に分布する和田古墳群は、多くが古墳時代後期(6〜7世紀)に築造された古墳だが、ほとんどは墳丘が削られて姿を消し、墳丘が残るのはごくわずかだという。このうち庚申塚(こうしんづか)古墳は直径10mの円墳だと考えられていて、住宅地の一角にポツンと残されている。発掘調査も行われていないので、詳細は不明だが、いつか詳しく調べてほしいもんだ。

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2016年11月27日 (日)

稲荷塚古墳

 多摩市の大栗川両岸に分布する和田古墳群のうち、代表的なのが稲荷塚古墳だ。7世紀前半に築造されたと考えられるが、全国でも珍しい八角形墳だ。墳丘の直径は34mで、現在は埋め戻されたが全長7mの横穴式石室があり、その模型はパルテノン多摩の歴史ミュージアムに展示されている。7世紀に築造された都内の古墳としては八王子市の北大谷古墳に次ぐ大きな古墳で、被葬者はかなりの有力者だったのだろう。

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2016年11月26日 (土)

パルテノン多摩 歴史ミュージアム

 多摩市のパルテノン多摩には、多摩丘陵の歴史を展示した歴史ミュージアムがある。多摩丘陵に人が住み始めたのは旧石器時代で、多くの縄文人でにぎわった?縄文時代を経て、多摩ニュータウンとして生まれ変わった20世紀後半に至るまでの多摩丘陵の歴史がコンパクトにまとめられている。この日は縄文遺跡よりも古墳めぐりが目的だったが、パルテノン多摩の北を流れる大栗川両岸には、和田古墳群と呼ばれる古墳群がある。

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2016年11月25日 (金)

アルゴ

 1979年、イラン革命によって国外に亡命したパーレビ国王をアメリカが受け入れたことにより、これに反発した学生らが在イラン・アメリカ大使館を占拠し、大使館員ら52人を人質にするという事件が発生した。このとき、すんでのところで6人が大使館から脱出し、カナダ大使公邸に逃げ込んだ。このピンチにCIAはカナダ政府の協力のもと、「アルゴ」という架空の映画を制作するという名目で、6人をそのカナダ人スタッフに変装させ、イランを脱出するという奇想天外な作戦を実行する。ベン・アフレック主演の映画「アルゴ」は、「カナダの策謀」と呼ばれたその作戦を映画化したもので、当時の映像を織り交ぜながら臨場感ある映像に仕上げている。ちなみに、劇中の映画「アルゴ」は、当時公開されたばかりの「スター・ウォーズ」のようなSF作品で、チューバッカに似たクリーチャーも登場していた。作戦は無事成功し、人質となった大使館員も444日後には解放されるが、CIAの関与が明らかにされたのは1997年だったそうだ。

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2016年11月24日 (木)

東京都埋蔵文化財センター遺跡庭園「縄文の村」

 多摩市の東京都埋蔵文化財センターに隣接する「縄文の村」は、多摩ニュータウンNo.57遺跡に盛り土した上でトチノキ、クルミ、クリなど50種類以上の樹木を植栽し、当時の植生を再現した庭園だ。庭園内には縄文時代の竪穴住宅が3棟復元されていて、この時期は住居内でたき火をやっている。そんなに広い庭園ではないが、縄文時代の雰囲気は味わえる。すぐそばには高層マンションやサンリオピューロランドがあり、何千年もの時を隔てたギャップもまたおもしろい。

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2016年11月23日 (水)

東京都埋蔵文化財センター

 多摩市の多摩ニュータウンには縄文時代に多くの縄文人が定住していたようで、土器や石器などがたくさん出土している。これらを収蔵し、展示しているのが多摩センター駅すぐそばにある東京都埋蔵文化財センターだ。最近では、多摩ニュータウン遺跡だけでなく、都内の他の遺跡の発掘調査も行っていて、その成果も展示している。多摩ニュータウン遺跡を詳しく調査したところによると、遺跡の多くは縄文時代中期までのもので、後期になると急激に減少するという。縄文時代後期後半、人びとがいっせいに姿を消したらしいのだ。稲作が始まり、もっとよい土地に人々が移住したということだろうか。東京都埋蔵文化財センターに隣接する「縄文の村」には、縄文時代の復元住宅もある。

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2016年11月22日 (火)

フェイク

 FBI捜査官ジョー・ピストーネは、ドニー・ブラスコという偽名で6年間もマフィアに潜入し、マフィアの大量摘発に貢献した人物だが、ピストーネの手記を映画化したのが、アル・パチーノとジョニー・デップ主演の映画「フェイク」だ。ピストーネ(デップ)はマフィアに潜入するため、ワイズガイ(構成員)の1人レフティー(パチーノ)に接近する。うまくレフティーに気に入られたピストーネはドニー・ブラスコと名乗り、レフティーとともに活動していく中で、ワイズガイとして存在感を増していく。しかし、家庭を抱えるピストーネのストレスは次第に耐え難いものとなり、レフティーへの友情と任務との間で激しく葛藤するようになってしまう。ドニーとしてのピストーネの任務が終わるとき、2人の関係も終焉を迎えるのだった。映画「ゴッドファーザー」で冷酷なドン マイケル・コルレオーネを演じたパチーノだが、本作で演じたレフティーはちょっとうだつの上がらない、しかし根は善人のマフィアだ。そんなレフティーだったからこそ、ピストーネも情が移ってしまったんだろう。

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2016年11月21日 (月)

内裏塚古墳群⑧ 稲荷山古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち稲荷山古墳は、墳丘長106mの前方後円墳だ。現在は地面に埋まっているが、かつては二重の周溝を持っていて、全長は202mもあったという。これは6世紀の古墳の中では東日本最大で、同じ時期に築造された行田市の将軍山古墳とよく似ているという。しかも、将軍山古墳の石室には富津市周辺で産出される石が使われていたというので、両者はかなり関係が深いのだろう。地元の人によると、マムシがうじゃうじゃいるので要注意だ。

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2016年11月20日 (日)

内裏塚古墳群⑦ 割見塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち割見塚(わりみづか)古墳は、古墳群中最大の方墳で、墳丘の一辺は40m、二重の周溝を含めると一辺107mになるという。割見塚古墳は房総では第4位の墳丘長だが、石室の規模は千葉県下最大で、外見より中身で勝負といった古墳だ。築造は7世紀前半で、内裏塚古墳群の中でも最後の方にできたようだ。

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2016年11月19日 (土)

内裏塚古墳群⑥ 蕨塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち蕨塚(わらびづか)古墳は、墳丘長48mの小型の前方後円墳だ。しかし、発掘調査では人骨12体がみつかったそうで、小さいわりには埋葬者が多い。三条塚古墳と同時期に築造されたということなので、蕨塚古墳の被葬者は三条塚古墳の被葬者の一族郎党だったのだろうか。

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2016年11月18日 (金)

内裏塚古墳群⑤ 三条塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち三条塚古墳は、墳丘長122m、二重周溝全長193mの前方後円墳だ。6世紀末の築造ということだが、当時としては東日本最大の規模だったという。江戸時代にはここに飯野藩の藩庁である飯野陣屋があったが、三条塚古墳の外堀の一部はそのまま飯野陣屋の壕に利用されている。発掘調査では3体分の人骨がみつかったそうだが、規模からいってかなり大きな勢力を持つ豪族の墓だったのだろう。

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2016年11月17日 (木)

内裏塚古墳群④ 亀塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち亀塚古墳は、割見塚古墳に次いで2番目に大きい方墳で、墳丘の一辺は38m、二重の周溝を含めると一辺99mになるという。江戸時代になるが、すぐそばには飯野藩の藩庁である飯野陣屋が置かれたため、一部が削られているそうだ。亀塚古墳は7世紀前半の築造であり、古代も江戸時代も権力者がいた場所ということだろう。

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2016年11月16日 (水)

インデペンデンス・デイ リサージェンス

 1996年のヒット作「インデペンデンス・デイ」から20年後、再びエイリアンが地球に襲来し、人類滅亡の危機に陥る物語が映画「インデペンデンス・デイ リサージェンス」だ。人類はエイリアンが20年前に残した宇宙船のテクノロジーを活用し、太陽系の各惑星に基地を建設するなど、劇的な進歩を遂げていた。そんなある日、エイリアンの巨大宇宙船が再び地球にやってくる。人類のテクノロジーは劇的に進歩していたが、エイリアンにはまったくかなわず、あっという間にやられてしまう。絶体絶命のピンチに陥った人類だが、前作同様、科学者のデイヴィッド・レヴィンソン(ジェフ・ゴールドブラム)やホイットモア元大統領(ビル・プルマン)らが、間違って攻撃した別のエイリアンの助けも得て、人類を滅亡させようとするエイリアンに立ち向かう。エイリアンのテクノロジーのすごいところは、重力を自在に操ることだ。ロケットの打ち上げはほとんどが重力との戦いだが、もし地球の重力を弱くすることができれば、打ち上げは劇的に簡単になる。もちろん、そんなことは自然法則が許さないが。20年前にエイリアンに殺されたと思われたオーキン博士が昏睡状態から目覚め、前回より活躍するが、これを演じるのは「新スタートレック」シリーズでアンドロイドのデータ少佐を演じたブレント・スパイナーだ。

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2016年11月15日 (火)

内裏塚古墳群③ 九条塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群のうち九条塚古墳は、墳丘長103mの前方後円墳だ。5世紀中頃の築造である内裏塚古墳よりも1世紀くらい後の古墳で、5世紀末にいったん古墳築造が途絶えた後、九条塚古墳の築造をきっかけに半世紀ぶりに古墳築造が盛んになったようだ。この頃の古墳は、高さは低くなるものの、広がりは大きくなる傾向にあるという。その間、この地域を治める首長も入れ替わりがあったのだろうか。

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2016年11月14日 (月)

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

 元アメリカ陸軍憲兵隊捜査官ジャック・リーチャーは、今は流れ者としてアメリカ中を放浪しているが、頭脳明晰で高い戦闘能力を持つ男だ。このリーチャーが活躍する小説「ジャック・リーチャー」シリーズを、トム・クルーズ主演で映画化した第2作「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」は、リーチャーがアメリカ陸軍上層部による巨大な陰謀と戦う物語だ。リーチャーはある日、ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)と面会するためにオフィスを訪れるが、彼女はその直前に国家反逆罪で逮捕される。ターナー少佐の無実を信じるリーチャーは、彼女を脱獄させ、正体不明の殺し屋に追われながら事件の真相解明に取り組む。前作同様、激しい格闘シーンが続くが、54歳になるクルーズが年齢をものともせずにこれを演じている。屋根から落ちたときはさすがにキツそうだったが(普通は死んでます)。それにしても、最近の映画は、組織のトップが裏切ることが多いような気がするなぁ。みんな給料に不満でもあるのだろうか。

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2016年11月13日 (日)

内裏塚古墳群② 内裏塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には点在する内裏塚(だいりづか)古墳群を代表する内裏塚古墳は、南関東最大の規模を誇る墳丘長144mの前方後円墳だ。築造時期は5世紀中頃と推定され、内裏塚古墳群の中では最初に築造された古墳だという。学術調査も何度か行われていて、石室が2つあったことが確認されている。人骨のほか、副葬品の中には朝鮮半島製の金具もあったそうだ。地上から見るとちょっとした山というか林だが、上空から見るときれいな前方後円墳の形がわかる。

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2016年11月12日 (土)

レ・ミゼラブル

 ヴィクトル・ユーゴーの名作「レ・ミゼラブル」は、誰でも子どもの頃に読んだことのある物語だろう。ぼくも小学生のときに「ああ無情」という日本語訳を読み、確か中学生のときに文庫本全5巻を読んだ記憶がある。貧しいジャン・ヴァルジャンがたった1本のパンを盗んだことがきっかけで19年も監獄で重労働を強いられ、出獄後は真人間になるものの、不幸のどん底で死んでいったファンティーヌから引き取ったコゼットとともに、冷酷なジャヴェール警部に追われ続けるという物語だ。1998年の映画「レ・ミゼラブル」は、リーアム・ニーソン(ヴァルジャン)、ジェフリー・ラッシュ(ジャヴェール)、ユマ・サーマン(ファンティーヌ)らの俳優陣で映画化した作品だが、何せ原作は長〜い大河小説なので、本作ではジャヴェール警部が自ら死を選ぶ場面までを描いている。だいぶ昔に読んだので内容はほとんど忘れていたが、断片的に思い出す場面もあった。ジャヴェール警部の最期も忘れてたが、自ら川に身投げするんだったか。法の番人を自認していたジャヴェール警部は、法が絶対ではないことを痛感し、それに厳格に従ってきた自らの人生を清算したかったということらしい。本作はここで終わっているが、原作ではヴァルジャンの不幸はまだ続く。彼が真に幸福感に包まれるのは、人生最後の瞬間だった。

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2016年11月11日 (金)

内裏塚古墳群① 上野塚古墳

 富津市の北部、小糸川河口付近の低地には内裏塚(だいりづか)古墳群が点在している。現在までに確認されているのは前方後円墳11基、方墳7基、円墳29基の計47基で、そのうち25基が現存しているという。古墳群が造られた時期は古墳時代中期〜終末期(5〜7世紀)で、小糸川流域一帯を統括した首長層(須恵国造)とその一族の墓だと考えられている。このうち上野塚(うわのづか)古墳はJR青堀駅のすぐそばにある、墳丘長44.5mの前方後円墳だが、一部は削られていて、完全な形では残っていない。

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2016年11月10日 (木)

パワー・ゲーム

 出世欲がたたって不始末をしでかした若造が、最後はハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンという両巨頭を手玉に取ってしまう映画「パワー・ゲーム」は、巨大IT企業間の産業スパイの暗躍を描いた物語だ。ワイアット社に勤めるアダム・キャシディ(リアム・ヘムズワース)は、ニコラス・ワイアット(オールドマン)のワイアット社をクビになるが、会社の経費を使い込みしたのがバレてしまう。ワイアットはこれを見逃す代わりに、産業スパイとしてライバル会社アイコン社に潜入するよう命じる。アイコン社を率いるジョック・ゴダード(フォード)はかつてワイアットの共同経営者で、2人には強い確執があった。キャシディは豪華なアパートや高級服を与えられ、はじめは上流階級の仲間入りしたと喜んでいたが、次第に自分が危険な立場に置かれたことに気づいていく。2人に利用されたことを思い知ったキャシディは、自分が逮捕されることも覚悟の上で、捨て身の姿勢で臨むしかなかった。出世欲のあまり地に足のつかないキャシディに対し、父親は実直な労働者で、これをリチャード・ドレイファスが演じている。

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2016年11月 9日 (水)

その女諜報員アレックス

 ボンドガールのオルガ・キュリレンコ主演の映画「その女諜報員アレックス」は、イスラエル諜報部(モサド)の凄腕エージェントだったアレックス・ファラディ(キュリレンコ)とアメリカ有力政治家につながる殺しのプロたちとの戦いを描いた映画だ。アレックスは現在はフリーだが、かつての恋人ケヴィン・フラーに誘われて銀行強盗に加わる。未熟なメンバーのせいでアレックスの顔が目撃されるというミスはあったものの、強盗には成功し、フラーは依頼主に会おうとするが、そこを襲撃したのがワシントンと名乗るリーダー率いるプロの殺し屋チームだった。アレックスは間一髪その場を逃れるが、そこから殺し屋チームは執拗にアレックスを追う。実は、黒幕はアメリカの上院議員(モーガン・フリーマン)で、真の狙いはダイヤと一緒に盗んだUSBメモリーだった。というわけで、最強にしてセクシーなスーパーヒロイン アレックスが、ジェームズ・ボンドかイーサン・ハント、はたまたジェイソン・ボーンかといった活躍を見せる。ナイフで足をぐりぐり刺されてもへっちゃらなのだ。

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2016年11月 8日 (火)

数学は相対論を語る

 「自然」という書物は「数学」という言葉で書かれている、とはガリレオ・ガリレイのセリフだそうだが、相対性理論も当然それに当てはまる。ただ、特殊相対性理論が割と簡単な数学で記述できる一方で、一般相対性理論の数学はかなり難しい。一般相対性理論は曲がった時空を扱うため、非ユークリッド幾何学であるリーマン幾何学という数学を使うのだが、ここに出てくるテンソルというのが難しいのだ。アメリカの女性数学者リリアン・R・リーバーが書いた「数学は相対論を語る」は数学を使った一般向けの解説書で、1936年に書かれたものだが、古さを感じさせない本だ。アインシュタイン本人も絶賛したそうで、数学抜きで書かれた本に満足できなくなった人が読むのにいいだろう。

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2016年11月 7日 (月)

ロビンソン・クルーソー

 ダニエル・デフォーの古典的名作をピアース・ブロスナン主演で映画化した「ロビンソン・クルーソー」は、クルーソーと原住民フライデーの友情を描いた作品だ。クルーソーは恋人をめぐって親友と決闘せざるを得なくなるが、親友を死なせたせいでスコットランドを離れ、船乗りになる。その船が嵐で難破し、無人島に漂着したことから、クルーソーの無人島生活が始まる。無人島で1人生きてくなんて相当な苦労があると思うが、そのあたりはサラッと描くだけで、あまり深くは触れていない。しばらく経過した後、クルーソーは、島に上陸した近隣の原住民が捕虜を生け贄にしようとする現場に出くわす。クルーソーは助けた捕虜の1人をフライデーと名付け、奴隷として使おうとする。初めは言葉も通じない2人だが、お互いに助け合って生きていくうちに友情も芽生え、報復にやってきた原住民たちをうまく撃退する。しかし、フライデーの島に渡った2人を待っていたのは、またしても決闘だった。クルーソーはかつて親友を死なせたことから、今回は自分が死ぬ覚悟を固める。その瞬間、別の船でやってきたイギリス人たちが現れ、フライデーが撃たれ、クルーソーは救出される。こうしてクルーソーの冒険は終わりを告げるのだった。

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2016年11月 6日 (日)

ディパーテッド

 ボストンを舞台に、マフィアに潜入した警察の男と警察に潜入したマフィアの男との戦いを描いた映画「ディパーテッド」は、レオナルド・ディカプリオやマット・デイモンに加え、ジャック・ニコルソンも出演するなど、なかなか豪華な俳優陣だ。マサチューセッツ州警察は、ボストン南部、通称サウシーにはびこる犯罪組織を撲滅すべく、新人ながら優秀な警察官ビリー・コスティガン(ディカプリオ)を組織に潜入させる。一方で、組織のトップ フランク・コステロ(ニコルソン)は、子どもの頃から面倒を見ていたコリン・サリバン(デイモン)を警察官に育て上げる。コスティガンとサリバンはお互いの存在を知らないまま活動を続けるが、そのうち警察も組織も身内にスパイがいることに気づき、2人ともだんだんと窮地に追い込まれていく。ここからは裏切りの連続、主要人物は次々と殺されてしまう。それもそのはず、「ディパーテッド(The Departed)」とは、「死んでいった者たち」という意味なのだ。

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2016年11月 5日 (土)

インフェルノ

 宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)が活躍する映画「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」に続くシリーズ第3弾「インフェルノ」は、ダンテの「神曲 地獄篇(インフェルノ)」を題材にした物語だ。アメリカの大富豪ゾブリストは、人口増加によって人類は100年後に滅びると考え、人類の半分を滅ぼすウィルスを生み出す。そして、これを実際に世界にまき散らす計画を実行しようとするが、ゾブリスト自身はその前に殺されてしまう。この計画を受け継いだ謎の人物を追い、ウィルス拡散を阻止するために、ラングドン教授がまたもや出動するのだが、いきなり記憶喪失にされてしまったので、何が起きているかもわからないし、誰が敵で誰が味方かもわからない。次々と襲いかかる敵と戦いながら、記憶を取り戻し、インフェルノに隠された暗号(コード)の謎を解いていくラングドン教授の奮闘ぶりが見物だ。ヒロインのシエナを演じるフェリシティ・ジョーンズは、12月公開予定の映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で主役のジン・アーソを演じていて、こっちも楽しみだ。

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2016年11月 4日 (金)

将門伝説の歴史

 10世紀前半、坂東(現在の関東地方)で乱を起こした平将門にまつわる伝説は、全国で1550にものぼるという。義経伝説も数多いが、将門伝説の方がさらに多いそうだ。将門の乱の発端は一族の私闘だったが、やがて坂東諸国の国司を追放して自ら新皇と名乗ったため、最後は朝敵として追われることになった。しかし、1000年経った今でもこれだけ将門伝説が伝えられているということは、当時としてはやはり社会に大きな衝撃を与える事件であったとともに、将門に思いを寄せる民衆も多かったということなのだろう。樋口州男が書いた「将門伝説の歴史」は、将門記のあらすじに沿って将門の乱を振り返りながら、各地に残る代表的な将門伝説を紹介する本だ。

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2016年11月 3日 (木)

ランダウ=リフシッツ理論物理学教程 場の古典論

 ロシアの物理学者レフ・ランダウとその弟子リフシッツによる「理論物理学教程」第2巻「場の古典論」は、サブタイトルに「電気力学、特殊および一般相対性理論」と銘打ってあるとおり、電磁気学と相対性理論を取り扱っている。物理学の世界で「古典」というのは、量子力学を含まないということであり、具体的にはニュートン力学や電磁気学、熱力学、特殊・一般相対性理論などを指す。20世紀の2大理論と言えば相対性理論と量子力学だが、相対性理論は古典物理であり、相対性理論と量子力学との統一はまだ完成していない。第1巻「力学」と同じように、本書も普通の教科書とは違うスタイルで、初学者には向かないだろう。ぼくも持ってはいるが、まだまだ読もうという気にはなれない、エベレストのような本だ。

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2016年11月 2日 (水)

ランダウ=リフシッツ理論物理学教程 力学

 ロシアの物理学者レフ・ランダウは、「天才と何とかは紙一重」を地で行く人物だったそうだ。物理学のあらゆる分野で才能を発揮したが、スターリン批判で投獄されたり、旧ソ連の原水爆開発に貢献して勲章をもらったり、晩年は交通事故の後遺症でその天才的な才能が失われるなど波乱に富んだ人生だった。そのランダウが弟子のリフシッツとともにまとめた「理論物理学教程」は、もともと全10巻に及ぶシリーズだが、第1巻「力学」は現在でも容易に入手できる1冊だ。力学というとはじめにニュートンの運動法則が出てくるのが普通だが、本書ではいきなり最小作用の原理が登場する。物理学をある程度学ぶと、確かに最小作用の原理の方が深い法則だと感じるが、初めて力学を学ぶ人にはこれはチンプンカンプンだろう。というわけで、世間で言われているとおり、本書は一通り物理学を学んだ人向けの本であることは間違いない。実は、ぼくも持ってるだけで、まだ読んでない。

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2016年11月 1日 (火)

プラネタリウム

 かつて渋谷には五島プラネタリウムがあり、カール・ツァイス製の旧式の投影機ながらも味のある番組をやっていた。解説員が生で解説するのだが、解説の声があまりにもやさしすぎて、ついついウトウトすることもあった。その後デジタル式投影機が登場、CGも駆使して目を見張るような番組が可能となった。現在、プラネタリウムを製造しているメーカーはいくつかあるが、かつては天体望遠鏡も製造していた五島光学研究所は天文ファンにはおなじみだし、コニカミノルタはカメラファンにおなじみだろう。このうち、コニカミノルタは、池袋サンシャインシティと東京スカイツリータウンで直営プラネタリウムを運営しているが、ちょうどスカイツリーの近くを通る機会があったので、久しぶりにプラネタリウム鑑賞としゃれ込んでみた。数年前、コスモプラネタリウム渋谷で鑑賞して以来だ。しかし、最近のプラネタリウムの番組ってこんなもんなのか。せっかく最新鋭の機材がそろっているはずなのに。ちょっと残念だった。

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