マッチポイント
1967年の映画「007カジノロワイヤル」は、イオン・プロダクション制作ではない、いわば007番外編だが、ストーリーはハチャメチャで、何だかよくわからない。この映画にはかのウディ・アレンがバカバカしい役で出演しているが、これまでアレンの映画はこれしか観たことがなかった。今回、アレン監督の映画として初めて観たのが「マッチポイント」だ。ロンドンを舞台に、アイルランド出身のプロテニス選手クリスが上流階級入りして人生が大きく変わっていく話だが、余計なことなんかしなきゃいいのに、ついつい余計なことに手を出してしまう。追い詰められたクリスは、とんでもないことをしでかすが、人生とはわからないもので、運よく逃げ切る。このあたり、ネットに当たったボールが向こうに落ちるか、こっちに落ちるかで勝負が決まるテニスのようだ。クリスの場合、ボールがこっちに落ちたことが逆に幸いしたが、こんな運任せの人生、いつかは破綻するんじゃないだろうか。