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2016年7月

2016年7月31日 (日)

日高本線の駅⑱ 大狩部(おおかりべ)駅

 大狩部駅は新冠町にある無人駅だ。コンクリート造りの駅舎らしきものがあるが、ちょっと中には入りづらい。線路とホームは海岸線ギリギリにあり、海が荒れると迫力満点だろう。ここから厚賀(あつが)駅に行く途中で高波によって線路の盛土が流出し、日高本線不通の原因となった。
※2016年9月5日写真差し替え

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2016年7月30日 (土)

日高本線の駅⑰ 節婦(せっぷ)駅

 節婦駅は新冠町にある無人駅だ。駅舎は最近建て替えられた。日高本線は単線なので、列車交換といって上り・下り列車が行き違いする駅が必要だが、節婦駅もかつては交換駅だった。現在、日高本線の交換駅は鵡川、日高門別、静内、本桐の4駅しかない。
※2016年9月5日写真差し替え

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2016年7月29日 (金)

日高本線の駅⑯ 新冠(にいかっぷ)駅

 JR北海道の日高本線は2015年1月に起きた土砂災害から今なお復旧していない。現在運行しているのは苫小牧駅ー鵡川駅間のみで、鵡川駅ー様似駅間は代行バスが運行している。以前、このブログに様似駅から静内駅までを書いたことがあるが、今回はその続きで新冠駅から苫小牧駅までを書こう。新冠駅はハイセイコーで有名な新冠町にある駅で、無人駅だが、割ときれいな駅舎がある。苫小牧に向かって発車するとすぐトンネルをくぐるが、このトンネルがある山は判官館(はんがんだて)といって、その名のとおり源義経伝説が残る山だ。通常は水平な地層が垂直になっているという、地質学的に興味深い山でもある。トンネルのあたりは海岸線ギリギリを走っていて、車窓からの眺めもいい。国道235号線は判官館を迂回して線路とは反対側をぐるっと回っているので、この眺めは日高本線でしか楽しめない。
※2016年9月5日写真差し替え

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2016年7月28日 (木)

自動導入ソフト③ SkySafari

 タカハシEMー11 Temma2Zの自動導入ソフトを何にするか研究中だ。最もポピュラーなのはステラナビゲータかステラショットだろうが、Windows版しかない。Macで動く自動導入ソフトはないのかネットで探し回ったら、どうやらSkySafariというソフトが使えそうだということがわかった。おまけにこのソフト、iOS版もある。ということは、iPad miniやiPad touchでも使えるということだ。無線化している人もいるようだから、EMー11で本当に使えればMacユーザーにはありがたい。HPは英語なので、読むのが大変だが、ちょっと研究してみよう。

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2016年7月27日 (水)

自動導入ソフト② ステラショット

 タカハシEMー11 Temma2Zの自動導入ソフトを何にするか研究中だ。アストロアーツのステラショットは昨年登場したばかりの新しいソフトで、天文シミュレーションや望遠鏡コントロール機能に加え、デジタルカメラ コントロール機能もプラスされている、何とも便利なソフトだ。望遠鏡もカメラもパソコンでまとめて操作するというのは効率がいいので、撮影枚数も増えそうだ。特に、真冬の北海道では、指先がかじかんで細かい操作が難しいが、クルマの中にパソコンを持ち込めば楽ちんだろう。2007年モデルのSONY VAIO VGNーTZ50Bに体験版をインストールしたところ、これも問題なく動いた。問題は、ステラナビゲータ以上に消費電力が増えるだろうから、いま使っているポータブルバッテリーが持つかどうかだ。何でもかんでも自動化するというのは楽にはなるが、電源確保が大変だ。根本解決には、個人天文台を建設して電気を引っ張るしかない。

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2016年7月26日 (火)

自動導入ソフト① ステラナビゲータ

 タカハシEMー11 Temma2Zの自動導入ソフトを何にするか研究中だ。タカハシ純正のテレスコープトレーサー2000というのがあるようだが、販売店によると、これはもう古いので、おすすめしないということだった。となると、候補としては、アストロアーツのステラナビゲータかステラショットあたりだろうか。まずはステラナビゲータだが、現在のバージョンは10となっている。ステラナビゲータはもともと天文シミュレーションソフトで、プラネタリウムのようにさまざまな天文現象を再現することができる。このステラナビゲータには望遠鏡コントロール機能もあり、パソコンと望遠鏡を接続することによって自動導入が可能となる。残念ながらMac版はないので、2007年モデルのSONY VAIO VGNーTZ50Bに体験版をインストールしたところ、問題なく動いた。よかったよかった。でも、いま使っているポータブルバッテリーは持つのだろうか。

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2016年7月25日 (月)

マン・オブ・スティール

 映画「スーパーマン」シリーズは1978年から2006年までに5作が制作されたが、2013年にはヘンリー・カヴィル主演でリブート作品「マン・オブ・スティール」が公開された。ストーリーはオリジナル作品と同じ、崩壊しつつある惑星クリプトンから始まる。科学者のジョー・エルはクリプトン星崩壊直前、生まれたばかりの息子カル・エルをただ1人宇宙船で脱出させ、遠く離れた地球へと送る。アメリカ・カンザス州の農場に不時着したカル・エルは、ジョナサン(ケヴィン・コスナー)&マーサ(ダイアン・レイン)のケント夫妻の手で地球人クラーク・ケントとして育てられるが、クラークは子どもの頃から超人的な能力を持っていた。クラークはやがて、メトロポリスでデイリープラネット社の新聞記者として働きながら、正義の味方スーパーマンとして世のため人のため生きる、というおなじみのストーリーだ。1978年の第1作に登場したゾッド将軍も登場するが、40年近くも経っているので、アクションシーンなど映像は格段に進歩している。おいおい、こんな連中がいつまでも地球上で戦っていては、地球が破壊されてしまうじゃないか、というほどだ。リブート作第2弾にはバットマンが登場、スーパーマンとの対面を果たす。

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2016年7月24日 (日)

スーパーマン リターンズ

 今は亡きクリストファー・リーヴ主演の映画「スーパーマン」シリーズは、1987年までに4作が制作されたが、リーヴ死後、2006年に公開されたのがブランドン・ラウス主演の映画「スーパーマン リターンズ」だ。本作では、故郷クリプトン星の残骸を探すために旅立ったスーパーマンが、5年ぶりに地球に戻ってくる。しかし、クリプトン星の残骸は結局発見できず、やっとのことで帰ってきた地球でも、5年間の空白によって激変した現実に直面して戸惑うばかりだった。とりわけ、愛するロイス・レインは、息子ジェイソンを生み、婚約者もいたのだ。それでもスーパーマンはクラーク・ケントとしてデイリープラネット社に復帰し、以前と同じような生活を始めた。一方、宿敵レックス・ルーサーは法的な不手際から釈放され、クリプトン星の科学知識を入手して壮大な悪事を計画していた。最大の弱点クリプトナイトによって絶体絶命となったスーパーマンだが、ロイスとジェイソンの助けもあってついにルーサーの野望を粉砕する。本作で新たにスーパーマンを演じたラウスはリーヴを彷彿させる雰囲気で、続編も企画されたそうだが、残念ながらこの1作だけで終わった。「スーパーマン」シリーズは2013年、ヘンリー・カヴィル主演の「マン・オブ・スティール」でリブートされる。

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2016年7月23日 (土)

スター・ウォーズ 反乱者たち シーズン2

 映画「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン2で、エズラ・ブリッジャーとその仲間たちは、エージェント・カラスや尋問官の追及を受けながらも、帝国の圧政に屈しない反乱者たちの輪を広げ、後に結成される反乱同盟軍の基礎を築いていく。危機感を募らせた帝国軍は、反乱者たちを鎮圧するため、ダース・ヴェイダーを差し向ける。来月放送予定の最終話では、エズラ、オーダー66を生き延びたジェダイであるケイナン・ジャラス、そしてかつてアナキン・スカイウォーカーのパダワンであり、無実の罪を着せられジェダイ・オーダーを去ったアソーカ・タノが、いよいよダース・ヴェイダーとの直接対決に臨むことになる。かつての師弟、ヴェイダーとアソーカとの戦いは果たしてどのような結末になるのだろうか。「エピソード4 新たなる希望」にはエズラもケイナンもアソーカも登場しないので、みんなやられてしまうのだろうか。最終話が待ち遠しい。このほか年内には、やはりエピソード3と4の間のスピンオフ映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開される予定だ。「スター・ウォーズ」はいつの時代もエキサイティングだ。

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2016年7月22日 (金)

ゴーストライダー2

 ニコラス・ケイジ主演の映画「ゴーストライダー2」は、悪魔メフィストとの契約によってゴーストライダーに変身する体になってしまったスタントライダー ジョニー・ブレイズが、この世で完全な肉体を手に入れようとするロアーク=メフィストの野望を粉砕するストーリーだ。ジョニーは黒人神父モローから、ダニーという少年を守れという依頼を受けるが、ダニーは母ナディアが自らの命と引き替えにロアークと契約を結んでできた子どもだった。ロアークはナディアの元恋人キャリガンにダニーを追わせ、ジョニーはそれを阻止すべくゴーストライダーに変身する。キャリガンは普通の悪党だが、武器商人ということもあってゴーストライダーを病院送りにするなど、なかなかの活躍ぶりだ。復活したゴーストライダーはキャリガンら悪党どもを蹴散らし、ジョニーは自らの体の中の悪魔を追い出すことに成功するが、ロアークに追い詰められてしまう。絶体絶命のジョニーは、ロアークと同じ力を持つダニーの力によって、再びゴーストライダーとして生きる道を選ぶのだった。

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2016年7月21日 (木)

ゴーストライダー

 アメリカのマーベルコミックスのスーパーヒーロー ゴーストライダーは、悪魔メフィストと契約し悪魔と一体化したサーカスのスタントライダー ジョニー・ブレイズが変身した姿であり、2007年にはニコラス・ケイジ主演で映画化された。ジョニーは17歳のとき、やはりスタントライダーだった父親の病気を治すことを条件に、メフィスト(ピーター・フォンダ)と契約を交わすが、健康になったはずの父親はあっけなく事故死してしまう。恋人のロクサーヌとも別れ、旅に出たジョニーは、やがて不死身のライダーとして有名になり、テレビレポーターとなったロクサーヌと再会するが、ロクサーヌと食事に出かけようとするジョニーの前にメフィストが現れる。メフィストは、メフィストを狙う息子ブラックハートを倒すため、今こそ契約を履行するよう要求、ジョニーはついにゴーストライダーに変身するのだった。本作は、バイク映画の古典的名作「イージー・ライダー」ファンにとっては涙ものだろう。あのピーター・フォンダが主役級で出演しているほか、ジョニーのバイクは、タンクのペインティングこそ違うが、「イージー・ライダー」でフォンダが乗っていたバイクのレプリカだ。かっこいい〜

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2016年7月20日 (水)

アジャストメント

 アメリカのSF作家フィリップ・K・ディック原作の映画「アジャストメント」は、運命調整局という謎の組織の男たちに追われながらも、自らの手で運命を切り開こうという男女の姿を描いた作品だ。上院議員選挙で敗れたデヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は、記者会見直前、エリース(エミリー・ブラント)というダンサーと「偶然」出会う。エリースとの会話でインスピレーションを受けたノリスは、記者会見をうまく乗り切り、再起の可能性を得る。とりあえずベンチャー企業の役員に就任したノリスは、「偶然」にもバスの中でエリースと再会、電話番号を聞き出すことに成功した。しかし、ここで運命調整局という謎の組織の男たちが登場、ノリスはエリースから引き離されてしまうことになる。実は、人々の運命はあらかじめ決まっていて、そこからそれそうになると、運命調整局が調整して元の運命に戻しているのだった。ノリスは将来大統領になる男であり、記者会見をうまく乗り切るためにエリースと出会う運命だったが、2人が結ばれてしまうと、ノリスは大統領になれないという運命だったのだ。運命調整局はそのため、バスの中で2人が出会わないよう細工をするはずだったが、何と待ち時間にうたた寝するという失態を演じてしまう。ノリスの意志の強さが勝っているのか、運命調整局の調整能力に難があるのか、どちらかはわからないが、運命調整局のドタバタぶりがちょっと笑える。

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2016年7月19日 (火)

スーパーマンⅣ/最強の敵

 今は亡きクリストファー・リーヴ主演の映画「スーパーマンⅣ/最強の敵」は、リーヴにとって最後のスーパーマンシリーズ映画となった。米ソが核軍縮交渉を中断し、世界が核戦争の危機に直面する中、スーパーマンは核兵器を地上からなくすと宣言、すべての核兵器を太陽に廃棄する。しかし、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーはこれを利用し、スーパーマンの髪の毛から採取した遺伝子と太陽エネルギーからニュークリアマンを誕生させる。ニュークリアマンのパワーはスーパーマンをはるかに上回り、さすがのスーパーマンも大いに苦しめられる。ところで、将来、世界各国が核兵器廃絶に合意した場合、核兵器を太陽に廃棄することは現実に可能だろうか。これはすなわち、太陽に核兵器を積んだロケットを撃ち込むことができるかということだが、これはかなり難しい。地球から打ち上げるロケットは、太陽に対し地球と同じ公転速度(方向は太陽に向かう方向に直角)を持っていて、これにロケットの速度が加わるのだが、太陽に向かうにはものすごい推進力が必要となる。そのためには、ものすごい量の燃料が必要となるが、燃料が増えれば増えるほどロケットの重量が重くなり、必要な速度を出すことが難しくなるという悪循環に陥る。当然、莫大なおカネがかかることになるが、そんなことなら細かくして地下深くに埋めた方がはるかに安上がり、ということになるだろう。いずれにしても、核兵器や原子力エネルギーというのはおそろしく高くつきそうだ。

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2016年7月18日 (月)

大人のための数学⑦ 線形という構造へ

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ最終巻「線形という構造へ」は、線形代数学がテーマだ。大学に入ると、数学の授業はまず2つの科目、微分積分学と線形代数学から始まる。このうちどちらがなじみやすいのかは人によって違うのだろうが、たぶん多くの人は微分積分学の方がなじみやすいと感じるのではないだろうか。線形という言葉をそのままの意味でとらえれば、まっすぐな直線のようなものということになるが、線形性を持った代数学というのが具体的には何であるか、ぼくも最初はあまりイメージがわかなかった。しかし、行列やベクトルの性質がある程度わかってくると、何となくイメージがつかめるようになってきた。そうか、線形な世界だから数学は答えを出せるのだ。

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2016年7月17日 (日)

大人のための数学⑥ 無限をつつみこむ量

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ第6巻「無限をつつみこむ量」は、ルベーグ積分がテーマだ。かの有名な日本の数学者 高木貞治の「解析概論」の第3章は積分法の解説にあてられているが、そこでは、アルキメデスが積分法を使わずに放物線を弦で切ったときの面積を求めた方法を紹介している。これはこれで見事な方法なのだが、その後関数のグラフがつくる図形の面積が積分法で求められることがわかり、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマンによって厳密に定式化された。このリーマン積分に対し、フランスの数学者アンリ・ルベーグはまったく新しい視点に立つ積分法を確立、今日ではこれはルベーグ積分と呼ばれている。ということなのだが、何が何やらぼくにもさっぱりわからない。いつかこの本に書いてあることがわかる日が来るんだろうか。

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2016年7月16日 (土)

大人のための数学⑤ 抽象への憧れ

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ第5巻「抽象への憧れ」は、19世紀までの数学とは異なる、抽象数学の中心とも言える位相空間がテーマだ。とは言っても、これを書いてるぼくも何のことやら想像もつかない。ぼくが数学を勉強したいと思っているのは、天文学や物理学を理解するためで、たぶんこの分野はまったく関係ないんだろう。まあでも、せっかくこの本も買ったので、いつか読んでみよう。そういえば昔、数学者になった先輩から多様体の話を聞いたことがあるが、別の先輩がすかさず「で、それは何の役に立つんですか?」と(冗談で)質問したのを思い出す。現代数学というのは、めったに人を寄せ付けない険しい山のようだ。

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2016年7月15日 (金)

大人のための数学④ 広い世界へ向けて

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ第4巻「広い世界へ向けて」は、解析学がテーマだ。ライプニッツとニュートンによって発見された微分積分は、スイスの数学者レオンハルト・オイラーらの研究によって発展し、さまざまな関数の性質が解明されていく。ぼくが高校生のときは、指数関数と対数関数、三角関数まで習ったと思うが、こういった関数は物理学にも登場し、自然の秘密を次々と解き明かしていった。同じく高校生のとき、虚数や複素数というものも習ったが、当時はなぜこんなものを考えるのか不思議に思っていた。しかし、関数を複素数の世界にまで広げたとたん、想像もしなかったような世界が広がっているのを知ることになった。指数関数と三角関数、虚数単位が結びついた、かの有名なオイラーの公式だ。大学生のときに初めてこの公式を見たときは、さすがにたまげた記憶がある。このあたりは本当に奥が深い。

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2016年7月14日 (木)

大人のための数学③ 無限への飛翔

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ第3巻「無限への飛翔」は、集合論がテーマだ。集合といえば、小学生か中学生の時にベン図というものを習った記憶があるが、数学の他の分野に比べるとかなり独創的な内容だ。この集合論、確立したのはロシア生まれのドイツの数学者ゲオルグ・カントルだが、最初の頃は多くの数学者がこれを受け入れようとしなかったという。実際、天文学や物理学を学びたいという立場から見ると、集合論はあまりに抽象的だ。このカントル、「数学の本質は自由にある」という言葉を残している。果たしてカントルの目に数学はどのような姿に映っていたのだろうか。こういうのが好きな人は数学科向きなんだろうな。

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2016年7月13日 (水)

大人のための数学② 変化する世界をとらえる

 日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズ第2巻「変化する世界をとらえる」は、高校数学のクライマックスである微分積分がテーマだ。昔、「○ブン・○○ブン、いい気分〜」というCMがあったが、数学に苦しめられた学生(ぼくもだが)は「ビブン・セキブン、いい気分〜」などと歌っていたのではないか。この微分積分学、誰が最初に確立したかで激しい論争があったことは有名だ。ドイツのゴットフリート・ライプニッツとイギリスのアイザック・ニュートンがその2人だが、現在では、2人とも独立に発見したと認められている。ただし、現在使われている微分積分学の記法はライプニッツによるものだ。ニュートンは微分積分を使って古典力学を完成させるという偉大な業績を挙げたが、人格的にはかなり問題があったようで、ライバルに対する嫌がらせはひどかったそうだ。

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2016年7月12日 (火)

大人のための数学① 数と量の出会い

 「自然」という書物は「数学」という言葉で書かれている、とはガリレオ・ガリレイのセリフだそうだが、自然科学を勉強する上で数学は避けて通れない。とはいえ、学生でもない限り正面から数学を勉強する時間などないので、細かいことはさておき、大まかな概念を理解できるような本があればいいなと思っていた。数学の啓蒙書を多く刊行している日本の数学者 志賀浩二が書いた「大人のための数学」シリーズは、6000年に及ぶ人類の英知の産物である数学を楽しんでほしいという著者の言葉にもあるように、数学という学問体系の美しさを鑑賞したいという人向けの本だ。シリーズ第1巻「数と量の出会い」は、数(すう)という概念がどのように生まれたかという話から始まって、量と数、数の演算や級数、変数と関数、そして微分・積分の入口にまで話を進めている。無限とか連続とかいうおなじみの概念ももちろん登場するので、かの有名な遠山啓著の岩波新書「無限と連続」などとあわせて読むといいかも。

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2016年7月11日 (月)

科学の発見

 アメリカの物理学者スティーヴン・ワインバーグは、「宇宙創成はじめの三分間」など一般向けの本でも有名な現代物理学界の大御所だ。そのワインバーグの最新刊「科学の発見」は、テキサス大学での講義を元にしたものだが、アメリカでは刊行直後に論争を巻き起こし、最近は日本の新聞の書評でもよく取り上げられている。本書が批判されたのは、現在の基準で過去を裁くのは禁じ手だという趣旨からで、確かに科学的方法が確立する前の時代の「科学」や「科学者」を断罪してもしょうがないような気はする。にもかかわらず、なぜワインバーグはわざわざこの本を書いたのか。ワインバーグは、年を経るにつれて科学史に対する関心が深まったそうで、科学史上のヒーローたちの過ちを研究しているうちに、現代科学の発見がどれほど困難だったかを再認識したという。科学にとって歴史の転換点となったのは、16〜17世紀、天文学が舞台だった。望遠鏡が発明されたこともあって、太陽系の謎がついに解明されたのだ。望遠鏡で木星を見ると、木星の回りを4つの衛星が回っているのが見えるが、注意深い観測により、惑星の運動を正しく説明する法則が発見されたのだ。現在、木星の4つの衛星は「ガリレオ衛星」、惑星の運動法則は「ケプラーの法則」と呼ばれている。その1世代後にニュートンが登場、科学革命はクライマックスを迎える。

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2016年7月10日 (日)

タカハシEMー11 Temma2Z

 これまで四半世紀以上、タカハシ スペースボーイ赤道儀を愛用してきたが、自動導入やオートガイダーなどの最新技術には対応していないため、昔ながらのやり方で撮影してきた。それもそれでいいのだが、せっかく世の中には最新技術満載の赤道儀があるのだから、そろそろ最新機種を導入してみようかと思っていた。北海道に帰省し、クルマに撮影機材を積んで市街地からちょっと離れた撮影場所に行くという今のスタイルからすると、タカハシのEMー11かEMー200のどちらかだろうなということで、あれこれ考えた結果、より小型のEMー11の方がベターだろうという結論に達した(こっちの方が安いし)。ちょうどそのとき、まるでぼくの気持ちをタカハシが知っていたのだろうかというくらいのジャストタイミングで、EMー11赤道儀とステンレス三脚のお買い得セットが発売された。納期はちょっと先になるようだが、夏休みには間に合いそうだ。しかし、こういう販売方法をするとは、このモデルも製造中止が近いのだろうか。そこは一抹の不安を感じるが、まあいいか。当面はこれにミニボーグを載せ、星雲星団銀河撮影を楽しもう。

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2016年7月 9日 (土)

SONY VAIO VGN−TZ50B

 ぼくは20年来のMacユーザーなので、Windows PCはまったく使うことがない。しかし、困ったことが一つある。天文ソフトの多くはWindows版で、特に赤道儀の自動導入ソフトにはMac版がないのだ。今は30年くらい前に購入したタカハシ スペースボーイ赤道儀を使っているが、近いうちに自動導入赤道儀を購入しようと思っているので、そのうちどうしてもWindows PCが必要になる。幸い、2007年発売のSONY VAIO VGN−TZ50Bをもらったので、これを活用しようと思っているが、いろいろ調べてみると、どうも心許ない。そもそも、この機種は、動きが遅いので有名なようで、実際初めて起動したときはあまりの遅さに驚いた。どうやら、Windows Vistaとの相性が非常に悪かったらしい。Windows 7をクリーンインストールしたところ、少しは速く動くようになった。とはいえ、10年前のモデルなので、使い物になるかどうかは不明だ。せめてインテルCeleron MプロセッサーをCore 2 Duoプロセッサーにアップグレードした方がいいのかもしれない。秋葉原に行ってみようっと。

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2016年7月 8日 (金)

ダークマターと恐竜絶滅

 子どもに大人気の恐竜は、1億年以上もの間、陸の王者として君臨した。その証拠は、世界各地で発見された化石などに残っている。しかし、今から6600万年前、他の動物や植物の大半とともに突然地上から姿を消した。今ではこれは、さまざまな地質学的証拠によって、全長15㎞ほどの天体が地球に衝突したことによって引き起こされたというのが定説になっている。おそらくは、太陽系の外縁部で安定した軌道上にあった彗星が、何らかの理由により軌道を外れ、太陽に向かってやってくる途中、地球に衝突したのだろう。アメリカの物理学者リサ・ランドールは最近、この原因は、ダークマターにあるのではないかという仮説を唱えている。ダークマターはその名のとおりまったく正体不明の物質だが、原子など通常の物質の5倍以上も存在し、重力を及ぼしていると考えられている。ランドールは、このダークマターが、恐竜絶滅のトリガーとなったのではないかという。ランドールの新著「ダークマターと恐竜絶滅」は、宇宙論の最前線を紹介しながら、宇宙と地球、そして生命の進化が深く結びついていることを認識させてくれる本だ。

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2016年7月 7日 (木)

七夕

 7月7日は七夕だ。しかし、現代の七夕と昔の七夕は季節がちょっとずれている。明治時代に現在の新暦(太陽暦)に移行するまでは、旧暦(太陰太陽暦)が使われていたが、もともとの七夕は旧暦の7月7日だ。旧暦は月の満ち欠けの周期を基準にしていたので、7日というのは上弦の月の日だ。すなわち、昔の七夕の晩はいつも上弦の月が輝いていたことになる。余談だが、織田信長が死んだ本能寺の変は6月2日の明け方なので、明智光秀の兵は新月の夜に本能寺に進撃したことになる。当時は電気がなかったので、まさに闇夜に紛れた進撃だったろう。新暦移行後もそのまま7月7日を七夕にした結果、現代の七夕は梅雨のまっただ中になってしまった。これはちょっと具合が悪い。そこで国立天文台では、昔の七夕に近い日を「伝統的七夕」と名付け、毎年公表している。今年の伝統的七夕は8月9日だ。都会では明るい星がいくつか見える程度だが、空の暗い田舎に行けば、織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)が天の川をはさんで輝いているのがよくわかるだろう。
2013年9月5日撮影 キャノンEOS60Da+シグマ対角線魚眼レンズ15㎜、露出180秒

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2016年7月 6日 (水)

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第8作「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」は、原作最終巻の後編にして最終話となる作品だ。ヴォルデモートは、ダンブルドアが持っていた「死の秘宝」の一つ、ニワトコの杖を墓場から奪う。魔法界はもはや闇の帝王の手に落ちたも同然だった。一方、ハリーたちは、ホークラックスを次々と探し出して破壊することに成功、ヴォルデモートに迫っていく。ホグワーツに戻ったハリーが目撃したのは、ニワトコの杖の忠誠心がスネイプにあると考えたヴォルデモートが、スネイプを殺す場面だった。スネイプは息絶える寸前に自分の記憶をハリーに渡すが、その内容は驚くべきものだった。ここは長いシリーズの中でも屈指のシーンだろう。真実を知ったハリーは自らヴォルデモートの前に進み、ヴォルデモートの死の呪文を受ける。死んだかに見えたハリーだったが、本当に死んだのはハリーの中にあるヴォルデモートの魂の一部だった。ついにホグワーツでの最後の戦いが始まった。不死鳥の騎士団とヴォルデモート軍団の戦いは壮絶を極め、犠牲者が続出する。ハリーとヴォルデモートの戦いもなかなか決着がつかない。決め手となったのは、ヴォルデモートに残された最後のホークラックスである蛇、ナギニをネビル・ロングボトムが破壊したことだ。これでヴォルデモートは万事休す、ハリーとの戦いに敗れ、この世から消滅してしまう。19年後、ホグワーツ行き特急列車のホームには、ロンとハーマイオニー、そしてハリーとジニーとその子どもたちの姿があった。

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2016年7月 5日 (火)

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第7作「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」は、原作最終巻の前編に当たる作品だ。魔法界は闇の帝王ヴォルデモートの支配下に置かれつつあり、ダンブルドアを失ったホグワーツもまた、ダンブルドアを倒したスネイプが治めることになった。ハリーたちはホグワーツの7年生に進級するはずだったが、ホグワーツには登校せず、ヴォルデモートを倒す唯一の道である、ホークラックスを探し出して破壊する旅に出た。しかし、そう簡単に手がかりが見つかるはずもなく、ハリーとロンは一時仲間割れしてしまう。絶望的な状況の中、ハリーたちは手がかりとなる「死の秘宝」の伝説を知り、これに詳しい人物に会いに行くが、時すでに遅く、ハリーたちは死喰い人に捕まってしまう。このピンチを救ったのが、ハリーがかつて助けた屋敷しもべ妖精ドビーだった。ドビーは絶体絶命のハリーを助け出すが、死喰い人によって殺されてしまう。海辺にドビーを埋葬したハリー。この先には、いよいよヴォルデモートとの最終決戦が待っている。

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2016年7月 4日 (月)

ハリー・ポッターと謎のプリンス

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第6作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は、ホグワーツ魔法魔術学校6年生となったハリーたちの冒険を描いた作品だ。闇の帝王ヴォルデモートが復活したことにより、魔法界は大きく揺らいだばかりか、マグルの社会でも不可解な事件・事故が続発した。ヴォルデモートとの対決に備え、ダンブルドアは旧友ホラス・スラグホーンをホグワーツに呼び戻すとともに、ハリーに対し個人授業を行うことにした。スラグホーンは、学生時代のヴォルデモート(トム・マールヴォロ・リドル)と親しく、ヴォルデモートの秘密を解き明かすのに重要な人物だったのだ。やがてダンブルドアとハリーは、ヴォルデモートの最大の秘密であるホークラックス(分霊箱)の存在を知り、7つあるホークラックスを探し出して破壊するという困難な作業に乗り出す。ようやくホークラックスの一つにたどり着いた2人だが、ダンブルドアは衰弱、ホグワーツに戻ったダンブルドアはセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)の死の呪文に倒れる。ヴォルデモートでさえも恐れる偉大な魔法使いを失ったハリーとホグワーツは、絶体絶命のピンチを迎えるのだった。

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2016年7月 3日 (日)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第5作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」は、ホグワーツ魔法魔術学校5年生となったハリーたちの冒険を描いた作品だ。魔法界には、一般人(マグル)と平和的に共存するため、魔法省という役所があり、魔法界の秩序を守っている。しかし、この魔法省と魔法大臣というのが事なかれ主義で、ヴォルデモート復活を信じようとしない。結局ホグワーツは、魔法省が送り込んだドローレス・アンブリッジに振り回されることになる。そんな中、ベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)らヴォルデモートに忠誠を誓った死喰い人(デスイーター)たちが、アズカバンを脱獄する。ハリーとダンブルドア率いる不死鳥の騎士団は、魔法省神秘部でヴォルデモート軍団と激しい戦いを繰り広げ、かろうじて撃退するが、シリウスはいとこでもあるベラトリックスの呪文によって死んでしまう。ここに至って魔法省もついに闇の帝王ヴォルデモート復活を認めざるを得なくなり、大きな動揺が広がっていくのだった。

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2016年7月 2日 (土)

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第4作「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」は、ホグワーツ魔法魔術学校4年生となったハリーたちの冒険を描いた作品だ。魔法界には、ホグワーツのほか、ダームストラング専門学校とボーバトン魔法アカデミーがあり、3大魔法学校と呼ばれている。本作では、これら3大魔法学校による対抗試合を軸に物語が進行する。この対抗試合は、各校が代表選手1人を出し、いくつかの課題に取り組むものだが、ハリーはなぜかホグワーツの2人目の代表選手に選ばれてしまう。しかし、これは罠だった。1人目の代表選手セドリックとともに優勝杯に手をかけたハリーは墓場に瞬間移動させられ、セドリックを殺されたばかりか、ヴォルデモート復活の儀式に立ち会わされたのだ。ハリーはヴォルデモートの攻撃をかわして命からがら逃げることに成功したが、闇の帝王復活を目の当たりにしたショックは大きかった。シリーズはこの後、ますます暗く重苦しいものになっていく。ヴォルデモートを演じるのはMI6のトップMことレイフ・ファインズだが、特殊メイクと声色でまったく同一人物には見えない。

 

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2016年7月 1日 (金)

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

 映画「ハリー・ポッター」シリーズ第3作「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」は、ホグワーツ魔法魔術学校3年生となったハリーたちの冒険を描いた作品だ。アズカバンとは、魔法界の刑務所で、かなり強力な魔法使いでも脱獄は不可能だとされている。ここには、ハリーの両親の親友でハリーの名付け親だったにもかかわらず、ヴォルデモートに寝返って両親を死に追いやったとされるシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が収監されていたが、ハリーの命を狙って脱獄したとの噂が流れていた。誰が敵か味方かわからない中、ハリーはシリウスに追い詰められたかに見えたが、ハリーの両親を裏切ったのはシリウスではなく、別の男だったという事実が明らかになる。両親のいないハリーは、シリウスとの間に家族の絆を感じるのだった。「ハリー・ポッター」シリーズはイギリスが舞台で、ハリーら子どもたちは当然新人俳優ばかりだったが、脇役にはイギリスの大物俳優がたくさん出演していて、味のある演技を見せてくれる。音楽はジョン・ウィリアムズが担当していて、これもまた映画の雰囲気を盛り上げている。

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