シャーロック・ホームズの思い出
ホームズが最初に手がけた事件は大学生のときで、その名は「グロリア・スコット号」事件という。ホームズは学生時代に得た唯一の友人の屋敷に招待されるが、治安判事も務める地主である父親に暗い過去があるようだと見抜く。父親はホームズの推理力に驚き、ぜひとも探偵になるよう勧めるのだった。短編集「シャーロック・ホームズの思い出」には、このほか「白銀号事件」「ボール箱」「黄色い顔」「株式仲買店員」「マスグレーヴ家の儀式」「ライゲイトの大地主」「曲がった男」「入院患者」「ギリシャ語通訳」「海軍条約文書事件」「最後の事件」を加えた12作品が収録されている。中でも有名なのは、ホームズとモリアーティ教授がスイス・ライヘンバッハの滝で対決する「最後の事件」だろう。コナン・ドイルは、もともと歴史小説を書きたかったそうで、「シャーロック・ホームズ」シリーズの人気が上がるにつれ、シリーズの打ち切りを願うようになった。そしてとうとう、「最後の事件」でホームズを死なせてしまう。これに怒ったのがホームズファンで、ドイルの下には数多くの抗議が寄せられたそうだ。モリアーティ教授との対決を実は生き延びたホームズはこの後、チベットやフランスで暮らし、3年後にロンドンで華々しく復活することになる。
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