ヒッグス
素粒子の標準模型のうち、最後まで発見されなかったのがヒッグス粒子だ。ヒッグス粒子は自然界に存在する基本粒子の一つだが、他の基本粒子とはまったく違うタイプの粒子だ。他の基本粒子には、大きく分けて2つのタイプがある。一つは電子やクォークなどの物質粒子で、もう一つは物質粒子の間に働く力を運ぶ粒子だ。ヒッグス粒子は、空間を満たすヒッグス場から生まれるが、このヒッグス場が質量を生み出している。ヒッグス粒子を追う研究は、半世紀前から始まっているが、ヒッグス粒子発見のため建設されたのが欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)だ。LHCは2008年に完成し、運転を開始したが、9日後にトラブルが発生、復旧までには1年を要した。そして運転再開から2年後の2012年、ヒッグス粒子らしき新粒子がついに発見された。アメリカの物理学者ショーン・キャロルが書いた「ヒッグス」は、ヒッグス粒子を追い続けた物理学者たちのドラマと、ヒッグス粒子を超えたところに広がる新しい世界について述べた本だ。
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