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2016年1月

2016年1月31日 (日)

動坂遺跡

 文京区の都立駒込病院にある動坂遺跡は、縄文時代中期の貝塚と集落の遺跡だ。なぜここに貝塚があるかというと、縄文時代、今より気候が温暖な時期があり、海面が2〜3m高かったため、関東平野の内部まで海岸線が入り込んでいたのだ(縄文海進)。動坂遺跡は武蔵野台地、本郷台の東端にあり、このあたりはまさに海岸線上にあったのだろう。

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2016年1月30日 (土)

宇宙137億年解読

 天文学は望遠鏡の発明によって大きな発展を遂げてきた。20世紀に入ると口径数mクラスの大型望遠鏡が建設されるようになり、より遠くの天体が観測できるようになった。さらには、可視光で観測する光学望遠鏡に加えて、電波望遠鏡も建設され、観測できる範囲が広がっていった。しかし、20世紀後半、天文学の分野のみならず、他の科学の分野でもまったく別の手法が導入されることになった。コンピューターの進歩に伴い、スーパーコンピューターによるシミュレーションが可能になったのだ。現在では、宇宙の大規模構造や天体の形成もコンピューターシミュレーションによって再現されている。UT Physicsシリーズの「宇宙137億年解読」は、宇宙137億年の歴史と進化をコンピューターシミュレーションで解読しようという試みだ。

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2016年1月29日 (金)

銀河進化の謎

 夏の星空で最も美しいのは天の川だ。天の川の正体は、渦巻腕を持つ円盤状の星の大集団であり、銀河と呼ばれるものの一つだ。われわれの太陽系は2000億個の星を含む天の川銀河(銀河系)に属していて、銀河系の中から見た姿が天の川だ。一方、天の川から離れたところには、ところどころに銀河系の外の銀河が散在している。これらははるか彼方にあるので、ほとんどは望遠鏡を使わないと見ることができない。最も有名なのが、アンドロメダ銀河と大小マゼラン銀河だ。春の星空は肉眼ではさびしいが、銀河系の外がよく見通せるため、望遠鏡を使うとたくさんの銀河を見ることができる。銀河にはさまざまな形があり、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、多くの銀河を観測して分類するという仕事をした。その名を冠したハッブル宇宙望遠鏡(HST)は、大気のゆらぎによって像が乱されないという利点を活かし、数多くの銀河のすばらしい画像を送り続けている。UT Physicsシリーズの「銀河進化の謎」は、こうした研究成果を踏まえ、銀河がどのように形成され現在の姿になったかを解説した本だ。

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2016年1月28日 (木)

宇宙物理学

 一口に天文学と言ってもいろんな分野がある。日本天文学会が創立100周年を記念して刊行した「シリーズ 現代の天文学」は全17巻あり、宇宙論や宇宙(天体)物理学、天体力学などの分野に分かれている。このうち宇宙物理学は、宇宙空間で起こり観測される多種多様な天文現象を、現代物理学の理論と方法を駆使して研究する分野だ。具体的には、恒星はどのように輝いているかとか、恒星はどのように進化するかとか、ブラックホールなどの高エネルギー現象とはどのようなものかとか、そういった問題を取り扱っている。日本の宇宙物理学者 桜井邦朋が書いた「宇宙物理学」は、今も日進月歩で発展する宇宙物理学の基礎を、わかりやすく解説している。

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2016年1月27日 (水)

なっとくする相対性理論

 講談社の「なっとくシリーズ』の1冊、「なっとくする相対性理論」は、日本の物理学者松田卓也と二間瀬敏史の共著だ。相対性理論はトンデモ本には人気No.1の分野だが、松田はトンデモ本の研究家としても知られていて、本書のまえがきでもトンデモ本批判を展開している。相対性理論には、特殊相対性理論と一般相対性理論の2つがあるが、いずれもアルベルト・アインシュタインが発見した。前者は難しい数学は使わないが、同時とは何か?などじっくり考えないとよくある誤解にはまってしまう。後者は曲がった時空という概念が出てきて、これを数学的に記述するのにテンソルというものが必要になる。テンソルはかなり難しく、アインシュタインも最初は苦労したそうだ。

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2016年1月26日 (火)

冬の天体写真撮影

 冬の北海道で天体写真を撮影する場合、必ずと言っていいほど雪がある。まあ日高地方は北海道の中でも雪が少なく、そんなに積もるわけではないが。ぼくが撮影する場所は、だいたいこんな感じだ。今夜は撮影に行こうとなれば、昼間のうちに下見して、雪かきもしておく。冬の夜は晴天率が割と高いが、それでも一晩中晴れるということはあまりないような気がする。たいていは途中で雲が出てきて、さーっと雪が降り、しばらくするとまた晴れるということの繰り返しだ。風が強い夜は、カメラがブレるので、星雲星団銀河のクローズアップはあきらめ、超広角レンズを使う。雪がもっと多ければ、回りに雪を積み上げ、風を防ぐことができるのだが、そこまで降ることはめったにない。真冬の夜は零下10度とかになるが、こうなると素手で機材に触るのは危ない。手の感覚がなくなるので、機材を落とすおそれもあるのだ。とにかくゆっくり、慎重に取り扱うことが大切だ。機材をセットし、構図を決めたら、バルブ撮影中はクルマの中であったまる。さすがに真冬の夜、ずっと外にいると体が冷え切ってしまう。とにかく大変だが、その代わり真冬の星空はすばらしくきれいだ。クマ出没の心配もないし。

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2016年1月25日 (月)

トランセンデンス

 人工知能(AI)をテーマにしたSFは数多くつくられているが、ジョニー・デップ主演の映画「トランセンデンス」は、人工知能PINNを開発中だったコンピューター科学者ウィル・キャスターがテロにあい、死の間際に自らの意識を人工知能にアップロード、肉体を超越した存在となって生き続けるというストーリーだ。しかし、この手の話はどうしてもハッピーエンドにはならない。人工知能が進化すれば、いずれは人類の脅威となるというのがお約束なのだ。映画「ターミネーター」のスカイネットや「マトリックス」がその最たる例だろう。果たしてウィルはナノマシンをつくりだし、人間の肉体を劇的に強化するテクノロジーさえ実現してしまう。結局、ウィルを危険視する人類側は、ウィルの秘密基地を攻撃し、PINNを機能停止に追い込む。ウィルの妻エヴリン役をレベッカ・ホールが演じるほか、この手の映画には不可欠とも言えるモーガン・フリーマンも出演している。

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2016年1月24日 (日)

コンテイジョン

 正体不明の新種のインフルエンザが突然、世界各国で広がっていく(パンデミック)恐怖を描いたのが映画「コンテイジョン」だ。この新種のインフルエンザが発病すると最初はカゼのような症状が出るが、あっという間に重篤化し、2日後には激しい痙攣を起こして死に至る。正体不明、感染経路不明のウイルスの研究が始まるが、まずできることは感染者の隔離しかない。政府は有効な対策を講じることができず、ネットにはいい加減な情報が広がり、各地で暴動が頻発、世の中は混乱を極めていく。現実にこのようなパンデミックは20世紀初め、スペインかぜで発生したことがあるが、このときは世界で0.5〜1億人が死亡したとも言われている。最初に感染して死んでしまうベス・エムホフをアイアンマンの恋人グウィネス・パルトローが演じているが、あわれにも解剖されてしまうシーンがちょっとショッキングだ。

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2016年1月23日 (土)

なっとくする宇宙論

 講談社の「なっとくシリーズ」の1冊、「なっとくする宇宙論」は、一般向けの本よりはちょっと高度に宇宙論を解説した本だ。著者である日本の物理学者 二間瀬敏史によると、もともとは姉妹書の「なっとくする相対性理論」の中に宇宙論の章を設けるつもりだったが、それが不可能だったので独立した本にしたということだ。宇宙論が科学的に議論されるようになったのは20世紀に入ってからで、大型望遠鏡が稼働しアンドロメダ銀河などの系外銀河を観測することで宇宙論の体系が形づくられていった。一方、アルベルト・アインシュタインは、特殊相対性理論に続いて一般相対性理論を発見、これを数学的に記述したアインシュタイン方程式からは、宇宙の膨張を見事に説明する解が得られることがわかった。こうしたことから、この分野は「一般相対論的宇宙論」などと呼ばれている。

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2016年1月22日 (金)

シリーズ現代の天文学3 宇宙論Ⅱ

 日本天文学会百周年記念事業の一つとして、天文学のすべての分野を網羅する教科書「シリーズ現代の天文学」が刊行されているが、その第3巻が「宇宙論Ⅱー宇宙の進化」だ。第2巻「宇宙論Ⅰー宇宙のはじまり」では、宇宙が誕生してから38万年後の「宇宙の晴れ上がり」までを扱ったが、この巻ではその後、宇宙がどのように進化し、銀河などの構造ができていったかを扱っている。歴史的には、宇宙論が飛躍的に発展するきっかけとなったのは、1929年に発見されたハッブルの法則だ。アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、銀河系の外の銀河(系外銀河)を観測しているうち、どうやら宇宙は膨張しているらしいということに気づいた。これは1916年にアルベルト・アインシュタインが発表した一般相対性理論でも予言されていたことだが、当のアインシュタインはもとより、多くの科学者がそんなことはないと考えていた。宇宙が膨張しているということは、遠い過去にさかのぼれば、宇宙は非常に小さかったことになる。そのような考えからつくられたのがビッグバンモデルだ。その後、観測技術の進歩もあって、ビッグバンモデルは科学的に裏付けられていく。20世紀後半になると、はるか彼方の多数の銀河を一つ一つ調べる銀河サーベイが行われ、宇宙には大規模な構造があることがわかってきた。ハッブルの業績は、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)にその名が残るとおり、歴史的な評価を受けている。

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2016年1月21日 (木)

シリーズ現代の天文学2 宇宙論Ⅰ

 日本天文学会百周年記念事業の一つとして、天文学のすべての分野を網羅する教科書「シリーズ現代の天文学」が刊行されているが、その第2巻が「宇宙論Ⅰー宇宙のはじまり」だ。宇宙論というのは、宇宙がどのように始まり、現在の姿のように進化してきたかを研究する分野で、現代天文学の中でも非常にホットな分野だ。かつては空想の世界だったが、観測技術の進歩により、かなりのことがわかるようになった。この巻では、相対論的宇宙論やビッグバンモデル、インフレーション理論など、宇宙が誕生してから38万年後までの初期宇宙が紹介されている。なぜ38万年後という数字が出てくるかというと、実はそのとき、「宇宙の晴れ上がり」という劇的なできごとがあったからだ。誕生したばかりの宇宙は、原子がイオン化して陽子と電子に電離したプラズマ状態にあり、光はまっすぐ遠くまで飛ぶことがなかった。それが38万年後、宇宙が膨張して温度が下がったため、陽子と電子は結合し、光がまっすぐ飛ぶようになった。これは例えて言えば、雲の中を飛んでいた飛行機からは雲の表面しか見えないが、雲から出たとたん、遠くの景色が見えるようなものだ。また、初期宇宙は非常に小さかったので、宇宙論と素粒子物理学は密接な関係がある。天文学の教科書ということで書かれたので、非常に専門的な内容だが、天文学の最前線に触れたい人にはいいだろう。

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2016年1月20日 (水)

アラン・リックマン

 イギリスの俳優アラン・リックマンが死去したとの報。リックマンと言えば、何と言っても映画「ハリー・ポッター」シリーズのセブルス・スネイプ役で有名だ。第1話「ハリー・ポッターと賢者の石」から最終話「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」まですべての作品に登場するが、最後の最後に真の姿を現し、ハリーに大きな勇気を与えた。その間、10年にわたって、実に謎めいた役割を見事に演じきった。バリトンの美声もすばらしかった。

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2016年1月19日 (火)

TIME/タイム

 映画「TIME/タイム」は、科学技術の進化により老化が完全になくなり、すべての人間の成長が25歳でストップする近未来を描いた作品だ。この世界の唯一の通貨は時間で、すべての人間の左腕には「ボディ・クロック」と呼ばれるデジタル時計が刻まれ、25歳になった瞬間に残りの余命がカウントダウンされる。世の中は富裕層と貧困層の格差社会になっていて、貧困層は長生きできないが、富裕層はいくらでも長生きすることができる。そして、貧困層出身の青年ウィルがふとしたことから時間を譲り受け、本来なら入れないはずの富裕層の住むゾーンに足を踏み入れる。ウィルはそこで大富豪の娘シルビアと出会うが、時間を監視する時間監視局員(タイムキーパー)に追われ、シルビアを連れて逃亡する。2人は逃亡生活を共にするうちに、この世界はおかしいと気づき、世界を変えようという試みを始めるのだった。というわけだが、まあこれは実物経済(実体経済)をはるかに超えて金融経済が肥大化した現代資本主義社会を風刺してるんだろうな。物語の設定上、見た目が25歳以上の登場人物がいないので、俳優もみな若者ばかりだ。

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2016年1月18日 (月)

キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「英雄コナン」シリーズ第2作「キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2」は、コナンが女王タラミスの依頼を受け、ジェナ姫を連れて「眠れる神」ダゴスを復活させるための角を探す旅に出るストーリーだ。旅の途中で仲間に加わる女戦士ズーラを演じるのはミュージシャンのグレイス・ジョーンズで、本作の翌年に出演した007「美しき獲物たち」とそっくりそのまんまだ。また、ジェナ姫を演じたオリヴィア・ダボは、007「リビング・デイライツ」のボンドガールであるマリアム・ダボのいとこだという。コナンを苦しめる戦士の中に、プロレス技を使う俳優がいたが、シュワルツェネッガーの体を軽々と持ち上げていたので、誰かプロレスラーだろうか。ジェナ姫のボディガードがこれまたシュワルツェネッガーをはるかに上回る長身で、誰かと思ったら元NBAの大スター ウィルト・チェンバレンという俳優だった。

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2016年1月17日 (日)

イレイザー

 アーノルド・シュワルツェネッガーとミュージシャンのヴァネッサ・ウィリアムスが共演した映画「イレイザー」は、アメリカの証人保護プログラムを扱ったストーリーだ。証人保護プログラムとは、裁判などに際し証人を保護する制度で、場合によっては元の身分を消去(イレイズ)してまったくの別人に仕立て上げられ、手厚い経済的援助も与えられるという。ジョン・クルーガー連邦保安官(シュワルツェネッガー)はその証人保護プログラムのエージェント「イレーザー」だ。クルーガーは、最新兵器の密輸事件の証人であるリー・カレン(ウィリアムス)の保護を命じられるが、極秘の場所で保護されているはずの証人たちが次々と殺され、自らも何者かに命を狙われる。事件の黒幕はクルーガーの上官と政府高官だったのだ。カレンを拉致され、ピンチに陥るクルーガーだったが、かつて保護した証人たちの助けもあって、黒幕たちを裁判に引っ張り出すことに成功する。しかし、骨の髄まで悪い奴らに裁判など無用だ。黒幕たちはクルーガーを殺そうと考えるが、それを読んでいたクルーガーは彼らを消去するのだった。クルーガーの上官(黒幕じゃない方)役でジェームズ・コバーンが出演していて、渋い演技を見せてくれている。

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2016年1月16日 (土)

プレデター

 アーノルド・シュワルツェネッガーの強さはついに宇宙人を越えた。という非常に単純なコンセプトでつくられたんだろうなという映画が「プレデター」だ。アラン・”ダッチ”・シェイファー少佐(シュワルツェネッガー)率いる特殊部隊が、人質救出のためゲリラが潜伏するジャングルに向かうのだが、そこには第三の見えない敵がいて、ダッチの仲間たちは次々とやられてしまう。この見えない敵は、人類より進んだ科学技術を持ち、身体能力も優れた宇宙人プレデターだった。プレデターは、どこか遠い星からわざわざ地球にやってきて、ジャングルに潜み、人間狩りをしていたのだ。まあ映画なのでとやかく言ってもしょうがないのだが、人類より進んだ科学技術を持つ知的生命体が、そんなちっちゃいことしに地球に来ることなんてあるんかいな。とにかく、シュワルツェネッガーと対等に戦える地球人はもはやいないということで、宇宙人が起用されたんだろう。ダッチの仲間の一人を演じているジェシー・ベンチュラは元プロレスラーで、引退後はミネソタ州知事も務めた。

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2016年1月15日 (金)

タカハシ赤道儀②

 タカハシEMー11とEMー200との比較第2回目は、EMー200について。
②EMー200
 EMー200はEMー11の上位機種で、本体重量16.5㎏とかなり重くなるが、搭載重量は16㎏で、EMー11と比較すると2倍の搭載能力がある。これなら大きめの望遠鏡にカメラ、オートガイダー、オートフォーカサーなどの装置をつけても問題ないだろう。極軸望遠鏡は明視野照明つきの倍率9倍、時角早見スケールつきで、極軸セッティングは簡単そうだ。自動導入の最高速度も700倍速とかなり遅い。しかし、EMー200の本体重量は16.5㎏もあるので、持ち運びは大変だし、クマ出没の際は置き去りにして逃げるしかない(実際にはEMー11でも置き去りにするしかないだろうが)。EMー200はやはり、ある程度ちゃんとした観測小屋を建て、屋内に据え付けるのがいいんだろう。いずれ個人天文台を持ちたいぼくとしては、EMー200はなかなか魅力的だ。ただ、当然価格は高く、43.5万円とEMー11の1.6倍もする。将来もっと本格的な個人天文台を建て、より大きな赤道儀を導入することがあるかもしれないと考えると、EMー200をそのつなぎとするのももったいない気がする。う〜ん、迷うところだなぁ。

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2016年1月14日 (木)

タカハシ赤道儀①

 これまでタカハシの赤道儀はTS式40㎜屈折赤道儀H型とスペースボーイの2機を所有し、スペースボーイは今でも使っているが、これはいわゆるポタ赤(ポータブル赤道儀)というやつなので、もっと大きな赤道儀がほしいなと思っていた。どのクラスの赤道儀にするかはいろいろ考え方があるが、クルマでの持ち運びが容易で自動導入、口径10㎝クラスの望遠鏡の搭載が可能な機種となると、EMー11かEMー200の2機種に絞られるだろう。そこで、この2機種をいろいろな点から比較してみようと思う。ちょうど自動導入システムもTemma2Zという新型に変わったばかりだし。
①EMー11  EMー11はタカハシの自動導入赤道儀の中では一番小さな機種で、本体重量7.3㎏、搭載重量8.5㎏、価格は27.5万円だ。EMー200と同様、赤経・赤緯両軸受けにベアリングを使用していて、小型機だが強度・精度の高さをうたっている。極軸望遠鏡は明視野照明つきの倍率6倍で、時角を計算して北極星を導入するタイプだが、この点は倍率9倍で時角早見スケールつきであるEMー200の方が極軸セッティングは容易だろう。自動導入の最高速度は150倍速で、EMー200の700倍速よりはかなり遅い。しかし、EMー200の本体重量は16.5㎏もあるので、クマ出没で逃げるときはEMー11の方が有利だ。というわけで、クルマで持ち運ぶという今の撮影スタイルからすると、EMー11の方がいいんだろうなぁ。

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2016年1月13日 (水)

オーシャンズ13

 ジョージ・クルーニー主演の映画「オーシャンズ」シリーズ第3作「オーシャンズ13」は、ダニー・オーシャンとその仲間たちが、再びラスベガスのカジノを舞台に大泥棒を働くストーリーだ。オーシャンズの敵となるのはホテル王ウィリー・バンク(アル・パチーノ)。バンクはオーシャンの仲間を裏切り、共同経営しようとしていたホテルを独り占めする。オーシャンたちは復讐のため、バンクが建設した豪華ホテルとカジノを混乱させ、評判を地に落とそうとする。途中で資金難となったオーシャンたちは、宿敵であるカジノのオーナー テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)に援助を求める。敵の敵は味方というやつだ。難攻不落の要塞であるカジノホテル「バンク」を落とすため、オーシャンたちは大がかりな計画を実行するのだった。本シリーズのオリジナルである1960年の映画「オーシャンと十一人の仲間」でオーシャンを演じたフランク・シナトラへのオマージュもあり、シナトラの曲も流れる。また、ホテルのイベントでは、相撲や日本酒の久保田が登場するなど、日本人ファンへのサービス?も忘れてない。

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2016年1月12日 (火)

コマンドー

 映画「ターミネーター」で大人気となったアーノルド・シュワルツェネッガーが、元米軍特殊部隊隊長として悪い奴らをバッタバッタとやっつける、単純明快、痛快無比な映画が「コマンドー」だ。ジョン・メイトリックス(シュワルツェネッガー)は、愛娘ジェニーのために軍を退役し、人里離れた山荘で暮らしていたが、ある日突然、何者かの襲撃を受け、ジェニーを拉致される。かつてメイトリックス率いるコマンドー部隊は、バル・ベルデという国の独裁者を失脚させたことがあるが、その一味が復讐を開始したのだ。メイトリックスはジェニーを人質に取られ、バル・ベルデの現大統領を暗殺するよう強要される。バル・ベルデ行きの飛行機に乗せられたメイトリックスは、離陸直前に飛行機を脱出し、ジェニーの救出に向かう。ここからはとにかくハチャメチャで、メイトリックスの人間離れしたパワーで犯人たちをバッタバッタとやっつけていく。最後はメイトリックスに恨みを持つ元部下ベネットとの一騎打ちとなるが、このベネット、ビルドアップされたシュワルツェネッガーに比べ、たるんだ体型であるのはちょっとご愛敬だ。

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2016年1月11日 (月)

競馬場

 久しぶりに競馬場で競馬観戦をした。馬産地で生まれ育ったので、生まれたときから馬は身近な動物だった。北海道で生まれ育ったサラブレッドが東京に出てきて競馬場で活躍するのを見ていると、大きな声援を送りたくなる。回りの競馬ファンのおっさんたちは、別の理由で声援を送っているようだが。とにかく、競馬場というのはなかなか活気にあふれた場所だ。

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2016年1月10日 (日)

ブリッジ・オブ・スパイ

 1960年代に実際にあった東西両陣営間のスパイ交換事件を、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演で映画化したのが「ブリッジ・オブ・スパイ」だ。アメリカで画家を装ってスパイ活動をしていたソ連のルドルフ・アベルが、FBIに逮捕された。アベルの弁護を引き受けたニューヨークの保険専門の弁護士ジェームズ・ドノヴァン(ハンクス)は、国内から強い批判を浴び、時に嫌がらせを受けながらも、死刑判決を回避することに成功する。ドノヴァンは、アベルを生かしておくことがいずれ国益になると考えていた。その予感は的中、ソ連で偵察飛行していたU−2が撃墜され、パイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズが逮捕されるという事件が起きる。さらにまた、ベルリンでは、アメリカからの留学生フレデリック・プライヤーがスパイ容疑で東ドイツに逮捕されるという事件も起きる。ドノヴァンはパワーズとプライヤーを救出するため、ソ連と東ドイツの2カ国を相手にした交渉に臨むのだった。最後のシーンで撮影が行われたドイツのグリーニッケ橋は、実際にスパイ交換に使われた場所で、今では観光名所になっているそうだ。映像にも冷戦時代の雰囲気がよく出ていて、なかなかおもしろかった。

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2016年1月 9日 (土)

オーシャンズ12

 ジョージ・クルーニー主演の映画「オーシャンズ」シリーズ第2作「オーシャンズ12」では、タイトルどおりに仲間が1人増える。前作「オーシャンズ11」で大金を手にした仲間たちだが、金を盗まれたラスベガスのカジノのオーナー テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)から、利子をつけて返すよう脅される。このままでは殺されるということで、ダニー・オーシャンたちはアムステルダムを拠点に、せっせと泥棒を繰り返して金を貯めようとするのだった。しかし、オーシャンたちの計画はなぜか事前に漏れているようで、狙った獲物はすでになくなっていた。「ナイト・フォックス」と名乗る泥棒が、「泥棒世界一」を誇示するため、オーシャンたちの獲物を横取りしていたのだ。というわけで、オーシャンズ12対ナイト・フォックスの泥棒世界一決定戦が始まる。本作でも最後にどんでん返しがあったり、ブルース・ウィリスがカメオ出演したりしていて、にぎやかな展開だ。

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2016年1月 8日 (金)

オーシャンズ11

 フランク・シナトラとサミー・デイヴィスJr.主演の映画「オーシャンと十一人の仲間」は、ダニー・オーシャンとその仲間たちがラスベガスのカジノで大泥棒を働こうというコメディータッチのギャング映画だ。これをリメイクしたのが2001年の映画「オーシャンズ11」で、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピット、マット・デイモンら大物スターがぞろぞろ出演している。刑務所から仮出所したダニー・オーシャン(クルーニー)は、仮出所中であるにもかかわらず、早速次の計画を実行に移す。その計画とは、ラスベガスの3大カジノの大金が集まる金庫から、巨額の金を盗むという壮大なものだった。もちろん警備はめちゃくちゃ厳重で、実行不可能に近い。オーシャンの仲間たちはそれぞれが特技をもっていて、あの手この手、総力を挙げて計画を実行するのだった。失敗か?と思ったところでどんでん返しがあったりして、最後まで目が離せない展開だ(まあ映画だから主役が失敗するわけないが)。

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2016年1月 7日 (木)

アルマゲドン2014

 彗星や小惑星(の破片)が地球に衝突するというのはこれまでにもあったようで、中でも6500万年前、メキシコのユカタン半島に落下した直径10㎞の巨大隕石が、恐竜をはじめ生物の大量絶滅をもたらしたという話は有名だ。当然ハリウッドとしても映画化にはうってつけの材料だろうから、これまでにも「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」といった作品が公開されている。「アルマゲドン2014」は、「アルマゲドン」とは直接の関係はないようだが、これまた小惑星が地球に衝突する危機を描いた映画だ。前2作が核兵器で彗星や小惑星の軌道を変えようとしたのに対し、本作では地球の軌道を変えるという奇抜なストーリーとなっている。ま、内容としてはいろいろ?という点もあるが、SF映画なのでおおらかな気持ちで見よう。映画007「消されたライセンス」で麻薬王サンチェスを演じたロバート・デヴィが主役級で出演していて、健在ぶりを見せてくれる。

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2016年1月 6日 (水)

007「黄金の銃を持つ男」(マンガ)

 イアン・フレミングの小説007シリーズ「黄金の銃を持つ男」は、ジェームズ・ボンドと超一流の殺し屋フランシスコ・スカラマンガとの戦いを描いているが、ロジャー・ムーアとクリストファー・リー主演で映画化(「黄金銃を持つ男」)された。小説版では前作「007は二度死ぬ」で記憶喪失となったボンドが、KGBによって洗脳され、Mを暗殺しようとするが、今回復刻されたさいとう・たかお版「黄金の銃を持つ男」でも、Mに恨みを持つ国際犯罪者によって同じような目に遭う。回復したボンドは、Mからスカラ・マングという暗黒街を支配する世界的暗殺者を追うよう指令を受け、暗黒街のボスの一人に取り入り、用心棒となる。スカラ・マングとの決闘に臨んだボンドは、死闘の末にスカラ・マングを倒し、瀕死の重体になるが、Mは「007は不死鳥のように起き上がる男だ」と笑みを浮かべるのだった。

 

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2016年1月 5日 (火)

007「女王陛下の007」(マンガ)

 イアン・フレミングの小説007シリーズ「女王陛下の007」は、ジェームズ・ボンドが結婚するというちょっと異色のストーリーで、2代目ボンド ジョージ・レーゼンビー主演で映画化された。今回復刻されたさいとう・たかお版「女王陛下の007」は、ほとんどオリジナル作品で、ボンドの敵もスペクター首領ブロフェルドからミスター・ビッグに替わっている。小説・映画版でボンドと結婚するトレーシーも登場するが、ボンドとは特に深い関係になることもなく、むしろ初めはボンドを狙うスペクター幹部エミリオ・ラルゴの妹ソフィヤの方といい雰囲気になる。ボンドは犯罪組織ユニオン・コルスの協力も得て、ついにミスター・ビッグを倒すのだった。

 

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2016年1月 4日 (月)

平将門首塚

 千代田区大手町にある平将門首塚は、数々の伝説に彩られた場所だ。現在は千代田区外神田にある神田明神(神田神社)も、台東区西浅草にある神田山日輪寺も、もともとはこの地にあった。10世紀半ば、坂東(今の関東)で乱を起こした将門は939年12月、坂東諸国の国府を占領して「新皇」を自称するが、翌940年2月、本拠地である下総国石井(しもうさのくにいわい)で藤原秀郷・平貞盛らに討たれる。将門の首は京の都でさらされるが、ある夜、空高く舞い上がり、坂東めざして飛び去った。それが力尽きて落ちたのがこの地であるという。神田明神が初詣客で賑わう正月、首塚にもひっきりなしに参拝客が訪れていた。

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2016年1月 3日 (日)

神田明神(神田神社)

 江戸総鎮守である神田明神(神田神社)は、奈良時代の730年に創建された歴史ある神社だ。もともとは現在の千代田区大手町にあったが、江戸時代初期に現在の千代田区外神田に移転した。平安時代の940年、平将門が討たれ、近くに首塚がつくられたが、天変地異が頻発したため、将門もまつられることになった。時に鎌倉時代、1309年のことだという。江戸時代には幕府によって手厚く扱われ、江戸総鎮守として庶民からも崇敬を受けた。明治時代には、将門は朝敵だということで祭神から外されたが、戦後は再び祭神としてまつられている。神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内など108の町の総氏神ということで、正月は多くの参拝客で賑わっていた。

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2016年1月 2日 (土)

富塚古墳

 新宿区西早稲田の水稲荷神社の裏にある富塚古墳は、「戸塚」の町名の起源となった古墳だそうだ。ただし、もともとは水稲荷神社とともに早稲田大学の構内にあったが、1963年に現在地に移転している。江戸時代には富塚古墳に土を盛って富士山に見立てる富士塚が造営され、高田富士と呼ばれていたという。その高田富士、現在は早稲田大学キャンパスの下になってしまったが、歌川広重の絵で当時の雰囲気を知ることができる。

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2016年1月 1日 (金)

稲荷鬼王神社

 新宿区歌舞伎町にある稲荷鬼王(いなりきおう)神社は、一説には平将門の幼名「外都鬼王」「鬼王丸」から名前を取って名付けられたという。ただ、創建されたのは江戸時代なので、実際のところどうなのかはわからない。ちょっとおどろおどろしい名前の神社だが、正月が近いせいか、参拝者の家庭の雑煮の写真がいっぱい展示されていた。なんでも、2007年から始まった年越しの風物詩らしい。鬼も正月は雑煮を食べるのだろうか。

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