« 2015年11月 | トップページ | 2016年1月 »
新宿区筑土八幡町にある筑土八幡(つくどはちまん)神社は、平将門とちょっと関係がある。正確には、現在は千代田区九段にある、将門をまつった築土(つくど)神社が江戸時代から戦後まで、筑土八幡神社の隣にあったのだ。さらにさかのぼると、築土神社は現在の千代田区大手町、将門の首塚のそばにあったそうだ。将門が討たれた940年、現在の大手町は津久戸(つくど)村という村だったので、最初は津久戸明神という名前だったらしい。これが室町時代に現在の千代田区九段坂上に移転させられ、田安神社という名に変わった。そして江戸時代初期に筑土八幡神社の隣に移転させられ、築土明神と呼ばれるようになったそうだ。同じ「つくど」と読む名称が3つも出てきてちょっとややこしい。筑土八幡神社の創建は将門の時代よりさらに百年ほど古いそうで、歴史ある神社だ。
台東区鳥越にある鳥越神社は、651年の創建、日本武尊が東国平定の道すがら、この地に滞在したことから、村民が白鳥明神として奉祀したのが起源だと伝えられている。その後、1050年頃、源頼義・義家父子が奥州に向かう際、名も知らぬ鳥が越えるのを見て浅瀬を知り、隅田川を渡ったということで、鳥越大明神と名付けられたという。この鳥越神社、実は平将門にまつわる伝説がある。将門の首は京の都、都大路でさらされたが、3日目の夜、突如夜空に舞い上がり、東国めざして飛んでいった。そして、将門の首がこの神社を飛び越えたので、鳥越神社と呼ばれるようになったというのだ。別の言い伝えでは、ここには将門の手が埋められているともいう。果たして、真相はいかに?
映画「スター・ウォーズ」シリーズのエピソード7に当たる「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は、エピソード6「ジェダイの帰還」から30年後の時代を舞台としている。皇帝の死後、新共和国が発足したが、帝国軍の残党はまだ残っていて、「ファースト・オーダー」と呼ばれる強力な軍事力を持つ組織が自由な世界を脅かそうとしていた。レジスタンスのレイア・オーガナ将軍は、唯一生き残ったジェダイである兄ルーク・スカイウォーカーの力を必要としていたが、ルークは姿を消したまま長い年月が経っていた。ということで、レイ(デイジー・リドリー)やフィン(ジョン・ボイエガ)ら新しいキャラクターをはじめ、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)やルーク(マーク・ハミル)、レイア(キャリー・フィッシャー)ら旧3部作の主要メンバーも勢ぞろいして、今ここに新たな「スター・ウォーズ」サーガがスタートした。タイトルに「フォースの覚醒」とあるとおり、ファースト・オーダーとの戦いを通じて、新キャラクターがフォースに目覚める。それはもちろん、スカイウォーカーの血を引く者だ。そう、「スター・ウォーズ」サーガは、家族の物語でもあるのだ。期待以上のできだと言っていいだろう。やるじゃん、J.J.エイブラムス!
アメリカの物理学者レオナルド・サスキンドによるスタンフォード大学の社会人向けプログラムの書籍化第2弾は、「スタンフォード物理学再入門 量子力学」だ。量子力学というのはとにかく奇妙なものであり、それを使えることはできても、本当に理解することはできないと言われている。量子力学の「父」であるアルベルト・アインシュタインも、量子力学を徹底的に疑ってかかり、量子力学に矛盾があることを示そうとした。サスキンドは本書で、通常の教科書が量子力学の計算をマスターすることを目的として書かれているのに対し、量子の論理がいかに奇妙であるかを前面に出した説明をしている。「スタンフォード物理学再入門」シリーズはこの後、特殊相対性理論も刊行されるようだから、いずれは「ファインマン物理学」に並ぶシリーズになるかもしれない。
アメリカの物理学者レオナルド・サスキンドは、スティーヴン・ホーキングとの論争「ブラックホール戦争」で有名だが、物理を説明することを楽しみとしてきたそうだ。サスキンドはスタンフォード大学で教授を務めてきたが、同大学には社会人向けプログラムがあり、サスキンドはある日、このプログラムが自分にぴったりであることに気づき、喜んでこの仕事を引き受けた。サスキンドの授業は録画され、インターネットで公開されたが、大人気になった。これを書籍化したのが「スタンフォード物理学再入門 力学」だ。一般向けの科学本は普通、数式をほとんど使わないが、ある程度学んだことのある人にとっては、むしろ数式を使う方がわかりやすい。本書は社会人向けとはいえ、ある程度本格的に物理を学びたい人向けに書かれているので、数式もたくさん出てくる。一般書より上のレベルの本を読みたい人にはちょうどいい感じだ。ぼくもこれで物理学に再入門してみるつもりだ。
J・J・エイブラムスによる「スター・トレック」シリーズでウフーラを演じているゾーイ・サルダナ主演の映画「コロンビアーナ」は、いかにもリュック・ベッソンという感じの、悲しき女殺し屋の復讐劇を描いた映画だ。コロンビアのマフィアの幹部の娘カトレアは、父と母をマフィアに殺され、アメリカへと逃亡する。シカゴにいる叔父のもとに身を寄せたカトレアだが、成長した彼女は美しい殺し屋になっていた。カトレアは両親の敵に自分の犯行だとわかるよう、犯行現場にカトレアの印を残すが、恋人をつくったばかりに、マフィアだけでなくFBIやCIAにも追われることになる。やはり殺し屋稼業は家族や恋人など持ってはいけない。FBIの追跡を振り切ったカトレアだが、叔父もまたマフィアに殺されてしまう。復讐は復讐しか生まないのだ。ついに両親の敵を討ったカトレアは、街を去る。しかし、彼女に行く場所などあるのだろうか。
明け方の空にカタリナ彗星がいるということで、天気予報もよさそうなので、撮影のため北海道に帰った。月が沈むのは夜半過ぎなので、いつもの撮影地で待機していると、雲一つない好天で、月明かりの下、冬の星空が輝いていた。しかし、月が西に傾き、そろそろ望遠鏡のセッティングをしようとしたところ、非情にも雲が。しばらくして南天は晴れてきたものの、北極星はずっと雲に隠されたまま。そうなのだ。北極星が見えないと、赤道儀の極軸合わせができず、撮影が始められないのだ。ようやく北極星を覆う雲がなくなり、あわてて望遠鏡のセッティングを開始。まずはかみのけ座をテスト撮影した。かみのけ座はほぼ全体がMel.111という散開星団になっていて、この近くにはかみのけ座銀河団やおとめ座銀河団がある。しかし、その後も構図合わせに手こずり、なかなか撮影が進まない。しかも、肝心のカタリナ彗星がみつからない。なんと、位置を間違えていたのだ。そうこうしているうちにまた雲がやってきた。じゃんじゃん撮影しようと計画していた春の銀河も、カタリナ彗星も、すべては露と消えたのだった。しかも、事前の天気予報では晴れそうだった翌日の夜はなんと雨。その夜、陸別町の銀河の森天文台では、低緯度オーロラの撮影に成功したそうだ。彗星とオーロラを一度に見るという一生に一度かもしれないチャンスを逃してしまった!
2015年12月20日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒
イアン・フレミングの小説007シリーズ「サンダーボール作戦」は、ショーン・コネリー主演で映画化されたが、著作権問題でいろいろとモメた作品だ。そのため、後には、本家007シリーズとは別の制作者によって「ネバーセイ・セバーアゲイン」という番外編も制作された。さいとう・たかおが劇画化した「サンダーボール作戦」は、ストーリーはほぼ同じだが、敵は「スペクトル」のミスター・ビッグだ。発音の問題もあるが、「スペクター」と「スペクトル」はもともとは別の言葉で、後者は光学用語だ。しかし、ぼくらの世代では、スペクトルと言えばスペクトルマンだろう。公害Gメンの一員である主人公がスペクトルマンに変身し、地球侵略を企てる宇宙猿人ゴリとその部下ラーと戦うという人気ドラマだった。
イアン・フレミングの小説007シリーズは、「ゴルゴ13」のさいとう・たかおがかつて劇画化したが、このたび全4巻が復刻されることになった。第1弾「死ぬのは奴らだ」は、小説では第2作、映画では第8作に当たる作品で、いずれも黒人犯罪王ミスター・ビッグとの戦いを描いている。ただし、さいとうのインタビューによると、さいとう本人は小説を読んでなくて、アシスタントに読ませてストーリーを聞いたので、ほとんどオリジナル作品になっているそうだ。さいとう版「死ぬのは奴らだ」が刊行されたのは、ロジャー・ムーア主演で映画化されるより前なので、007のイメージはかなり違う。もちろん、現在のゴルゴ13とも違うが、むしろ初期のゴルゴ13に近いかもしれない。
スパイドラマと言えばアメリカで1966年から8年間にわたって放映され、日本でも大人気となった「スパイ大作戦(MISSION:IMPOSSIBLE)」が有名だが、「スパイ大作戦」が始まる前年にも、2人のCIAエージェントが活躍する「アイ・スパイ(I SPY)」というドラマが放映されていた。これをリメイクしたのがエディ・マーフィ主演の映画「アイ・スパイ」で、CIAエージェントのアレックス・スコット(オーウェン・ウィルソン)が、大統領から直々に協力を依頼された無敗のボクシング・チャンピオン ケリー・ロビンソン(マーフィ)とコンビを組み、盗まれた最新鋭ステルス戦闘機の奪回に奔走する。もちろん、マーフィが主役なので、シリアスなスパイ映画ではない。最初から最後までコメディな展開で、ファムケ・ヤンセン演じるレイチェル・ライトも敵なんだか味方なんだかよわからない。一世を風靡したマーフィのマシンガントークも健在だ。
「フィクサー」という言葉は「黒幕」というような意味で使われることが多いが、アメリカでは悪徳弁護士のこともフィクサーと呼ぶようだ。ジョージ・クルーニー主演の映画「フィクサー」は、ニューヨークの大手法律事務所に勤めるフィクサーたちの苦悩を描いた作品だ。クルーニー演じるマイケル・クレイトンは、事件のもみ消しなどの裏仕事に嫌気が差し、足を洗いたいと考えていたが、同僚であり友人でもあるアーサー・イーデンス(トム・ウィルキンソン)が精神的におかしくなり、その対応に迫られる。イーデンスは敏腕弁護士だが、顧客企業の悪事に気づき、良心の呵責に耐えられなくなっていたのだ。イーデンスは自殺に見せかけて殺されるが、クレイトンもクルマに爆弾を仕掛けられ、危うく殺されそうになる。しかし、さすがに長年フィクサーとして裏仕事をしてきたクレイトンだ。クレイトンは自ら爆弾で死んだと見せかけ、自分を殺そうとした悪徳企業の幹部を見事に罠にかける。ハデなアクションシーンはないが、シリアスな展開が続く映画だ。
湯川秀樹は1970年、京都大学を定年退官して名誉教授となるが、その後も精力的に全国各地での講演、講義や著作活動を行った。中でも1974年に日本大学で3日間行った講義は、「物理講義」として刊行されている。この「物理講義」に湯川の年譜やアルバムをつけ、著名人らの特別寄稿を集めたものが「『湯川秀樹 物理講義』を読む」という本だ。湯川は中間子(メソン)の存在を理論的に予言し、ノーベル物理学賞を受賞するが、その後に確立した素粒子物理学の「標準模型」では、中間子はクォークと反クォークから構成される粒子であることがわかった。湯川は「物理講義」の中で、自らが研究した素粒子の世界の奇妙さから話を始め、湯川自身が構成し直した物理学の世界を語っている。湯川は翌1975年にがんの手術を受け、その後は以前の健康状態に戻ることなく、1981年に死去する。したがってこの「物理講義」は、湯川が到達した最終段階の物理観だと言えるだろう。
映画「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」の中で、銀河共和国は解体、ダース・シディアスを皇帝とする銀河帝国に再編される。オーダー66によりジェダイの騎士はほとんどが殺され、宇宙は恐怖によって統治されることになる。アニメドラマ「スター・ウォーズ 反乱者たち」は、帝国の支配が続く中、フォースを持つ少年エズラ・ブリッジャーとその仲間たちの活躍を描いたものだ。アメリカでは昨年からシーズン1がスタートし、現在、シーズン2が放映されているが、日本でも今年からシーズン1がスタートした。帝国と戦う反乱者たちはこの後反乱同盟軍を結成、アナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラの双子の妹であるレイア・オーガナはそのリーダーの一人となり、ジェダイ・マスター オビ=ワン・ケノービに助けを求める。これが「エピソード4 新たなる希望」だ。
映画「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」では、銀河共和国と分離主義勢力との間でクローン戦争が勃発する。アニメ映画「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」はこのクローン戦争の一場面を描いたもので、銀河共和国元老院のパルパティーン最高議長(=ダース・シディアス)やドゥークー伯爵(=ダース・ティラナス)のほか、アナキン・スカイウォーカーのパダワン アソーカ・タノ、ダーク・ジェダイであるアサージ・ヴェントレスなどのオリジナルキャラクターが登場する。ストーリーは、ジャバ・ザ・ハットの息子が誘拐されるという事件が発生、ジャバが共和国に息子の救出を依頼するというちょっと意外な内容だ。宇宙のギャングと恐れられるハット族だが、子どもの頃は割とかわいく、アソーカもよく面倒を見ている。アナキンらの活躍によって事件は無事解決するが、この後「スター・ウォーズ」サーガは「エピソード3 シスの復讐」へと突き進んでいく。
いよいよ今週、映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が公開される。「A long time ago in a galaxy far, far away…」で始まる壮大なサーガは、初公開から40年近い年月が経とうとしている今なお、世代を超えて世界中の人たちを魅了し続けている。シリーズには、「May the Force be with you」をはじめとする多くの印象的なセリフがあるが、これらを集めたのが「スター・ウォーズ ベストフレーズブック」だ。「スター・ウォーズ」の英語は、そんなに難しい単語はないが、なかなかニュアンスがつかみにくいものも多い。ぼくも日常生活ではまったく英語を使うことがなく、映画で聴く程度だが、この本で久しぶりにちょっと英語の勉強でもしてみようっと。
天文ファンにはおなじみの白河天体観測所が昨年、半世紀にわたる歴史に幕を閉じた。東日本大震災で甚大な被害を受け、創立メンバー5人のうち3人が天界に昇ったことで、店じまいになったということだ。ぼくが天文ファンになった当時から、白河天体観測所はしょっちゅう天文ガイドの誌面に登場していて、「所長犬」であるアイヌ犬「チロ」も活躍していた。創立メンバーの1人である天体写真家 藤井旭が書いた「白河天体観測所」は、懐かしの写真もふんだんに掲載して、白河天体観測所の半世紀にわたる歴史を振り返ったエッセイ集だ。ぼくもいずれ個人天文台をつくりたいと思っているが、そう思うようになったのはやはりこの白河天体観測所の影響が大きい。
2005年のノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章による初の単著が「ニュートリノで探る宇宙と素粒子」だ。この世で最も大きいものである宇宙と、最も小さいものである素粒子は、実は非常に深い関係にある。素粒子物理学は20世紀に入ってから大きな発展を遂げていくが、その成果は「標準模型」という形にまとめられている。その中の一つであるニュートリノは、もともとは原子核の崩壊という現象からその存在が予言された。電荷を持たず、質量もゼロかごくわずかということで、人間の体も地球もほとんどそのまま通り抜けてしまう、幽霊のような素粒子だ。実際にニュートリノの存在が確認されたのは20世紀半ばで、1987年には小柴昌俊らカミオカンデのグループが、超新星からのニュートリノを初めて検出することに成功した。本書は、ぼくもこれから読むところだが、ニュートリノ研究をリードしてきた梶田が、自らの研究成果であるニュートリノ質量の発見をはじめ、ニュートリノの基礎理論から最新の発見までをわかりやすく解説している。「純粋科学は人類の知の地平線を拡大するようなもの」という梶田の名言とともに味わってみたい本だ。
RSタイチのeヒートグローブの電源は、リチウムイオンバッテリーまたはバイクのバッテリーから取る仕様になっている。リチウムイオンバッテリーを電源とする場合は、手首の部分にあるポケットにバッテリーを収納する。小型バッテリーなので、気になるほどの重さにはならない。スイッチは親指の付け根の部分にあり、グローブをしていても問題なく操作できる。3段階の温度調整が可能で、ハイパワーモードはレッド、ノーマルモードはオレンジ、エコノミーモードはグリーンのインジケーターが点灯する。気になる持続時間は、ハイパワーモードが2時間、ノーマルモードが3時間、エコノミーモードが4時間となっていて、ちょっと短い。まあバッテリーが小型なのでこれはしょうがない。また、充電時間が8時間というのもちょっと長い。長距離ツーリングをするならば、やはりバイクのバッテリーから電源を取るしかないだろう。
真冬のライディングはなかなか大変だ。防寒ウェアを着込めばそれなりに暖かくはなるが、着込めば着込むほど動きづらくなり、ライディングに支障が出かねない。特にグローブは、厚手のものだとアクセルやブレーキの操作がやりづらく、ワンテンポ遅れてヒヤッということにもなりかねない。もちろん、グリップヒーターを装着すれば手のひら側は温かくなるが、手の甲側はビュンビュン風が当たるので、やはり寒いことには変わりはない。ということで、以前から興味のあった電熱ウェアを導入してみることにした。電熱ウェアをラインアップしているメーカーは数社あり、ジャケット・ベストとパンツ、グローブの3点セットが基本だ。このうち今回は、あれこれ考えて試着もしたが、まずはグローブから試してみることにした。購入したのはRSタイチのeヒートグローブ、定価は14,000円だが、充電器・バッテリーセットが11,000円するので、しめて25,000円也。
2016年は皆既日食と金環日食が1回ずつある。3月9日の皆既日食は、インドネシアや太平洋海上で見られる。日本では、最大2割が欠ける部分日食として見られる。9月1日の金環日食は、アフリカ大陸中央部などで見られるが、日本からは見ることはできない。月食はない。1月9日には9年ぶりに水星の日面経過(水星が太陽面上を横切る)があるが、日本からは見られない。金星は前半は明けの明星だが、後半は宵の明星となる。火星は2年2ヶ月ごとに地球に接近するが、5月31日に最接近する。ただし、大接近ほどには近づかない。さそり座の赤い1等星アンタレスは、「火星に対抗するもの」という意味だが、その名のとおり夏の夜は火星とアンタレスが並んで赤い輝きを競い合う。近くには土星もあるので、見ものだろう。ペルセウス座流星群は8月12日深夜に極大を迎え、上弦の月が沈んだ後は好条件で観測できる。7月4日にはNASAの木星探査機ジュノーが木星の極軌道に入る。探査機が木星に接近するのは2007年のニュー・ホライズンズ以来だ。
あのジョン・トラボルタが、CIAのぶっ飛びエージェントとして、パリを舞台に大立ち回りを演じるのが映画「パリより愛をこめて」だ。在フランス・アメリカ大使館員のジェームズ・リース(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、ずっと憧れていたCIAの見習いエージェントとなるが、コンビを組まされたのはハチャメチだが凄腕のエージェント チャーリー・ワックス(トラボルタ)だった。ワックスはパリ到着早々、テロリストたちを撃ちまくる。やたらめったら射殺していくので、ただ単に手当たり次第やっているのではないかと思ってしまうが、実は非常に冷静に物事を分析していて、リースの恋人キャロリン(カシア・スムトゥニアク)が国際サミットを標的とするテロリストの一員であることも割とあっさり見抜く。リースは自爆テロを図るキャロリンを説得するが、スイッチが押される直前、真のCIAエージェントとして自らの使命に目覚めるのだった。
「北欧最強のスパイ」カール・ハミルトンが登場するスウェーデン映画「エージェント・ハミルトン」シリーズ第2作「エージェント・ハミルトン〜ベイルート救出作戦〜」でハミルトン(ミカエル・パーシュブラント)は、イスラム原理主義者のテロリストに誘拐された少女の救出に奔走する。ストックホルムに潜入したテロリスト・スレイマンを追う軍情報部と公安警察は、スレイマンを逮捕して黒幕を突き止めようとするが、反撃にあい、やむなく射殺してしまう。テロリストたちはその報復として、公安警察のエヴァの娘ナタリーを誘拐、コーランを読み上げさせる動画をネット上で公開する。事件の背後ではアメリカをはじめ各国の利害が複雑にからんでいて、スウェーデンとしては動きづらいのだが、ハミルトンはナタリーの名付け親であり、PLO工作員であるモナらの協力も得て、ナタリーの救出作戦を展開するのだった。水責めという世にも恐ろしい拷問を受けるハミルトンだが、事件の全容が明らかになるとともにハミルトンも救出される。黒幕とつながっていたのはやはり例の某超大国だった。さすがスウェーデン映画。
世界で最も有名な情報(諜報)機関はアメリカCIAやイギリスMI6、旧ソ連KGB、イスラエル モサドといったところで、映画業界も大いに彼らの世話になっているが、「北欧最強のスパイ」が登場するのがスウェーデン映画「エージェント・ハミルトン〜祖国を愛した男〜」だ。スウェーデンの特別諜報員カール・ハミルトン(ミカエル・パーシュブラント)は、スウェーデン製の武器をテロリストに売っているロシアのマフィア組織に潜入するが、謎の武装集団に襲撃され、間一髪でただ一人脱出する。謎の武装集団は、入手した武器でテロを実行し始めるが、最終的なターゲットはスウェーデン首相だった。ハミルトンは「北欧最強のスパイ」だけあって戦闘能力も非常に高いのだが、そのせいで愛する女性を反射的に殺してしまう。他人がすぐそばに近寄ると、体が勝手に動いて相手を攻撃してしまうというのは、まるでゴルゴ13だ。引退して彼女と結婚しようと考えていたハミルトンは苦悩し、自首することまで考えるが、祖国のために生きる道を選び、テロを阻止する。首相を演じているのは、映画「スター・ウォーズ」でアナキン・スカイウォーカーの母シミを演じたペルニラ・アウグストだ。
007第24作「スペクター」では、世界征服を企む悪の組織「スペクター」が復活する。もともと、イアン・フレミングの小説「カジノ・ロワイヤル」では、ボンドの敵は旧ソ連だったが、映画化するにあたって架空の組織に置き換えられた。そのスペクターの首領(No.1)はエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドで、これまでにドナルド・プレザンスやテリー・サバラス、チャールズ・グレイなどが演じている。また、007番外編の「ネバーセイ・ネバーアゲイン」では、マックス・フォン・シドーが演じた。ブロフェルドは猫好きで、本作でも愛猫が登場、ボンドの膝の上に乗っかったりする。本作でのブロフェルドはボンドと過去に因縁があり、途中でそれが明らかになるが、ボンドを恨むようになった理由は、世界征服を企む悪の組織の首領としてはちょっとちっちゃい。とにかく、最初から最後まで息をつかせぬアクションの連続で、気を抜くヒマもない。MI6と00(ダブルオー)部門そのものも存続の危機を迎え、MやQ、マネーペニーも大活躍する。ブロフェルドは逮捕されたが、まだ死んでいないので、次作でも大いに活躍してボンドを苦しめてほしいところだ。