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2015年11月17日 (火)

将門記の舞台を歩く⑥

 10世紀中頃、坂東(今の関東)で乱を起こした平将門の居館は、今の下妻市や常総市、坂東市あたりにあった。常総市向石下にある将門公苑には、豊田館趾の碑と将門のレリーフがある。将門は相馬小次郎とも豊田小次郞とも呼ばれたが、若い頃このあたりにいたのは間違いないのだろう。「野本合戦」に快勝した将門は、その後もおじの良正、良兼らとの合戦に勝ち、しばらくは快進撃が続く。これらの合戦は平氏一族内の争いだったことから、朝廷も将門寄りの姿勢で、将門にとっては悪い時期ではなかったろう。その後将門は本拠地を今の坂東市岩井に移し、石井(いわい)営所を築く。「将門記」によると、良兼が937年、将門の雑役夫である丈部(はせつかべ)小春丸をスパイとし、石井営所に夜襲をかけるものの、将門がわずかな手勢でこれを返り討ちにしたそうだ。

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